ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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感想が貰えるだけで私はどこまででも頑張れる気がする


3対3のマルチバトル!決めろ、三人の連携攻撃!

空間研究所でのダルス、アマモの話を聞き、バーネットの案内で研究所の見学を満喫したりーりえ、ヨウ、ハウの3人。その翌日、今日は3人一組という課題の最終日である。

 

「よし!みんな集まってるな!」

 

恒例のククイによる挨拶から始まる。参加しているトレーナーたちも全員集合し、ククイの声に元気よく返事をする。

 

「今日は待ちに待ったマルチバトル当日だ!ボクが見ている限りでは、各チームそれぞれ上手く交流できていたように見えた!」

 

ククイは皆の課題に関しての感想を口にする。ククイ的にはそれだけで充分と言っていい課題の成果を感じ取ることができたようだ。

 

「だがそれだけでは当然自分自身が成果を感じる事ができていないだろう。今日はチーム全員で力を合わせ、思う存分課題の成果を発揮してほしい!ボクも皆の成長、しっかりと目に焼き付けておくよ!」

 

ククイ博士のその言葉にトレーナーたちは盛り上がりを見せる。やはり新人ばかりとは言え、バトルの衝動に駆られるのはトレーナーの性と言うものだろうか。

 

一方そのころ、リーリエたちのチームは……。

 

「はぁ、なんだか緊張してきました」

「だいじょーぶだって!いつも通り楽しくバトルすればなんとかなるよー!」

「それに関してはハウの意見に賛成だな。あまり気負わず、気楽にやろう。俺たちも知らない仲じゃないしな。」

 

リーリエもハウとヨウの言葉を聞き少し安心する。

 

対戦の結果がどうあれ、成績や順位、格付けがされるというわけではない。しかしリーリエはこれまで旅をした中でタッグを組んだ相手がシンジくらいしかいない。

 

シンジとのタッグであれば、自分が多少の失敗をしようと彼が合わせフォローしてくれるのでリーリエ自身安心感がある。しかし今回タッグを組むのはヨウとハウだ。

 

ヨウとハウの事を信頼していないわけではない。寧ろ前回会った時から幾度か交流を交わし、UBとの戦いで協力し、その上今回のキャンプでは共に過ごしている。出会ってから長いわけではないが、ある程度気心が知れるくらいまでは信頼も深まっているだろう。だからこそ余計に迷惑をかけないかなどの不安ができてしまうのだ。

 

ヨウとハウの気遣いにより、リーリエからは不安の要素が和らいでいく。そんな時、少し前に聞いた覚えのある甲高い声が彼女たちの耳に入ってきた。

 

「おーほっほっほっ!ごきげんよう、リーリエさん!」

 

声のした方へと一斉に顔を向けると、そこには案の定リーリエをライバル視しているナタリア、それと彼女のチームメンバーと思える男二人が付き従っていた。一人は日傘を持ちナタリアを日差しからガード、もう一人は大きな葉を団扇代わりに仰いでナタリアに風を送っている。

 

その様子はまるで我儘お嬢様の命令に従う従者そのものである。二人はまるで嫌な顔を一切しておらず、寧ろナタリアに奉仕しているのが嬉しいかのようにニコニコしているが。

 

そんな彼女たちの様子を見て、ヨウは呆れて物も言えないと言わんばかりに大きく溜息を吐き、ハウはいつものように笑い飛ばしていた。肝心のリーリエはと言うと、顔に出さないように心の中で苦笑いをしている。一応リーリエもお嬢様であるのだが、自分と違ってかなりの高飛車なのに少し引いているのかもしれない。

 

とはいうものの、リーリエ的には初めて名前を呼ばれて少々嬉しいような感情もあり複雑な気持ちでもあるのだが。

 

「で、リーリエに負けたあんたが一体何の様なんだ?」

「失礼な殿方ね。まぁいいわ。リーリエとその他の皆さま、前回は負けてしまいましたが、今日のマルチバトルは必ず勝って見せますわ!覚悟していただきますわよ!」

「あははー!わざわざ宣戦布告しにきたんだねー!」

「ええ、もちろんですわ!リーリエさん、あなたにシンジ様は渡しませんことよ!」

 

普段は温厚なリーリエ。しかし今のナタリアの言葉に反応し、彼女は柄にもなく熱くなってしまい……。

 

「ナタリアさん!私たちは絶対に負けません!」

「あら、意外にも大きな物言いをするのね。そのくらいでなくては面白くありませんわ。」

 

リーリエはそう言い返した。ナタリアは精々頑張ってくださいな、とだけ言い残し、リーリエたちの元を立ち去った。

 

「絶対負けません。このバトル、なにがなんでも勝って見せます!」

「お、おう、そ、そうだな。」

「リーリエ、なんか怖いよー」

 

普段と様子が全く違うリーリエの姿に、ヨウとハウもタジタジにならずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マルチバトルが開催され、各々のチームがバトルを進めていく。

 

中にはチームの連携を上手く決めることができ拳を突き合わせる人、思わずハグをする人、負けて悔しさを感じ涙を流す人、握手して互いの健闘を称え合う人、その姿は様々であり、新人であってもトレーナーとしての精神に偽りはなかった。その光景にククイを含むスタッフの面々は微笑んで満足気に見守っていた。

 

そして遂にリーリエたちの番がやってきたのであった。

 

「さぁ、リーリエさんとその他の皆さん、準備はいいですわよね?」

「はい、いつでも構いません!」

「あははー、おれたちはあくまでおまけなんだねー」

「まぁ、目の敵にされたりするよりかはよっぽどマシだけどな。」

 

ハウはともかく、ヨウは彼女の事を面倒くさい人物だと捉えているようだ。寧ろその解釈に間違いはないのだが。

 

そんなこんなでリーリエも含む全員の準備が整り、審判を務めるスタッフが今一度確認をとる。

 

「全員、バトルの準備はよろしいですか?」

『はい!』

「それでは、ポケモンをお願いします!」

 

審判のその合図と共に全員がポケモンを一斉に繰り出す。

 

「お願いします!マリルさん!」

『リルル!』

「行くよー!フクスロー!」

『スロー!』

「頼むぞ!ピカチュウ!」

『ピッカチュ!』

 

リーリエはマリル、ハウはフクスロー、そしてヨウはピカチュウである。ヨウはピカチュウをゲットした時から、このマルチバトルではピカチュウを選出すると決めていたようだ。対してナタリアたちのポケモンは……。

 

「行きますわよ!ユキメノコ!」

『メッノ!』

「コノハナ!」「ハスブレロ!」

『コッハ!』『ハッロ!』

 

ナタリアのパートナーはユキメノコ、そして取り巻きのポケモンはコノハナとハスブレロである。ユキメノコは見た目と仕草からお嬢様にはお似合いのポケモンの一体であろう。

 

「それでは、バトルはじめ!」

「先手必勝ですわよ!ユキメノコ!こおりのつぶて!」

『メノ!』

 

審判のバトル開始の合図と同時に動き出したのはナタリアのユキメノコであった。ユキメノコはリーリエのマリルにこおりのつぶてで速攻を仕掛ける。

 

「マリルさん!バブルこうせんです!」

『リルルル!』

 

マリルはバブルこうせんでこおりのつぶてに対抗する。こおりのつぶてとバブルこうせんは互いにぶつかり合い相殺する結果となった。威力は互いのほぼ互角といったところか。

 

「つづけてシャドーボール!」

『メッノ!』

 

ユキメノコはシャドーボールで更に連続で畳みかける。当然ターゲットはリーリエのマリルだが、これはチーム戦だという事を忘れてはいけない。

 

「ピカチュウ!10まんボルト!」

『ピィカヂュウウゥ!』

「フクスロー!このは!」

『フッスロォ!』

 

ピカチュウの10まんボルト、フクスローのこのはによる合わせ技でシャドーボールをあっさりと撃ち抜いた。

 

「へへへー、おれたちも忘れちゃいけないよー!」

「ああ、相手はリーリエだけじゃないぜ?」

 

その2人の様子にナタリアは腹立たしさを感じ舌打ちをする。その後、取り巻きである2人に声を荒げて指示を出すのだった。

 

「何してるのあなたたち!早く攻撃なさい!」

『は、はい!』

「ハスブレロ!タネマシンガン!」「コノハナ!タネマシンガン!」

『レッロ!』『コッハ!』

 

ハスブレロとコノハナは同時にタネマシンガンを発射する。しかし三人の様子からして統率が取れておらず、イマイチ息も合っていない。

 

チーム戦に置いて最も重要なのは個々の能力ではなく、それぞれの連携である。例え一人が特質的に強くても、連携が取れていないチームは弱く脆くなってしまう。

 

ナタリアはトレーナーの腕としては申し分ないであろう。しかし他の2人はまだ素人レベルでバトルにあまり追いつけていない様子だ。ナタリアに指示されてから慌てて技を出したことがその証拠。

 

「マリルさん!アクアテールです!」

『リル!』

 

ハスブレロとコノハナのタネマシンガンはマリルのアクアテールにより簡単に叩きおとされてしまう。その上その後の行動が隙だらけとなってしまう。

 

「ピカチュウ!でんこうせっか!」

『ピッカァ!』

「フクスロー!ふいうちー!」

『スロッ!』

 

ピカチュウのでんこうせっかがハスブレロの正面から直撃し、フクスローは静かにかつ素早くコノハナの背後に回り込みコノハナを吹き飛ばす。

 

「ハスブレロ!?」「コノハナ!?」

『れろ……』『はっな……』

「ハスブレロ、コノハナ、戦闘不能!」

 

今の一撃でハスブレロとコノハナは戦闘不能となる。鍛えられているヨウとハウのポケモンの一撃を耐えることは出来なかったようだ。

 

「ったく、だらしないですわね!ユキメノコ!あられですわ!」

『メノォ!』

 

ユキメノコが声をあげると、快晴の空から霰が降ってくる。天候を変え、自分に有利なフィールドに書き換えたようだ。

 

『リルッ』

『ピッカッ』

『スロォ』

 

マリル、ピカチュウ、フクスローは霰による微量のダメージを受けてしまう。霰時はこおりタイプ以外のポケモンは一定間隔で僅かなダメージが入ってしまうのだ。

 

それと同時にユキメノコの姿が霰の中に溶け込む。ユキメノコの特性、ゆきがくれだ。

 

ゆきがくれは霰状態の時に自身の回比率が上昇する特性だ。これによりユキメノコの姿が霰の中へと隠れ、簡単に攻撃を当てることができなくなってしまったというわけだ。

 

「くっ!これじゃあユキメノコの姿がっ!」

「ユキメノコ!こおりのつぶて!」

『メノッ!』

『ピカッ!?』

 

ユキメノコの攻撃がピカチュウに直撃する。一瞬だけ姿を現したものの、それでもまたすぐに姿を消してしまう。攻撃速度が速いため、姿を現した瞬間に狙うのも難しいだろう。

 

次はどこからくる、と警戒し辺りを見渡す三人。しかし……

 

「シャドーボール!」

『メェノ!』

『スロッ!?』

 

今度はシャドーボールがフクスローに突き刺さる。フクスローもその攻撃でピカチュウと同様にダメージを負う。

 

「このままではみんなじわじわとダメージを受けてやられてしまうのも時間の問題です。どうしたら……」

 

リーリエは現在の状況を作り出している空をゆっくりと見上げる。そこにあったのは先ほどの快晴から一変して広がる暗雲と霰。それを見たリーリエはふとあることを思いついた。

 

「暗雲……天候……そうです!ヨウさん!ピカチュウさんの10まんボルトです!」

「ピカチュウの?っ!?そうか!分かった!」

 

ヨウはリーリエの意図を感じ取ることができたのか、リーリエの言葉に従いピカチュウに指示を出した。

 

「ピカチュウ!10まんボルト!空に向かって全力で撃て!」

『ピカッ!?ピッカチュウ!』

 

ピカチュウは一瞬戸惑うも、ヨウを信じて天高く自分の全力の10まんボルトを放つ。ナタリアは彼らの意図がよく分からず笑っているが、その笑いはすぐに驚愕の表情へと変化した。

 

 

「なっ!?嘘!?」

『メノッ!?』

 

ナタリアとユキメノコは思わず驚きの声をあげる。それもそのはずだ。何故なら先ほどまで霰を降らしていた暗雲から、突然雷雨が降り始めたのだ。

 

天候はちょっとしたことで簡単に変化する。先ほどまで霰を降らしていた空に立ち込める暗雲だったが、ピカチュウの強力な電撃を蓄積させられ、その蓄積された電気を放出するために雷雨へと変化したのだ。

 

「さっすがリーリエー!これでユキメノコのゆきがくれも怖くないねー!」

 

ハウの言う通り、霰が止んだことによりユキメノコの姿はハッキリと目に映るようになった。これでユキメノコの脅威もなくなり、三人は一斉に攻撃を仕掛けた。

 

「マリルさん!バブルこうせんです!」

「ピカチュウ!10まんボルト!」

「フクスロー!このはー!」

『リルル!』

『ピカッチュウ!』

『スロォ!』

「っ!?ユキメノコ!れいとうビーム!」

『メノッ!』

 

マリル、ピカチュウ、フクスローが同時に合体技として攻撃を放つ。ナタリアは慌ててれいとうビームにより反撃するも、流石に三匹の合わせ技には威力が遠く及ばずあっさりと弾き返され、砕けたれいとうビームと共に飛ばされた。

 

「ユキメノコっ!?」

『めのぉ……』

「ユキメノコ、戦闘不能!よって勝者、リーリエ、ヨウ、ハウチーム!」

 

ユキメノコは三位一体の攻撃で戦闘不能となり、リーリエたちの勝利が確定した。リーリエたちはその勝利に互いに喜び、ハイタッチをして喜びを分かち合う。

 

「くっ、一度ならず二度までも!覚えてなさい!絶対にぎゃふんと言わせてみせるんだから!行くわよ!あんたたち!」

『は、はいっ!』

 

そう言って悔しそうな声を出しながらナタリアと取り巻きたちはその場を立ち去っていく。取り巻きたちは後で説教されるのだろうな、と内心ビクビクしながらナタリアについて行ったのは言うまでもないだろう。

 

「やあ君たち、いい戦いぶりだったよ。」

『ククイ博士!』

 

ククイが戦いを終えた彼らに話しかける。どうやら今の戦いを観戦していたようだ。

 

「君たちの成長速度は素晴らしいね、ボクも嬉しい限りだよ。」

 

そう言って、ククイは三人の成果を褒め称える。その後ククイは、そうそうと続けてあることを口にした。

 

「もうこのキャンプも最終日に近付いているが、ラストにはあるサプライズを用意しているからね。」

「サプライズ、ですか?」

「なになにー?サプライズってなにー?」

 

サプライズの内容が気になりしつこくククイに尋ねるハウだが、ククイは「それはその時までのお楽しみ」とだけ言いそのままその場を立ち去った。

 

もうすぐキャンプも終わり。名残惜しくも充実し自分の成長を感じる事ができた三人は、ラストのサプライズを気になりながらも、残りの課題に勤しむのであった。




今ガチパで3,000帯をウロウロしてます。流石にこの辺りから中々上がんないです。調子がいい時は本当に読み勝てたりするのでかなり調子いいんですけどね。

陽気ドリュウズのA↑1珠アイヘを私のニンフィアちゃんがリリバの実込みで残り6で耐えて勝利して滅茶苦茶嬉しかったのはいい思い出です。B調整が上手く活きました。

因みに私のニンフィアちゃんの努力値調整は上から順に

H164/B92/C212/D4/36

です。ニンフィアミラーの時に制しやすいよう多少Sにも振ってます。
一応アーマーガア意識ならB削ってSを60か68くらい振るといいかもです。珠ニンフィアだったらそれくらいS振るとHD振りガアじゃない限りダイバーンで上から高乱数1発で持ってけると思われます。

いざという時の為のリリバニンフィアはいいぞ!

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