Full Bloom 〜満開の歌声を〜 作:grasshopper
バレーボールと言ったら何が思いつきますか?
もちろん「ハイキュー‼︎」ですよね!
なのでタイトルは1番最初のOPの《イマジネーション》です。
side優人
スポーツという言葉は人によって意味が変わる。主流としては健康のための運動だろう。しかし、スポーツには大会というものがあり、健康という枠からはみ出している。スポーツのしすぎで熱中症になったり、骨折などの怪我もしばしば。健康の二文字とは真逆だ。ならば、なぜそこまでしてまでスポーツをするのか。
それは自分の限界を知り、もっと伸ばすためだ。
「自分には限界があるからムリだ」と弱音を吐く人間は限界なんか見た事ないのにそんなセリフを吐く。
ならば、今、俺の目の前にいる他クラスの男子は、俺に宣戦布告をしてきた男子もそうなのだろうか。
ここで、花咲川学園の体育の授業の仕組みを話しておこう。
この学園では男子が鬼のように少ない。笑えるほど少ない。死ぬほど少ない。キモいほど少ない。絶望するほど……え?しつこいって?いいだろ別に!前回は三人称視点だからふざけられなかったんだからよ!
コホン。
男子と女子が分かれて行う体育の授業は他のクラスと合同でやるのだ。でないと男子の人数が……な!そして、合同するのは大体隣同士のクラスだ。その隣のクラスの男子・
「人を物みたいに言いやがって!」
俺は自己解釈で出した答えを六兎にぶつける。
「うおい!急に怒ってどうした優人!?」
「お前の目論見通りにはさせないからな!俺は全力で全力を出さずにプレーする!」
フッ。こうすれば俺と比べてもなんの意味もないぞ。本気を出さない俺と比較しても無意味だからな!
「待て待て待て待て!なんでそうなったんだよ!俺が宣戦布告したんだから、全力でかかってこいよ!」
「だからこそだ!お前のシナリオをぶち壊してやる!」
「…………優人、お前なんか誤解してるだろ?」
六兎が聞いてくる。てゆーかなんでコイツ俺を名前呼びしてんの。コミュ力高ーな。
「誤解なんかしてねーよ。俺と比べようって魂胆だろ?」
「なっ!?お前、気付いてたのか?」
「まあな。簡単なことだよワトソン君」
すると六兎は俺の制服の襟を掴み。
「ちょっと来い!」
おい!俺のボケをスルーするなよ。もっとツッコミがほしい!
そんな俺を六兎は引きずり、人気の無い場所へ連れてきた。
えっ。ちょっと落ち着けよ六兎君。俺達男同士。でもって人気の無い場所。2人きり。。。おい!俺、ゲイじゃないからな!(←前回ラストにBLぶっ込んだ張本人)
「なあ優人」
「ひゃ、ひゃい!」
あかん、呂律が回らん。俺死亡だわ。俺の純白は今から……。
そして、六兎が口を開く、
「俺、お前の彼女の櫻井 春ちゃんが好きなんだ!!」
ここでクイズのお時間です。
上のセリフから間違いを探しなさい。
3、2、1、
正解は「お前彼女の櫻井 春」でしたー。ここ、正しくは「お前のバンドメンバーの櫻井 春」だからな。
それではまた来週〜。
(終)
いや終わってたまるかーーー!!!
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!
ちょっ、待てよ!
どーゆーことダッ!俺の彼女?はぁ?違うし!なんだし!
「ちょい待て六兎。俺と春は付き合ってない。アンダースタン?」
「はあ?気ぃ使わなくていいぜ。結構有名な話だし」
「はあ!?有名な話だと!?その話、もっと詳しく!!!」
「お前と春ちゃんは校内1のカップルだとか、爆発しろとか色々な噂あるぞ。あと、もうヤッたとか……。ヤッたのか?」
「ヤッてねーよ!」
待てい!なんで当事者の俺がその噂知らねぇんだよ!
「ほ、ホントか!?」
「ああ、そぅだよ!ヤッてねーよ!それ以前に付き合ってねーよ!」
「もう隠さなくていいぜ」
あー、もう!コイツがめんどくせー!コイツ邪魔なんだよ!なんなんだよ!
すると六兎は俺を指差し、
「だから必ず俺が奪うから。そのためにも、まずはバレーで勝つ!」
カッコつけて去って行った。
…………いや、ふざけんなよ!てめーのせいで面倒くさい事になったのに何カッコつけてんだよ!!
「…………どうする咲野 優人。童貞16歳」
俺は1人呟く。不幸にも次が体育だ。サボろう。
…………いや、待てよ。
そして体育の時間。俺は結局授業に出る事にした。
六兎を見つけたので俺は、
「おい六兎。もう一回言っとくぞ。俺と春は付き合ってない」
「もういい。俺は全力でテメェを潰すだけだかんな」
あーはい。やっぱり聞く耳持ってないな。ならば俺は本気を出さない事に全力を尽くすとしますか。そしたら誤解は解けないが、俺をライバル意識しなくなるだろう。運悪かったら、敵意をぶつけられるようになるかもだけど。。
そしてゲームスタート。俺はコートに立っているものの、やる気がないとクラスメイトの男子に前もって話したため、俺は期待などされていない。そして俺もボールを触る気すらない!!
そして何回かローテンションして、俺が後衛に回った時に事件が起きた。
俺はもうやる事がないだろうと思っていた。なので欠伸をする。なぜかその間に敵の六兎が打ってきたサーブが俺をめがける。
当然俺は気づいていない。
何が言いたいかって?
俺は今、顔面サーブを喰らってぶっ倒れてんだよ!!
「優人!大丈夫か!」
俺らのチームのセッターの冬夜が駆け寄り、聞いてくる。
「ああ、大丈夫だ。それより、、
俺は今から本気出すぞ」
敵の六兎は謝るどころか、ニヤニヤしている。クッソ。あの顔面ウザいな。ぜつてー一泡吹かせてやる。
もう一度六兎のサーブが飛んでくる。
また顔面を狙って来やがった。
しかし俺は巧みにオーバーハンドでレシーブをし、綺麗な放物線を描きながら冬夜の頭へ落ちていく。冬夜はセットアップの構えをして飛ぶ。
「冬夜!」
俺は名前を呼んだ。これがどういう意味かはわかるだろう。もちろんトスをよこせということだ。俺は冬夜がトスをこちらにあげる前から助走を始め、冬夜が俺の思い通りのところにトスを上げてくれた。俺は踏み切り、ジャンプする。速攻だ。バレー部員ならば俺程度の速攻はいとも簡単にとってしまうが。今の敵のブロッカーは全員素人。反応できても体は追いつかない。
そしてブロックがない=俺の視界が
ではなく、男の子の急所だ。あいつは俺の見事なレシーブからの華麗なセットアップ。そして完璧な速攻に呆気にとられて呆然としていた。
「くらえ!」
俺の右手がボールに触れる。その瞬間に
バシン!!
という音がした。狙い通りのコースにボールはかなりの速度で飛んでいき、見事に六兎 俊のアレを玉砕した。
勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!wwwww
その後も俺と冬夜の見事な速攻で点数を狩り続けた。結果は圧勝と。因みに六兎にはもう2、3発急所めがけたから途中から見学してたねww。
噂をすれば、その六兎が俺の方へやってきた。
「完敗だ。お前には負けたよ。でも、まだ諦めないからな!」
だからお前は滑ってんだよ!いちいち言動が恥ずかしいぞ、お前!これを読んでる皆様からしたら、お前大分恥ずかしいぞ!!
「だから俺達は付き合ってないって」
「隠すなよ!そういうのが1番傷つくんだ!」
なんで熱くなってんだよ。そろそろ滑りすぎてひくぞ。キャラが固定されるぞ。お前、滑り担当になるぞ。
「あーはいはい。わかった。めんどくせーから手っ取り早い方法にするか。六兎、ついて来い」
「は?」
俺は六兎の髪を引っ張って行く。
「ちょ、髪じゃなくて襟にしろよ!」
「ウルセー滑り担当!黙ってついて来い!」
もう決定しちゃったね滑り担当。ドンマイ六兎君。
俺達は、というか俺は春の机へ向かった。ペットを連れて。
「なあ、春。お前って今付き合ってる奴いんの?」
俺が春に聞く。
「ん?どうしたの優人?そんなこと聞くなんて珍しいー」
「まあ、答えてくれ」
「いないよ」
春は俺の期待した答えを言ってくれる。助かったー。
「ほら六兎、これでわかっーー」
「ホントに彼女いないの春ちゃ……櫻井!?」
あ、コイツ今「春ちゃん」って言いかけたな。
「う、うん。そんなにがっつかなくても……てゆーかなんで六兎君?だっけ?がここにいるの?」
「え!?あ!それは!そのあれだよ!」
あ、コイツ誤魔化すの下手くそだな。しょうがない、助け舟を出してやるか。
「ほら六兎。もういいだろ。帰った帰った」
「ああ!じゃあな!」
明らかにテンション上がってんなー。
「なんだったの?」
春が俺に聞いてくる。コイツは何も知らないから気が楽だよなぁ。俺がどれだけ苦労したと思ってんだ。
昼休憩。
いつものメンバーで飯を食ったあと、俺と冬夜は自販機まで来ていた。
俺は100円玉を挿入口に入れ、抹茶ラテのボタンを押す。冬夜はいちごオレを買っていた。俺達はそれを飲みながら教室に戻っていた。
「なあ冬夜」
「なんだ?」
「俺と春が付き合ってるって噂を聞いた事あるか?」
俺はどれくらいこの噂が広まっているのか聞きたくなった。春は男子の少ないこの学校でもかなり告白されてるそうだから、今後も六兎みたいなのが現れる可能性がある。
「あーその噂か。1年くらい前に学校中で話されてな」
「ん?」
「でも、今じゃ2人は付き合ってない事は全生徒の共通認識だな」
「んん?」
「なのに何で優人は今更そんなことを聞いてきたんだ?」
「待て、冬夜。今の話は本当か?事実か?現実か?」
「あ、ああ」
なるほど、噂に疎いのは俺ではなく六兎だったという訳か……。なーんだ!そーゆー事だったのかー。ハハハ。
俺は笑顔で持ってた紙パックを握りつぶす。
「ゆ、優人?」
「悪い冬夜。ちょっと用ができたわ」
「あ、ああ。わかった」
俺は近くのゴミ箱に空きパックを投げ入れ、走り出す。目指すのは教室。しかし俺のクラスの教室ではない。みんなもどこかわかるよな!もちろん!隣の六兎をしばき上げて血祭りにするんだよ!
顔は笑いつつもこめかみに怒りマークが浮かんだ事は分かっていた。
はい到着。
俺は他クラスに行く事は滅多に無い。なのでなんだか視線を集めている。
「あ、ごめん。六兎呼んでくれないか?」
俺はクラスの女の子に声をかける。
女子と話したかったからじゃないからな。六兎を呼ぶためにしょうがなくね。女子が多いから仕方ないだろ!
それにしてもなんで今の子少し顔を赤らめたんだろ?
すると、窓際で友達らしき人物達と会話していた六兎が来た。
「どうした優人」
「今って時間あるか?」
「ああ、大丈夫だが……」
「ちょっとついて来い」
俺はそう言い、六兎の右足を掴み引きずる。
「ちょ!優人なんかさっき以上に扱いヒデェよ!」
「知るか!お前が悪いんだ!」
俺はそのまま体育館まで引きずった。昼休憩は体育館は使用が自由になっているため、バスケ、バレー、バトミントンなどができる。
俺はバレーボールを一つ拝借して、
「六兎、俺のサーブを受けてみろ」
「はあ?なんでだ?」
「後で俺と春の噂を誰かに聞いてみろよ。そしたら理由はわかるだろうからな」
「まあいいや。さっきの仕返ししたいしな!」
だから全部お前が悪いのに、よくカッコつけられるな!噂に振り回された挙句、人に顔面サーブ喰らわせたのによ!
「じゃあいくぞ」
俺はバレーボールを高く上げる。そしてハイジャンプし、叩きつける勢いでスイング。六兎に狙いを定めて飛んでいく。
しかし六兎はアンダーでレシーブしてくる。まあ、来るってわかってたら取れるよな。
「ハッ!どうだ!」
はあ、この後起こることを想像したら、最高に滑ってるぞお前。
俺はレシーブされたボールにタイミングを合わせてジャンプする。そうして再びフルスイング。俺と六兎との距離は2メートル弱だ。これは避けれないな。俺はスパイクをコイツのアソコに叩きつける。
「グヘッ!」
六兎は吹っ飛ぶ。かろうじて意識はあるようだ。
「お、おい優人。……お前、……本当に人間か?…………やってることが血の通う人間の行動じゃねぇぜ…………」
「六兎、お前は後で俺と春の件について友達に聞いたら、なんでこんな目にあったか理由はわかるだろうな。じゃあな!」
そして放課後、六兎は渋々謝りに来た。
書きました!昨日の今日なのでクオリティ低いかもです。。。