ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
内容、進行は少々原作と異なります。あと少し長めです。
今回のラストでヒナちゃんの今後が分かれます。どうか見守ってあげてください。
一緒に旅をすることになったリーリエと新米トレーナー、ヒナ。先日ヒナが初めてのポケモン、チュリネを仲間にし今日も上機嫌で旅を続けている。
そして今日は遂に、リーリエの次なる試練であるシェードジャングルへと着いたのであった。
「えっと、ここがリーリエさんの目的地ですか?」
「はい、私が受けているアーカラ島の第三の試練、シェードジャングルです。」
シェードジャングルの入り口は木々で囲まれており薄暗く、試練の場所だということが分かりやすいように門が設置されている。
リーリエが意を決してシェードジャングルに入ろうとすると、奥から一人の人影がこちらへと歩み寄ってきた。
薄暗さで分かり辛かったが、こちらに近付いてくるにつれてその人物がシェードジャングル担当のキャプテンであるマオの姿だとハッキリした。
「ヤッホー!リーリエ!待ってたよー!」
「お久しぶりです!マオさん!」
リーリエは久しぶりに会ったマオに挨拶をする。マオが手を上にあげて差し出してきたので、リーリエはそれにこたえる形でハイタッチをした。
「あれ?この子は?」
「ああ、この子は最近トレーナーになったばかりのヒナさんです。色々あって、少しの間だけ一緒に旅をすることになったんです。」
「よ、よろしくお願いします!」
ヒナは緊張し強張った顔で頭を下げて挨拶をする。人当たりのいいマオは明るい声で「よろしく~」と返事をする。
「ヒナちゃんも私の試練受けるの?」
「い、いえ、私はリーリエさんの試練を見学させていただこうかと……」
「そっか、リーリエがいいなら全然大丈夫だよ!」
リーリエもヒナの同行には同意しており、マオの言葉に頷くことで承諾した。
そしてリーリエとヒナはマオに案内され、シェードジャングルの中へと入っていった。
ジャングルと言う名からかなり入り組んだものを想像していたが、ジャングル内は意外と開けていて日差しが差し込んでおりかなり明るく照らされていた。
「意外だった?植物にとって太陽の光は必要不可欠だからね。自然とこんな形になったんだ。」
マオの言葉に二人はなるほどと納得した。自然の力とは凄いものだと改めて感心する。
「さてと!じゃあ早速、マオの試練始めるよ!と言っても、難しいことは要求しないんだけどね。」
そう言って、マオは二人をジャングルの更に奥へと案内する。場所は変わって、複数の大木、キノコが生えているエリアにやってきた。
「じゃーん!まずはここで、ある素材を二つ探していただきまーす!」
「ある素材、ですか?」
マオの意図が分からずにヒナは首を傾げて疑問符を浮かべる。リーリエも同じような表情を浮かべていたので、マオはそんな二人に説明をした。
「今からぬしポケモンが好きなスープを作ります!それの素材として、甘い木の実と甘い蜜が必要なので集めてもらうのが私の試練です!」
どうやらぬしポケモンを誘い出すのに必要なのがそのスープらしく、その素材を集めることが試練の一つらしい。
「もちろんポケモンと協力してもいいし、ヒナちゃんも参加してもいいよ?」
「え?でもこれって試練なんじゃ……」
「試練なんてそんな難しく考えなくていいよ。島巡りはトレーナーの成長が目的だからね。仲間と協力するというのも所謂一つの試練だから!」
初めての試練にヒナは呆気にとられる。試練と言うからには厳しいものが待っているものだと思っていたのだ。
しかし実際はそれどころかシンプルな内容であり、結構緩いルールであった。試練と言っても、文字通りの試練とはまた違ったものなのかもしれないと少し考えを改める。
リーリエはマオの言う通りに甘い木の実と甘い蜜を探そうとこのエリアを探索する。森の中を探索するにはあの子が適任だとリーリエはモンスターボールを投げた。
「フシギソウさん!お願いします!」
『ソウソウ!』
リーリエが出したのはフシギソウだ。旅に出た頃もカントーのトキワの森にてフシギソウの力を借り無事抜け出すことができた。その時の経験を活かしたと言うわけだ。
「あっ!だったら私も!お願い!チュリネちゃん!」
『チュリ!』
リーリエに続いてヒナも先日捕まえたチュリネをモンスターボールから出す。フシギソウと同じくさタイプのチュリネであればこの状況では適切だろう。
「リーリエさん!私もお手伝いします!」
「ありがとうございます、ヒナさん!」
マオの言葉に甘え、リーリエとヒナは協力してこの試練に挑むことにした。ヒナにとっても、この経験はとても貴重なものだろう。
「それにしても、一体何を探せばよいのでしょうか?」
「甘い蜜はその名の通りミツハニーさんのあまいミツでしょう。甘い木の実と言えばマゴのみやモモンのみですが……。」
リーリエも今は料理を学んでいるので多少の食材に対する知識は持っている。リーリエはこれから探すべきものをヒナに伝えた。
「では私はあまいミツを探しますので、リーリエさんは木の実を探してください!」
「でも一人で大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。いざとなったらチュリネちゃんやモクローちゃんもいますから!」
『チュリチュリ!』
チュリネも私に任せてと言わんばかりに胸を張る。その姿を見たリーリエは任せても大丈夫だろうと判断して任せることにした。
「分かりました。無茶はしないでくださいね。」
ヒナは分かりました、と元気よく返事してチュリネと共にリーリエと別行動をとる。
「さて!私たちも探しましょう!」
『ソウ!』
ヒナがあまいミツを探してくれている間に、自分も目的の木の実を探そうとフシギソウと共に歩き始める。
木の実と言うだけはあり木になっているものだろうと木の周辺を探す。大木の麓で上を見上げると、そこには目的となる木の実がなっていました。
「あれは……モモンのみですね!あれなら……」
『ソウソウ』
「どうしましたか?フシギソウさん?」
フシギソウに肩をトントンと叩かれ、リーリエはフシギソウの方へと振り向く。するとフシギソウが別の方へをツルで指し示した。
「あ、あれは……」
フシギソウが指し示した茂みへと目を移すと、そこにはとあるポケモンたちが隠れていた。
『カリキリ、かまくさポケモン。くさタイプ。太陽の光が好きで昼間は寝ていることが多い。夜になると活動的になる。』
隠れていたのはカリキリであった。カリキリたちは警戒した様子でこちらを覗いている。その様子を見たリーリエはあることを察しフシギソウに尋ねた。
「もしかしてこの木の実ってカリキリさんたちの?」
『ソウ』
フシギソウはリーリエの問いに頷き答える。そう言うことであればとるわけにはいかないと思いカリキリさんたちに頭を下げてその場を後にした。
「ふぅ……なんとか見つかりましたね。」
『ソウ!』
少し手間取ったものの、フシギソウの協力のお陰で目的の甘い木の実、マゴのみをいくつか入手することができた。危うくカリキリの縄張りからモモンのみをとってしまうところだったが、もしとってしまっていたらカリキリたちに襲われていたかもしれない。
「リーリエさーん!」
『チュリィ!』
向こうからはヒナとヒナに抱えられたチュリネがこちらへと向かってくる。チュリネの手には袋が抱えられており、あの表情を見る限りではあまいミツをゲットすることができたようだ
「あまいミツ、ゲットできたんですね!」
「はい!チュリネちゃんと一緒に見つけました!」
ヒナの話によると、チュリネと一緒にミツハニーたちを説得したら少しだけ譲ってくれたとのこと。彼女にはトレーナーとしての才能があるなと心の中で思った。
素材を集めた終えた二人はその素材をマオに届けにいく。マオはその素材を笑顔で受け取り、早速ぬしポケモンをおびき出すための料理を作り始める。
(……なんだかものすごく甘ったるい匂いがします)
(なんなんだろう、この匂い……)
女の子は甘いものが大好物だとよく言われる。それはリーリエとヒナも当然同じだ。しかしこの匂いは甘い……というより表現できない匂いが森の中を充満する。お世辞にも美味しそうには感じる事ができなかった。
「おっ、作ってるな。」
「この匂いは相変わらずですね。」
そこにやってきたのは同じアーカラ島のキャプテンをしているカキとスイレンであった。二人はこの匂いを嗅いで渋い顔をするどころか寧ろ呆れている顔をしているように思える。
「カキさん、スイレンさん、どうしてここに?」
「マオに呼ばれたからな。」
「島巡りのトレーナーも落ち着いたので、様子を見に来たんですよ。」
二人はマオに呼ばれたからこの場にやってきたらしい。マオも笑顔で二人を歓迎している。
「えっと、この人たちは?」
「あっ、ヒナさんは初対面ですよね。こちらアーカラ島のキャプテンを務めているカキさんとスイレンさんです。」
「よろしく。」
「ふふ、よろしくお願いします。」
リーリエの紹介にカキとスイレンはヒナに挨拶する。ヒナも反射的に慌てて頭を下げて挨拶を返す。やっぱり新米トレーナーとしては他のトレーナーと会うのはまだ慣れないようだ。それがキャプテンやしまキングのような人物であれば尚更だろう。
「っと、そんな呑気なことを話している場合ではないようだ。」
カキがそのようなことを口にすると、森がざわめき始めた感覚がリーリエに走った。ヒナはまだ気づいていないが、どこどなく肌がピりつくような感覚、間違いなくぬしポケモンが近付いている。
「来るよ!」
マオのその合図と同時にリーリエは背後を振り向く。するとそこには通常のサイズより一回りも二回りも大きいラランテスの姿があった。このサイズは間違いなくぬしポケモンのそれである。
「ヒャッ!?な、なにこのポケモン!?」
『ラランテス、はなかまポケモン。くさタイプ。両腕の鎌状のはなびらは鋭い切れ味を持つ。分厚い鉄板すらも真っ二つにする。』
初めて見るぬしポケモンの姿にヒナは驚きの声をあげる。リーリエはそんなヒナを守るように前に出る。
「ヒナさんは下がっててください!ここからは私の……私たちの試練です!」
リーリエはそう言ってモンスターボールを手にする。ヒナはリーリエの言う通りに後ろへと下がって見守ることにした。
「ここからが試練の本番」
「リーリエの実力は知っているが」
「お手並み拝見、ですね」
そう言ってキャプテンたちもリーリエの試練の行く末を見守る。
「シロン!お願いします!」
『コォン!』
『ソウソウ!』
モンスターボールからはシロンが繰り出され、シロンと共にフシギソウも一歩前に出る。目の前に立ちはだかるぬしポケモン、ラランテスと対峙するのであった。
『ララァン!』
開幕からラランテスは大きい咆哮と共にオーラを全身に纏う。これはぬしポケモン共通と言える不思議な力で強化されている状態だ。ラランテスも例外ではない。
『ララァ!』
「来ます!躱してください!」
ラランテスは初めから大技であるリーフストームで先制攻撃をしてくる。シロンとフシギソウはその攻撃を上手く回避する。
「フシギソウさんははっぱカッター!シロンはこおりのつぶてです!」
『コォォン!』
『ソォウ!』
フシギソウははっぱカッター、シロンはこおりのつぶてで反撃をする。その攻撃をラランテスは両腕のカマで切り裂き防いだ。
(やはりあの両腕のカマ、かなり厄介ですね。なんとかして防がないといけません。)
そう言って対抗策を頭の中で考える。しかしその時ラランテスに異変が起こった。
『ララァァァ!』
ラランテスは大きく高い声を辺りに響かせる。一体なんだと警戒するリーリエの目の前に、あるポケモンが姿を現した。
『ポワァ』
「あれは、ポワルンさん?」
『ポワルン、てんきポケモン。ノーマルタイプ。湿度や天気によって姿が変化する変わった細胞をもつポケモン。水の分子に似ていると研究によって分かったが未だ謎多きポケモン。』
目の前に現れたのはポワルンであった。ラランテスの咆哮と同時に現れた、ということはもしかするとポワルンはラランテスの仲間かもしれない。そう考えたリーリエは、ポワルンも敵と判断し身構える。
『ポワァ!』
ポワルンが声をあげると、周囲に異変が起きる。リーリエが空を見上げると、先ほどの天気とは明らかに違い、暑い日差しが森の中を眩く照らしていた。
「これは……ポワルンさんのにほんばれ?」
そう、それはポワルンのにほんばれによる影響であった。にほんばれは天候を晴れ状態にし、日差しを強くする効果のある技だ。それと同時にポワルンの姿が太陽を模した姿に変化した。
先ほどのロトム図鑑の説明の通り、ポワルンは天候によって姿を変えるポケモンだ。天候が晴れになったことによりポワルンはたいようの姿へと変化したのだ。
さらにそれと同時に、ラランテスは腕に力を集約する。その姿をみたリーリエはマズいと察知し、すぐに回避の指示を出した。
「シロン!フシギソウさん!急いで躱してください!」
『コォン!』
『ソウ!』
『ララァ!』
ラランテスはその掛け声と同時に力を溜めた腕を即座に振り下ろす。シロンとフシギソウは急いで横に回避することに成功したものの、ラランテスの攻撃力はすさまじく、地を抉り切り裂く程の威力であった。
今の技はラランテスの得意技、ソーラーブレードである。ソーラーブレードは日の光を一点に集め解き放ち攻撃する隙の多い技だが、日差しが強い時にはチャージ時間を短縮して放つことができる技だ。
強力な技であるが故に隙のある技だが、ポワルンのサポートによりその隙が完全に消されている。強力なコンボにリーリエは呆気にとられてしまう。
しかし対抗策を考えている暇もなく、ラランテスは次なる攻撃へと移行する。再びラランテスは腕に光りを集中させ、今度は横に薙ぎ払う。
隙を完全になくしたソーラーブレードがシロンとフシギソウに迫る。先ほどの回避から殆ど間もなく、対応が間に合わずにそのままダメージを受けてしまう。
『コォン!?』
『ソウ!?』
「シロン!フシギソウさん!」
シロンとフシギソウはその攻撃を受け吹き飛ばされてしまう。リーリエの声を聞いてシロンとフシギソウは立ち上がるが、かなりのダメージを負ってしまう。
「くっ、あのソーラーブレード、とてつもないくらい強力です。」
なんとかして対抗策がないかと考えるリーリエだが、その間もソーラーブレードが二人を襲い掛かる。シロンとフシギソウはなんとかして回避し続けるも完全に防戦一方。攻撃する間もなければこのままでは倒れてしまうのも時間の問題、出来レースである。
強力なソーラーブレードを回避し続け、かなりの時間が経過したようにも感じる。あれだけの攻撃を回避し続ければ生きた心地がしないだろう。現にシロンとフシギソウもハァハァと肩で息をし、疲労の色が伺える。
(このままでは確実にやられてしまいます!なんとかして対抗手段を……)
「リーリエさん……一体どうすれば……」
ヒナも心配そうな表情でリーリエの事を見守っている。正直こんな状態では勝つ手段がないのでは、と思えてさえしまう。
対抗手段を考えなければ、そう思ったリーリエの目に映ったラランテスの腕に光が集約されていくのが見えた。しかしその光は先ほどよりも遅く感じた。
それと同時にポワルンにも異変が起き、姿が太陽の姿から通常の姿へと変化した。空を見上げると先ほどまでの日差しからかなり弱くなったのが分かった。
「っ!チャンスなら今しかありません!フシギソウさん!全力で走ってください!」
『ソウ!』
フシギソウはリーリエの言葉を信じて全力でラランテスの元へと走り出した。一体何をするのか、とヒナは考えるが、ラランテスは迫りくるフシギソウに集約した光の剣を振り下ろす。
ダメだと思ったヒナは目を瞑る。しかしチャンスは今しかないと考えたリーリエは、フシギソウにつるのムチの指示を出したのだった。
「フシギソウさん!ラランテスさんの腕の根本につるのムチです!」
『ソウ!』
『ララ!?』
フシギソウはラランテスの腕につるのムチを巻き付け、そのままの勢いでラランテスを縛る。先ほどのソーラーブレードとは打って変わって勢いも弱かった。天候が戻ったことによりチャージ速度も遅くなり、慌てて振り下ろしたことにより最大限力を溜めることができなかったようだ。故にフシギソウのツルで簡単に動きを封じることができたのだ。
『コォン!』
「シロン……はい!ここはあれで決めるしかありませんね!」
今まで上手く成功させることができなかったあの技。しかし今はかなり追い詰められた状況。ここで一撃で決めなければ恐らく勝つことはできない。
そう考えたシロンとリーリエは、一か八かあの技にかけるしかないと一緒に構える。
「私たちの全力、この一撃に込めて見せます!」
『コォン!』
手を目の前でクロスさせると同時に、腕に付けたZリングにハメられたZクリスタルが光を放つ。
そう、リーリエたちに残された全力全開の大技、Z技である。
「これが……私たちの全力です!」
『コォォォン!』
シロンの足元から氷の柱があらわれシロンを上空へと持ち上げる。そしてシロンは力を体内に集中させ、Z技の準備が整う。
――レイジングジオフリーズ!
リーリエのポーズ、掛け声とともにシロンは集約した力を一気に解き放つ。それを確認したフシギソウは同時にラランテスを縛っていたツルを放す。
突然自由になったラランテスは身体が動かず、回避することができる態勢ではなかった。ラランテスに対して氷タイプのZ技、レイジングジオフリーズが襲い掛かる。
シロンの一撃がラランテスを包み込む。大きな爆発と音がシェードジャングル全体に響き渡った。
爆発が収まり、そこにはラランテスが目を回して横たわっていた。そして一緒にいたポワルンは森の中へと逃げて行った。つまりラランテスは戦闘不能、試練は無事達成ということである。
それが分かった瞬間、リーリエは喜びと同時にその場に座り込んだ。あまりにも緊張感のあるバトルであったため、その緊張が一気に抜けたのだろう。
そんなリーリエにシロンとフシギソウが一斉と飛び込んだ。二人もこのバトルの喜びを共感してくれているようだ。
『……ララ?』
暫くするとラランテスは目を開け、体を起こすとそのまま森の中へとゆっくり帰っていった。
そしてシェードジャングルのキャプテンであるマオが拍手しながらリーリエに歩み寄ってきた。
「おめでとー!リーリエ!無事試練達成だよ!」
すごくいいバトルだったと称賛しながらマオは手を指し伸ばしてきた。その手を受け取りリーリエは立ち上がる。
「はいこれ!試練達成の証のくさZだよ!」
リーリエはマオからくさZを受け取る。リーリエはそれを受け取り、試練を達成したと言う実感を得ることができた。
「ありがとうございますマオさん!くさZ!ゲットです!」
『コォン!』
『ソウ!』
見守っていた他のキャプテンとヒナもリーリエの勝利を祝福してくれた。こうしてリーリエのアーカラ島の試練は大試練を残すのみとなったのだった。
因みにその後、ラランテスが食べることの無かったマオ特性のスープ(スーパーマオスペシャル)を食べるよう勧められたが、カキとスイレンは苦い顔をしながら断っていた。
正直リーリエとヒナも食べる気力はしなかったが、折角作ったのに食べないのは悪いと感じたので少しだけ口にした。
しかし口にしたのは少しだけのはずなのに、口の中に広がる甘ったるさとドロッとした食感、鼻の奥にツンと香るなんとも言えない匂い、この世のものとは思えない食べ物に、リーリエとヒナは二度とマオの料理を口にしないようにしようと心の中で誓ったのだった。
無事試練を突破したリーリエとヒナはシェードジャングルを後にする。その時、ヒナはなにかを考える素振りを見せていた。
ヒナは暫く考えたあと、口を開いてリーリエに声をかけた。
「……リーリエさん!」
「え?どうかしましたか?」
「私、島巡りに挑戦したいと思います!」
その発言に一体どうしたのかと尋ねたリーリエ。その問いにヒナは意を決して返答した。
「今日の試練、私感動しました!あんなすごいバトル、私もしてみたいって思ったんです。だから!島巡りをしてトレーナーとして実力をつけたいと思いました!」
そう言うヒナの目は輝いており、まるで以前までの自分を見ているようだと感じた。かつてシンジの傍で見守り、自分もこの人のように強くなりたいという思いを抱いていた頃の自分に。
だからこそ、リーリエがヒナに贈る言葉は決まっていた。
「それではこれからはライバルですね!ヒナさん!」
「ライバル!?は、はい!私頑張ります!」
次会うのはアローラリーグの会場で、そう約束した二人は握手を交わし、互いに別れを告げたのだった。
次会った時、彼女がどれだけ成長するのか。まさか自分がこのような立場になるとは思っていなかったと考えながらも、心の中で嬉しさと楽しみで溢れるリーリエであった。
と言うわけでアンケート結果はライバル枠としての参戦でした!さすがにこれがラストの枠だと思います。アニポケで言うショータ君と同じ枠かな?
色違いイーブイをなにに進化させるか悩んでいる方がいるようですが、意外と進化させないのも手ですぞ。リフレやキャンプで愛でたり連れてあるいているとまるで天使のようです。白イーブイは滅茶苦茶可愛い(断言)
因みに私の色違いブイズはニンフィアが2匹、ブラッキーが2匹、他のブイズが1匹ずつ、イーブイが9匹います。色ニンフィア厳選してたら多くが♂だったので余ったんですよね……。でもキャンプで6匹並べたら殿堂入りしてOP画面に6匹並べると最高です!