西郷どんロスになっているのはきっと私だけだろうな、2期は無いのか2期は!?
「ゼェゼェ……よ、ようやく観念したわね……」
「し、しつこ過ぎだろお前……散々追いかけ回して来やがって……」
天人や地球人が入り乱れ混雑した広場にて、壁にもたれてグッタリしているキリトを、同じように疲れた表情で汗だくのアスナが追いかけに来た。
「散々逃げ回ったみたいだけどもう限界みたいね……潔く諦めて腹を切りなさい、そうすれば介錯ぐらいなら私がしてあげるから」
「いやいやいや! 切腹ってそれ永久アカウント停止処分って事だろ! あのな! 言っとくけど俺はさっきここに来たばかりで! その間お前達にとって都合の悪い事なんてこれっぽちもやってないから!」
「でもいずれやるんでしょ」
逃げられない様キリトの長いロングコートの裾を後ろから掴み上げ、アスナは呼吸を整えながらジロリと彼を睨み付ける。
「だったら手っ取り早く他のプレイヤーに迷惑を掛ける前に捕まえておいた方が良いじゃない」
「いやその理屈はおかしい! 確かにいずれはやるかもしれないけど、犯罪行為が発覚されていない今俺には確かな人権が残っている!」
「ニートのあなたに人権なんてある訳ないでしょ、それに過去に起こした所業でっとくにその場で逮捕されてもおかしくないあなたが文句を言える立場な訳?」
「おい! いま全国のニートを敵に回した発言をしたぞお前! 全国のニートに謝れ!」
「フン、働きもせずに家庭を蝕み続ける事に罪悪感も覚えられない連中に下げる頭なんか無いわ」
一応キリトはリアルでは万事屋として働いてはいるが、生活環境は基本的に前とあまり変わっていない。
ほとんどニートと変わらない生活を日々ダラダラと送り続ける彼を蔑んだ様子でアスナは鼻を鳴らす。
「それじゃあ無駄話はここで終わりにして行きましょ」
「は? 行くってどこに?」
「血盟組の本拠点がある五十五層よ、手短に済ますから安心しなさい、ウチのドSの責め苦に悲鳴を上げながら洗いざらい吐いてもらって、そして武士として死なせてあげる」
「それもう尋問じゃなくて拷問!」
このまま大人しく彼女に補導されてしまったらどんな酷い目に遭わされるかわかったもんじゃない。
キリトが再び逃走を繰り返そうとアスナに掴まれたコートを引っ張ろうとしたその時……
「おーそこにいるのはキー坊と鬼の閃光じゃないカ? どした二人で、相変わらず仲が良いナ」
「誰が仲が良いって………ん? アルゴ?」
「あーそうだよ、プライベートで会うのは久しぶりだナー」
そこへフラりと歩み寄って気さくな態度で話しかけた人物の方へ振り返ってキリトは軽く驚く。
突然現れたのはフードですっぽり顔を覆ったまま、僅かにクセッ毛の強い金髪を垂らす情報屋のアルゴであった。
「俺っちはまあちょっとした事情があってナ、知り合いの者がここを見てみたいって言うもんだから連れて来てやったんだよ、そんで今その人が絶賛迷子中で困ってる所を、たまたまキー坊達を見かけたから声掛けたのサ」
「……お前にプライベートでの知り合いとかいたのか?」
「おい、その発言は素で傷付くんだが?」
情報屋としてではなくアルゴが普通のプレイヤーと一緒に行動していたという事にキリトが意外そうに呟いていると、そんな彼をヘラヘラと笑い飛ばす彼女に対し、アスナは目を細めてジッと怪しむように見つめ始める。
「黒夜叉の情報提供者の情報屋・アルゴ……このイベントに生じてなにか企んでるとか考えてないわよね?」
「んー鬼の閃光殿、俺っちはキー坊と違って至って善良なプレイヤーさね、天人と地球人が親密な関係を築こうとしているこのイベントに、情報屋でしかない俺っちがよからぬ事を企むなんざあり得ないと思わんかね?」
「どうかしら、なんだかあなた、最初に会った時からこの世界を楽しんでる以前に、私達プレイヤーをただジッと観察してる事を目的にしてるような感じがして、どうもきな臭いのよね……」
「ハッハッハ、そりゃいくらなんでも人を疑い過ぎだろ鬼の閃光殿」
どこか浮世離れし過ぎて常に余裕を持っている様子でいられるアルゴを、アスナは前々から怪しいと睨んでいた。
それに対してアルゴは軽く笑い飛ばしながら否定すると、被っているフードで更に顔を覆い隠す。
(この娘もキー坊に負けず劣らず鋭い感性を持っているナ……早めに対処した方がいいんだろうカ……)
フードで真顔になった顔を、キリト達から隠しながらアルゴがふと考え事をしつつ、ふと先程小耳に挟んだ情報を思い出した。
「そういえばお前さん達、偶然出会えたお祝いに俺っちがタダで情報あげてやろうか?」
「タダ……銭ゲバのお前がか? また俺をハメようとしてるんじゃないだろうな?」
「まあここは素直に聞いておいて損は無いと思うゾ、実は今、闘技場で面白い事が始まろうとしている」
「闘技場? あ~血盟騎士団の連中が地球人と天人を公式で戦わせるよう設置した所か」
闘技場の事はキリトもよく知っている、天人としょっちゅう戦争を起こす連中の抑止力の為に
血盟騎士団が設置したデュエルスタジアムの事だ、しかしそれを聞いてキリトは面白くなさそうに顔をしかめる。
「天人相手に好き勝手やってる俺達に「ここでならいくらでも暴れていいよ」って作られた場所……そう考えると無性に腹が立つから一度も行った事が無いんだよなあそこ……」
「なによ、私達血盟組がわざわざ私財を使ってあなた達犯罪者を更生させてやろうとしてるのよ、有難く思いなさい」
上から目線の物言いでツンツンした態度を取って来るアスナにキリトは面白くなさそうに鼻をフンと鳴らす。
「だからそういう魂胆が丸見えだからムカつくんだって、俺達は俺達の思うがままに暴れたいんだ、籠に閉じ込められて見世物にされながら戦うなんてこっちは全く燃えないんだよ」
「あなた達が燃えようが燃えまいが知ったこっちゃないわ、それに戦争と違って闘技場で活躍すれば良い意味で自分の名をこの世界に広く轟かせる事だって出来るの、天人相手に戦争仕掛けて悪名しか轟かせてないあなたが有名になれるチャンスよ?」
「生憎、俺は名声なんか欲しくもなんともないんでね、他を当たってくれ」
口調は刺々しいが遠回しにキリトを更生させようと闘技場に誘うアスナであったが、彼は全く効く耳持たずの態度。
するとこそへ、アルゴがニヤリと笑ったまま彼の方へ顔を上げ
「喧嘩中の所悪いが話を続けて良いかね? 実はその闘技場で今戦いを始めようとしている対戦マッチがね、片方が血盟騎士団の団長様なんだ」
「団長? それってもしかして……SAO型最強のあのヒースクリフの事か!?」
「局長が!? え? どうしてあの人が闘技場で戦う事になってるの!?」
アスナが局長と呼んで驚く中、キリトもアルゴの話を聞いて目を見開く。
ヒースクリフと言えば血盟騎士団のトップでありながら、その剣の腕前も他の追随を許さ素の程の化け物じみた強さを持っており、「剣聖」、「完全無敗の王者」、「仮想世界最強の男」等と呼ばれたりと同じSAO型のキリトも嫌という程知っている超有名人だ。
彼が戦うと聞くと、これには流石にキリトだけでなくアスナもまた興味を持った様子になった
しかし二人がもっとその戦いに強く好奇心を持つのはここからだ。
「それでその団長様と戦う相手が……銀髪天然パーマの死んだ目をしたやる気の無さそうなふざけた男らしい」
「「はぁ!?」」
「その男がヒースクリフに一方的に蹂躙されて打ち負かされるのを見る為に、今闘技場にはわんさか人が集まってるみたいなのサ」
銀髪天然パーマの死んだ目をした……そんな特徴を持つ人物などキリトとアスナにとっては一人しか思い浮かばない。
まさかヒースクリフと闘技場で戦う相手とは……
「だ~ちょっと目を離した隙にコレだ! やっぱあの人一体どうなってんだ! 俺よりも先に最強の男と決闘するとか何があったんだよホント!」
「それを確かめるより先にまずは現場に直行した方が良さそうね……私もどうして局長があの男と決闘をしようとしてるのか気になって仕方ないわ」
「なら、こんな所で油売ってないで行って来ればいい」
いまいち状況が読み込めないキリトとアスナが戸惑っている中で、アルゴはその反応を楽しむかのようにヘラヘラしながら二人を促す。
「現・最強と称される騎士と、未だ未知なる力を秘める謎の侍の対決、その目でじっくり確かめて来るがいいサ」
闘技場はすっかり満席でプレイヤー達の騒ぎ声が響き渡っていた。
その中心に設置され、観客の注目の的として晒されている戦闘フィールドに
仮想世界最強の男・ヒースクリフと
対照的にやる気の無さそうな無名の男がけだるそうに向かい合っている所であった。
「すまない、出来ればあまりお客を入れて欲しくなかったのだが、経理のダイゼンが私の試合であればどうしてもと聞かなくてね」
「いいよ別に、それよりマジでやる訳? 俺あんまやる気しねぇんだけど、周りうるせぇし帰っていい?」
「おいおい、ここまでプレイヤー達が盛り上がっている中でそれは無いだろ」
唐突にヒースクリフに対決を申し込まれたのは今よりほんの数十分前の話だ。
それからトントン拍子で勝手に話は進み、いつの間にか銀時は大衆の前に晒されながら、向かいにいる最強の男と正面から戦うという流れになってしまっている。
しかし銀時の方は小指で耳をほじりながら、未だ全く乗り気ではない様子だ。
「観客の大半がほぼアンタ寄りで完全にアウェーな気分なんだけど俺、なんなのコレ? ひょっとして俺って噛ませ犬扱い?」
「それは戦ってみれば自ずとわかる筈さ、我々も観客も。それにちゃんと君を応援している者もいるじゃないか」
周りからヒースクリフに対する歓声と、未だやる気を見せていない銀時に対しての罵声が半端ない。
しかしそんな中でもなお、観客席の中から一人だけ銀時に激を飛ばすユウキの姿が
「行けぇー! 銀時ー! よくわからないけどとりあえず勝って最強の称号貰っちゃえー!」
「お前はなに普通にこの状況を受け入れて俺の事応援してんの!?」
「交戦する時にパンチ入れるフリして肘を目に刺せぇー! ヤバくなったらクリンチするフリして相手をほおり投げちゃえ!」
「それボクシングのアドバイスだろうが! しかも反則技!!」
最前列の席で応援してくれているのだろうが、言っている事は少々おかしいアドバイス。
自分のすぐ真後ろの席で立ちながら叫んでいる彼女にツッコミを入れながら、「ったく……」と呟きつつ再びヒースクリフの方へと振り返った。
「こういう試合形式な決闘は見るのは好きだがやるのはあんま好きじゃねぇんだ、やるならとっとと終わらせようぜ」
「すぐに終わるかどうかは君次第かな、ところで君がもし私に勝てた場合の話だが」
「あ?」
早く終わらせようとせがんでくる銀時にフッと笑いながら、ヒースクリフは目の前にメニューを開いて
一対一の対戦方式や細かなルールを設定し終えると、銀時の方にも対戦が申し込まれた内容と共に承認するか否かの画面が現れた。
「私に勝てたら君は最強と名乗る資格を持つ事が出来る、が、君はそんなものにはあまり興味が無さそうな顔をしているね、望みはあるかい? あるのであれば私が出来る限り叶えてあげてもいいんだが?」
「そんじゃ現金くれ、溜まった家の家賃払えってババァがうるせぇんだ」
「ハハハ、すまない、この世界で現実の金銭を扱うのは禁止されているんだ、まあ表向きの話だが」
「んだよ、最強の割にはケチだな」
承認を指でピッと押しながら、ヒースクリフからの勝った褒美に不満そうに舌打ちする銀時。
そして互いの眼前に、60という残りカウントが表示された。
このカウントが0になった時、二人の戦いが始まる。
「こっちの世界で欲しいモンなんざ特にねぇよ、別に今は充実してるし、もうすぐ新しい武器も手に入るし」
「望みは無い、か……珍しいな、この世界に生きるモノであれば常に何かを欲してプレイするのだと思っていたんだが……」
「欲ならちゃんと持ってるよ、いずれ追い越したい奴が二人程いるんでね、今の所、そいつ等の背中に追い付いて飛び蹴りかますのが俺の野望だ」
「ほう……」
残り30カウントになって来た頃にヒースクリフはジッと銀時を見据える
「超えたい相手を見つけているというのは良い事だ、己が強くなる為に必要なのはまず目標にする相手を見つけるべき事だという、かつて私に挑んだ”ラン”というプレイヤーも幾度も私に挑んで来た」
「!?」
真っ直ぐな視線をこちらに向けながら小さく笑いかけるヒースクリフに、さっきまでやる気の無かった銀時の目が大きく見開く。
この男、ランの事を……
「テメェ……どうしてランの事を……」
「すまない、職業柄気に入った相手の事はくまなく調べてしまう癖があるんだよ、君が彼女からその刀を受け継いだ事も当然わかっている」
「趣味の悪い野郎だ……」
「ハハハよく言われるよ、ただこれだけは言わせて欲しい」
残りカウント15
「かつてその刀を使ってた頃の彼女の強さに、果たして今の君は追いついているのかい?」
「!?」
「彼女は本当に強かった、力だけでなく心も、私が負けを覚悟した人物は彼女一人を置いて他にはいない」
「……」
スイッチが入ったかのように銀時は無言で武器を構える、得物は千封鬼、二つ刃のビームサーベルが赤く光る。
対してヒースクリフが持つのは王道的な形をしたなんて事無い片手剣と盾だが、その実態はまだわからない。
「思ってたよりランの事知ってるみたいじゃねぇか、なんつうか、ちょいとばかり俺もお前さんに興味持って来たぜ」
「それはなによりだ、ならば今度は言葉では無く剣を交えて更に互いを知る事にしよう」
一見ただの人の良い紳士的な男かと思いきや……中々の食わせモンだとわかった銀時は、ヒースクリフに対してそれなりに興味が芽生えてニヤリと笑って見せた。
正直彼が彼女とどんな風に知り合っていたのかは気になる所だが
最強の男に自分の恋人が強かったと称されたのは素直に悪くないとさえ思う。
そしてカウントは0となった
対戦開始のブザーが二人の間で鳴り
同時に周りからの歓声が爆発したかのように響き渡る。
銀時はダッと駆け出してビームサーベルを振り回しながら真正面から突っ込んでいった。
それを迎え撃つかのようにヒースクリフも自分を覆う大きな盾を構える。
「さあ見極めさせてもらおう、彼女が遺した遺産が、私を脅威と思わせる存在になるかどうか」
一方その頃、別の所では
「この辺に銀髪天然パーマの死んだ魚の様な目をしてふてぶてしい男を見ていないか?」
「いや知らないけど……え、なにそれ? 死んだ魚の様な目ってどんな目?」
「この辺に銀髪でモジャモジャの人生ナメ腐った様な濁った目をしている男を知らない?」
「いや知らな……あの、なんで同じような事を二人それぞれ連続に聞いて来るのかな?」
銀時の行方を追う為に新八と神楽がその辺の通行人に声を掛けて探し回っていた。
全身ピンクに着飾った小柄な少女に二人して同じ事を尋ねるも知らないと言われ、未だ彼の痕跡は見当たらないみたいだ。
「貴様、なんで俺が奴を探そうとしているのに邪魔をする、俺が尋ねた相手にもう一度尋ねるとかまるで意味わからんだろうが」
「はぁ? アンタみたいな厨二ツッコミ眼鏡なんかに聞かれても普通答える訳ないでしょ、だから私が代わりに聞こうとしてやってんの」
「あの~私もう帰っていい? さっきでっかい天人とタイマンで殺し合ってたんで疲れてるんですけど……」
「ああ、この二人の事はもうほおっておいて大丈夫だから、ありがとね」
目の前で急に睨み合って口論を始める新八と神楽に、少女が疲れ切った表情を浮かべていると
そこへ二人と共に行動しているシノンが間に入ってくれて彼女を優しく帰してあげた。
「二人共、ちょっと過剰になり過ぎじゃない、銀さんの事だから適当にブラついてるんだろうし、気ままに歩き回っていれば見つかるわよきっと」
二人の方へ振り返ってシノンが呆れたように呟くと、後ろからリーファとシノンもヒョコッと顔を出してくる。
「ていうかシンさん、そもそも、あんな人を探す意味があるの?」
「神楽さんとシンさんは、どうしてそこまでしてその人を探しだそうとしているんですか?」
銀時に対しては片方は嫌悪、もう片方は全く知らないでいるリーファとシリカに、新八と神楽は同時に振り返って
「あの人は俺に取って目標であり立ちはだかる壁だ、壁は壊さなければ前に進めない、故に倒す」
「アイツは女の敵、私の様に今後不幸になるかもしれない女の為に、あの男をこの世から抹殺する必要があるの」
「なんだか凄い人なのか最低な人かわからないですね……ていうか神楽さんが不幸になったって……え! もしかしてその銀さんって人って神楽さんの元カレ的な!?」
「いやそれは無いから」
それぞれ銀時に対してのイメージを答える新八と神楽に、シリカが混乱しつつとち狂った事を言い出すのでジト目でハッキリと否定する神楽。
そんな事をしているとそこに
「おいオメェ等、旦那の居場所がわかったぜぃ」
「「!?」」
銀時捜しをなおも続けようとしている彼等の所へ、フラリとやってきたのは沖田。
その隣には一緒に行動していたリズベットが疲れた表情を浮かべている。
「ったく、本当に行動が読めない男ね、あの天然パーマ……」
「あの人が何処にいるのかわかったのか!?」
「さっさと教えなさいよアンタ達、隠し事は為にならないわよ?」
「はいはい、ちゃんと教えてあげるから大人しく聞いてて」
すぐに二人の方へ詰め寄る新八と神楽に、リズベットは両手を出しながら落ち着けのポーズ。
そして彼女の代わりに沖田が長い楊枝を咥えたまま話始めた。
「俺の率いてる部隊からの情報によると、どうやら旦那の特徴と一致する男が、闘技場に入って行くのを見たんだとよ」
「闘技場?」
「アスナの所の血盟騎士団が建てた建物よ、あの天パ、あんな所に逃げていたのね……」
どうやら沖田が個人的にこの辺にバラまいてる部隊が銀時の居場所を突き止めたらしい。
「なんでも逃げたゴリラを探してる途中で、そんな男と小さな少女が血盟騎士団の男に連れられて闘技場に入って行くのを見たんだとよ」
「逃げたゴリラってなによ? なんでそんなモノ追ってたの、アンタの所のあのバカ集団?」
「アイツ等が何処で何やってようが俺の知ったこっちゃねぇよ、俺がアイツ等に求めてるのはいかなる時も俺の命令に忠実な下僕であることだけでぃ」
神楽と沖田がそんな会話を続けてる中、それを聞いていたシノンもまた「へぇ」と顎に手を当て眉間にしわを寄せる。
「闘技場はともかく、血盟騎士団の人と一緒って所が引っかかるわね……」
「ああ、その辺はもうわかってるわ、ここに戻る途中で通行人が騒いでたから……はぁ~ホントなに考えてるのかしらねあの天パ」
「え?」
余計な事に首を突っ込んでトラブルでも起こしてるんじゃないだろうかと心配するも、そんなシノンにリズベットがため息交じりに答えてあげる。
「なんかあの人、EDOで最も強いプレイヤーだと言われてるほどの化け物と一戦やり合ってるみたいよ?」
「……は?」
「「はぁ!?」」
それを聞いてシノンが口をポカンと開け、新八と神楽も同時に驚きの声を上げる。
銀時とヒースクリフ
二人の戦いがキッカケにメンバーは一つの場所に集まり出すのであった。
最近私のドツボにハマる作品を見つけました
その名も「異世界おじさん」
今流行ってる異世界物に見事なカウンターをかましてくれた傑作です