ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
タイトル通り、リーリエがポケモンゲットの回です。ただポケモンの名前を書くか迷いましたが、やっぱ人によってはネタバレになるかと思い書くのをやめました。
どうでもいいことですが、現在主はウルトラムーンにて史上最大(?)の縛りプレイをしています。そうでもしないとどうせまたブイズパになってしまうので……。内容は単純で、ずばり!モンスターボール系アイテムを使用しない!です。つまり野生ゲット不可、と言うわけです。現状のパーティ予定は
ジュナイパー(御三家)
ルガルガン(早期購入特典)
ピカチュウ(劇場版サトピカ)
ニンフィア(オハナ牧場でタマゴを貰う)
トリデプス(化石復元)
アーゴヨン(唯一貰えるUB)
です。ん?結局ニンフィアが入ってるって?……まあ貰えるならパーティ入れれるし、いないとやる気起きないですし……。まあピカチュウが正直種族値的にも戦力にならないので、片方のデータから電気玉持ってきて持たせました。1000万ボルトじゃ火力足りない(ボソッ
僕とリーリエは先ほど戦ったトレーナールアーと、ハナダジムのジムリーダーカスミさんと共に釣り大会の真っ最中であった。
「それにしてもなぜチャンピオンはリーリエさんと二人で旅を?」
「僕の事はシンジでいいよ。なんだかその呼ばれ方あんまり慣れてないし。」
「分かりました。それでシンジさんはなぜリーリエさんと旅をしているのですか。」
僕は内心、呼び捨てで呼んでくれた方が気が楽だと思いながらルアーの質問に答える。アローラ地方での冒険自体は割愛したが、ナッシーアイランドで交わした約束の事について少し話した。そのことに関してルアーは開いた口が塞がらないと言った様子で話を聞いていた。
「二人はそれほどまでに仲がいいんですね。なんだか憧れます。」
「ははは、ありがと。でも改めて思い出すとなんだか恥ずかしいね。」
「私もそうですけど、でもシンジさんが来てくれた時は嬉しかったですよ。こんどはちゃんと二人で旅が出来るんだと思うとワクワクしましたから。」
リーリエも少し照れくさそうに答えるが、その様子は誰から見ても嬉しそうな表情を浮かべていた。その様子を見た僕も同じような表情をする。
「でも驚いたわ。まさかシンジに彼女が出来てるだなんて。」
「ちょ!?カスミさん!その言い方はやめてくださいよ!」
(なんで付き合ってないんだろう)
カスミさんがおちょくる様に言う。僕も今恥ずかしさのあまり顔が熱くなってきているのが分かる。リーリエも同じように顔を赤くして俯いている。
「と、ところでカスミさんってシンジさんとはどういった関係なんですか?」
リーリエがカスミさんについて疑問に思っていることを尋ねる。そのことにカスミさんは笑顔を変えずにこう答える。
「シンジの元恋人よ」
「…………えーーー!?」
「……カスミさん、適当なこと言わないでくださいよ。」
「あはは、ごめんごめん。なんだかこの子の反応面白くてね。」
僕が呆れながら否定すると、カスミさんも頭を掻きながら謝る。僕はどうせ反省はしていないんだろうなと思いながら見ているが、もはや諦めたようにカスミさんとの関係について説明する。
「カスミさんとはどちらかと言うと僕にとっては姉のような人だよ。カントーにいる時に色々とお世話になったんだ。」
「そ、そうなんですか?」
リーリエはその真実にホッと胸をなでおろす。カスミさんは小悪魔的な表情を浮かべている。いまだに僕はこの人の思考にはついて行けそうもない気がする。
「あ、シンジ、引いてるわよ?」
「ん?あっホントだ!」
僕は自分の釣り竿が引いていることに気付き、竿を引き始める。しかし対応するのが遅かったようで餌を食べられて逃げられてしまった。
「あら、逃げられちゃった」
まあ釣りはこんなもんだろ、と言いながら僕は気を取り直して再び釣り糸を投げる。そしてそのタイミングと同時に、今度はルアーの釣り竿が反応する。
「おっ、きたきた!せいや!」
流石は釣り慣れしているだけの事はあって軽々と釣り上げる。僕は釣りに関してはあまり詳しくはないから彼の釣りを見ていると少し憧れる。そして彼の釣りあげたのはトサキントだった。
「トサキントか。残念だがこのサイズでは優勝できないな。」
ルアーはトサキントに餌をあげてそのまま逃がしてあげた。キャッチ&リリースと言うやつだ。そしてルアーの方に夢中になっている間にリーリエの方にもヒットしたようだ。
「あ!?私の方にも来ました!」
「リーリエ!落ち着いて引き上げて!」
「は、はい!」
僕の言葉にリーリエが答えると、リーリエは真剣な様子でリールを巻き上げる。そして 苦戦は強いられたものの、リーリエはヒットしたポケモンを釣り上げる。しかしそこにいたのは……。
「このポケモンさんは……」
「ルリリ?ってこの子怪我してる!?」
そう、カスミさんの言う通りこのポケモンはルリリだ。しかしルリリのオデコには何かにぶつけた傷が出来ている。すぐに陸上に引き上げて治療を開始する。幸いにもかすり傷程度だったので僕でも何とかできそうだ。
「ど、どうですか?」
リーリエが不安そうに尋ねてくる。僕はリーリエに「かすり傷程度だから少し消毒すれば大丈夫」だと伝える。リーリエはその言葉に安心してくれる。カスミさんとルアーも一安心したような表情を浮かべる。
「よし、これで大丈夫だよ」
「よかったですね、ルリリさん!」
ルリリは リーリエの言葉に反応するがどこか怯えたような様子で震えている。
「ど、どうしたんだ一体?」
「ルリリはこの辺りでは見ないポケモン。もしかしたら誰かに捨てられたのが原因で人間に対しての警戒心が強くなった可能性もあるわ。」
「そ、そんな……」
そうだ。この世界には僕やリーリエみたいにポケモンを大事にする人だけじゃない。中には弱いポケモンを捨てて別のポケモンを捕まえるトレーナーもいる。それだけではなく、ポケモンを金儲けとしての道具としてしか見ていない人や、悪行のために利用しようとする人も存在する。
「シンジさん、ポケモンフーズをいただいてもよろしいでしょうか?」
「リーリエ……うん、わかった」
リーリエの表情を確認した僕は、彼女が何か決心を付けたのだろうと思い水タイプのポケモンが好むポケモンフーズを手渡す。リーリエは僕にお礼を言い、ルリリへと静かに歩み寄る。それでもルリリは警戒したままだが、リーリエはゆっくりとポケモンフーズを差し出す。
「怖くないですよ。美味しいですから食べてみてください。」
リーリエはルリリに声をかける。僕たちはその様子を静かに見守る。ルリリはまだ警戒を緩めないようで、差し出されたポケモンフーズの匂いを嗅ぎ危険がないかを探る。そしてゆっくりとフーズを口にした。するとルリリは先ほどの警戒心が嘘のように明るい笑顔をこぼす。リーリエはもちろん、僕たちもその表情に思わず笑顔が溢れてくる。僕はそれと同時に、リーリエがまた一歩トレーナーとして踏み出したのだと思い、リーリエの成長に喜びを感じた。
ルリリはその後もフーズをおいしそうに食べてくれている。そして食べ終わったルリリにリーリエは声をかける。
「どうでしたか?シンジさんの作ったポケモンフーズ。美味しかったですか?」
『ルリルリ!』
ルリリも警戒心を完全に解いたようで、リーリエの言葉に頷いて答えてくれる。そしてリーリエの腕の中へと飛び込む。その姿を見た僕はルリリの気持ちがなんとなくわかった気がする。
「え?ルリリさん?」
「多分ルリリはリーリエと一緒に行きたいんじゃないかな?」
「そうなんですか?」
『ルリルリ!』
ルリリは顔を見上げて再び頷く。僕も以前ポケモンを捕まえた時に同じ経験があるからよくわかる。リーリエはルリリの反応に嬉しそうにしてモンスターボールを手に取る。そしてリーリエは優しくルリリにモンスターボールを当てる。するとモンスターボールが開いて、ルリリはその中へと吸い込まれるように入っていく。数回モンスターボールが揺れると音を鳴らして止まる。これがポケモンゲットの合図である。
「やりました!ルリリさん、ゲットです!」
リーリエは両手でルリリの入ったモンスターボールを掲げる。これがリーリエの実質的な初ゲットになるね。
「ルリリゲットおめでとう!その子大切にしてあげてね。」
「はい!ありがとうございます!」
リーリエはカスミさんの言葉に感謝しながらルリリの入ったモンスターボールを眺める。余程初ゲットが嬉しかったのだろう。カスミさんも、水タイプを愛するがゆえにルリリの境遇にどこか思うところがあるのだろう。少し不謹慎かもしれないが、僕個人的にはリーリエのようなトレーナーに巡り合えて、ある意味では運がよかったのかもしれないと心の中で思ってしまう。
「……良かったね、リーリエ、ルリリ。」
僕は誰にも聞こえないくらい小さな声で二人に賛辞の言葉を贈る。この言葉は、リーリエが無事初ゲットできたことへのお祝いと、リーリエに出会えたことへのルリリへのお祝いも兼ねている。僕はこの出会いも運命だったのだろうと思いながらリーリエの様子を見守っていた。
リーリエをヒロイン兼カントー編主人公として上手く書けてるかは少々不安はあります。そしてリーリエの最終的なパーティは考えていません。大半はカントーorジョウトポケモンになりそうですが、リーリエの事だから恐らく殆どが絆ゲットになるかと。アニポケのような離脱ポジも作るかも……。まあおいおい考えては行きます。
ではではまた来週~!