ポケットモンスターサンムーン~ifストーリー~《本編完結》   作:ブイズ使い

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前回言っていた♀の色グレイシアも無事生まれやっとブイズの色違いを揃えることができました。

そして今回の話は新章のプロローグ的な回という事もあり少々短め?です。次回からはシンジの出番はかなり減少します。当然といえば当然ですが。


アローラ編 〜L〜
始まりの時と新たなる挑戦!


UBの事件が解決した日、暫く各自疲れを癒すために休息をとることとなりました。

 

シンジさんは久しぶりのアローラへの帰国のため街はずれにある自宅に戻り、シンジさんのお母様と再会しておりました。相変わらず親子仲がよさそうでした。

 

ヨウさんとハウさんは、数年ぶりの帰国のためミヅキさんと共に故郷でもあるリリィタウンへと戻りハラさんと再会したようです。ハウさんとミヅキさんの叔父でもあるハラさんの事はヨウさんも慕っており尊敬しているようで、成長した自分たちのことを嬉しそうに話していたそうです。

 

お兄様は代表としての残り仕事があると言いながらエーテルパラダイスに戻られました。なんだかんだでお兄様もお母様の代理として責任を感じているのかもしれません。お兄様はああ見えて真面目な方ですから仕方ないかもしれません。

 

ウルトラガーディアンズとして活動していた他の方々も、今回の一件が終わり溜まっていた疲労を取るために自宅へと戻ったそうです。グズマさんだけは自宅に戻りたくないと言って元スカル団の本拠地でもある屋敷に戻られたそうですが。

 

私はククイ博士にお世話になっていたこともあり、また博士の研究所のロフトは貸していただけることになりました。当然その間はお礼の意味も込めて再び博士のお手伝いをするつもりです。

 

そしてその日の夜、なんだかUBの一件が解決し安心しきってしまった私は中々寝付くことができず、博士の許可を取り夜空の下の海岸沿いをぶらぶらと散歩することにしました。

 

「風が気持ちいです……」

 

海岸沿いの風は海の塩水も混じりアローラの新鮮な空気と共に、自然と爽やかな風が肌に触れてきます。その風が気持ちよく、私は以前からこの心地よい風が大好きでした。なんだか心が安らぐ感じがします。

 

そんな時、海岸沿いに腰を落ち着けて座っている人影が見えました。夜という事もあり暗闇で分かり辛かったですが、少しずつ近付くと砂浜の音で気付いたその人物がこちらを振り向いたことで正体が分かりました。

 

「リーリエ?どうしたの?こんな時間に」

「シンジさんこそ、どうしたんですか?こんな夜更けに」

 

その人物は私が最もよく知る人物、シンジさんでした。

 

「僕はなんだかちょっと寝付けなくて。もしかしてリーリエも?」

「はい、今日一日だけで色々ありましたから。」

 

シンジさんの返答に私も同じような回答で答えました。本当に今日一日だけで色々ありました。寧ろありすぎたぐらいですが、シンジさんや皆さんのおかげで無事解決することができました。

 

とは言えシンジさんがウツロイドさんに包みこまれた時は肝が冷えました。相変わらず無茶する方ですが、いつもそんな不安すら乗り越えてしまう不思議な方です。心臓には悪いですが……。

 

「隣、いいですか?」

「うん、もちろん。」

 

シンジさんの許可を取り私はシンジさんの隣に座りました。夜間ですがアローラはカントーに比べて暑いくらいで、海の爽やかな風も相まって冷えない程度の丁度いい気温です。

 

「……ねぇ、リーリエ。」

「なんですか?」

「分かってると思うけど、僕は君の島巡りについて行くことはできない。」

「はい、分かっています。」

 

シンジさんの言葉に私は頷きながら答えました。

 

シンジさんは私のカントー地方での旅に最後まで付き合ってくれて助言までしていただきました。しかしそれはあくまでカントー地方での話です。

 

シンジさんはこのアローラ地方のチャンピオンです。そんな方が島巡りのトレーナーと一緒に旅できるはずがありません。分かってはいましたが、いざ一人で旅をするとなると少々不安です。

 

「やっぱり不安?」

「まあ……そうですね。カントー地方ではシンジさんに色々とアドバイスを頂きながら安心して旅することができましたけど……。」

 

カントー地方に比べればこちらの地理はある程度知っているので多少はマシかも知れません。ただ一番の不安材料は私が方向音痴な部分、でしょうか。

 

「……リーリエ、僕の代わりと言っては何だけど、この子を君に預けるよ。」

「あっ、シンジさん、これは……」

 

私はシンジさんからある物を手渡されました。そのある物は私が受け取ったすぐに電源がつき、自動的に起動して浮かび上がりました。

 

『ビビビッ!シンジ、ボクの事呼んだロト?』

 

起動したのはポケモン図鑑に憑依したロトムさん、通称ロトム図鑑さんです。アローラでは島巡りをしていたシンジさんのサポートをしていたそうです。

 

「ロトム、これからはリーリエの島巡りのサポートをしてあげてくれるかな?」

『シンジに頼まれたら断るわけにはいかないロ!任せるロ!』

「シンジさん、いいんですか?」

「うん、リーリエのサポートのことでもそうだけど、ロトムはやっぱり図鑑として旅をしてる人について行った方がいいと思うんだ。」

『ボクもまだまだ色んなポケモンが見てみたいロ!リーリエ、よろしく頼むロ!』

「はい、よろしくお願いします、ロトム図鑑さん。」

 

そうして私とロトム図鑑さんは一緒に島巡りをすることになりました。

 

「さてと……」

「どこか行くんですか?」

 

一安心した私の顔を見て笑みを浮かべたシンジさんは立ち上がり、私はそんなシンジさんにどこへ行くのかと問いかけました。

 

「ちょっと寄りたいところができたからね。」

「あの……私も一緒に行っていいですか?なんだかまだ眠れる気がしないので……。」

「うん、いいよ。」

 

そう言って私はシンジさんについて行くことにしました。ロトム図鑑さんは邪魔をしない様にとのことでポケットの中に隠れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだよ」

「あっ、ここって……」

 

シンジさんの後ろについて行き辿り着いたのは、私たちが初めて出会った場所、マハロ山道の桟橋でした。

 

「でも、どうしてこの場所に?」

「UBとの戦いの最中、ちょっとあの時のこと思い出してね。」

 

シンジさんは私たちが出会った時の事を思い出す様子で眼を瞑りそういいました。

 

確かに私たちはあの時出会い、その後から色々なことがありました。シンジさんとミヅキさんの島巡り、試練から始まり、お兄様やスカル団との戦い、UBとの出会い、そしてお母様との……。思えばあの時出会った時から全ての物語が始まっていたのかもしれませんね。

 

「……本当に色々なことがありましたよね。」

「うん。ナッシーアイランドで一緒に旅をしようって約束したのもあの時だったよね。」

「はい!私はお母様の神経毒を治すためにカントー地方へと向かいました。それから2年の月日が経った時、シンジさんは私との約束を守ってくれましたよね。」

「あの時はリーリエがスピアーに襲われてて焦ったよ。」

「あはは、私も自分で焦りました。でも……なんだか私が危ない時、シンジさんがいつでも助けに来てくれるんじゃないかって、不思議とそんな気がしたんです。今日のウツロイドの時も、シンジさんが助けに来てくれるって信じてましたから。」

「そ、そこまで言われると流石に照れるよ///」

 

私の言葉にシンジさんは顔を逸らして恥ずかしそうに頬を掻きました。私もその姿を見て思わず自分が恥ずかしい台詞を言っていることに気付き、シンジさんに謝りながら目を逸らしました。

 

「リーリエ」

「は、はい?なんでしょうか?」

 

シンジさんに突然名前を呼ばれて驚きながらも私はシンジさんと目を合わせました。シンジさんは真っ直ぐに私の目を見つめて口を開きました。

 

「最後に、チャンピオンとしてではなく、1人のトレーナーとしてアドバイスするよ。」

「アドバイス、ですか?」

「うん。多分、個人的にアドバイスできるのはこれが最後だと思う。聞いてくれるかな?」

 

私はシンジさんの真剣な眼差しに頷き、私はシンジさんの言葉に耳を傾けました。

 

「……島巡りは間違いなく厳しいものになる。しまキングやしまクイーンが強敵なのは言うまでもないけど、ライバルになるハウやヨウも強敵だ。」

 

私はシンジさんの言葉に頷き黙って話を聞き続けました。

 

「これから先、他にも様々な試練がリーリエを待っている。それが何かは僕にも分からない。時には挫けそうなこともあるかもしれない。でも、それでも君の傍にはずっとポケモンたちがいてくれる。」

「はい」

「そのことだけ忘れなければ、必ず島巡りを突破できる。……島巡りの先で待ってるよ、リーリエ。」

「っ!?はい!」

 

シンジさんはその言葉だけを私に伝えてくれました。島巡りの先……。その先が何なのかは口にしませんでしたが、私にはなんとなく見えています。

 

……必ず島巡りを突破してみせます。そして、必ず私の最も目指すべきもの、目標の場所まで辿り着いて見せます!

 

こうして私の眠れない夜は過ぎ、シンジさんのお陰で改めて目標を見据えることができました。必ず辿り着いて見せますから……待っていてください、シンジさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そして一週間後――

 

 

 

 

「リーリエ、忘れ物はない?」

「はい!荷物や旅に必要なアイテムもちゃんと持ちましたし、モンスターボール、それからロトム図鑑さんも!」

『リーリエのサポートならボクに任せるロ!』

 

UBの事件から一週間が経過し、疲れも充分に癒した私は、遂に島巡りの冒険に出発することにしました。

 

シンジさんは事件の翌日からすぐにチャンピオンとしての仕事で忙しいとのことであれ以来会ってはいません。その代わりククイ博士と奥さんのバーネット博士が私の見送りをしてくださっています。

 

その時、辺りが一瞬だけ真っ暗になってしまいました。恐らく、これは日食と呼ばれる現象でしょう。

 

「変ね……日食なんて予報されてたかしら?」

「まあ、これも吉兆ってやつだぜ」

「吉兆ですか?」

 

ククイ博士の話によると、その昔にアローラが闇に包まれた時、アローラのポケモンと人々が光で闇を打ち消した、と言われ、それが起源となり島巡りがアローラでの伝統となったのだそうです。

 

「リーリエ!旅の門出にこれを君にプレゼントするぜ!」

「あっ、これって!」

 

ククイ博士から私が渡されたもの、それは紛れもなくZリングそのものでした。

 

「ZリングはZクリスタルと組み合わせることでポケモンと共に強力なZ技を発動することができる。知っていると思うが、これは強力すぎるが故にポケモンとトレーナー、共に負荷がかかるためバトル中に一度しか発動できない諸刃の剣の様な技だ。だが、カントー地方での旅をしてきた君ならば使いこなせるはずだ!」

「はい!ありがとうございます!ククイ博士!」

 

私はククイ博士に感謝しながらZリングを左腕に装着しました。

 

「じゃあ私からはこれをプレゼントするわね。」

「あっ、これは……」

「島巡りの証よ。これで貴女も立派な島巡りのトレーナーってこと。お守りだと思って頑張りなさい、応援してるから。」

「はい!バーネット博士もありがとうございます!」

 

島巡りの証をいただいたバーネット博士にも感謝し、私はリュックサックに島巡りの証をつけました。なんだか島の守り神たちに見守っていただけているようで安心します。

 

「それからこれ、シンジからのプレゼントだそうだ。」

「シンジさんから?っ!?」

 

シンジさんからのプレゼントと聞いて受け取ったそれは驚くべきものでした。それは綺麗な透き通る水色をしたひし形のクリスタル、氷のZクリスタルそのものでした。

 

「これからは手伝う事ができないけど、君の島巡りを見守ってるって言ってたぜ?……頑張っていってきな、リーリエ。いや、チャレンジャー!」

「はい!頑張ります!」

「ええ、気を付けてね。カンタイシティに来たら空間研究所に寄りなさい、歓迎するわ!」

「はい!必ず!では行ってきます!」

 

私はククイ博士とバーネット博士に見送られ、島巡りの旅に出発しました。

 

これから私の新しい旅が始まろうとしています。新しい挑戦、そして私たちを待ち受ける試練。どんなことがあったとしても、必ず乗り越えて見せます!がんばリーリエ、です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがアローラ地方、か。」

「あっちの方に例の痕跡があったみたいだよ?」

「よし、行ってみるか」

「何があるか楽しみだね♪」

「…………」

「分かってるって、もう、ダルスは相変わらず真面目なんだから」

「お前が不真面目すぎるだけだ、アマモ」

 

リーリエの新たな挑戦が始まった一方、ダルスとアマモはアローラに辿り着き、調査を開始する。この怪しげな二人組は一体何者なのだろうか?アローラに新たな何かが訪れようとしているのか?

 

なにかが蠢く中、新たな冒険の章が幕を開ける!

 

 

 




剣盾のシーズン1も終わり、ヌシの最終戦績は12,212位の100戦62勝38敗と言う悪くない結果に終わりました。色厳選に集中してたせいもあり4桁から一気に3万位まで落ちてた時は草生えましたが。

ヌシは読みは強い方ですが運は非常に悪いので、大体の敗因が一撃必殺と麻痺と言うのが悩みどころです。ダイマックス時には麻痺で行動不能になることだけでもいいので撤廃してほしいです。

シーズン2はキョダイマックスが使えるようになるそうなのでバタフリーとかは警戒したいですね。リザードンは基本通常のダイマックスがヤバいのであれですが。

Q、ブイズでリザードンの対策はどうするの?
A、対面でグレイシアに任せるかサンダースが欠伸→ダイウォールで対処する

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