ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
次のシーズンランドやレヒレは当然だけどバシャーモとか暴れそうね。以前みたくエスバ一強って言うのは意外と無くなりそう。
お兄様とZ技の練習の為に練習をした私たちは、次なる目的地であるマオさんの試練、ジェードジャングルへと向かっています。
そして現在、その道中で休息の為にみんなでお昼ご飯のキャンプをしています。
「はい!みなさんのご飯の用意できましたよ!」
『コォン!』
『チラチ!』
『ソウソウ!』
『リルル!』
『ピィ!』
私は全員分のポケモンフーズをお皿に盛り、それらをポケモンさんたちに差し出しました。
「どうですか?おいしいですか?」
『コン!コォン!』
シロンを始めとし、全員が笑顔で返事を返してくれました。どうやらみなさんが満足のいくできに作れたみたいで安心しました。
『リーリエは物覚えが早いロネ。』
「シンジさんが色々と丁寧に教えてくれたからですよ。
以前カントーを旅していた時、私はシンジさんから料理の作り方だけでなくポケモンフーズの作り方も教わりました。シンジさんの教え方はとても分かりやすく、料理そのものが全く分からない私に一つ一つ丁寧に教えて下さりました。
ポケモンさんのタイプ毎におすすめの基礎レシピや、食欲のないポケモンさんにはオレンの実やオボンの実を細かく切って混ぜることで食べやすくなる豆知識、他にも本では学ぶことのできないような応用となる知識も色々と教えてもらうことができました。
チャンピオンという役職に戻った今では、他のトレーナーさんにも私に教えたような知識を伝えているそうです。私だけが特別、というわけではなく、優秀なポケモントレーナーを育てることもチャンピオンとしての務め、なのでしょうね。
『リーリエみたいないい子なら、いつかシンジを超えられるトレーナーになるかもしれないロ!』
「そ、それは流石にいいすぎですよ!?」
確かにシンジさんに追いつきたいと言う気持ちはありますが、それでもチャンピオンであるシンジさんを超えると言うのは私としても恐れ多くて口にできませんよ……。そもそも経験の場数が違いすぎますし。
私は心の中でそんなことを考えていると、そこにとあるポケモンさんが草の茂みから飛び出し姿を現しました。
『クロー!』
「あっとっと、えっと、このポケモンさんは……」
『ポケモンの説明ならボクに任せるロ!』
そう言ってロトム図鑑さんが飛び出してきたポケモンさんの詳細を説明してくれました。
『モクロー、くさばねポケモン!くさ・ひこうタイプ!一切音を立てずに飛行することができる。足の力も強く、敵の背後から強力な蹴りを浴びせる!』
そのポケモンさんはアローラで初心者のトレーナーが受け取ることのできるポケモンさんの一体、モクローさんでした。
現在野生のモクローさんがアローラで発見された、という目撃情報はありません。ということはこのモクローさんは、誰かが所有しているポケモンさん、ということでしょうか。
「モクローちゃーん!モクローちゃーん!どこいったのー!?」
そんな時、茂みの奥から女の子の声がしました。すると先ほどモクローさんが出てきた茂みから小柄で茶髪のショートヘアーをした女の子が出てきました。
「あっ!モクローちゃん!もう、心配したんだから!」
『クロー……』
どうやらモクローさんはこの女の子のポケモンさんのようです。
「すみません、モクローちゃんが迷惑かけちゃったみたいで……。」
「いえ、迷惑だなんて。えっと……」
「あっ、私はヒナです!それとこっちが私のパートナーのモクローちゃん!」
『クロー!』
「私はリーリエと言います。それとこの子たちが私のポケモンさん達です!」
『コォン!』
『チラッ!』
『ソウ!』
『リル!』
『ピッピ!』
そう言って私は自分のポケモンさんたちを紹介しました。そしてヒナさんは私のポケモンさんたちを見ると、目を輝かせてポケモンさんたちに近寄りました。
「すごーい!ポケモンがいっぱーい!」
ヒナさんは私のポケモンさんたちを食い入るように見ています。しかし直ぐに我に返ったのか、ヒナさんは立ち上がって私の方へと振り向きました。
「あっ、ご、ごめんなさい!実は私、ポケモントレーナーになったばかりで少し興奮してしまって……」
「トレーナーになったばかり、ですか?ということはそのモクローさんも」
「はい、少し前にククイ博士から貰ったばかりなんです。」
初めてのポケモンさん、ですか。なんだかとても懐かしく感じます。オーキド博士からフシギダネさんを貰ったのは遂最近のはずなんですけどね。
「リーリエさんの最初のポケモンってこのフシギソウ?」
「あっ、いえ、私の最初のパートナーはこのシロン……キュウコンさんですよ。」
『コォン』
「え?でもカントーだと初心者用のポケモンはフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメでは……。」
「実はこのキュウコンさん、私がトレーナーになる前に大切な人から貰ったタマゴから生まれたポケモンさんなんです。」
「大切な人から?」
そう、私の大切な人、シンジさんから貰ったタマゴ。カントーに旅立つ際に貰った、大切な家族。思えばあの時から私のトレーナーとしての旅立ちも始まっていたのかもしれませんね。
シンジさんとの、そしてシロンとの出会いが私を変えてくれたんですね。
「ヒナさんはポケモンさんのこと、大好きですか?」
「うん!大好き!でも……」
ヒナさんは明るい笑顔でポケモンさんのことを大好きだと言い切りますが、その後少し俯き暗い顔をしてしまいました。
「なにか悩み事でもあるんですか?」
「実は、旅に出てから一回もバトルで勝てないんです。さっきも同じ日に旅立った幼馴染のトレーナーとバトルしたんですけど……」
「ニャビー!ひっかく!」
『ニャブ!』
「躱して!モクローちゃん!」
『クロー!』
「このはで攻撃!」
「ひのこで反撃だ!」
『クロ!』
『ニャッブ!』
『クロ!?』
「あっ!?モクローちゃん!?」
『くろ……』
「なんだよ、何度やっても成長しないな、お前は。」
『ニャブ』
「それでその後すぐにモクローちゃんが飛び出して行ってしまって。私の事を見放したのかな、って思ったりもしたんですけど……。」
「そうだったんですね。でもモクローさんがヒナさんのことを見放したっていうのは無いと思います。」
「え?」
「だってモクローさん、ヒナさんと一緒にいるととても嬉しそうにしていますし、きっと負けて悔しかったんじゃないでしょうか?」
「悔しかった?そうなの?モクローちゃん」
『クロクロー!』
モクローさんはヒナさんの問いに強く頷いて答えました。モクローさんは負けた悔しさを感じ、強くなりたいと願っているみたいです。
「……なんだ、そうだったんだ。だったら私も同じだよ!これからもっと一緒に強くなっていこう!」
『クロー!』
よかった、ヒナさんも元通り元気になったみたいですし、これで解決ですね。
と、思いきや、その直後にヒナさんとモクローさんはこちらに振り向き、目をキラキラとさせてズイズイと寄ってきました。
「リーリエさん!」
「は、はい!?」
「少しの間だけで構いません!私をリーリエさんの旅に同行させてください!」
「え?た、旅に同行、ですか?」
「はい!トレーナーとして、リーリエさんの旅から少しでも学ばせてもらいたいんです!お願いします!」
『クロクロ!』
「えっと……」
正直私はまだ人に教えられるほどの自身はないんですけど。でもヒナさんとモクローさんにこんなに頭を下げられてしまうと断り辛いですし……。ど、どうしましょう……。
『コォン』
「し、シロン?」
『コォン、コンコォン!』
「ヒナさんのお願いを聞いてあげて、ですか?」
『コン!』
私の質問にシロンが笑顔で答えました。
でも確かに、人に教えることは何より自分の成長に繋がるものだと聞いたことがあります。シンジさんのように上手く教えられるかどうかは分かりませんが、やってみましょう!
「分かりました!では少しの間、よろしくお願いしますね!ヒナさん、モクローさん!」
「っ!?はい!やったね!モクロー!」
『クロー!』
そうして、私は少しの間ヒナさんと旅をすることになりました。人に物事を教えるのは初めてですが、何事も経験と挑戦です。がんばリーリエ、です!
今回登場したヒナちゃんは3~4話のゲスト参戦のつもりです。ただ、もし読者の皆様が希望するのであればリーリエのライバルポジション、又はアニポケのように旅同行者となる可能性もあります。一応ヒナちゃんが出る間アンケート取るので投票してくださると嬉しいです。そう、これからの物語を決めるのはあなたたちです!(それっぽいこと言いたかっただけ)
なに?新キャラは出さないんじゃなかったのかって?
知らん、そんなことは俺の管轄外だ
今回登場したヒナちゃんの出番は?
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予定通り3話~4話でおk
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アーカラ島は同行してほしい
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ライバルとして参戦(リーグで再登場)
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旅中同伴してほしい