ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》 作:ブイズ使い
常にニンフィアちゃん連れ歩いてますが、可愛すぎてヤバいですね☆
あっ、今回はかつて要望があったことを少し触れさせていただきました。もはや忘れているレベルに前に話ですが……。
そして2週間休んだ割に短めで申し訳ないです……。暇なのは困りますが、やりたいことが多いのも大変です。
ちなみに追加ポケモンで私が今気に入っているポケモンは草食滅びの歌マリルリです。読まれないしドヒドナットに強いからオススメです。
ククイ博士が主催するポケモンZキャンプも終盤。チャンピオンであるシンジさんがキャンプのゲストとしてやってきて、キャンプの盛り上がりは最高潮に達しています。
カントーと違って、アローラのチャンピオンであるシンジさんは島巡りをするトレーナーたちからすれば憧れ以上の雲の上に立つような存在。そんな人から色々教えてもらえる上に、少しの間とはいえ一緒に過ごせるのですから嬉しくないトレーナーはいないでしょう。
本日行われているのはチャンピオンによるZ技の講習会でした。
Z技は実技で習得するのも勿論重要ですが、それだけでなく学んで理解を深めるのも必要なことだそうです。確かにどれだけ修練を積んでZ技を極めても、それだけではZ技の真価を発揮できないのは間違いないでしょう。
「さあ、ここでもう一度復習だよ。Z技にとって最も大事なものは何かな?」
『ポケモンとの絆です!』
「正解、みんないい答えだね。」
シンジさんの問いに殆どの人が一斉に答えました。今まで以上に参加者の皆が張り切っているような気さえ感じられるほどの回答でした。
「はははー、やっぱりチャンピオンの影響力ってすごいねー!」
「そうだな。みんなが真剣にシンジの言葉一つ一つに集中して聞いてるもんな。」
ヨウさんもハウさんも私と同じことを考えていたようです。カントーを旅していた時は全く意識してませんでしたが、チャンピオンの影響力は本当に凄まじいものです。
トレーナーであれば誰もが憧れる存在、チャンピオン。シンジさんは初めてアローラで開催された大規模なトーナメントに優勝してチャンピオンになりました。
約2年ほど前に開催されたトーナメントは、アローラのトレーナーであれば誰でも知っていることでしょう。当時の試合を知っている人であれば、シンジさんがどれだけ強いトレーナだと言うのが理解しているはずです。
そして私にとって、最も尊敬する最高のポケモントレーナーです。
翌日、今日はシンジさんによる別の特別講習が行われていました。
今回はZ技についてではなく、ポケモンさんの健康状態に関してでした。シンジさん曰く、島巡りをするトレーナーたるもの、自分のポケモンさんの健康状態を管理するのはトレーナーの仕事、だそうです。
「うん、このレントラーは良く育てられてるし、健康状態もいいみたいだね。」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「このゴロンダ、なんだか少し元気ないみたいだね。」
「はい、最近ポケモンフーズもあんまり食べてくれなくて。」
「そういう時は、細かく切ったオレンの実を混ぜてあげるといいよ。誰でも簡単にできるし、食欲のないポケモンも喜んで食べてくれるはずだから。」
「そうなんですね!ありがとうございます!」
シンジさんは参加しているトレーナーのポケモンさんの様子を見ながら、的確なアドバイスを与えていました。他にもポケモンさんの体力を回復するオボンの実や、毒状態を治すモモンの実、ポケモンさんの怪我を治すきずぐすりは必ず常備しておくことなど、旅をすることにおいての基礎的な知識から、ポケモンさんの体調が悪い時に誰でも簡単にできるちょっとしたレシピなども教えてくださいました。
シンジさんもかつては自分一人で旅していたので、当時自分が経験したことを活かして島巡りのトレーナーが困らないようにある程度の知識を伝えています。この場にいるトレーナーにとってはとても有意義な時間となることでしょう。もちろん、それは私にとっても有意義な時間です。
その次の日も、また次の日も、シンジさんによる講義は続きました。そして遂に迎えたポケモンZキャンプ最終日。シンジさんの講義が全て終了し、最後の授業が始まり、全員がいつもの一室に集まりました。
「みんな、今日までお疲れ様。今日でキャンプも僕の講義も終わりだよ。」
シンジさんの挨拶から始まり、みんなはその言葉に対して「え~」と言う少し残念そうな声を出していました。その反応にシンジさんは困ったように苦笑いをし、そのまま言葉を続けました。
「ここで学んだことは、将来必ずみんなの役に立つはずだよ。僕やククイ博士から学んだこと、決して忘れずないでね。みんなが僕に挑戦する時を楽しみに待ってるからね。」
シンジさんのその言葉に、私も含む全員が元気よく「はい!」と明るい表情で返答しました。チャンピオンに期待されているような言葉をかけられれば、誰でも嬉しくなるものでしょう。
「さて、チャンピオンから貴重な体験をさせてもらったが、これもいい機会だ!最後にチャンピオンに質問がある人はここで聞いておくといい。もちろん、一人一回までだからね。」
ククイ博士のその言葉を聞いた全員が、一斉に手を挙げてシンジさんに質問を投げかけます。その勢いに圧倒され、シンジさんも少し困惑気味な様子です。
「チャンピオンはどんなトレーニングをして強くなったんですか?」
「特別な特訓はしてないよ。自分のパートナーであるポケモン達と一緒に過ごして、遊んで、食事をして。心を通わせることが一番重要だと、僕は考えてるんだ。」
「チャンピオンは今までアローラ以外にどんな地方を旅してきたんですか?」
「自分の故郷であるカントーやジョウトはもちろん、ホウエン、シンオウ、イッシュにカロス、様々な地方で色んな経験をしてきたよ。どの地方での経験も、今でも全部役立ってるよ。」
トレーナーの皆さんがシンジさんに次々と質問をしていきます。シンジさんはそれらの質問全てに丁寧に答えていきます。他にも慣れていないポケモンさんとの接し方、ポケモンさんと仲良くなるコツ、試練のアドバイスなど、為になることを色々と答えてくださいました。
「さあ、他に質問したい子はいるかな?」
「あっ、は、はい!」
ククイ博士の問いに、私は慌てて手を挙げて返事をしました。折角の機会なので、私も一緒に過ごしていた時に聞けなかった質問を一つ尋ねておきたいです。
「リーリエで最後みたいだな。どんなことが聞きたい?」
「えっと、少し難しい事かもしれないんですけど……。」
「いいよ、僕に答えられる事であれば答えさせてもらうよ。」
シンジさんの言葉に私は一呼吸をおいて、気になっている質問を投げかけました。
「シン……チャンピオンさんは自分の大切にしている理念……と言いますか、信念といいますか、そう言った大切にしているものはあるのでしょうか?もしそう言ったものがあるのであれば教えてほしいのですけど……。」
私の質問にシンジさんは優しい笑顔を向け、少し考える素振りを見せてから答えました。
「難しい質問だね。理念や信念かは分からないけど、大切にしている事ならあるよ。それでもいいかな?」
私はシンジさんの問いかけに対して頷いて答えました。私にとっては重要なことだと思い、喉をゴクリと鳴らしてシンジさんの返答を待ちました。
「僕は何より、自分のポケモンとの時間を大切にしているんだ。」
「時間……ですか?」
シンジさんは私の問いに頷き、そのまま口を開いて言葉を続けました。
「確かに対戦を重ねることや経験を積むことは重要なこと。それがなければどれだけ強くなっても戦術面で劣ってしまい勝つことは出来ない。」
シンジさんは「でも」と続けます。
「ポケモンと共に過ごす時間、それが長ければ長いほど、自分のポケモンの事を理解することができるし、絆も深まる。それだけでポケモンとの意思疎通も自然とできるようになるし、強くもなれる。そして何より、毎日が楽しくなるでしょ?」
シンジさんは微笑みながらそう言って、自分の懐からモンスターボールを取り出しました。
「出てきて、ニンフィア」
『フィア!』
シンジさんはニンフィアさんをモンスターボールから出すと、こっちにおいでと合図を出します。するとニンフィアさんは嬉しそうに擦り寄り、シンジさんの腕に自分のリボンを絡みつけました。
「僕にとってのポケモンは、自分と苦楽を共にするパートナーであると同時に、大切な家族なんだ。そんな大切なポケモン達と、僕はいつまででも一緒にいたい。例えチャンピオンでなくても、誰になんと言われても、それだけは僕の譲れない大切なものなんだ。」
大切な時間、シンジさんが常に一番大切に思っていること。恐らく、シンジさんにとって、勝負の勝ち負けとか以上に大切にしているものがポケモンさんとの時間なのでしょう。
シンジさんは今まで、自分のポケモンさんたちと一緒にいる時は必ず笑顔を絶やしませんでした。バトルの時でも、食事の時でも、ポケモンさんのお世話をしている時でも、どんな時でも一つ一つのことに全力を尽くし、一生懸命になり、優しく接していました。
「あはは、中々表現するのは難しいね。こんな答えでよかったかな。」
「はい!とても参考になりました!ありがとうございました!」
私はシンジさん……チャンピオンさんに頭を下げてお礼を言いました。
今の話を聞いて、私も自分のポケモンさんとの時間を一つ一つ大切にしていこうと思いました。それはこの場にいるトレーナー全員が思ってくれていることでしょう。
こうして、ククイ博士主催のポケモンZキャンプ最終日を終え、全員が再び島巡りへと旅立つ日が訪れようとしていました。
「んー!ポケモンZキャンプ、楽しかったねー!」
「ああ、そうだな。このキャンプだけで、色んなことがあったな。」
ヨウさんの言葉に、ここで起きた出来事を思い返します。思い返せば、様々なことがありました。
最初はレンタルのポケモンさん、ボーマンダさんとの波乱の出会いがあり、ナタリアさんとバトルをし、ヨウさん、ハウさんとチームを組み、ピカチュウさんの騒動があり、そしてチャンピオン、シンジさんの授業を受けました。
キャンプの日は長かったですが、終わってみればあっという間の出来事だった気さえします。
「だけどこれからは……」
「はい!全員またライバルです!」
「とうぜーん!次に会ったらもっと強くなってるよー!」
キャンプで学んでいる間は仲間でした。ですがこれからは友人であり、それ以上にライバルと言うお互いを高め合うライバル。そして、チャンピオンとのバトルを目標にするライバルです!
「次に会ったら、バトルしようぜ!」
「うん!でも、おれたちは負けないからねー!」
「私だって負けませんから!」
『コォン!』
『ピカッチュウ!』
『ニャット!』
『スロォ!』
そう言って私たちは、それぞれ別の道を歩き出しました。
ヨウさんは再びピカチュウさんの谷へ、ハウさんは鍛えるために森の中へ、そして私は先を目指してオハナタウンへ。
「ここからはまたハードな試練が待っているでしょう。」
『コォン』
「はい、私にはシロン、そして頼りになるポケモンさんたちがいます。」
『ボクもいるロ!』
「ふふ、はい!もちろん、ロトム図鑑さんも頼りにしてます!」
『おまかせロ!シンジの分まで全力でリーリエをサポートさせてもらうロ!』
私にはこんなに頼れるポケモンさんたちがいます。この子たちと一緒に、必ず辿り着いて見せます。
(必ず辿り着いて見せますから、待っていてください!シンジさん!)
私の目指すべき場所へと辿り着くため、私は自分のポケモンさんたちと共にオハナタウンを目指しました。
「よし、これでここの調査は終了ですね。」
アーカラ島のとある場所にて、緑色の変わったサングラスをした男が、手ごろな怪しい装置を所持し何かを収納していた。
その何かは肉眼でハッキリとは目に見えないが、薄っすらとだけモヤモヤと煙のように細い小ビンの中で渦巻いていた。
「これを持ち帰れば、更に研究が進みますねぇ。」
男は薄気味悪い笑みを浮かべ、小ビンに入った“あるもの”を見ていた。
「おっと、彼らが来たみたいですね。ここは気付かれない内に早く退散しましょうか。」
誰かが近付いてくる気配に気が付いた男は、その場から逃げるようにその場を去っていく。
「精々島巡りを頑張ることですね、トレーナーの諸君、そしてリーリエ嬢ちゃん」
男は最後にそう呟き、その場から姿を消したのであった。
最近なんと言うか、スランプ気味ですかね。中々話が思い浮かばなかったりで思うように話が書けません。とは言え気ままにやっていくスタンスに特に変わりはありませんが。
ゲーム大全での切断はダメ!絶対!レート無いんだから勝ち負けじゃなくてゲームそのものを楽しもう!
ちなみに私のプレイヤーネームは“こだハチニンフィア”ですのでマッチングしたらその時はよろしくお願いします。