ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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最近の私の悩み

アシレーヌを使ってみたいけど役割的にニンフィアちゃんと被ってしまうから使えない


リーリエとシロン、ロコンとの出会い!

アーカラ島二つ目の試練、カキさんの炎の試練を突破した私は、アーカラ島最後の試練であるマオさんが担当の草の試練、ジェードジャングルを目指して先を進んでいます。

 

ヴェラ火山公園の先にあるトンネルを超えると、その先である人に話しかけられました。

 

「もしもし、そこのトレーナーさん。少しよろしいですか?」

「あっ、はい、私ですか?」

 

その人は襟も高く分厚い白衣、メガネ、金髪、そして腕には大きな腕時計にも似た機械。少し雰囲気にそぐわない怪しげな格好ですが、研究員の方でしょうか。エーテル財団の方でしたら、特徴的な見た目なので忘れないはずですが。

 

「わたくし、アクロマと言う者です。しがないただの科学者ですよ。」

「アクロマさん、ですか。私はリーリエです。島巡りに挑戦中のトレーナーです。」

「島巡り……アローラのトレーナーに伝わる伝統、ジムチャレンジにも似た文化でしたね。」

「はい、その通りです。」

 

このアクロマさん、と言う方はジムチャレンジの事を知っている。このアローラではあまり知られていないジムチャレンジを知っているという事は、アローラの住人ではなさそうです。

 

「ふむ、トレーナー、そしてポケモンと言う存在は実に興味深い。地域によって姿、形、タイプ、生態、さらには文化までもが変わる。そう、“世界”によっても、ですね。」

「アクロマさん?」

「いえ、なんでもありません。ただの独り言です。」

 

最後の方の言葉が聞き取れず、私はアクロマさんに聞き返してみましたがはぐらかされてしまいました。どうしてかその内容が気になってしまいますが、そう言い返されては私はこれ以上尋ねることはできませんでした。

 

「島巡りの邪魔をして申し訳ありません。わたくしはまた調べたいことができてしまったので、ここで失礼させていただきます。貴女とは、また会う気がしますけどね。」

 

そう言ってアクロマさんはその場を去っていきました。恰好もそうでしたが、物言いも含めて怪しげな雰囲気のある方でした。

 

ですが私は不思議とあの方は悪い人ではないのではないかと感じています。アクロマさんはまた会う気がします、と言っていました。次に会った時はあの人の正体も分かるのでしょうか。

 

私はアクロマさん、と言う不思議な科学者の事を見送っていると、再び別の方から声をかけられました。

 

「あれー?リーリエじゃーん!こんなところで奇遇だねー!」

「あっ、ハウさん!ヨウさんは一緒じゃないんですか?」

「ヨウはポケモンを鍛えるってどっかいっちゃったー。グラジオには負けたくないからだってさー。」

 

その方は私と同じ島巡りに挑戦しているハウさんでした。ヨウさんとは別行動の様で、お兄様に負けたくないから試練に挑戦する前にポケモンさんたちを鍛えるだそうです。前回バトルロイヤルで負けたことを気にしているのでしょう。

 

実際、お兄様のポケモンバトルの腕前はかなりのものです。二年前にシンジさんと互角のバトルを繰り広げ、お互いにライバルとして鍛えあったと私は聞いています。今の私が全力で戦っても勝ち目はないでしょう。

 

「ところでさー、気になってたんだけど。」

 

そう言ってハウさんが私の背後にあるものを指差して言いました。

 

「その白い車みたいなのってなにー?」

「あー、これはエーテルベースと呼ばれているものだと思います。」

 

私がハウさんにエーテルベースについて説明をしました。

 

エーテルベースとは、エーテル財団が拠点の様に使用している場所で、その地域のポケモンさんを観察したり保護したりしている、所謂キャンピングカーにも似た役割をしている場所です。

 

と言っても、私もお母様から聞いただけで詳しいわけではありませんが。

 

「へぇー、気になるし中に入ってみようよー!」

「えっ?でも迷惑じゃ……。」

「迷惑だったらすぐに出ればいいしさー、覗くだけだよー!」

「あっ、ハウさん!」

 

私はハウさんに言われるがままにエーテルベースへと入ることになりました。エーテルベースの扉は自動扉で、中は車の割に作業ができるくらいにはそこそこ広め、と言った印象でした。

 

「ごめんくださーい!」

「ハウさん、あまり大きな声を出すと迷惑では……」

「おや、リーリエ様?なぜここに?」

 

エーテルベースに入ると、私の名前を呼ぶ女性の声が聞こえました。その女性の姿を見ると、エーテル財団の衣装を着ている方でした。

 

「いえ、ただ近くを通りかかったので立ち寄らせてもらっただけです。迷惑じゃなかったでしょうか?」

「いえいえ、迷惑だなんてとんでもありません!寧ろこちらからお願いしたいことがあるくらいです。」

「お願いしたいこと、ですか?」

 

そう言ってその女性は私たちを奥へと案内してくれました。するとそこにはいつか助けた覚えのあるポケモンさんの姿がありました。

 

「あっ、この子は……」

「リーリエ様、このロコンをご存知でしたか?」

 

そこには以前オハナタウンで助けたロコンさんの姿がありました。ロコンさんは眠っていたみたいですが、私の存在に気付いたのか目を開けてこちらをゆっくりと見つめてきました。

 

「えっと、お久しぶりです、ロコンさん。」

『コォン……』

 

ロコンさんは私の声に返答し、ゆっくりと近付いてきてくれました。どうやら私の事は覚えてくれているみたいです。

 

「へぇー、ロコンだー。おれハウよろしくねー!」

『!?コォン……』

 

ハウさんが自己紹介をすると、ロコンさんは怯えた様子で後ろに下がってしまいました。

 

「実はこの子、前に2人のトレーナーに虐められていたんです。恐らくその時のことがトラウマで……」

「そうだったんだ。ごめんね、驚かせちゃってー。」

『コン……』

 

ハウさんの気持ちを理解したのか、先ほどに比べれば警戒心が少し解けたみたいです。

 

「実はこのロコン、大分衰弱しているんです。食べ物を食べさせようとしても警戒してしまって食べてくれなくて。」

 

他の人を信用することができず、食べ物を与えられても警戒心から食べる気が起きないのでしょう。あれだけ怖い目にあったので気持ちは分かりますが、このままでは体が弱り切ってしまい最悪の事態になってしまう可能性があります。

 

「なにかお腹が膨れるものを与える必要がありますが、私たちではこれ以上は無理そうです。ですがリーリエ様には心を開いているようなので、どうか力を貸してくれないでしょうか?」

「もちろんです!弱ったロコンさんをこのまま見捨てるわけにはいきませんから!」

「おれも協力するー!」

 

ハウさんがそう言いながら思いついた提案を口にしました。

 

「やっぱりお腹が膨れるものと言ったらマラサダだよー!美味しいし種類もいっぱいあるしー!」

「マラサダ、ですか?」

 

マラサダとはアローラ地方では有名なお菓子です。油で揚げたパン生地はふわふわで、ハウさんの言うように種類も豊富で多くの人に人気のある伝統的なお菓子です。私も食べたことはありますが、とてもおいしく食べやすいものだったと記憶しています。

 

「ですがここからマラサダの売っている店までは少々距離が……」

「でしたら我々がライドポケモンとして利用しているペリッパーをご利用ください。ライドポケモン用に鍛えられているので、スピードも充分ですよ。」

「いいんですか?ありがとうございます!」

 

私がエーテル財団員の方にお礼を言うと、その時モンスターボールが勝手に開いてポケモンさんが外に出てきました。

 

『コォン!』

「シロン?もしかしてロコンさんの事を見ていてくれるんですか?」

『コン!』

 

シロンはロコンさんが心配になってモンスターボールから飛び出してきてくれたようです。私としてもシロンに任せれば安心できるので、とても助かります。

 

そうして私はハウさんと一緒にマラサダを買う為にライドポケモンさんであるペリッパーさんの力を借り、ロコンさんのことをシロンに任せてカンタイシティまで急行しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、いっぱい買っちゃったー!」

 

ハウさんの腕にはマラサダが入った大きな紙袋があります。ハウさんはマラサダが大好物なようで、着いた途端に目の色を変えて買い占めるかのような勢いでレジを済ませていました。

 

マラサダは種類が豊富すぎるためどれを買うべきか悩みましたが、ロコンさんの好みも分からないため無難に大きなマラサダを購入しました。これであればお腹の足しにもなりますし、量が足りないなどという事もないでしょう。

 

「ただいまー!」

「ただいま戻りました。シロン、ロコンさんは変わりないですか?」

『コォン』

 

よく見てみるとロコンさんはシロンの尻尾の中で気持ちよさそうに眠っています。どうやらシロンにも心を開いてくれているようです。

 

『……コォン?』

「ロコンさん、お食事を買ってきましたよ。」

『コォン……』

 

ロコンさんは私の差し出したマラサダの匂いを嗅ぎ始めました。少し心を開いてくれたとしても、やっぱり警戒心はあるみたいです。

 

少し不安でしたが、ロコンさんは暫くするとマラサダの先端を少しかじりました。するとロコンさんは笑顔を浮かべ、次、またその次とどんどん口にしていきました。どうやら気に入ってくれたようです。

 

「よかったー、マラサダ気に入ってくれたみたいだねー!」

「やっぱりリーリエ様には心を開いているみたいですね。ちゃんと食べてくれてるみたいですし、安心しました。」

 

そのまま様子を見ていると、ロコンさんはあの大きなマラサダを完食してしまいました。本当は余程お腹が減っていたのでしょうが、何分警戒心が邪魔をしてしまって食べたくても食事を口にできなかったのでしょう。

 

なにはともあれこれで一安心です。

 

「シロンも、お疲れ様でした。ありがとうございます。」

『コォン!』

 

私はロコンさんの面倒を見てくれたシロンの頭を撫でて感謝をし、モンスターボールへと戻しました。本当にありがとうございます、シロン。

 

「リーリエ様、それからハウさんも、ありがとうございました。」

「いえ、お力になれたみたいでよかったです。」

「うん!ロコンが元気になって良かったよー!」

「とは言えやはりまだ我々にも心を開いてくれるようになるには時間がかかるでしょう。また後日、この子に会いに来てくれますでしょうか?」

 

私はその言葉に対して「もちろんです!」と答え、エーテルベースを後にすることにしました。ロコンさんもどことなく寂しそうにしていましたが、私が「また必ずきますから」と約束して頭を撫でると、笑顔で私を送ってくれました。

 

「リーリエ、お疲れ様ー!」

「ハウさんも、協力してくれてありがとうございました。」

「おれは何もしてないよー!そうだ!頑張ったリーリエに、マラサダあげるー!」

「え?いいんですか?」

「いいよいいよー!リーリエは頑張ってたし、それにマラサダはみんなで食べた方がおいしいからねー!」

 

私がハウさんからマラサダを受け取ると、ハウさんは「またねー!」と言って早々にその場を立ち去っていきました。明るい人ですけど、相変わらず嵐のような人ですね。

 

私はハウさんから貰ったマラサダを食べました。少し甘さが強めのマラサダでしたが、とてもおいしい味でした。今度はシロンや他のポケモンさん達にも買って一緒に食べようと心に決め、次なる目的地のジェードジャングルへと旅を進めることにしました。




ニンフィアちゃんの身代わり強いなと思う今日この頃です。因みに今バトルで気に入っているのはバンバドロ、サニーゴです。

本日は開幕でとあるシナリオの伏線を張っておきました。はい、皆さんの想像通りのシナリオまでは進める予定でございます。自ら逃げ場を塞いでいくスタイルです。


今のアニポケ普通に面白いと思うんだけど評価低いらしいんだよね。個人的にアニポケをシリーズ物として見るのはやめた方がいいと思います。

実際アローラから作画だけじゃなくて内容も違いすぎと言われることがありますが、割と初代からツッコミどころのあるネタは多かったですし。

因みに予備知識ですが、実はサトシのピカチュウはサトシ以上にカスミの方に懐いていたりする。さらに初代のサトシは割と女性に惚れたり(9話“ポケモンひっしょうマニュアル”参照)、カスミの事を異性として意識したり(20話“ゆうれいポケモンとなつまつり”参照)する描写があります。オレンジ諸島かジョウト編辺りからそんな素振りもなくなり始めていたけれども。

割とロケット団と仲良さそうにしてたことも多かったりピカ様も初代とアローラでは割とアホの子っぽかったりしてますし。

今回登場したヒナちゃんの出番は?

  • 予定通り3話~4話でおk
  • アーカラ島は同行してほしい
  • ライバルとして参戦(リーグで再登場)
  • 旅中同伴してほしい

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