ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
そして今回はオリキャラが出ますが、容姿を全く考えていなかったため一切表現が描かれていません。適当に原作の小太りの釣りトレーナーにでも脳内変換しておいてください。どうせこれから続投するか不明だし(ボソッ
シンジさんと一緒に野宿した翌朝。私たちは次の町であるハナダシティに向かっている最中です。その道中で私は少しシンジさんにハナダシティについて教えてもらうことにしました。
「シンジさん、次のハナダシティってどんなところですか?」
「ハナダシティは水の町とも言われていて、水ポケモンに関するイベントもよく開催されているんだ。ハナダジムのジムリーダーも水ポケモンの使い手でかなりの強敵だよ。」
「ハナダシティにもジムがあるんですね。二回目のジム戦でもなんだかドキドキしてきました。」
「うん。でもいい人だからあんまり気負わなくても大丈夫だよ。」
シンジさんは私の緊張を解すために笑顔でそう言ってくれる。シンジさんがそう言ってくれるだけで私は何だか元気が出てきます。先ほどよりも少し気が楽になってきました。
「ほら見えてきた。あれがハナダシティだよ。」
シンジさんが指を指した方角にはニビシティとは違ったのどかな雰囲気の町が見えてきました。早速ハナダシティに入ってみると、さすがは水の町と言うだけあってポケモンたちが気持ちよく泳いでいる光景が見えました。
しかしその先ではなにか人だかりのようなものが出来ている場所がありました。私もシンジさんも何事か気になったので少し様子を見に行ってみることにしました。
「すみません、何かあったんですか?」
シンジさんが一番後ろにいた男性に声をかける。
「ああ、いまからここで釣り大会が開催されるんだ。野生の水ポケモンを釣って、一番の大物を釣った人が優勝。その人には商品として水の石が渡されるみたいだぜ。」
「釣り大会ですか」
水の石とは確か特定のポケモンを進化させるのに必要な石でしたよね?シンジさんのシャワーズさんも水の石で進化するポケモンさんの一体だと記憶しています。
「誰でも参加自由だからあんたたちも参加してみたらどうだ?」
男性が釣り大会に参加してみないかと私たちに参加を促してきました。確かに釣り大会は面白そうです。ですが私は釣りをやった経験がないので少し不安です。
「そうですね。リーリエ、僕たちも参加してみようか?」
「え?私たちもですか?」
「うん。折角の機会だしさ。これも何かのいい経験になると思うよ。それにまた新しいポケモンにも出会えるかもしれないし。」
確かにシンジさんの言う通りですね。折角シンジさんと旅をしているのですからどんどん新しいことに挑戦してみるのもいいかもしれませんね。
「そうですね。シンジさんがそう言うなら私も参加させていただきます。」
「じゃあ決まりだね。早速行ってみよっか。」
「はい!」
私たちが釣り大会の参加を決意すると、先ほどの方が「頑張りな」と一言激励していただきました。私たちはその方にお礼を言って頭を下げました。その後私はシンジさんと一緒に参加の申請をしに受付へと向かい無事参加することが決まりました。
そして遂に釣り大会が始まりました。ルールとしてはこんな感じだそうです。
・審査するのは釣りあげたポケモンのみ
・審査対象はポケモンのサイズで判定
・制限時間内は何匹釣っても構わない
・気に入った野生のポケモンはゲットしても構わない
だそうです。シンジさんの話で言えば、カントーの別の町にあるサファリゾーンと呼ばれる場所に似ているそうです。運が良ければ新しいポケモンさんをゲットできるかもしれませんね。私としてはシンジさんと釣りが出来るだけでも嬉しいですけど///
「じゃあ僕たちはこの辺りでやろっか」
「はい。でも人も少ないみたいですけど釣れるのでしょうか?」
「どうかな。人がいない分誰にも釣られていないと言うことでもあるし、それに……」
シンジさんが突然頬をかきながら言葉を詰まらせました。一体どうしたのか気になりましたが、少しするとシンジさんが再び口を開きました。
「……出来ればリーリエと二人になりたいなって///」
「し、シンジさん///」
シンジさんは顔を赤くしながらそう言ってくださいました。そんなことを言われると嬉しいのですが、なんだか恥ずかしいですよ///
そんな会話を交わした後、私たちは釣りを開始しました。初めはどうすればいいのか分からなかったので困りましたが、シンジさんが優しく教えてくださったので問題なく始めることが出来ました。
しかし、しばらくしても一向にかかる気配がありません。一応本で釣りの事は少し読んだことはありますが、まさか実際にこんなにもかからないものだとは思いませんでした。私としてはシンジさんと一緒にいられるだけでも嬉しいのですが、やっぱり折角なので一匹くらいは釣ってみたいですね。
「中々かからないね。少し飲み物でも買ってきて落ち着こうか。」
「そうですね。じゃあ私が何か……」
私が飲み物を買いに行こうと椅子から立ちあがろうとすると、シンジさんが先に立ちあがって私を止めました。
「ああ、リーリエはここで続けててよ。僕が買ってくるから。」
「え?でも悪いですよ……」
「大丈夫。それにリーリエはこの町のこと分からないでしょ?迷ったりしたら大変だしね。」
「うっ、確かにそうですね。」
シンジさんに言われた通り、方向音痴の私がひとりで行けば確実に迷子になってしまいますね。シンジさんが一緒だと安心してそのことを忘れてしまいます。私は悪いと思いながらもシンジさんに飲み物を買ってきていただくことにしました。シンジさんも手を振りながら「すぐに戻ってくるから」と言って走って行きました。その間に一匹でも釣れればシンジさんは褒めてくださるのでしょうか?そんなことを考えながら釣りを続けていると……。
「もし、そこの可憐なお嬢さん」
「え?私……ですか……?」
俺の名は流離いの釣り名人、ルアーだ。釣りの前では俺の右に出るものはいないと言われる男だ。釣りと聞けばたとえどんなに遠いところでも俺は出向いてその地方の釣り野郎どもにアッと言わせてやるのが俺の日課だ。それはこの小さな釣り大会でも例外ではない。ここで誰よりもデカい大物を釣って必ず優勝して見せる。しかし、中々いいポイントが見つからない。俺の釣りセンサーが反応しないのだ。釣りセンサーが反応さえしてくれればいつも通りどんどんと釣ることが出来るんだがな。
そして俺は更に釣りに最適なポイントを探す。するとそこには目を疑うような光景があった。
「!?あ、あれは!?」
太陽の日差しで更にかがやいている金色の髪。透き通るような白色の肌。その肌に見合った白色の服と揺れるスカート。背中には可愛らしいピンク色のリュックサック。髪をポニーテールで縛ってあるところが更に可愛さを引き出している。俺は数々の釣りを制覇してきたが、このような可愛らしい女性を釣り上げたことは一度もない。これこそまさに一目惚れであろう。俺は意を決し、すぐに彼女への思いを伝えようと声をかける。
「もしもし、そこの可憐なお嬢さん。」
「え?私……ですか……?」
「ええ、もちろんです。どうです?よろしければ俺と一緒に釣りをしませんか?手取り足取り教えますよ?」
「え、ええと……」
どうやら彼女は少し戸惑っているのだろう。ふっ、釣りでも恋でも慌てれば即チャンスを逃してしまう。ここは慌てずにゆっくりと距離を縮めていくべきだろう。俺はそう思って再び声をかけようとするが、その時に一人の男の声が聞こえた。
「リーリエお待たせ!あれ?この人は?」
「あっ、シンジさん!」
ジュースを二つ持った男がお嬢さんに声をかける。どうやらこのお嬢さんの名前はリーリエと言うらしい。そしてこの男はシンジと言うのか。まさかこの二人は付き合っているのか?いや、まだそう決めつけるには早い。俺はそう簡単に諦めはしないぞ。
「俺の名はルアーだ。今このお嬢さん、リーリエさんを釣りに誘おうとしていたところだ。悪いが邪魔をしないでくれ。」
「いや、邪魔をしないでくれと言われましても……」
「あ、あの……」
「ん?なんでしょうか?」
「ごめんなさい。私今シンジさんと旅をしているところですので、今回はご遠慮させていただきます。」
そのリーリエさんの言葉に俺は衝撃を受けてしまった。まさかリーリエさんはこの男に黙されているのでは!?しかも男女二人旅だと!?もしかしてあんなことやこんなことまで!?そんなことは絶対許せん!こんな可憐な少女をたぶらかすなど言語道断!こうなったら……。
「お前、確かシンジとか言ったな」
「え?はい、そうですけど……」
「俺とポケモンバトルをしろ!」
まあオリキャラいわゆる“うましか”キャラで釣り大会が終わったら再登場しないと思われるので適当に読み進めてください。取り敢えずリーリエに一目惚れするキャラを出したかったのと、主人公のバトルシーンも書きたかったのが理由ですが。実際リーリエは可愛いからアニメのヒカリと同じでモテてもおかしくないと思うのよね。まあ本人は主人公一筋なので浮気することはないでしょうが。……フラグじゃないよ?
あ、今日丁度リーリエのオルゴールが届きました。スマホスタンド、オルゴールと来て最後はフィギュアを残すのみです。