ハイスクールD×D オン・ステージ!   作:魔女っ子アルト姫

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ロックシードによる鎧を纏ったアーマードライダー、鎧武と斬月となった貴光と貴虎。オレンジの果肉のような物が付いた刀とメロンの皮のような模様が連なっている巨大な盾を軽々と持っているそれぞれの変化に一同は驚きつつも唯一興奮するようにその変身っぷりに声を上げるアザゼルだがその直後に会場の時間が静止した。

 

「時が止まった……!?」

「成程、未来怪獣アラドスの仕業か!?」

「何故マイナーなものをチョイスするんだ……せめてタロットとか重加速だろうに」

 

相変わらず何処かずらしているかのような発言をする貴光を諌める貴虎だが、どうにも周囲の気配が嫌な物が多く感じられている。

 

「まあいい。さっさと出るぞ貴光、目的は達したような物だ。帰るぞ」

「う~っす」

 

もう買うものは全部買ったからいる意味が無くなったスーパーから帰るという宣言をするかのような簡単に口に出された言葉とそれにアッサリと同意する貴光に周囲は信じられないような表情を向けながらこんな状況下で帰るのかと問いただそうとするが然も当然のように当たり前だというようにさっさと会議室から出ると校舎から足早に校庭へと出たがその直後に二人に向けられた攻撃が加えられた。

攻撃を加えたものは命中したと喜びの声を上げたがそれらの攻撃のエネルギーは全て斬月の盾である〈メロンディフェンダー〉によって完全に受け止められ吸収されていた。いきなり攻撃に鼻を鳴らしつつも盾を振るうと増幅されたエネルギーが放出され敵へと襲いかかっていく。

 

「ふざけた事をしてくれるな……。これは報復をしないといけないな、行くぞ貴光」

「わぁってるよ兄貴」

 

止まった時の中で尚動ける時点で貴虎たちを襲った者達は警戒するべきだったのだ。彼ら魔法使い達は自分で此方に敵意を向ける事も無かった獣の尾を踏みつけた上で大声で騒いだ、その報いは決して軽い物では済まされないだろう。

 

「さてと、好き勝手に暴れさせて貰うよ。生憎最近まともにアーシアと会話すら出来ていないんでな…俺のストレスの捌け口になって貰おう!!」

「私もだ、仕事で溜まったストレスを一気に発散させて貰おう!!」

 

そこから始まった二人の鎧武者の攻勢に襲いかかった魔法使いは反撃を行った。火、水、風、土などの様々な魔法を用いて相手を粉砕しようと試みるが魔法を切り裂き、砕き、跳ね返す鎧武と斬月の強さにまともに太刀打ちする事も出来ない。

 

「はぁぁっっ!!!」

 

緑の残光を残しながら駆け抜けている白騎士はすれ違いざまに手にした剣を振るっていくと的確に急所を抉り切り裂いていき一撃の元に倒していく。背後から襲い来る攻撃も盾で容易く防ぐとそのまま盾を投げつけ身体を潰すように圧壊させていくと共に盾の一部が変形し鋭利な鋏となりそのまま相手の骨ごと砕き切断して行く。肉が潰れ骨が砕けていく音など気にもならない、敵だから。それだけの理由で相手を潰すには十分な理由だった。

 

「おらぁぁぁっっ!!!」

 

オレンジの鎧を纏った武者は両手に刃を握り締めながら次々と相手を切り裂いていきながら時には手にした剣から銃弾を放ち相手を地面に引きずり落としてはその身体に刃を付き立てて葬っていく。それでも敵は中々減って行かない事に苛立ちを覚えつつもまだまだ戦える事に僅かながらの喜びを覚えつつも身体を動かし続けた。

 

「兄貴一体何人やった」

「さあな、数えてすらいない。だが人数が多いから面倒だな」

 

二人が倒した敵が積み重なっていく中でも周囲に点在する敵の気配は減らない、面倒なことこの上ない。それに溜息をつきながら貴虎はあるロックシードを貴光に投げ渡しながら何かのパーツを戦極ドライバーに取り付けた。貴光は投げられた錠前を危なげに受け取るとそれを確認するとまるでスイカのようなものだった。

 

「私にと渡された物だがお前でも扱いきれるだろう、私もジンバーに成らせてもらう」

「押し付けか?まあいいこれで一気に殲滅出来るなら喜んで使ってやるよ!!」

スイカ!!

メロンエナジー!!

 

この第三勢力会議を狙ったこの騒動、この事件が後に大きく語り継がれる事になるのはまだ誰も知らない。




次回、ハイスクールD×D オン・ステージ!

「私の弟には指一本触れさせん!!」
『ミックス!!』

「此処から俺と兄貴のステージだ!!」
『スイカアームズ!!』

短めですが次回は恐らく大混戦からスタートいたします。

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