ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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UFOキャッチャ―にて偶然見かけたニンフィアのぬいぐるみが200円で取れて歓喜しているヌシです。愛の力ってすげー!

それはともかく、今回はリーリエの(色んな意味の)ライバルとしてある人物を出します。オリキャラでもよかったんですけどね……めんどくs……いえ、何でもありません。

公式とは全く性格違うでしょうが二次創作ならよくあることだし仕方ないよね?うん。

それと私用のためちょっと急いで書き上げたため内容がいつも以上に雑になってしまったのはちょいと反省。


ライバル登場!?

先日シンジの助力もあり、ジム戦での敗北を乗り越えることに成功したリーリエ。今もシンジと共に旅を続けている……のだが?

 

「シンジさ~ん!」

「え~と……」

 

今シンジの名前を呼んだのはリーリエではなく、別の一人の少女であった。その少女はシンジの腕にしがみついた状態で歩いているが、シンジもその少女の行為に少々戸惑っていたようだ。対してリーリエは彼女の事を恨めしそうな目で見ている。

 

(なんなんですかあの人!馴れ馴れしく初対面のシンジさんの腕を組むなんて!)

 

リーリエも心の中で彼女に届かない妬みの声を呟く。事の発端は少し前まで遡る……。

 

 

 

 

 

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「そこのあなた!あたしとバトルしなさい!」

「え?僕?」

 

リーリエとシンジが共に旅を続けていると、突然一人の少女がバトル相手としてシンジを指名してきた。少女は水色のタンクトップと赤色のミニスカートを着用し、白を基調としたモンスターボールをイメージしたような模様の入った帽子を被っている。デジャブのような光景を見て、リーリエも困惑している様子だ。

 

「旅に出てから手応えの無い相手ばかりだったのよね。あなたは少しは強そうだし、あたしの相手になってもらうわよ!」

 

突然のバトルの誘い、理由も理不尽なものではあるが、トレーナーとして挑まれたバトルを断るのは自分の流儀に反する。それにチャンピオン等の特別なトレーナーは基本フリーバトルを断る人も多いが、シンジは特にそう言ったことは気にしていない。寧ろ自分も公式試合以外でも、色々な戦いを経験したいと思っている。それゆえ、彼女に対しての返事は当然決まっていた。

 

「勿論!その挑戦受けて立つよ!」

「挑戦とは大きく出たわね。ま、そのくらいの余裕がなければ張り合いがないわよね。」

 

そう言いながら、少女は笑みを零し自分の名前を口にする。

 

「あたしはブルー!そしてこの子があたしの相棒よ!」

 

ブルーと名乗った少女はモンスターボールを上空へと放り投げる。そしてモンスターボールから一匹のポケモン、彼女の相棒であるポケモンが繰り出される。

 

『カメェ!』

 

ボールから出てきたのはカメールだった。オーキド博士から貰えるポケモンの一体、ゼニガメが進化した姿である。リーリエも本で何度か見たことはあるが、実物を見たのは初めてであるため、ポケモン図鑑に残そうと自分のポケモン図鑑を取り出す。

 

『カメール、かめポケモン。ゼニガメの進化形。尻尾や耳にはバランサーの役目も付いており、高速で水中を移動することもできる。背中に苔が生えたカメールは長く生きた証である。』

 

図鑑の説明に対し、リーリエは納得をして図鑑を懐にしまう。そして相手がポケモンを繰り出したのを確認し、続いてシンジも自分の信じるポケモンを繰り出すことにした。

 

「僕の名前はシンジ。じゃあここは君にお願いするよ。ブラッキー!」

『ブラッキ』

 

シンジが繰り出したのブラッキーだった。げっこうポケモンのブラッキー。当然イーブイの進化形であくタイプを所有しているが、水タイプとの相性は五分と言ったところ。つまりタイプ相性だけでは勝負の優劣は決まらないということだ。

 

「へえ、ブラッキーね。珍しいポケモン持ってるじゃない。じゃあ早速行かせてもらうわ!」

 

ブルーはそう言うと早速カメールに攻撃の指示を出す。

 

「カメール!みずてっぽう!」

 

先ずは堅実にみずてっぽうで牽制を仕掛けてくる。中々のスピードで直線的にブラッキーに向かう。そのスピードから、カメールがよく鍛えられていることが分かる。しかし、ブラッキーはそれを避ける動作をとらない。

 

「ブラッキー!まもる!」

 

ブラッキーはまもるによってみずてっぽうを無力化する。あっさりとみずてっぽうを防がれてしまったことに一瞬驚くブルーだったが、すぐに気を取り直して次の指示を出す。

 

「続いてロケットずつきよ!」

 

カメールは自らの甲羅に顔を引っ込め丸くなり、ブラッキー目掛けて勢いよく突撃する。この状態のときは攻撃力は勿論だが、防御力も上がっているため厄介な技と言える。

 

「ブラッキー!イカサマ!」

 

凄い勢いで突撃してくるカメールに対し、ブラッキーは正面から突っ込む。かと思いきや、少し体を逸らしカメールの攻撃をギリギリの位置で躱す。そしてそのままカメールを掴み地面へと投げ飛ばした。イカサマは自分の力ではなく、相手の攻撃を利用してダメージを与える変則的な技だ。知らずに対処するのは難しい技と言えるだろう。

 

しかしカメールは、地面で一度跳ね返ったものの、すぐさま受け身をとり態勢を整える。相手がいないと言うだけはあり、どんな状況でも対処できるように訓練を積んでいたのだろう。流石だとシンジも心の中で感心する。

 

「まだまだこれからよ!アクアテール!」

 

受け身をとった態勢からすぐに立て直し、カメールは水を尻尾に纏いアクアテールの態勢へと入る。そしてそのままブラッキーに接近し、ブラッキーが着地する瞬間を狙って攻撃を仕掛ける。流石にこれはマズいのではとリーリエも心配になるが、そんな心配はすぐに無くなる。

 

「あやしいひかり!」

 

ブラッキーの額の模様が文字通り怪しく光り、カメールの動きを惑わせる。あやしいひかりの効果によって混乱状態となってしまったカメールは、怯んでしまったためにブラッキーの居場所を掴みとれずに簡単に避けられてしまい空を切ることとなった。

 

「なっ!?そんな!?」

「これでラスト!シャドーボール!」

 

混乱状態となったカメールは、自分でも訳の分からない状態となってしまい、なすすべもなくシャドーボールの直撃を受けてしまう。そしてカメールはそのまま目を回した状態で戦闘不能となった。

 

「カメール!?」

 

流石にやりすぎてしまったか、と内心思うシンジだが、彼自身ポケモンバトルにおいて手を抜くのは相手に対して失礼な行為となってしまうので手を抜くことはない。だが、一度バトルを始めると熱くなりすぎてしまい、偶にやりすぎてしまうのも悪い癖だと自身で反省する。

 

「戻ってカメール。お疲れ様。」

 

あからさまに落ち込んでいるブルーに声を掛けづらいと感じる二人。だがこのままにしておいてはもっと気まずくなることは確実なので、自分から声を掛けようとシンジは近づく。

 

「あー、その、、、ごめんね?ちょっとやりすぎちゃった……かな?」

 

声を掛けづらい空気の中、なんと言えばいいのかわからずにそんな言葉を呼びかける。しかし、彼女から返ってきた言葉は予想していなかった言葉だった。

 

「あなたって強いのね!ここまで一方的にやられた戦いは初めてだわ!シンジさんって呼んでもいい?っていうか呼ばせてください!」

「え?あ……え?」

 

流石のシンジもブルーの別人のような姿には戸惑うしかないようだ。リーリエも呆気にとられて開いた口が塞がらないでいる。そして彼女の要望により、少しの間だけ行動を共にすることとなった。

 

 

 

 

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そして現在に至ると言うわけである。ブルーもシンジも気付いてはいないが、リーリエは今でも噛み付かんばかりの眼差しで二人の様子を眺めている。と言うか睨みつけていると言った方が正しいかもしれない。

 

(私だってあそこまでくっついたことありませんのに……。シンジさんもシンジさんです!シンジさんは優しいから中々断ることが出来ないでいるのでしょうが、私の前であそこまでベタベタされると……なんだか嫌です!)

 

とは言え二人の直接そう言う言葉を投げつけるのが難しく、声を掛けれずにいる。そこでシンジもリーリエの姿に気付いたのか、軽く冷や汗を流した状態でブルーに声を掛ける。

 

「あー、あの、少し離れてもらってもいいかな?ちょっと歩きにくいから……。」

「えー?仕方ないですね……。」

 

ブルーも残念そうな声で名残惜しそうにシンジから少し距離をとる。シンジもリーリエの睨みつくような視線から離れることが出来たことに思わず、誰にも聞こえないくらいの小さな声で安堵の声を漏らす。

 

そして、彼らは旅の途中にあるポケモンセンターに立ち寄り、今日はここで休むことにした。

 

「じゃあ僕はちょっと外に行ってくるから。」

 

そう言ってシンジはポケモンセンターの一室から一時的に退室する。残されたリーリエとブルーに少々気まずい空気が流れたが、最初に声を出したのはブルーだった。

 

「ねえ。」

「な、なんでしょうか?」

「あなたとシンジさんってどんな関係なの?」

「!?///」

 

突然の著急な質問に焦って顔を赤くするリーリエ。それだけで大体彼女の気持ちが分かったブルーだが、何故だか直接彼女の気持ちを聞いてみたいと感じていた。ブルーの表情はおちょくっている、と言うより間違いなく真剣な表情そのものであり、彼女の顔を見たリーリエも覚悟を決めて自分の素直な気持ちを伝える。

 

「……私はシンジさんの事が大好きです。同時に尊敬もしています。今の私の目標です。」

「付き合ったり……とかは?」

「えっと……勿論付き合いたいとも思っておりますが///」

 

そこでリーリエの言葉は止まる。彼女もまだそこまでの勇気は出ないようだ。ブルーも内心では絶対付き合ってるだろと感じている。男女二人で旅をしていればそう思われても仕方のない事だろう。だがならばと、自分の気持ちをリーリエに伝える。

 

「あたしもシンジさんの事が好きになっちゃったみたい。」

「そうですか……」

 

分かっていた。あの様子を見ればブルーがシンジに好意を持ったことなど恋愛経験の浅いリーリエにもすぐに分かった。だがそれでも、リーリエは彼女に負けたくないという感情がこみ上げてくる。初めて好きになった異性。そして憧れの人物の姿を思い浮かべながら、彼女は自分の気持ちを口にする。

 

「……私負けませんから。絶対に。シンジさんの事でも。トレーナーとしても。」

「それはあたしも同じよ。じゃあ明日、またバトルしましょ!あなたとはまだ戦ってなかったしね!」

「……はい!それと私の事はリーリエって呼んでください。」

「分かったわ、リーリエ。あたし負けないから!」

 

二人は先ほどの険悪な雰囲気から一変し、互いに笑顔を浮かべながら握手を交わす。ひょんな出会いではあったが、彼女たちはこうしてライバルとなった。トレーナーとしてのライバルでもあるが、同時に恋のライバルとしても。

 

その後、部屋に戻ってきたシンジだったが、彼女たちの空気が先ほどまでよりもいいものになっていることに気付いた。何があったのか尋ねたが、笑顔で何でもないとはぐらかされ詳しく聞くことが出来なかった。だが、彼女たちだけを残したのはマズかったかもしれないと初めは思っていたシンジだが、彼女たちの今の様子を見れば逆に良かったのだろうと納得する。

 

そうして彼らは今日は一度休むことに決めた。流石にここは室内であり、シンジ自身も疲れた様子を見せていたからか、ブルーもさっきまでのような過度なアピールはしなかった。そのことにリーリエは、少しだけ安心した表情を浮かべるのであった。




今回出ていただいたのはブルーちゃんでした。ヌシは読んでませんが、ポケスペとかでの性格を調べてみたら割と悪い子なんですね。といっても過去が少々あれだから仕方ないですね。こっちではそんな酷い目には合っていません。至って普通の女の子です。

と言うわけで次回はリーリエ対ブルーでも書いてみます。結果はどうなるか乞うご期待という事で。ではではノシ

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