ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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竜王戦ルールが思いの外楽しすぎる。

ホワイトキュレムと日食ネクロズマが気に入って色違い厳選しました。
と言うか珠控えめCSニンフィアが後投げレヒレとカバルドンに強くていい。欠伸されたらミスバで退場できるし、ステロ撒かれたらハイボ2発で倒せるし。


四天王カヒリ登場!

ロコンと別れを告げたリーリエは次なる目的地、アーカラ島大試練の行われる場所コニコシティへと向かうため、その道中のカンタイシティへと戻っていた。

 

リーリエは旅の疲れを癒すため、カンタイシティのポケモンセンターにてポケモンを預け腰を落ち着かせていた。するとそこで偶然にも一緒に旅を始めたヨウ、ハウと再会するのだった。

 

「それにしても同じタイミングでカンタイシティに来ているとは思いませんでした。」

「それは俺たちも同じだよ。俺も偶然ここに来てハウと会ったからな。」

「おれは途中で一回リーリエと会ったけどねー(モグモグ)ヨウとはバトルロイヤル以来かなー?(モグモグ)」

「相変わらずなのは分かったから物を食べながら喋るのはやめろと言っているだろう。」

「だってこの街のマラサダうまいからさー」

 

久しぶりに会っても相変わらずの言い合いをする二人を見てリーリエは苦笑する。すっかり見慣れた光景であるため、二人はなんだかんだで仲がいいのだと言うことは伝わってくるのだが。

 

そんな二人を交えながら、リーリエたちは旅の中で経験したことを語り合う。試練でのこと、旅先で新しく仲間になったポケモンのこと、短い道のりながらも、三人はそれぞれ様々な経験を重ねることができたようだ。

 

そして暫くするとジョーイから呼び出しの声掛けがされる。三人は急いでジョーイの元へと向かうと、彼女から笑顔でモンスターボールを差し出される。

 

「お待たせいたしました!お預かりしたポケモンたちはすっかり元気になりましたよ。」

『ありがとうございます!ジョーイさん!』

 

三人は同時にお礼を言いモンスターボールを受け取る。自分のポケモンたちが元気になったのを確認したヨウは、2人にある提案をした。

 

「なぁ、せっかくここで再会したんだから、軽くバトルしないか?」

「うーん、おれはまだマラサダ食べてるからパスかなー」

「私は構いませんよ。大試練の前に腕試しもしたいですから!」

 

ヨウのバトルと言う提案にハウはちょっとした諸事情によりパスするも、リーリエはその提案を受け入れ同意をする。三人は真っ先にポケモンセンターに用意されているバトルフィールドに向かった。

 

「よし!バトルはシングルバトル一本勝負!そして俺のポケモンはこいつだ!」

『ピッカチュウ!』

 

ヨウが繰り出したのはピカチュウであった。以前ククイ博士が開催したポケモンZキャンプの際にゲットしたピカチュウであろう。

 

初めて出会った際は進化前のピチューであったが、進化前は臆病で人見知りな性格であった。今では当時の彼の姿は見受けられず、以前よりも顔つきが引き締まった印象を感じられる。

 

「あの時から俺もピカチュウもかなり強くなったぜ?甘く見てると痛い目にあうからな!」

「甘くなんて見てませんよ。練習試合とは言え、気を引き締めていきます!お願いします!シロン!」

『コォン!』

 

ヨウのピカチュウに対してリーリエは相棒であるシロンを繰り出す。大試練の前にエースであるシロンの調整をする、と言う意気込みだろうか。

 

「シロンか、相手にとって不足はないな。ピカチュウ!強くなった俺たちの力を見せつけてやろうぜ!」

『ピッカチュ!』

 

ピカチュウは自分の頬にある電気袋をバチバチと鳴らし自分の意気込みを見せる。どうやらピカチュウもやる気満々なようである。その姿を見て、リーリエとシロンもより一層気が引き締まる。

 

「二人とも頑張れー!」

 

マラサダを食べながらハウがそう2人に呼びかける。暢気な呼びかけではあるが、その言葉を合図にヨウが先手必勝と言いながら動き出した。

 

「ピカチュウ!でんこうせっか!」

『ピッカァ!』

 

ピカチュウは素早い動きでシロンを翻弄しながら接近する。しかしその攻撃に対してリーリエは冷静に対処する。

 

「シロン!こおりのつぶてです!」

『コン!』

 

シロンはこおりのつぶてでピカチュウのでんこうせっかを正面から迎え撃つ。ピカチュウもスピードを出してしまっていたため、それが逆効果となってしまいこおりのつぶてが直撃してしまう。

 

『ピカッ!?』

「っ!ピカチュウ!あなをほるだ!」

『ピッカ!』

 

こおりのつぶてによるダメージを逃がすようにピカチュウは地中へと姿を消す。これではこちらから手を出すことは出来ないと、シロンはピカチュウの攻撃に備えて身構える。

 

「今だ!かげぶんしん!」

 

ヨウがそう指示を出すと同時に、地中からピカチュウが姿を現した。しかし現れたのは一体だけではなく、無数のピカチュウであった。かげぶんしんにより生み出された分身と同時に飛び出すことにより、相手の視覚を錯乱させる作戦である。

 

練習試合と言いながら二人は自然とヒートアップしてしまう。これから、と言うタイミングで街中から大きなドゴーンッ、と言う爆発音が聞こえた。

 

「なっ!?今の音は!?」

「街の方から聞こえたねー」

「い、行ってみましょう!」

 

リーリエたちはバトルを中断し、ポケモンたちをモンスターボールへと戻して急ぎ急行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンタイシティ内で大きな爆発音が聞こえたためやってきたリーリエたち。そこではあるポケモンが辺りかまわず攻撃をしていた。

 

『バッジ!』

「あのポケモンさんは……」

『バルジーナ、ほねわしポケモン!あく・ひこうタイプ!骨を集めて巣を作る習性がある。オスにアピールするために着飾ると言われているが、バルジーナのオスはまだ見つかっていない。』

 

街中で暴れているのはバルジーナであった。人々は慌てて逃げまどっているが、バルジーナは攻撃を止めるどころか更に機嫌が悪くなっているようにも思える。

 

「とにかく止めないと!」

 

リーリエの言葉にヨウ、ハウも同意しモンスターボールを取り出す。そのモンスターボールを投げようとした次の瞬間、大きくも落ち着いた三人を制止する声が聞こえた。

 

「待ってください」

「えっ?」

 

その声が聞こえた場所へと振り向くと、そこにはゴルフクラブを手にした一人の女性がいた。この女性は誰だろうかとリーリエたちが考えている間にその女性が再び口を開いた。

 

「ここは私に任せてくれませんか?」

「え?は、はい……」

 

戸惑いながらも、彼女の迷いない瞳を見たリーリエたちはその提案を拒むことができなかった。リーリエはその女性の瞳を見た時、心の奥で彼女は強いのだと確信してしまったからだ。それも、自分が憧れているチャンピオン、シンジにも似ている気がしたほどである。

 

女性はゆっくりとバルジーナの元へと歩いていく。傍から見たら暴れているポケモンに無防備で近づくのは危険な行為であろう。バルジーナも攻撃を中止し、その女性の方へと目を向けた。

 

「バルジーナ、大丈夫です。私に敵意はありませんよ。」

 

バルジーナは女性をじっと見つめたまま動こうとしない。女性の事を認めたのか、それともまだ警戒を続け観察しているのか。

 

「……なるほど、やはりですか」

『……』

「こちらへ来てください、すぐに楽にしてあげますから。」

 

女性はそう言いながら腕を前に差し出す。先ほどまで暴れていたバルジーナは落ち着きを取り戻したのか、彼女の腕に止まった。

 

「少し待っててくださいね。」

 

女性は懐からキズぐすりを取り出す。そのキズぐすりをバルジーナの片翼に吹きかける。その後、包帯を巻き応急処置を手早く終わらせた。

 

「はい、これで大丈夫です。もう暴れてはいけませんよ?」

『バァジ!』

 

バルジーナは彼女の手から離れ大きく羽ばたき飛び去って行った。その様子を見届けたリーリエたちはその女性の元へと駆け寄る。

 

「大丈夫でしたか?」

「ええ、問題はありません。バルジーナはただ怪我をしてしまっていただけです。」

「どうして怪我だと分かったんですか?」

 

ヨウの質問は最もである。バルジーナは翼を含め全体的に暗い色をしている。パッと見では怪我をしているかどうかが非常に分かりにくいだろう。それなのにバルジーナの暴れている原因を的確に当てたのだからその理由は気になるものだろう。

 

「簡単です。バルジーナの翼の動きに気ごちなさを感じたからです。っと、あくまでそれは近づいてから分かったものなのですけれど。」

「え?では本当の理由は?」

「バルジーナは心優しいポケモン、と言うわけではありません。だからと言って凶暴なポケモンでもありません。バルジーナの気性が荒くなってしまうのは繁殖期に入り、バルチャイの子育てを始める時期からです。」

 

バルジーナと言うポケモンは面倒見がよく、付きっ切りでバルチャイのお世話をすることで有名だ。その時期になると気が立ってしまう近付くものを容赦なく追い払うほど気性が荒くなってしまうため大変危険だ。

 

だが女性曰く、今の時期はバルジーナの繁殖期には程遠く、バルジーナの性格上バルチャイの傍を離れるとは思えない。だからこそ彼女は別の理由があるのだと考えバルジーナにゆっくりと歩み寄ったのだ。

 

それに加え、彼女自身バルジーナを所有しているため、バルジーナの気持ちぐらいは分かるつもりだ、とも豪語していた。

 

リーリエたちも彼女の観察力、推察力に驚きと同時に感心する。正直言ってバルジーナが暴れていたのに気を取られそこまで頭の中で整理する余裕がなかった。

 

そしてその女性はリーリエを見て、何かに気付いたように話しかけてきた。

 

「もしかして貴女、リーリエさんですか?」

「え?ど、どうして私の名前を?」

 

その言葉を聞いて女性はあっ、とした顔をして自己紹介を始めた。

 

「すいません、申し遅れました。私はカヒリ。アローラの四天王を務めております。」

「えっ?」

『ええええええええええええ!?』

 

三人はほぼ同時に驚きの声を発する。まさかの四天王が目の前になんの前触れもなく現れたのだから無理もないだろう。

 

四天王と言えばチャンピオンに次いで強いと称される四人のトレーナーである。アローラにもチャンピオンが生まれたことにより、四天王も決められた。暫くアローラを離れていたリーリエたちは四天王の存在に関して詳しくなかったため、彼女のことを見ても分からなかったのである。

 

「あなたの事はチャンピオン、シンジさんから聞いていますよ。」

「シンジさんから、ですか?」

 

四天王とチャンピオンと言う役職柄、接触することも少なくない。そのため彼女はチャンピオンであるシンジとも関係性が強い。その上、カヒリは以前島巡りチャンピオンにもなったことがある程の実力者である。

 

当時はポケモンリーグが建設されていなかったためシンジのような正式なチャンピオンにはならなかったが、シンジにとってカヒリは先輩のような存在でもある。

 

「実は、あなたには以前から興味を持っていました。この先のビーチにあるホテル、私の実家なんです。もしアーカラ島の冒険が終わったら是非立ち寄ってください。」

 

そう言い残してカヒリはその場を立ち去って行った。思わぬ人物の登場にまだ開いた口が塞がらない状態ではあるが、四天王からの誘いであれば断るわけには行かないと、大試練が終わってから立ち寄ろうと決め自分たちもそれぞれ旅を続けようとカンタイシティを後にし別れるのであった。




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