High School Fleet ~封鎖された学園都市で~   作:Dr.JD

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トラトラトラァ!!

………どうも皆さんおはこんばんにちわ。
やっと5話目です。
そして相変わらずの文章能力の低さとストーリーの遅さ。
恐らくですけど、次の話で1日目が終了します。
分かりやすく表示するために、今回からは時刻の横に何日目かと記入します。
お気づきかも知れませんが、時間や所属、氏名や場所の表記方法については、
"Call of Duty"シリーズから拝借しております。
こう書けば主人公がどこで何しているのかがすぐに分かりますね。

では早速どうぞ。



第5話 観光名所-中央公園

[観光名所-中央公園]

2012年、7月18日、16;35;00――1日目

高校1年生 陽炎型航洋艦五番艦「晴風」 艦長

岬 明乃(みさき あけの)

茨城県 尾阿嵯(おあさ)町 中央区 中央公園

 

最後にやって来たのは、森林に囲まれた大きな公園だった。

今まで案内してくれた都心から離れた空間で、先程までの車の音や人々の声など大分減っていた。

親子が楽しそうに芝生の上で遊んでいたり、遊具で遊ぶ子供が目立った。

夕方になったからか、一部帰る子供もいるようだ。

仲良さそうに手を振るその子達を見て、私は自然と微笑んだ。

この世界の日本でも、こういった平穏がある事に、私は少なからず安堵する。

 

磯崎 蘭

「最後はここだよ。と言っても、観光名所なんて言えないけどね」

 

あははと苦笑する蘭ちゃんに、私は首を横に振って否定する。

 

岬 明乃

「そんなことないよ。今までずっと都心に居たから、少し心安まる場所が欲しかったんだ。ありがとう!」

磯崎 蘭

「良かった。私もちょっと一休みしたかったから、ここへ来たんだ」

山下 秀子

「ああ~、自然いっぱいっていいねぇ~。心が安まるよー」

青木 百々

「都心のように賑やかな場所もいいっすけど、木々に囲まれた場所で深呼吸するのも一興っすね」

 

近くのベンチに4人で座って、背もたれに寄りかかって力を抜いた。

すると疲れも口から吐き出されるように、身体から生気が蘇ってくる。

ちょうど木の日陰になっているから、無駄に暑さも感じない。

うん、いい場所だ。

 

??????

「あら?あなた様は………」

岬 明乃

「んぅ?」

 

少しだけ寝てしまい、寝惚けて変な声を出してしまった。

私達の目の前には修道服を着た外国人風の女性が立っていた。

第一印象として、私は暑苦しさを感じた。

いくら夕方でも、真っ黒な修道服で、しかも長袖と足下まで続くロングスカート?を履いていれば、誰だって熱そうに感じる。

そんな私を余所に、彼女の視線は蘭ちゃんに向いていた。

 

磯崎 蘭

「あっ、オルソラさん!こんにちは!」

 

どうやら知り合いらしく、彼女の名を口に出した。

蘭ちゃんが慌てて立ち上がって頭を下げると、女性修道士、オルソラさんはニッコリと微笑んだ。

 

オルソラ・アクィナス

「こんにちは、磯崎様。先日は大変な目に遭われたばかりなのに、もう身体の調子はいいのでございますか?」

磯崎 蘭

「ふふ、もう大丈夫ですよ。証拠に、こちらの3人を案内してました!」

 

ん?

大変な目に遭ったばかり?

それってどう言う意味だろう?

そんな疑問を持ったけど、答えを聞く暇なんてなかった。

蘭ちゃんは元気よくその場をクルリと一回転してから、私達3人を指した。

すると今度は私達の方に、彼女の両目が映りだした。

 

オルソラ・アクィナス

「まぁ、そうだったのでございますね。初めまして、私はオルソラ教会の責任者であるオルソラ・アクィナスと申します。以後お見知りおきを」

青木 百々

「ほわぁ~、初めてシスターさんに出会ったっす。あっ、私は青木百々と言います。よろしくお願いするっす!」

山下 秀子

「山下秀子です。それでこっちが」

岬 明乃

「岬明乃です!この町には観光しに来ました!」

オルソラ・アクィナス

「そうでございましたか。遠路遙々お越し頂きまして、ありがとうございます」

 

両の手を前に組んで、深くお辞儀すると、私達も釣られてお辞儀をする。

かなり物腰が柔らかい女性である印象を抱いた。

さっきは心の中で熱っ苦しい人だなって思って、ごめんなさい。

 

磯崎 蘭

「ぷふっ」

オルソラ・アクィナス

「ところで、皆様はこちらへはどのような用事で参ったのでございますか?」

山下 秀子

「私達はさっきまで都心の方まで行ってたんです。でも色々な場所へ寄ってたら疲れちゃって、蘭ちゃんの案内でここへ来たんです。ここなら心安まるだろうって」

オルソラ・アクィナス

「あら、そうだったのでございますね。確かに、地元の住民ならここの快適さをご存じですので、こうやってご家族と一緒に過ごされる方々も多いようです。それに、ほら、あそこで楽器を奏でている方々も」

 

楽器を奏でていると言った途端、後ろから弦楽器の音色が聞こえてきた。

………その音を聞いているだけで、スーッと心の中に入ってきて、あっという間に心を満たしてくれた。

音源の方を見てみると、そこはちょっとしたステージになっていて、3人の女の子が楽器の演奏をしていた。

1人は茶髪で2つの髪を左右に別けている背の低い子だ。

2人目はクリーム色のショートカットの髪の子で、同じように背が低い。

問題は3人目。

私は彼女から目を離せなかった。

最後の一人は、高身長ですらっとした女性だった。

水色の変な帽子を被っていて、多分グレーであろう。

3人とも水色をベースにした白の縦模様が入ったジャージを着ている。

彼女の演奏する弦楽器から、心温まる曲が流れ出てくる。

 

オルソラ・アクィナス

「ミカ様。先日の演奏、とても素晴らしかったのでございます」

ミカ

「ん?ああ、オルソラさんじゃないか。先日はありがとう、助かったよ」

岬 明乃

「知り合いの人ですか?」

オルソラ・アクィナス

「はい、こちらは先日、オルソラ教会にて演奏して下さった、ミカ様とアキ様、ミッコ様でございます」

アキ

「もう、だから様付けは止めて下さいよ。えと、継続高校から来ました、アキと言います」

ミッコ

「あたしはミッコって言うんだ!アキとミカと一緒に連んでるよ。よろしくぅ!」

ミカ

「先に言われてしまったね。まぁ、呼び方は好きにして貰っても構わないよ」

岬 明乃

「アキちゃんとミッコちゃん、ミカさんだね」

ミッコ

「うぅ、ちゃん付けされるのってあんまり慣れないな………」

オルソラ・アクィナス

「ところで、皆様はここへ何を?」

ミカ

「なに、単純な話しさ。風に流されて、ここまでやって来ただけさ」

 

ポロロン

手元にある弦楽器で返事をするかのように、音を奏でた。

なんだか、随分と変わった人だなぁ。

 

ミカ

「そうだ、これも何かの縁だ。君達と出会った記念に一曲、聞いていくかい?」

アキ

「!あっ、じゃあいつものあれを聞かせてよ!」

ミッコ

「お、いいね!久しぶりに聞きたい!」

オルソラ・アクィナス

「まぁ、あれでございますね!私もあの曲は好きでございます」

 

以前聞いたことがあるのだろう。

3人が挙ってあの曲と言い出した。

いったいどんな曲なんだろう?

 

青木 百々

「おぉ、聞いてみたいっす!しゅうちゃんも艦長も聞きたいっすよね!」

山下 秀子

「うん!是非とも!」

岬 明乃

「ふふ、私も聞いてみたいな。蘭ちゃんも動?」

磯崎 蘭

「私もだよミケちゃん!私も聞いてみたい!」

ミカ

「ふふふ。よし、それなら早速演奏しよう。アキ、ミッコ、言いかい?」

アキ、ミッコ

「「オッケー!」」

 

すると3人は持っていた楽器を持ち、それぞれの位置に付いた。

3人が互いにコクリと小さく頷くと、楽器が動き出す。

 

♪♪~

♪~~~

…………………

 

演奏が、始まった。

はじめは何ともない、ただの音色だったのに。

時間が経つのと共に、自分のテンションが上がる感覚が沸き起こってくる。

そしていつの間にか私はリズムを踏んでいた。

 

山下 秀子

「いえぇい!」

青木 百々

「カッコいいっすー!!」

磯崎 蘭

「ヒューヒュー!」

 

それは私だけでなく、この子達や他の人達も同様に曲にノリノリだった。

みんなが楽しそうにしていて、すっごく幸せ。

………そして演奏が終わると、大きな拍手喝采が沸き起こる!

私も大げさに拍手してしまった。

 

アキ

「演奏を聴いて下さり、ありがとうございました!」

 

楽器を床に下ろして、3人は頭を深く下げる。

また拍手喝采すると、満足したのか他に聞いていた人達は帰路についていった。

 

磯崎 蘭

「すっごく良い演奏でした!私、すごくテンション上がっちゃいました!」

オルソラ・アクィナス

「素晴らしい演奏でございました」

青木 百々

「いやぁ、良い曲っすね!何て曲ですか?」

ミッコ

「これはね、えと。あれ?なんだっけ?」

ミカ

「フィンランドの民謡歌だよ。サッキヤルヴェン・ポルカって、聞いたことないかい?」

山下 秀子

「うーん、初めて聞きますね。フィンランドの音楽だって今初めて知りましたし………」

 

私もあんまり音楽は聴いたことがないからなぁ。

でも良い曲だってのは分かった。

 

岬 明乃

「なんて言うかこう、魂が震えるみたいな」

ミカ

「ふふ、ありがとう」

 

はっ!いつの間にか口に出してしまってたらしい。

傍に居る蘭ちゃん達に笑われちゃった。

 

ミカ

「今日は演奏を聴いてくれてありがとう。君達のことは忘れないよ」

岬 明乃

「えっ?それってどう言う」

ミッコ

「ごめんよ。あたしら、この後ちょっと野暮用があるから、ここでお別れだよ」

山下 秀子

「あー、それならしょうがないね。でも演奏してくれてありがとう!また聞かせてくれる?」

アキ

「もちろん!連絡先を交換………と言いたいところだけど、私達って携帯とか持ってないんだった」

 

………しゅうちゃん、私達、またここへ来られるか分からないから、約束してもあまり意味ないけどね。

などと口に出して言えるはずもなく、私はただその様子を見守るしかなかった。

そしていつの間にか、3人組は楽器を持っていた。

 

オルソラ・アクィナス

「残念でございます。また機会があれば演奏して下さいませ」

ミカ

「うん、その時はまた頼らせて貰おうかな。それじゃあね」

 

そう言い残すと、3人は颯爽と消えていった。

まるで嵐が去った後のような静けさが、再び戻ってきた。

ちょっと寂しいような、そんな感じの空気が漂っている。

 

青木 百々

「なんか、色々と楽しそうな人達っすね」

山下 秀子

「うん。でも今のネタ、ももちゃんが求めてたのとは違うの?」

青木 百々

「………はっ!私としたことが、さっきの演奏がインパクトありすぎて、ついネタ探しを忘れてたっす!」

磯崎 蘭

「今のもネタにするんですか?」

青木 百々

「もちろんっす!あの人のキャラは、放浪の旅人っすね!」

岬 明乃

「そのまんまじゃない。でもどこかかっこよさを感じるよね」

オルソラ・アクィナス

「皆様、お楽しみのところ申し訳ございませんが、私もこれにて失礼させて頂きます。もしご縁があれば、オルソラ教会へと足をお運び下さいませ」

磯崎 蘭

「オルソラさんも、ありがとうございました!」

3人

「「「ありがとうございました!」」」

 

オルソラさんも超がつくほど丁寧に頭を下げると、歩いて行ってしまった。

残るのは、私達4人のみとなった――――

 

楽しかった時間は、あっという間に過ぎていった。

気が付いたら、辺りはすっかり暗くなっていた。

家へ帰る子供や家族の姿もまばらに見えた。

夏の風物詩であるセミの音も、今はなりを潜めている。

少しだけ、寂しさを覚えていた。

近くの自動販売機からジュースを2本買って、遠巻きにそう感じていた。

 

磯崎 蘭

「大体こんなところかな?私が今日まで観光してきたスポットは」

岬 明乃

「蘭ちゃん」

 

地図を見ながらうんうんと何度も頷く蘭ちゃんの背後へ忍び寄る。

今日一日、私達を案内してくれた苦労を労うために、お姉さんからご褒美あげちゃう。

ピトッ。

冷たいモノを背中に押しつけた。

 

磯崎 蘭

「ひゃあぁ!?」

岬 明乃

「ふふ、可愛い♪」

 

イタズラは成功した。

可愛らしい悲鳴を上げた蘭ちゃん。

ふふふと笑うと、蘭ちゃんがちょっと睨んできた。

 

磯崎 蘭

「もうっ、ミケちゃんったら………」

岬 明乃

「ふふっ、ジュース上げるから許して?」

磯崎 蘭

「まぁいいけど………あっ、もうこんな時間なんだ。楽しい時間が過ぎるのって、本当に早いんだなぁ」

岬 明乃

「ホントだ、もうこんな時間。蘭ちゃん、今日はありがとうね。結構楽しかったよ」

青木 百々

「そうっすねぇ。自分達の知らないものがたくさん見れて、インスピレーションがどんどん沸いてくるっすよ!」

山下 秀子

「もう、百々ちゃんったら。でも私も楽しかったな。戻ったら皆に話そうっと」

磯崎 蘭

「喜んで貰えて良かったです。連絡先も交換したし、これでいつでもまた会えるね!」

岬 明乃

「うん!そうだ、明日の事なんだけど、蘭ちゃん考えといてね?よかったら連れの人も呼んでもいいから!」

 

実は大河内さんを見送った後、くじ引きをしたんだけど、なんと1等賞を引き当てたのだ。

その景品が、明日に開催される宇宙エレベーターの式典に参加できるチケットだった。

1枚で何人でも参加できると書いてあったので、良かったら明日も一緒に観光(と言う名の情報収集)しようと持ちかけたのだ。

それをなぜか3枚も貰えたから、その1枚を蘭ちゃんに譲ろうと思った。

 

磯崎 蘭

「でも、いいの?当選したのって、ミケちゃんなんだよ?」

岬 明乃

「水くさいこと言わないの。もう私達、親友なんだから遠慮はいらないよ!」

 

この気持ちに、偽りなど全くなかった。

今日一日で、蘭ちゃんの事をたくさん知れた一日になったなと思う。

この子なら、ずっと親友で居たいって感じられた。

だから、誘ったんだ。

 

磯崎 蘭

「ミケちゃん、ありがとう!なら明日、一緒に行こうね!」

 

眩しいくらいの笑顔を見せてくれると、こっちまで嬉しくなる。

チケットを蘭ちゃんに渡すと、傍にある時計が付いてるオブジェクトに目を向けた。

時計の針は、もうすぐ6時前を指しそうだった。

 

岬 明乃

「約束だよ!あっ、もうそろそろ私達、帰らないと」

青木 百々

「そうっすね。皆との待ち合わせの時間に遅れちゃうっす」

山下 秀子

「じゃあね蘭ちゃん。また今度遊ぼうね!」

磯崎 蘭

「はい!」

岬 明乃

「それじゃ、ばいばい」

 

最後まで笑顔で見送ってくれる蘭ちゃんに名残を感じながら、私は最後まで手を振った。

彼女の姿が見えなくなったら、急に身体から力が抜けた。

あれ?もしかして緊張してた?

 

青木 百々

「艦長、お疲れ様っす!」

岬 明乃

「ももちゃんもしゅうちゃんもお疲れ様。どうだった?この町に来て」

山下 秀子

「なんだか楽しかったね!最初はどんな人達が暮らしてのかが不安だったけど、結構優しい人達ばかりだったから途中から怖がるのを忘れちゃった!」

 

2人とも、かなりウキウキになりながら答えてくれた。

よかった、変に怖がらなくて。

これも、蘭ちゃんやナカジマさん、大河内さん、ミカさん達のおかげだね!

………ふと、私は思ったことがある。

今日の内に出会った人達のことだ。

みんな優しすぎて、とっても魅力的で。

それぞれの持ち前がちゃんとあって、その才能を発揮する場面があって。

すごく輝いて見えた。

 

ナカジマさんは飛行機とか機械に強くて。

 

大河内さんや岩佐さんは、とてもキレイで可愛らしくて、優しくて。

 

ミカさん達は美しい音色を奏でられて、多くの人々を魅了させて。

 

オルソラさんは誰に対しても礼儀正しくて。

 

そして蘭ちゃんは………すごく面倒見が良く、不思議と人々に惹き付けていって。

 

気が付いたら、私はほとんど何も出来てないように見える。

いや、そう見えてしまう。

それぞれが誰かしらの役に立っていて、人を喜ばせたり感心させたりしている。

みんながみんな、私とは違うモノを持っている。

それは当たり前のことであり、それが個性と呼ばれている。

では私の個性とは、いったい?

 

山下 秀子

「?艦長、どうしたの?元気ないね」

岬 明乃

「!あ、ごめんね。ちょっと疲れちゃって」

青木 百々

「それなら早く晴風へ戻るっすよ。みんな帰りを待ってるっす!」

 

ももちゃんの一声で、晴風へと帰路につく。

そうだ、今はくよくよしたってしょうがない。

私は、みんなが待ってる晴風へ戻って、今置かれている状況について報告しなきゃいけない!

私は今やるべき事をやるしかないんだ!

意気込みを入れながら、私は晴風へと戻っていった。




今思ったんですが、結構この作品ってクロスオーバーするために他の作品から色々と持って来すぎてますね(白目
もうそろそろネタについて見直しておかないと………。

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