竿魂   作:カイバーマン。

31 / 92
狂乱貴公編
第三十一層 遠い昔、遥か彼方の銀河系で……


第三十層はGGOの占有地区が存在する

 

無論それ以外のタイプも入る事は出来るが

 

大半のプレイヤーは絶対に近づかずにそのまま素通りして次の階層へと向かう。

 

何故ならその場所は正に……

 

「ヒャッハー! 汚物は消毒だァー!」

「倒したらすぐ撃つ! これが鉄則だァー!」

「わははは! 土下座しろー!」

 

あちらこちらで喚き声と銃弾の音が飛び交えり

 

異様なほどモヒカン率の高い肩パッドを付けたプレイヤー達が、ハイテンション気味に街中で銃を乱射しているという完全無法地帯なのだ。

 

今までずっとファンタジー溢れる世界観であったにも関わらず、別のゲームにログインしてしまったのかと錯覚するぐらいの突然の世紀末感漂う場所に

 

ついさっきようやく二十九層をクリアし終えてやってきたばかりの銀時達は、地区の入り口前で固まっていた。

 

「……何ここ?」

「第三十層のGGO占有地区」

「いや違うだろどう見ても、明らかここだけ原先生の作画になってんじゃねぇか」

「いやー何度来ても相変わらずだねここ」

 

銀時の質問にキリトがサラッと答える中で、ユウキは興味津々の様子で中へと入っていく。

 

「よく姉ちゃんがここいにるみんなと一緒にはしゃいでたんだ、ヒャッハー叫びながら」

「いやそんな教えられても悲しみしか湧かない情報はいいんだよ! つうかここ本当に町!? 本当にディアベルの野郎が言ってた店があんのかここに!?」

 

ユウキのすぐ前方で大きな爆発が起こり、咄嗟に銀時が駆け出して彼女の肩を両手で掴みながら辺りをキョロキョロと見渡すも、一緒について来たキリトも流石に面食らった様子で

 

「見渡す限りボロボロの家や建物ばかりだな……もはや町というより戦場だ」

「道歩く奴みんな銃持ってやがる……確か町の中じゃ戦闘出来ないんじゃないのかよ」

「場所にとっては街中でも戦闘できる所はあるんだよ、この地区もその中の一つさ」

 

出来るだけ人気の多い場所を避けて裏道を歩いて行きながら、銀時とキリトはどんどん不安に陥っていく。

 

どうして彼等がこんな危ない場所へ足を踏み込んだかというと理由は一つ。

 

銀時の装備を一新し、更なる強化を行う為だ。

 

それでこの町にある店に丁度銀時に似合う装備が入荷されたと

 

引退直前のディアベルからの最後の後輩に送るアドバイスを貰ったのだが……

 

「まともな店どころかまともなプレイヤーすらいねぇ……GGO型ってこんな物騒な連中だったの?」

「GGO型は基本的にモンスターよりもプレイヤーを狙う、いわゆるPK派が多いからな。もっぱらこうしてPK合戦してそれで経験値稼ぐ奴も多いと聞いた事があるな」

「ロクでもねぇ連中だなGGO型ってのは」

「そうだな、同じくGGO型のアンタを見てるとますますそう思うよ」

 

横目で銀時を見ながらキリトが軽く皮肉を言ってやっていると、突如彼等の前方に数人のモヒカンプレイヤーが現れる。

 

「ヒャッハー! 見ろよコイツ等! 銃も持たずにノコノコとこんな所に来てやがるぜ!」

「おいおいマジかよ! この俺達の街に剣しか持たずに入って来るたぁいい度胸じゃねぇか!」

「最新型の火炎放射器で全身まる焦げにされる前に有り金と装備全部差し出しな!」

 

三人揃ってモヒカン頭の男達が下品な笑みを浮かべながらすぐにこちらに銃と火炎放射器と向けて来た。

 

このバイオレンスな空間にただでさえ戸惑っているというのに、まさかこうもあっさりと絡まれてしまうとは……

 

「すっげぇ関わりたくねぇ……つうかどうしよ、俺ボス戦終わった後だしまともに戦えねぇよ」

「今の銀時の装備って脇差し一つだものね、姉ちゃんの物干し竿はHP減らさないと装備出来ないし」

「まあ見るからに指先一つでダウンしそうな連中だし、ここは俺一人でまとめて片付けてやるからアンタはそこで待ってればいいさ」

 

そう言ってキリトは銀時達の前に出て、スッと背中に差す剣を抜こうとすると

 

「あべし!」

「ひでぶ!」

「たわば!」

「へ?」

 

次の瞬間、彼等の頭部に横から鮮やかに銃弾が綺麗に直撃し、キリトが何をする事も無く勝手にバタリと倒れてしまった。

 

「ってオイ! 俺が手を出す前にもうダウンしたぞコイツ等!」

「フ、こんな所にSAO型とALO型が紛れ込んでいるとは珍しいな」

「!」

 

キリトがどうしていいか困惑していると

 

先程三人組を一撃で倒した弾丸が飛んで来た方向から、ウェスタンハットを被った一人の男がフラッと前に現れる。

 

「俺の名はダイン、泣く子も黙るスコードロンのリーダーだ」

「いや知らねぇんだけど……」

「もうわかっちゃいると思うがここは戦場だ、物見遊山で来るような世間知らずはとっととママの所へ帰……」

 

見た感じ一昔の西洋風の衣装に身を包んだダインと名乗る男は、ニヤリと笑いながら両手で構えたアサルトライフルの銃口をキリト達に向けようとする、だがそこで

 

「ぬべら!」

「うぉい! ダイン撃たれた!」

 

またしても横から銃弾が飛んで来て、小粋なウェスタンハットに見事に命中されたダインは成す総べなくその場に倒れる。

 

すると倒れたダインに銀時が慌てて駆け寄った。

 

「おいしっかりしろダイン! 傷は深くねぇ! 気をしっかり保て!」

「いやアンタ、ダインの事知らねぇだろ」

「へ、すまねぇヘマしちまった……どうやら俺はここまでの様らしい……先にあっちで待ってるぜ……」

「ダイィィィィィィィィィン!!!」

「いやだから誰ぇぇぇぇぇ!? なんで仲間みたいな雰囲気作りながら逝ってんだコイツ!」

 

抱き抱えた状態で、満更でも無さそうな顔でフッと笑いながらフッと消えていくダインを見下ろしながら叫ぶ銀時だが、実を言うと彼自身もダインの事などさっぱり知らない。

 

そして先程銃弾が飛んで来た方向からツカツカと重々しい足音が

 

「なるほど、久しぶりに六十層から降りて来たが、ここは相変わらず治安が悪いな」

「!」

 

キリトが振り向くと、そこにいたのはゴツゴツした装備とこれまたいかつい顔つきをした屈強そうなタフガイ

 

装備も身なりもより戦闘重視を優先している様子で、正にGGO型のベテラン感が漂っている。

 

「俺の名はM、ここは未熟なあまり上の階層に昇れなくなったGGO型の吹き溜まりの様な場所だ。用がない奴はさっさとこの場から消えた方が身の為だ」

「あぁなんかやっとまともな人に出会えた気がする、いや俺達はちゃんと用があってここに来ててさ、ちょっとこの町にある店を教えて欲しいんだけど」

 

Mと名乗るまともそうな男にキリトがこの辺に店が無いか聞こうとすると

 

突如Mのこめかみに一本のクナイが思いきりブスリと突き刺さった。

 

「ふんもっふ!!」

「ってオイィィィィィィ!!」

 

三度目の光景に思わずキリトが叫ぶのも束の間、目の前の巨体が立つ力を失ってズシンと倒れた。

 

「どうやら俺はここまでらしい……」

「またかよ! コレで何度目だ一体! どんだけ通り魔が出没するエリアなんだここ!」

 

ヘッドショットを決められ成す総べなくHPをみるみる減らしていくM、すると銀時がまたしても必死の形相で彼を抱き抱え

 

「おいしっかりしろM! ここでおっ死んだら残された俺達はどうなっちまうんだ!」

「いやアンタもなんでまたよく知らん奴を仲間みたいに抱き抱えるんだよ」

「コレが俺に出来る最後の役目だ……受け取ってくれ」

 

薄れゆく意識の中でMは一枚の紙を銀時に託す、その紙に書かれていたのは……

 

「この町の地下にある運営の目から隠れた名店……「ドM男大歓迎ムチムチパラダイス」の住所だ……」

「最後になんてモン紹介しようとしてんだコイツ! 確かに店教えろって言ったけどそういう店紹介して下さいって言ったんじゃねぇよ! なんだコイツ! MってもしかしてそっちのMって事!?」

「あ、すんません。俺Sなんで出来れば責める方の店を教えて欲しいんですけど」

「お前はお前でなにを聞こうとしてんだぁ!」

 

Mから貰った紙を懐に仕舞いながら真顔で別の店を聞き出そうとする銀時にキリトがツッコんでいると

 

HPがゼロになったMはフッと消えて行った。

 

「Mゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」

「だからその叫ぶ意味あんのか?」

「ていうか銀時、今さり気なくいかがわしい店を聞き出そうとしてたよね? ボクの目の前で止めてくれないそういうの?」

「それとお前はお前でヒシヒシと殺気を放つなユウキ……」

 

天に向かって叫ぶ銀時にユウキがジト目でスッと腰に差す剣の柄を握り出したので、急いでキリトが止めに入っていると

 

「フ、お別れの挨拶はもう済んだかしら?」

「!」

 

ダインやMがやってきた方角からコツコツと小さな足音が

 

キリトがバッと顔を上げるとそこからやって来た人物は

 

「この私のクナイを食らって一撃昇天してしまうなんて、見かけと違って軟弱な男ね」

 

そう言いながら現れたのは、顔の下半分をマスクで隠し、忍び装束を着た紫髪の女性。

 

「冥途の土産に教えてあげるわ、私の名はエム、見た目通りくのいちよ」

「M二人目出て来ちゃったよ! MがMやったの!? うっわややこしい!」

「この私の暗殺を見てしまった以上、残念ながらあなた達も生かしちゃ置けないわ」

 

まさかの二人目のM登場に驚愕するキリトに向かって、エムと名乗るくのいちはスチャッとクナイを数本構えてこちらに標準を定めようとする、しかし

 

パシン!という小さな乾いた音が聞こえたと思いきや

 

彼女の額にくっきりと小さな穴が空き、そのままバタリと倒れてしまうエム。

 

「く、私とした事が不覚を取ったわ……」

「おいまた死んだぞ! やべぇよココもう帰ろうぜ!」

「しくじったわね……忍びにおいてもっとも隙が出来る瞬間は、暗殺を行う時だという初歩的な教えを忘れてしまうなんて……」

 

遠くから狙撃されたような感じで倒れた所から察するに、この辺にスナイパーでも潜んでいるのかと辺りをキョロキョロ見渡すキリト。

 

しかしどこにもそんな気配がない、そうこうしてる内にエムの方も徐々に意識が薄れていく。

 

「私があなた達に残せるものは何も無いわ……力不足な私を許して頂戴、私は空からあなた達の行く末を見守……ぐえ!」

 

銀時達に何かメッセージ的なモノを残そうとしていたのだろうが

 

そんな彼女の顔を何食わぬ表情で思いきり草鞋で踏み抜く銀時。

 

「よし、この辺に何も無いのわかったし先行くぞお前等」

「あれぇぇ!? なんでその人にだけ扱いドライなの!?」

「いやなんかコイツとは関わっちゃいけない気がするんだよね俺」

 

冷たくそう言いながらエムの頬に踵をグリグリと押し当てる銀時

 

「な、なんなのこの男、初対面の女に向かってこんな仕打ちが出来るなんて……! でもなんなのかしらこの気持ち……! この男に辱めを受けながらもなお不思議と高揚感が体の中から湧き上がる様な! ちなみに体のどこの部分から湧き上がってるのか正確に表現すると、私の下半身の……!」

 

銀時に踏みつけられながらもなおエムは何故か満ち足りた様子で何かを口走ろうとした直前

 

「ふん!」

「ぐえぇ!!」

 

いつの間にか剣を抜いたユウキが、思いきり彼女に突き立てて、その身体を四散させた。

 

「そんじゃ、介錯も済ませたし先行こうか」

「ってユウキィ!? お前そんなキャラだった!? 弱っている相手にトドメ刺すような奴だったお前!?」

「いやボクもこの女は危険だと直感を覚えただけだよ、うんただそれだけ」

 

ムスッとした表情でサラリと言うと、剣を鞘に戻して先に行ってしまう銀時を追うユウキ。

 

残されたキリトも髪をポリポリと掻き毟ると、「まあいいか」とすぐに二人の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

三人が再び街中を歩きだした一方で

 

そこから1キロ程遠く離れた、半ば廃墟と化している教会の屋上に

 

狙撃銃を構えた一人の少女が横になって、銃に取り付けているスコープで彼等の背中をジッと眺めていた。

 

「今の三人組ってやっぱり……」

 

スコープの中で銀時とユウキが何やら揉めてる所へキリトがめんどくさそうに仲裁に入っている。

 

「気晴らしに三十層でPK狩りしてたらまさかこんな所で会うなんて……」

 

そんな光景を見ながら少女は一旦スコープから目を離してフッと笑った。

 

 

 

 

「しょうがない、同じかぶき町在住のよしみで挨拶しに行ってくるか」

 

 

 

 

 

 

 

銀時達が街中を探索し始めて数十分後、相も変わらず銃声や叫び声は絶えないものの、運が良いのか襲って来るプレイヤーはまだ出てこなかった。

 

「ねぇ銀時、なんかどんどんヤバい雰囲気の方へ歩いてるけど大丈夫なの?」

「大丈夫だ大丈夫、こういうヤバめな所な程当たりなんだよ」

 

奥へと進んでいくと銃声は聞こえなくなってきた、しかしその代わり辺りが暗くなっていき、何やら遊園地にあるお化け屋敷にある様な不気味な置物もチラホラと見え始める。

 

さっきまで大丈夫だと言っていた銀時も、おどろおどろしい雰囲気に恐怖を覚えたのか、顔から汗を掻きながら言葉も少なめになっていく。

 

そして妙にじっとりした湿気が漂う中が真っ暗なトンネルの前で足を止めた。

 

中から聞こえる空洞が、まるで死んでいる事も気付いていない亡者達の呻き声にも聞こえる。

 

「……よしこっちじゃねぇや、やっぱ引き返そう」

「なんで? まだこのトンネルの中覗いてないよ?」

「いやここはいい、絶対何も無いから、絶対何も出ないから」

「もしかして怖いの?」

「は? 怖くねぇし、何言ってんのお前?」

 

急に饒舌になってトンネルの中へ入りたがろうとしない銀時にユウキが小首を傾げてジーッと見つめていると。

 

キリトもまた彼の態度を見てははーんと察した。

 

「アンタまさかビビってんのか? いつも偉そうにしておきながら、ホントは夜中厠行けない様な怖がりさんだったのか」

「いやだから違うって、夜中に厠行くとか楽勝だし」

「たまにテレビで怖いモノ特集とか観たその日の夜、急にボクの事起こしに来て厠の前に連れて行くよね? しかもその後自然にボクの布団に潜りこんで一緒に寝るよね、アレなんで?」

「ええ!? アンタまさかそこまで……!」

「アレはアレだよ、お前がビビッて一人で眠れねぇだろうから、心優しい銀さんが朝まで一緒にいてあげるという粋な心遣いだよ、わかってねぇなお前」

 

ユウキの発言にキリトが驚いていると、銀時がやたらと早口ですぐに言い訳をするも、二人はジト目を向けて全く信じていない様子

 

すると銀時ははぁ~とため息を突き

 

「あのさ、さっきからなんなのお前達? どんだけ俺をお化けが怖いチキン野郎に仕立て上げたいの? マジ腹立つんだけど、マジそういうイジメとかカッコ悪いと思うんだけど」

「いやイジメとかじゃなくて本当の事だろ、アンタやっぱり怖いんだろ?」

「そうそう、ぶっちゃけボクはもう姉ちゃんから洗いざらい聞いてるし、銀時がお化け苦手なの知ってるから、隠さなくていいから、全てを曝け出してほら」

「だから苦手じゃねぇつってんだろ! だったらここで証明してやるよ! こんなトンネルの中に入るなんざ楽勝だわ!!」

 

ユウキはともかくキリトの方は半笑いを浮かべて明らか馬鹿にした態度を取って来るので、銀時はむきになった様子でトンネルの中へと足を踏み入れようとする。

 

「こんな暗いトンネルの中なんか全く怖くないもんね~! おら何してんだ早くついて来いよ! 俺の手が届く範囲から離れずちゃんとついて来いよ! もし怖かったらちゃんと言えよ! 手ぇ繋いでやるから!」

 

トンネルへ入って数歩目でこちらに振り返って恐怖に頬を引きつらせながら叫んでくる銀時に、キリトとユウキはいっそこの場に置いてけぼりにさせてしまうのもそれはそれで面白いかもしれないと思っていると……

 

突如トンネルの中からコツーンコツーンと音が鳴り響いた。

 

それに反応して銀時はビクッと肩を震わして、恐る恐る前へ振り向くと

 

 

 

 

 

「さっきからなにトンネルの前で叫んでんのアンタ達?」

「……」

 

丁度銀時の目と鼻の先という至近距離で

 

先程彼等を教会から観察していた少女が突然そこに立っていたのだ。

 

前触れもなくいきなり現れた見知らぬ少女を前にして、銀時は言葉を失い、表情から血の気が消えると

 

「ばるさんッ!!」

「あ! 銀時がやられた!」

「へ!? ちょ! なんで倒れるのよ!」

 

トンネルの中から成仏できない少女の幽霊が出て来たとでも思ったのか

 

恐怖に耐え切れずにその場で仰向けに倒れてブクブクと泡を噴き出し気絶する銀時

 

いきなり目の前で倒れた事に少女が困惑する中、ユウキが慌てて倒れた銀時を抱き抱える。

 

「しっかりして!」

「うう俺はもうダメだ……どうやらお迎えが来ちまったようだ……川の向こうでダインとMが手振ってやがる……」

「嘘だろアンタ! ビビり過ぎて倒れるとかあり得ないだろ! てかなんでその二人がアンタの事迎えに来るんだよ!!」

 

キリトにツッコまれつつもかろうじて意識を保ちながら銀時は、ユウキに抱き抱えられた状態で最後に天に向かって手をかざし

 

「俺はあそこにある星々と一緒に、テメェ等の生き様って奴を見下ろす事にするぜ……」

「いや今昼だから星とか見えねぇし」

「フ、短い間だったがお前等の旅は、案外悪くなかったぜ、あばよ……」

「銀時ィィィィィィィィィィ!!!」

「いやただ気絶しただけだろこの人、はたけば起きるぞ」

 

最期にフッと笑うとカクンと首を垂れて両目を瞑る銀時を抱えながらユウキが天に向かって雄叫びを上げ

 

キリトはビビり過ぎて気絶した彼を指差しながら冷静に指摘する。

 

そして颯爽と現れたというのに誰にも触れらずにポツンと佇むペールブルーの髪色をしたショートカットの少女は

 

「な、なにこの寸劇……?」

 

一人この状況を上手く理解できずにただ困惑するしかなかったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。