ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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そんなこんなで今回はオツキミヤマ回です。ピッピ要素は……3割くらい?ただ二人がいちゃつくだけです。

因みに珍しくがんばリーリエ視点です。


オツキミヤマのピッピ!

ニビジムで無事に初のジムバッジであるグレーバッジを手に入れた私は、現在オツキミヤマの前へと来ていました。

 

「ここがオツキミヤマですか。」

 

アローラのラナキラマウンテンほど大きな山ではありませんが、どちらかというと通り抜けるまでが長い道のりになりそうなイメージが強い山です。

 

「うん。オツキミやまの中はかなり暗くて視界も悪いから離れないでね。」

 

「は、はい!シンジさんの手をずっと握っています///」

 

「え!?う、うん。僕もその方が安心かな///」

 

シンジさんは照れた表情で私の言葉に答えてくれる。シンジさんと手を繋いでいれば安心できるので、私でも迷うことはありませんよね。

 

「じゃあ、お願い!ブラッキー!」

 

シンジさんはモンスターボールからブラッキーさんを出して、足元を照らすようにお願いしました。本当にシンジさんはポケモンさんの扱いがすごく上手いですよね。やっぱり憧れちゃいます。

 

私たちはブラッキーさんに続いてオツキミやまへとはいっていきます。中は凄く真っ暗で、ブラッキーさんの明かりがなければ何も見えないくらいです。

 

「凄く暗いところですね。でもこんなに暗いところでもポケモンさんはいるのでしょうか?」

 

「うん。こういったところには夜行性のポケモンであったり、地中の中を潜れるポケモンが多く生息しているんだ。例えば……」

 

シンジさんがこの辺りにいるポケモンさんについて説明していると、突然なにかの羽音のようなものが聞こえてきました。

 

「ひゃっ!?な、なななんですか!?」

 

「ああ、今のはズバットだよ。ズバットは洞窟内では至る所に生息している順応性の高いポケモンだからね。ところでリーリエ……」

 

「は、はい?」

 

「そ、その……くっつきすぎな気がするんだけど///」

 

私はシンジさんにそう言われ、気が付けばシンジさんに抱き着いていました。その状況に気付いた私はすぐにシンジさんから離れました。

 

「ごごごごめんなさい!ちょっと驚いてしまったので!」

 

「う、ううん。気にしなくていいよ。その……ちょっと嬉しかったし///」

 

「ふえっ///」

 

シンジさんの言葉に私は思わず変な声を出してしまいました。も、もう、この状況でそのセリフは反則ですよ///

 

私とシンジさんは再び手を繋ぎ先へと進む。その道中にシンジさんは、何かを探しているように周りをキョロキョロと見まわしている。

 

「シンジさん?さきほどから何を探しているのですか?」

 

「あるポケモンを探しているんだけど、珍しいポケモンだから中々見つからなくてね。」

 

「あるポケモンさん……ですか?」

 

「うん。そのポケモンを見つけたら、幸せになれるって言われているんだ。だからリーリエに見せたくてね。」

 

「私にですか?」

 

シンジさんはいつも私のために何かをしようとしてくれている。でも私はシンジさんに何もすることができません。決めました!

 

「シンジさん!私も一緒に探してみます!」

 

「リーリエ?」

 

「私もシンジさんには幸せになってもらいたいんです!だから私も探します!」

 

「……そっか。うん、ありがとう!じゃあ一緒に探そうか!」

 

「はい!」

 

私とシンジさんはそのポケモンさんを一緒に探すことにしました。少しでもシンジさんに恩返しが出来れば私も嬉しいです。

 

「ところでそのポケモンさんって一体どんなポケモンさんなんですか?」

 

「えっと、それは……」

 

「?どうかしたんですか?」

 

シンジさんはなんだか困った様子で頬をかく。シンジさんにしては珍しく歯切れが悪い気がします。なるべくなら内緒にしたい、ということなのでしょうか。

 

「実はそのポケモンを探している理由は他にもあるんだ。」

 

「そうなんですか?」

 

でもその理由が私に隠すことと関係があるのでしょうか?私自身にも何か繋がりがあるのでしょうか。

 

「そのポケモンの名前は……ピッピなんだ」

 

「ピッピ!?」

 

私はその名前を聞いて驚きを隠せなかった。そう、ピッピさんは私がアローラ地方にいる時にとても大事にしていた人形で、カントー地方に旅立つ際にシンジさんへとプレゼントとして渡した人形の元となったポケモンだ。まさかシンジさんの探しているポケモンがあのピッピさんだったとは思いませんでした。

 

「あの時にリーリエに貰った人形……僕は今でも大事にしてるんだ。だからそのお礼でも……と思ったんだけど……。」

 

「そうだったんですか……。」

 

私は今のシンジさんの言葉を聞いてすごく嬉しく感じました。私が使ってくたびれていたのにも関わらず、それを今でも大事にしているとなると私も嬉しくなってきます。離れていても私の事を忘れないでいて下さっていることがよくわかりますから。

 

「ありがとうございます、シンジさん。私嬉しいです。私もシンジさんにポケモンのたまごをいただいて、シロンが産まれた時すごく嬉しかったです。」

 

多分今の私は目元が涙で少し潤んでいるのでしょう。ここが真っ暗な洞窟なのでシンジさんに今のみっともない顔が見られなくて助かります。

 

「リーリエ……。僕もリーリエがシロンを大事にしているって聞いたときは嬉しかったよ。リーリエがシロンの事を嬉しそうに手紙で話してくれた時はリーリエの気持ちがとても伝わってきたしね。」

 

「シンジさん///」

 

シンジさんがそう言ってくれると私は更に嬉しさが増してきました。きっとこれもシンジさんだからこそ感じる感情なのでしょうね。

 

「じゃあ絶対に見つけなきゃね。僕たちの思い出のためにも。」

 

「はい!必ずピッピさんを見つけましょう!」

 

シンジさんの言葉に私も気合を入れる気持ちも込めてシンジさんの手を強く握る。シンジさんもそれに応えてくれるように手を握り返してくれる。やっぱりシンジさんの手は暖かくて大きくて、なんだか安心できます。

 

『ブラッキ』

 

「ブラッキー?どうかした?」

 

突然ブラッキーさんが足を止めてシンジさんに呼びかける。その後ブラッキーさんが指を指した。何か見つけたのかと気になった私たちは、ブラッキーさんが指示した方向を見てみる。するとそこには何か複数の影が飛び跳ねながら走っていく姿が見えました。

 

「あれはなんでしょうか?」

 

「あの影って……もしかして……。そうか!」

 

シンジさんが突然何か思い出したように声をあげる。

 

「シンジさん、何か心当たりが?」

 

「うん。今のが恐らくピッピだよ。それに今日の事を考えると……」

 

今のがピッピさんだったのですか。私は全然気づきませんでした。

 

「取り敢えず後を追おう。ブラッキー、案内してくれる?」

 

シンジさんの言葉にブラッキーさんが頷くと再び歩き出して私たちを案内してくれる。どうやらブラッキーさんには暗闇の中でも問題なく視界が見えているみたいです。私も多少は暗闇に慣れてきましたが、やっぱりブラッキーさんの明かりがなければ前が見えない状態になっていると思います。シンジさんと手を繋いでいるので安心ですけど///

 

私たちはブラッキーさんに案内されるととある広い場所に出ました。そこの中央には大きな岩があり、天井は大きな穴が空いていて空が見えるようになっています。今ではすっかりと暗くなっていて星空が見えます。そこには綺麗な満月が見え、岩の周囲ではピッピさんとピクシーさんが踊っている神秘的な光景が見られました。

 

「シンジさん……これって……」

 

「うん、ピッピたちは満月の夜になるとこの場所に集まって全員で踊るんだ。今日は運よく満月だったからピッピたちの踊りが見れたね。」

 

今は月の明かりでシンジさんの顔がよく見える状態になっています。シンジさんはピッピたちの踊りを見ながらどこか嬉しそうな、それとも楽しそうな微笑みを浮かべています。私にはその横顔がとても魅力的に感じました。やっぱりシンジさんには笑顔が一番似合っています。

 

「……シンジさん」

 

「ん?どうかした?」

 

「……きっと、いえ、絶対に幸せになりましょうね!」

 

「っ!?うん!」

 

シンジさんは私の言葉に照れたように顔を赤くしてそう答えてくださいました。私も今のセリフには少し恥ずかしく感じましたけど、でもシンジさんに言うのであればその恥ずかしさも嬉しさに変わるような気がしました。カントー地方にきて、シンジさんとの新しい思い出がまた一つ出来たことに私はとても満足しています。




まあこれからもこんな感じでいちゃついて行くと思います、多分。二年とか別れてたら恋人的関係ならそれくらいあり得るんじゃないかな?恋人出来たことないから知らないけど。

ニンフィアが嫁だから仕方ないね。

ケモナーだとか言われたこともあるが、ヌシはあくまでブイズが好きなだけであって他の獣には興味はありません。実際リアルの犬猫には全く触れません。見るのは好きだけど。ポケモンなら触れる自信しかない。

あっ、偶にレート戦も潜ってるんでマッチングしたらお手柔らかによろしくです。なんかピンクのブイズ使いがそれです。

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