ハイスクールD×D オン・ステージ!   作:魔女っ子アルト姫

25 / 27
25

「パルテナにハデス、話して起きたい事がある。貴光の事じゃ」

「おんや今回の議題はタカミー君についてなのかいナチュレちゃん」

「普段は悪魔に対する会議かロックシードについてなのでは自然王、自分の配下の自慢ですか?」

「茶化すでないわ、大真面目なのじゃ」

 

呉島邸の一室、神々の間とされている部屋。そこに集結するは三大勢力から見ても恐れるしかない面々、冥府神に光の女神そして自然王とこの三柱だけで瞬く間に全世界を制圧する事も可能とするような力を宿している圧倒的な面子。普段は貴光とアーシアが一緒に作った軽食を摘みつつ雑談や会議をするがナチュレは極めて真面目な表情で話を切り出した。と言っても普段から真面目なよりなナチュレにハデスとパルテナは平常運行な表情で接するがナチュレのマジトーンに一瞬顔を見合わせた。

 

「お主ら貴光を如何思っておる?」

「タカミー君かい?良い子だと思ってるよ~からかい甲斐もあるし面白いし神だからって変に態度変えないし気楽に接しられるね。メデューサちゃんも気に入ってるし出来る事なら冥府に就職してメデューサちゃんの婿になってくれたら最高だね」

「あらあらかなりの高評価ですわねハデス様。まあ私も同意見ですね。貴光君は昨今の人間としては非常に良い魂を持っていますしそれらを生かす人格や精神を宿しています、私個人としても天空界に来て欲しい人材ですね」

「そうそう、なんせハデスさんのロックシードも十全に扱いきれているしね。これは高評価になって当然だよ」

「全くです。あそこまで使いこなしてくれると嬉しくなりますよね」

 

などと感想を述べていく二柱、ハデスとパルテナに共通している貴光に対しての評価は良好。あそこまで言ってしまえば自陣営に是非とも勧誘したいと言っているがナチュレは気にしなかった。

 

「では聞くぞ。普通の人間がお主らの力が宿っているロックシードを使った場合はどうなる?」

「えっ爆死して魂は魔物化するけど」

「瞬時に消し飛んで輪廻の輪に乗るでしょうね」

「ならば何故貴光はそれらを平然と使いこなせる?何故何度も何度も神の力をその身に宿し振るっておるのに何も起こらぬ」

 

そう言われ二柱は表情を曇らせた、確かに言われて見ればそうだ。元々ロックシードはナチュレが生み出した神のアイテム、それらを使用しているのだから特に疑問すら思わなかったが一端とは言え神その物の力を有している神々のロックシード『ミント』と『ナツメヤシ』を使用しても平気な彼は一体如何なっているのだろうか。

 

「ぶっちゃけタカミー君の事だからメデューサちゃんの力に影響されてるとかって思ったけどだとしたらこのハデスさんが気付かない訳ないし……現状彼は普通の人間だよねパルテナちゃん」

「それは間違い無いでしょう。パルテナハイパーセンサーにもそう捉えられています、彼は間違いなく人間です」

「妾が危惧しているのがそこじゃ、人の身でありながら神の力を扱える。これは確実に禍根となるじゃろう。冥府神、光の女神、自然王。三つの神のロックシード、これらが何を生むのか妾に解らん。世界の均衡を破壊しかねん」

 

神々は静かに言葉を紡ぎ続ける、成長をし続ける一人の戦士について。その戦士は新たな覚醒へのステップを踏もうとしている、そんな彼に渡してある自らの力が込められているロックシード。その意味も恐らく彼ならば理解している事だろう。いざという時はあれが楔となって彼を繋ぎ止めるだろう。

 

「貴光……」

 

 

「貴光……やっぱり俺、此処に居たくねえな」

 

レーティングバトル用に生み出された異空間の中でポツリと吐き出された言葉に含まれている感情は暗い物だった、今ある現状を後悔している訳ではないがあの時の選択が自分に大きく圧し掛かっている事は間違い無い。虚しそうに上を見上げる一誠をオカルト部の悪魔達は心配に見つめているが一人だけ呆れているような瞳を向けていた。堕天使の総督のアザゼルであった、現在オカルト部の顧問と言う立場になっている。

 

「おいイッセー何時までグチグチ言ってんだ、強くなりたいって言ったのお前だろ」

「それは……そうですけど…」

「現状最強に近いのは紛れもなく三大神同盟、強くなりてぇんだったら自然王の力を借りないとな」

「でも……」

 

三大勢力が集結した時にイッセーは自身が宿している神器(セイクリッド・ギア)である赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に宿っている『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』赤龍帝ドライグと対を成す関係にある白龍皇アルビオンを宿すヴァーリと戦闘になったが結果は惨敗してしまった。しかもその後自分に対する興味が無くなったとまで言われプライドを著しく傷付けられ強くなる事を望んだ。そんな時に悪魔の監視と和睦の為に顧問となったアザゼルの伝で自然軍との模擬戦を行う事になったのだが……その相手には貴光が来ると言うのでイッセーは表情を暗くしていた。

 

橙玉色の鎧将軍(トパーズカラー・アーマード・ジェネラル)が来てくれるんて言うんだ、胸を借りて強くならねぇと無駄になる」

「……」

 

全く顔色が良くならないイッセーにリアスが声を掛けようとした時転送用の魔法陣が眩い光を放ち始めた、遂に自然軍が登場するようだ。皆が身体に力を入れると魔法陣の中には二つの人影があった。

 

「なっ貴方は戒斗!?」

「か、戒斗先輩!?」

 

そこに現れたは貴光ともう一人、同じく自然軍に所属し凄まじい速度で成長し自然軍の中で地位を上げ続けている駆紋 戒斗であった。戒斗は悪魔だという同級生のリアスや姫島を目の当りにして鼻で笑った。

 

「こいつらが相手か……まあいい、新たなロックシードの実験程度には良い相手だろう」

「好きに暴れろよ。フォローぐらいはしてやるからよ」

「た、貴光…俺は……」

 

何か言いたげな眼差しを貴光に向けるイッセーだがそれを遮るように貴光と戒斗は戦極ドライバーを装着した。

 

「言ったはずだ、お前は俺の友人ですらないとな」

「悪魔狩りだ、暴れさせて貰う」

イチジク!』

バナナ!』

 

互いにロックシードをドライバーへとセットするが貴光のそれだけは放っている波動があからさまに他のロックシードを凌駕している。ミントとナツメヤシと同じくナチュレの力が宿っている神のロックシードである。

 

「「変身!」」

『ソイヤ!! イチジクアームズ 神撃イン・ザ・ワールド!!』

『Cone on!! バナナアームズ Knight Of Spear!!

 

「俺は、自然軍の呉島 貴光だっっ!!!」




次回、ハイスクールD×D オン・ステージ!

「お前なんて俺の敵じゃないんだよ」
「アンタはイッセーの事を何も思わないの!?」
「敵に変な感情を抱く奴がいるか?」
「消えろ……目障りだ!」
『FIGHT OF HAMMER!!』
『MIX!!』
「俺はもう、仲間を傷つけさせはしない!!」
『ロード!!』

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。