竿魂   作:カイバーマン。

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第八十二層 恐怖は向き合わない限り増していくモノ

第六十四層、フロアボスの部屋にて

 

「ここもクリアか……上級レベルに入っても未だ快進撃が止まらないなこの人は……」

 

「おつかれー銀時」

 

キリトはユウキと共に順調に銀時の攻略を手伝っている所であった。

相変わらず毎回危うい戦い方をする彼ではあるが、特に苦戦する事無く難なくボスを倒してしまった銀時は、無言でチャキンと刀を鞘に仕舞う。

 

「ったくどいつもこいつもてんで俺の相手にならねぇな、なに、もしかして俺って俺自身が思ってる以上に強かったりするの? 俺、なんかやっちゃいました?」

 

「何故か無性に腹が立つセリフだな……」

 

仏頂面でありながらも明らかに調子に乗ってる態度の銀時に、自分の得物を仕舞いながらキリトが顔をしかめて釘を刺す。

 

「言っとくがアンタが順調に進めているのは俺がちゃんとサポートに徹してるからだって事を忘れるなよ」

 

「はん、勝手について来てるだけだろうが、最強となった銀さんに子守りなんざもう必要ねぇよ」

 

「完全に調子乗ってるな……こりゃ絶対後で痛い目に遭って俺に泣きつくパターンだ」

 

神器を手に入れもはや並大抵の相手では、それこそ現在七十五層攻略中であるキリトやユウキクラスでないと倒せない所にまで急成長を遂げてしまった銀時。

 

もはやこの階層の難易度でさえ敵無しとなってしまい、このまま何事もなく進んで行けばあっという間にキリト達に追いつくであろう。

 

 

何事も無ければ……

 

「おいユウキ、次は六十五層だったよな、少しはこの最強銀さんの相手になる様な歯ごたえある野郎はいるんだろうな」

 

「六十五層……あー思い出した、六十五層といえば”あそこ”かー」

 

「あ?」

 

このまま絶好調の状態で次の層も難なくクリアして見せると意気込む銀時に話しかけられたユウキは

 

ふと思い出したかのようにポンと手を叩いて見せた。

 

「まあ”銀時なら”結構ヤバいかもね、ボクにとっては大した事無いけど、銀時にとってはキツイかも」

 

「は? どういう事だコラ、なんでオメェが大した事無くて最強銀さんがヤバいんだよ、テメェ俺を誰だと思ってんだ、最強銀さんだぞ」

 

「もしかしてその最強銀さんってフレーズ気に入ったの? ボクは正直微妙だと思うよそれ」

 

やたらと同じ言葉を使いたがって来る銀時にユウキは軽く笑って見せると、そこからは何も言わずにさっさと階段を上って進んでいく。

 

「ボクから話を聞くよりもさっさとここを上って自分の目で見てみれば良いじゃんきっと驚くよ。あ、驚く余裕があればの話だけどねー」

 

「なんだなんだテメェさっきからその思わせぶりな発言は、これで別に大した事無かったら源外のジジィにお前の見た目を夢の国に住む黒いネズミに改造させるからな」

 

「ハハハ、それマジで洒落にならないから止めてね、色々な意味で」

 

ユウキの軽口にカチンと来ながら悪態を突きつつ、銀時はキリト共に彼女の後を追って六十五層へと向かうのであった。

 

そこには彼にとって、かつてない恐怖を体験させる恐ろしい場所だというのも知らずに……

 

 

 

 

 

「……」

 

「どう銀時、面白そうでしょここ?」

 

そして数分後、銀時は六十五層に辿り着く事となった。

 

フィールド全般が暗い闇に閉ざされており、少し先にうっすらと灯りが見えたのでそこを目印に進んでみたものの

 

段々とその灯りの正体がハッキリと見えるようになって来ると、今までずっと余裕の表情を浮かべていた銀時の顔付きが段々険しくなっていく。

 

そう、その灯りの正体は……

 

 

 

 

どう見ても廃墟にしか見えない薄気味悪い街を、ほんのりと青い炎で照らしている

 

いくつもの人魂であったのだ。

 

「……なにここ?」

 

「なにって、第六十五層の街に決まってるじゃん、各層には絶対ダンジョンの前に街があるのがお約束でしょ、忘れちゃったの?」

 

「いやいや冗談よせよお前、明らかに街じゃないだろ、こんなのただの廃墟だからねどう見ても、誰も住んでる気配ねぇし紛れもなくただの廃墟だよ」

 

「住んでるよ住民」

 

「え?」

 

「よく目を凝らして眺めてみなよ、少しずつ”見えて”くるから」

 

とりあえず目の前でフヨフヨと浮かんでいる人魂は視界に入れずに、銀時はユウキの言われるがままボーっと町の中を眺めてみると

 

次第に街の所々にぼんやりとしたシルエットが浮かび上がって行き

 

最終的にその街に住むNPCだと確認出来るぐらいハッキリと見えるようになった。

 

ただし住民と言っても……

 

足が無い状態で浮いていたり、頭が無いのに平然と歩き回ってたり、死んだ目をした子供達が集まってこちらを凝視しながら指さしていたり、地面に着く程の長い髪を垂らした白い服を着た不気味な女がウロウロしながら徘徊していたりと

 

世にも恐ろしい光景が銀時の前に広がった。

 

「あ、あの……気のせいかな? ここの街にいるNPCって妙に薄かったり浮いてたりするんだけど……これって単なるバグかなんかだよな? 運営に報告して修正して貰おうぜ……」

 

「いんや、バグでもなんでもなくあれが正常、この六十五層ではな」

 

銀時の声に徐々に震えが生じて来ているのを、キリトは薄々とそれが得体の知れないモノに対する「恐怖」による影響だと勘付きながら、ようやくこの六十五層のテーマを教えてあげる事にするのであった。

 

「六十五層と六十六層はホラー系を主にテーマにしたフロアなんだよ、言わばここ等近辺全部、プレイヤーをビビらせる為の仕掛けが満載のお化け屋敷って訳だ」

 

「お、お化け屋敷……!」

 

 

生暖かい風を肌で感じながら銀時はゴクリと生唾を飲み込み戦慄する。

 

この街が、否、この階層全てがプレイヤーを恐怖のどん底に突き落とし続ける為に運営が練りに練った大掛かりな舞台……

 

そしてその舞台から降りるには、ここを攻略する以外に無いという事だ……

 

「アンタ本当に苦手なんだな……いい年して恥ずかしいと思わないのか?」

 

「はぁ!? この最強銀さんが苦手なモンなんてある訳ねぇだろうが殺すぞ!」

 

「そんな明らか「自分めっちゃビビってます」って表情で言われてもな」

 

「ビ、ビ、ビビッてねぇし!」

 

キリトはかなり前からずっとわかっている、この男が幽霊や怪奇現象の類に物凄く弱い事を

 

テレビでよくホラー特集の番組がやっていると、まるでフロアボス戦の時の様な、恐ろしい素早さで動いて即座にチャンネルを切り替えているのを見た事がある。

 

「お、お前こそビビってんじゃねぇのキリト君!? さっきから余裕かましてるツラしてるが内心ビクビクなんじゃねぇの!?」

 

「あ、俺昔からそういうの平気なんで、そもそも幽霊とか信じてないし」

 

「幽霊とか言うな! スタンドって言え!」

 

「なんでだよ! 幽霊をスタンドに変換させれば怖さが薄れんのアンタ!?」

 

もはや幽霊という単語自体にもビビりまくる銀時にキリトは思わずツッコんでしまった後、傍でキョトンとした様子で見守っているユウキの方へ振り向く。

 

「……この人昔からこんな感じなのか?」

 

「うん、姉ちゃんが作った下手な怪談話を聞いても三日は一人で厠に行けなくなるぐらい苦手だよ」

 

「子供か! どんだけ弱いんだよ!」

 

「戦場では容赦なく数十人の天人を相手にたった一人でぶった斬ってたらしいんだけどねー、まあ斬れない相手となると対処の仕方がわからないから怖いんだろうねきっと」

 

銀時がお化け嫌いなのはとっくの昔から知っていたユウキは、彼の武勇伝とこっ恥ずかしいエピソードを混ぜながら笑い飛ばすと、おどろおどろしいゴーストタウンへ一歩踏み出していく。

 

「いい加減ボクも何とかして欲しいって思ってるから、コレを機に少しは改善して欲しいモンだよ」

 

「っておいコラ! なに一人で街に入ろうとしてるんだ! 祟られるぞ!」

 

「いや銀時、これただの運営側が作った演出だから、モノホンのお化けじゃないって」

 

「お化けじゃねぇスタンドだ! 間違えんな!」

 

既に年齢的には大人である彼女は幽霊など特に怖いモノでも無いらしく、周りに気味の悪い絵面があろうとそこへズンズン進んでいく勇ましいユウキ。

 

しかし彼女とさほど年の変わらない筈の銀時は勝手に行こうとする彼女の後襟を慌てて掴んで制止させる。

 

「もういいって! 今回の冒険はひとまずコレで終わりにしよう! ボスも倒したしそろそろゲームは終わり! 平和な現実にログアウトしよう!」

 

「いやその前に街の探索だけでも済ませた方が良いよ、だって次のダンジョンに行く為のフラグとか回収してないじゃん、ここ等にいる情報を持ってそうな怪しいNPCを見つけて会話をしておかないと」

 

「怪しいNPCを見つけるって! むしろ怪しくないNPCが何処にいるんですかね!?」

 

ぱっと見でもまともな住人などどこにも見当たらず、かなり妥協してさっきからずっと自分の目玉を探しながらウロウロしている奇怪な老人ぐらいであろう。いやよく見るとあの老人、耳を傾けるとブツブツと何か呪詛みたいな言葉を延々と呟いている、やはり話しかけるのはマズイ

 

「とにかくボクは先進むよ、ああ別についてこなくて構わないよ、スタンドが怖いならさ」

 

「誰も怖いだなんて言ってねぇだろうが! 勝手に決めつけてんじゃねぇよ! 最強銀さんはスタンドなんざ屁でもねぇんだよ!」

 

銀時の極度の怖がり癖には前々から面倒な所があったらしく、さっさと克服して欲しいのであえて突き放す様な感じで対応し、上手い具合に銀時を誘い込むユウキ。

 

案の定彼はムキになった様子でこちらに向かってキレると、懸命に恐怖と戦いながらようやく街の中へと入って来た。

 

「おい行くぞキリト君! 離れずに俺について来いよ! 絶対離れるんじゃねぇぞ! お願いだから離れないでね頼むから! あ、なんなら手を繋ごうか!? こういう場所は迷いやすいからね、うん!」

 

「嫌だわ気色悪い……って手汗まみれの手をこっちに差し出すな! 汚ねぇ!」

 

そして手汗にまみれた手を必死に差し出しながら手を繋ごうと要求して来る銀時に、キリトは頼むから近づくなとドン引きしながら共に街へと繰り出すのであった。

 

だが彼はまだ知らない

 

ここには幽霊ではない何者かが潜んでいる事も、そして思わぬ発見を見つける事になる事も……

 

 

 

 

 

ユウキを先頭に銀時とキリトは街の中を進んでいくと、入り口の演出などただの前座に過ぎなかった事を理解した。

 

奥へと進む度に陰気な気配がそこら中に溢れ、まるで四方八方から見えない何かに見つめられている様な感覚さえも覚え

 

この街を作った担当者は、相当ホラーに精通しているに違いないと、キリトは背後から歩み寄って来る不気味な気配を無視しながら推測するのであった。

 

「日本ホラーのお約束をここぞとばかりに混ぜ合わせていながら、ごちゃまぜにならないよう大事な所はキチンと分けて演出、徐々に弱いジャブをかましながらプレイヤーの精神を削っていく煽り方。一体どんな奴がここ作ったんだろうな」

 

「そうやって冷静に分析してるお前が怖いんだけど……」

 

呑気な様子で周りを眺めながら街の分析をしているキリトに、前を歩く銀時が力なく呟いた。

 

彼はもう既に怖過ぎてまともに歩く事も出来ず、街に入ってからずっとユウキの首に両手を回してしがみ付いている。

 

「なあもう帰ろうぜ……もう十分歩き回ったじゃねぇか、やっぱここ何もねぇんだよ、俺達が来るべき場所じゃ無かったんだ、人間はもっと日が差す明るい場所にいるべきなんだよ……」

 

「銀時ちょっとくっ付きすぎ、ボクまでまともに歩けなくなるから」

 

自分の頭に顎を乗せてずっと体を密着して離れない銀時に少々うっとおしいと思いながら、ユウキはジト目のまま彼の意見を無視してどんどん先へと進んでいく。

 

「最近じゃ”ギャップ萌え”とか流行ってるみたいだけど、いい歳したおっさんがブルブル震えて怯えても冷めるだけなんだよね実際……だからこうして抱きつかれても全く嬉しくないし正直勘弁して欲しい……」

 

「なに一人でブツブツ呟いてんだお前、さてはスタンド攻撃を受けたか? 憑かれたか? じゃあもう帰るか?」

 

「あのさ、まだ街中に入って5分そこらしか経ってないんだよ? お願いだからちょっと黙っててよ頼むから」

 

何度引き離そうとしても一向に離れない事に関しては諦めたが、せめて耳元で数秒事に帰りを促してくるのは止めてくれと思いつつ

 

「とりあえずあの酒場に行ってみよう、前にボクがここに来た時、最初に情報を得られたのはあそこだったんだ」

 

銀時を引きずる様に歩きながらユウキはふと酒場らしき場所を見つける事が出来た。

 

まあ酒場と言っても既に何十年も使われてなさそうな、明らかに何か出そうなオンボロの廃墟にしか見えないのだが

 

「最強銀さんはすっかりチキン銀さんになっちゃったし、あそこで一旦食事取って休んでとりあえずこの街に慣れて貰おうか」

 

「誰がチキン銀さんだ! てか食事ってなんだよ! あんな所でそんなモン取れる訳ねぇだろ!:

 

「取れるよ、だって見た目は廃墟に見えてもここはちゃんとした街なんだからね、食事取る所があるのも当たり前じゃん」

 

そう言ってユウキは嫌がる銀時を無理矢理連れて行き、食事が取れるという不気味な酒場の戸をやや乱暴に足で蹴って開いて中へと入る。

 

「お邪魔しま~す、あ……」

 

すると彼女はすぐに気付いた、どうやらこの店には既に自分達より先に来店しているお客様がいた事に

 

店の中へと入るとそこには

 

 

 

 

 

「もぉ無理! 無理だからぁ! お願いだから堪忍して! ホント無理なのよぉぉ!! ログアウトさせてホント!」

 

「あーもうそうやってまた同じ事言って諦めるんだから! アンタのせいで私まで上に進めないのわかってんの!?」

 

「はぁ~、アスナのお化け嫌いはホントどうしようもないわね~」

 

古ぼけたテーブルに必死に爪を立てて抵抗する涙目のアスナと

 

それを無理矢理にでもテーブルから引き離そうとする神楽。

 

そして今にも壊れそうな椅子に座って、呑気に彼女達を眺めていたリズベットが、店に入って来たユウキ達にふと気付く。

 

「ってアレ? 誰が来たと思ったらアンタ達もここに来たんだ」

 

「へ~リズ達もいたんだ、偶然だねこんなあまり人気のない層で会うなんて」

 

「ん~まあ偶然って訳でもないのよね」

 

傍でアスナと神楽がギャーギャー言いながらもみ合っているのを気にも留めずに、ユウキは気軽にリズベットに挨拶すると、彼女はまずユウキにしがみ付いている銀時に首を傾げて

 

 

「てか銀さん、どうしてユウキちゃんにしがみ付いてるの? 遂に自分がロリコンだというのを公に公開する事にしたとか?」

 

「誰がロリコンだこのアマぁ! 俺はただコイツを怖がらせまいと寄り添ってるだけだボケェ!!」

 

「いや私視点から見ると、どう見ても銀さんが嫌がるユウキに無理矢理抱きついているというヤバい絵面にしか見えないんだけど?」

 

後ろからユウキにしがみ付くのを一向に止めない銀時を、冷静に眺めながらリズベットが呟いていると、彼女はふとある事に気付く。

 

「アレ? ていうかここに銀さんがいるって事は、遂に私等と攻略した層の数が一緒になったって事?」

 

「は? つー事はまさかお前等……」

 

「私達三人も攻略したのは六十四層までなんだよね、この層はまだクリアしてないのよ」

 

リズベットがそう言うとチラリとまだ暴れて嫌がっているアスナに視線を向ける。

 

「あのビビリな副団長様のおかげでね……もう随分と長くここで止まってるのよ私等」

 

「イヤァァァァァァァァ!! 明るい現実に帰らせてぇ!」

 

「いい加減に諦めるアル、アスナ姐! そうやっていつまでここに止まり続ける気ネ! たかが幽霊相手にいつまでもビクついてんじゃねーヨ!」

 

「幽霊じゃない! スタンドよ!」

 

テーブルから引き離されてもなお、壁の傍に置かれていた大きな樽に再度しがみ付いて激しく拒否する彼女に遂に神楽がキレて素の口調になるが、それでもなお抵抗を続けるアスナ

 

そんな醜態を堂々と晒す彼女を見て、ユウキは思わず口をポカンと開けて唖然とするのであった。

 

「うわ、これは流石にボクも言葉を失うわ……まさかアスナも銀時と同じぐらいに幽霊苦手だったなんて……」

 

「幽霊じゃねぇ! スタンドだっつてんだろ!」

 

「はいはい……しかしここでアスナのこんな意外な一面を見る事になるなんてねー」

 

先程のアスナと同じ言葉を抜かす銀時を軽く受け流しながら、ユウキはただ呆然と泣き叫ぶ彼女を眺めていると

 

「へー、こりゃまたまた面白い事が起こってるご様子で……」

 

ユウキの隣に立ちながら、じっくりアスナを見つめて意地の悪い笑みを浮かべる男が一人。

 

前々から彼女と深き因縁があり、顔を合わせれば散々悪態を突き合う事が当たり前となっているキリトであった。

 

散々ニートだの犯罪者だの彼女に罵倒され続けていた彼は

 

いつか彼女の弱みを一つでも握ってマウントの一つや二つ取って見たいとは思っていたのだ

 

そしてまさかここでその機会が巡って来る事になろうとは……

 

彼はおもむろに自分から彼女の方へ歩み寄ると、さも楽しげな様子で

 

「よう、随分とはしゃいでるようだけどなにか面白い事でもあったのか? 鬼の閃光殿」

 

「今日はちょっと体調がすぐれないから攻略はまた今度……ってげぇ!!」

 

神楽に首根っこを引っ張られながらもアスナは目の前にいきなり現れたキリトにギョッと目を見開いて驚くと

 

すぐに顔からダラダラと汗を流し始め、頬を引きつらせた。

 

「あ、あなたどうしてここに……!」

 

「ちなみに俺も面白い事があったぞ」

 

明らかに自分の状況を顧みて、動揺している様子を見せるアスナにしてやったりの表情で、キリトは勝ち誇った様子で彼女の反応を眺めつつ

 

「現在進行形でな」

 

嬉々としながら愉悦に浸るのであった。

 

 

 

 

 


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