ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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楽しみにしてたリーリエ島巡り編ですけど、いざ書いてみると中々ストーリーが思いつかないです。アニメスタッフってすごいんやなって改めて思いました。


挑戦!イリマの試練、参ります!

「アローラ、リーリエさん、お待ちしておりました」

「あっ、イリマさん!アローラ、です!」

 

お勘定を済ませて喫茶店を出ると、そこに立っていたのはメレメレ島のキャプテンをしているイリマさんでした。

 

「でもなぜイリマさんがここに?」

「先ほど偶然ミヅキさんと会いまして、リーリエさんがこちらにいると伺ったので直接お迎えに来たのです。」

 

私はイリマさんの言葉になるほどと頷き納得しました。その後、イリマさんはではと一度咳ばらいをし、私の眼を見て問いかけてきました。

 

「リーリエさん、私の試練を受ける準備はできていますか?」

 

イリマさんの質問に、私は頷くことで肯定の意思を示しました。するとイリマさんは笑顔で私を試練の場所へと案内し始めます。私も覚悟を決めてイリマさんの後をついていきます。

 

私が案内されたのは茂みの洞窟。そう、先日UBであるフェローチェさんを捕獲した場所です。ここがイリマさんの担当している試練の場所です。

 

案内が終わるとイリマさんは私の方へと振り向き自分の試練では何をするべきなのかを教えてくれました。

 

やるべきことは至ってシンプルで、イリマさんの育てたぬしポケモンさんを倒すだけ、だそうです。ポケモンの使用数は何体でも構わず、同時に2体出しても問題ないのだそうです。

 

ですが以前シンジさんから聞いた話ですが、ぬしポケモンさんは簡単に倒せる相手ではないでしょう。試練、というだけはあり私の中にもジム戦とはまた違った緊張感が走ります。

 

「では早速始めましょう。」

 

イリマさんのその声と同時に、洞窟内全体に響き渡るほどの音が鳴り響きます。それと同時に地面が揺れ、立っているのがやっとと言った状態です。

 

暫くするとその音が段々と近付いてきて、目の前にはアローラの姿をしたコラッタさんとラッタさん、そしてその中央にはとてつもなく大きく、また強烈な威圧感を持つラッタさんの姿がありました。

 

「っ!?こ、これがぬしポケモンさん!?」

 

私はそのラッタさんの姿に驚きを隠せませんでした。ぬしポケモンさんは通常よりも遥かにデカい、ということはシンジさんから聞いていました。しかしまさかこれほどのものだとは思っていませんでした。

 

その威圧感は通常の野生のポケモンさんたちが持つものとは全く違い、まるでジムリーダーさんたちの育てた自慢のポケモンたちと同等と言えるほどのプレッシャーを放っています。

 

『ラッタ、ねずみポケモン。あく・ノーマルタイプ。コラッタたちを率いて群れを作ると言われているが、群れ同士は仲が悪く餌を巡って激しく争う。』

 

ラッタさんの解説を終えたロトム図鑑さんが、私に『ぬしポケモンは想像以上に強敵だから注意するロ』と忠告をしてくれます。

 

「どうやらぬしポケモンもやる気のようですね。いつも以上に張り切っていますよ。」

「そうなんですか?」

「ええ。その証拠にほら」

『ラッタァ!!!!』

 

私が再びぬしポケモンさん、ラッタさんの姿を捉えると同時に、ラッタさんは大きく咆哮しました。その咆哮は通常のポケモンさんのとは全く違い、洞窟全体が揺れているのではと錯覚するほどでした。間違いなく昔の私であれば怯んで怯えていたことでしょう。

 

ですが今は違います。今まで多くの試練を乗り越えここまでやってきました。この試練は私が今までの旅を無駄ではないということを証明するための試練。そして何より、約束のあの場所まで辿り着く資格があるかどうかを試すための試練です。

 

私は自分が追いかけるべき人の後ろ姿を頭の中で巡らせ、ぬしポケモンさんの正面に立ち向かい合います。そんな私を見て準備ができたのだと判断したのか、イリマさんは公式戦の審判の人と同じように定位置につきました。

 

「ではこれより、イリマの試練を開始いたします。ではリーリエさん、ポケモンを」

「はい!お願いします!チラチーノさん!マリルさん!」

『チラァ!』

『リルル!』

 

私が選んだのはチラチーノさんとマリルさんです。ぬしポケモンさんの力は私にとって全く未知数です。油断することなく、ここは確実性を上げるためにもチラチーノさんとマリルさんのコンビネーションで戦うことにします。

 

チラチーノさんとマリルさんを見て、ラッタさんは腰を低く構え戦闘態勢に入ります。それを見たイリマさんは私とラッタさんを交互に確認しました。

 

「では、参ります。試練、開始!」

 

イリマさんが試練開始の合図をし、それと同時にラッタさんは駆け出します。その巨体からは想像もできないほどのスピードで迫ってきており、プレッシャーもかなりのものです。

 

『チラッ!?』

『リル!?』

 

気付けば既にラッタさんは私たちの目の前まで詰めてきていました。そしてすぐさま攻撃の態勢をとっています。ロトム図鑑さんによるとひっさつまえばだそうです。

 

「躱してください!」

『チラ!』

『リル!』

 

私の指示を聞いた2人はラッタさんのスピードに驚きながらも回避行動をとり、自慢のスピードで難なく回避しました。

 

しかし、ラッタさんのひっさつまえばの威力は高く、空振りしたものの大きな風圧が私の元まで届きました。これは当たれば一溜りもありません。

 

「マリルさんはバブルこうせん!チラチーノさんはあなをほるです!」

『リルルルルル!』

『チラァ!』

 

マリルさんはバブルこうせんで遠距離からの牽制攻撃を、チラチーノさんはあなをほるでその間に視界外からの奇襲の準備を行います。しかし……。

 

『ラァタァ!』

『リル!?』

 

ラッタさんは巨体に見合った大きく鋭い前歯でマリルさんのバブルこうせんを防ぎます。その後、ジャンプをして地面を揺らしました。その反動に耐えられなかったチラチーノさんは地中から追い出され空中に放り出されてしまいました。

 

「チラチーノさん!スピードスターです!」

『っ!?チラッ!』

 

チラチーノさんはその柔軟な体を活かし空中ですぐに態勢を整えてスピードスターによる反撃を行います。その思わぬ反撃にラッタさんは対応が遅れ、スピードスターが直撃します。ダメージが通っているのは間違いないようです。

 

「畳みかけます!マリルさん!アクアテールです!」

『リルゥ!』

 

今度はマリルさんはアクアテールでラッタさんの頭上へと振り下ろします。スピードスターにより怯んでいる今なら決まるはず、と確信していた私ですが、そう甘くはありませんでした。

 

『ッ!?ラッタァ!』

 

ラッタさんが咆哮をすると、一瞬の内にスピードスターが掻き消されてしまいました。その後、マリルさんのアクアテールに合わせてラッタさんは腕を突き出して反撃してきました。あくタイプの技であるじごくづきです。

 

マリルさんのアクアテールとラッタさんのじごくづきが激突しますが、威力の違いがすぐに現れてしまいマリルさんは弾き返されてしまいます。

 

「マリルさん!?」

 

その攻撃によるダメージが大きかったのか、マリルさんは顔を歪めてゆっくりと立ち上がります。自分の技にカウンターを受けたことでよりダメージが増してしまったようです。

 

そのマリルさんを見て好機と判断したラッタさんは再び駆け出し、前歯を伸ばして攻撃態勢に入りました。間違いなく先ほどと同じひっさつまえばです。次受けてしまえばマリルさんは立ち上がることは出来ないでしょう。

 

「チラチーノさん!スイープビンタです!」

『チラァ!』

 

チラチーノさんはマリルさんの前に立ちスイープビンタでラッタさんの顔に一撃を浴びせて動きを止めます。

 

しかしラッタさんはすぐに動きを変えて自身の尻尾を硬化させて振りかざし対抗してきました。はがねタイプの技であるアイアンテールです。アイアンテールとスイープビンタが数回にわたり激突しますが、徐々にパワーの差が出てしまいチラチーノさんが押されてしまいます。

 

「マリルさん!チラチーノさんを援護です!アクアテール!」

『リル!』

 

チラチーノさんはこれ以上は厳しいと判断しすぐにラッタさんから離れます。それと同じタイミングで入れ替わるように今度はラッタさんの頭上にマリルさんが迫ります。

 

ラッタさんは驚いた表情を浮かべるも、再びアイアンテールを振りかざしマリルさんと衝突します。先ほどの結果に比べてラッタさんのスタミナも低下しているのか結果はすぐには出ませんでした。

 

ですがマリルさんのパワーが僅かに届かず、ラッタさんは更に力を込めマリルさんのアクアテールを弾き飛ばしました。

 

『リル!?』

「あっ!マリルさん!」

 

私がマリルさんを受け止めると、マリルさんは今のバトルで力を使い果たし戦闘不能になってしまいました。

 

「マリル、戦闘不能です!」

「お疲れ様でした、マリルさん。後はゆっくり休んでください。」

 

最後まで全力を尽くしてくれたマリルさんを私はモンスターボールへと戻し、戦闘へと復帰します。ラッタさんも先ほどの攻撃態勢から着地し、チラチーノさんの姿を探します。

 

しかしチラチーノさんの姿は見当たりません。ラッタさんはチラチーノさんがどこに行ったのか分からず見渡しますが、地上はおろか空中にも姿が見えません。

 

私もチラチーノさんがどこに行ったのか分からず探しますが、一か所だけの変化を見つけてチラチーノさんがどこに行ったのかを確信することができました。それが分かった私は、チラチーノさんに攻撃の指示を出しました。

 

「チラチーノさん今です!」

『チラァ!』

『ラッ!?』

 

チラチーノさんはラッタさんの足元から飛び出しラッタさんの顔に攻撃を直撃させます。その襲撃による一撃で、ラッタさんは大きく怯みました。

 

チラチーノさんはマリルさんがアクアテールでラッタさんと競り合っている最中にあなをほるで地中に姿を隠していました。マリルさんとの接戦に集中していたラッタさんはチラチーノさんからの意識が離れてしまい隙を晒してしまったというわけです。

 

「行きますよ!スイープビンタです!」

『チラチィ!』

『タタァ!?』

 

チラチーノさんはすかさずスイープビンタで追撃を重ねました。先ほどのダメージから回復しきっていないラッタさんには防ぐ手段がなく、チラチーノさんのスイープビンタによる連続攻撃を浴びてしまいます。

 

ラッタさんはぬしポケモンの意地か、ダメージに耐えようと必死にこらえます。そして自慢のひっさつまえばにより反撃をします。

 

しかしダメージの少ないチラチーノさんでは今のラッタさんの攻撃を躱すことは容易であり、ラッタさんの背後に回ることができました。

 

「これで決めます!スピードスターです!」

『チラァ!』

 

ラッタさんは振り向いてもう一度反撃をしようと構えるものの、体が言うことを聞かないのか防御することすらできずスピードスターの直撃を受けて飛ばされ、そのままダウンしました。

 

「……ぬしポケモンラッタ、戦闘不能!リーリエさんの勝利です!」

 

イリマさんのその宣言を聞き、無事ぬしポケモンさんに勝つことができたんだと理解した私はどっと疲れがあふれ出てその場に座り込みました。そんな私を見たチラチーノさんが傍まで近寄ってきてくれました。

 

『チラチ!』

「ありがとうございます、チラチーノさん。マリルさんも、ありがとうございました。」

 

私はチラチーノさんの頭を撫で、再び戦ってくれた二人に感謝の言葉を告げます。

 

少しするとぬしポケモンのラッタさんが気が付いたようで体を起こします。その後私の顔をじっと見つめ、どこか満足気な表情を浮かべて洞窟の奥へと姿を消しました。

 

「どうやらぬしポケモンもあなたの力を認めたみたいですね。」

「そう……なんでしょうか?」

「ええ。アローラ伝統の島巡り。そこで行われる試練は勝ち負けやキャプテン以上に、ぬしポケモンから力を認められるかどうかが重要となります。あなたはそんなぬしポケモンを認めされることができました。試練、見事突破ですよ。」

「っ!?ありがとうございます!イリマさん!」

 

その言葉を聞いて試練の突破を再度実感した私はイリマさんに感謝しました。するとイリマさんは私に何かを差し出してきて、私はそれを受け取りました。

 

「それはノーマルタイプのZ技を使用することができるようになるZクリスタル、ノーマルZです。カントー地方を旅したリーリエさんに分かりやすく言うなら、ジムバッジのようなものです。改めて、試練突破、おめでとうございます。」

「ありがとうございます!ノーマルZ、ゲットです!」

『おめでとうロ!リーリエ!』

 

私はロトム図鑑さんからの祝福も受け、記念として一枚撮影していただきました。少々恥ずかしかったですが、それでも旅の思い出として、そして何より約束への第一歩を歩みだせたことへの嬉しさがそれを超えました。

 

「次はミヅキさんの大試練ですね。彼女は強いですが、自分のポケモンを信じれば必ず良い結果になります。これからも頑張ってくださいね。」

「はい!」

 

島巡り最初の試練を無事に突破することが私。ぬしポケモンのラッタさんは強敵でしたが、これで約束への一歩を踏み出すことができました。

 

次に待ち受けるのはあのミヅキさん。シンジさんの島巡りでのライバルであり、現在メレメレ島を代表するしまクイーン。強敵であることは考えるまでもありません。

 

ですが私もこれまで数多くの事を経験し、ここまでやってきました。私の持てる力全てを出して、ミヅキさん、あなたに挑みます。待っていてください!

 

がんばリーリエです!私!




ポケモンダイレクトにて色々公表されましたが、個人的には新しいDLC以上にポケダンリメイクが楽しみです。

体験版でプレイしていて昔は出来なかったパートナーをパートナーに選択することができたので、迷わずにパートナーをイーブイに選択しました。実はポケダンイーブイは♀しか存在せず、昔は主人公限定だったという悲しい過去が……。やっぱイーブイは自分がなるよりパートナーにしないと。しかもイーブイちゃんは剣盾同様♀だと尻尾がハートマークになるという神仕様。かわいい(確信)

因みに自分は分かりやすいようにピカチュウにしました。実質ピカブイ

リーリエの最後のポケモンは?

  • べベノム(アーゴヨン)
  • やっぱりあのポケモン
  • おまはんに任せる

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