1話
大空が背景の純白の神殿ってのは流石にどうかと思うんだが。しかし、どうしたもんか。ガキ助けて死んだはずだが、何で生きてんだ、俺。
「君は何者なんだい?」
「俺は俺だ。あんたが俺を創造したヤハウェって神か?」
黒髪を踵まで伸ばした超絶グラマーな美人に創られたつうんだったら役得といやぁ役得だが、明らかに警戒してるぞこの超絶美人。
「面倒だなぁ、おい!
簡単に説明するとだが、俺はあんたが創った器に入っちまった元人間だよ。それと、体の変質については俺が入っちまったのが原因のはずだ。
それと、俺の知識が正しいのならば、この世界のある程度先は読めてるから変な真似はしねぇよ。
最後に、俺はそのうち堕天する予定だからな。理由を言えば、天使だ悪魔だのとあんたの子供同士の戦いなんざあんたにゃ見せたかねぇし、何よりも俺は殺し合いなんざ好きじゃねぇからだ。以上!」
「君、面白いね。ならさ、君が考えた解決策ってのはあるのかい?」
なんだぁ?
俺が考えた解決策なんざ聞いてもい見ねぇだろうによぉ。
まあ良いが………
「そうだな。俺が考えた策はあるにはあるが、大した結果なんざおきやしねぇだろうよ。
まずは、俺の考えから言わせてもらう。
俺が考えるに、神ってのは元々は一柱だ。これは、善悪兼ね備えたもんを言ってるんだがな。それが善と悪に別れた結果、ヤハウェって万能な善神とルシファーと呼ばれる魔王が出来たったわけだ。
で、元々は一つの神から生まれた二柱から、天使や悪魔が生まれた。これを俺は考えたわけだが
そこを基に考えるんだが、魔王と神が大戦起こして全ての人員集めた状態で姿眩ませば良い。そこに強大な何かぶちこんで共闘させて停戦させてから和平へ。ってのが俺が考えた解決策だ。
本来ならば、戦争起こさせずに共闘させてぇんだが、勢力の全員ってのがややこしくてなぁ。つうわけで、全面戦争起こすってのが簡単で確実なんだわな」
「君の仮説は肯定も否定も
というわけで、なにか必要なことがあったら言ってね」
そうか、そりゃあぁよかった。
俺としちゃあ、神器ってを研究したくて堪らなかったんだよなぁ、生前からよぉ。
気になるじゃねぇか、システムや構造が。
「早速だが、神器ってのを研究させてくれ。
いや、そうじゃねぇな。あんたが創った神器を独力で解明してぇんだよ。
俺ぁ生前からあんたが開発した神器に興味を持っていた。何故かと言われれば困るが、ロマンなんだ。簡単な話。
それと、部下がほしい俺が堕天する時についてくる部下が大量に、な。
簡単な話が、天使勢力と悪魔勢力に加えて、堕天使勢力を作る。面目上の目的は悪魔、天使の排除ってことにして、本来の目的は平和を守るついでに神器の研究、開発だ」
「部下与えるのは別に良いけどさぁ。それって明らかに平和を守るのがついでじゃないのかな?」
まあ、あれだ。
超絶美人の女性からジト目で見られるなんざぁ。役得過ぎて堪らねぇな。あ、やべぇ。堕天しそうになってるんだが……。
「ねぇ。アザゼルはさ、何で今堕天しそうになってるのか問正したいんだけど。時期が来るまで堕天しなければ別に良いけど……」
「まあ、あれだ。あんたが美人なもんで眼福なんだが、そのせいで堕天するなんてのは流石に情けねぇからな」
「なっ!? 君はそんな目でボクを見てたのかい!?」
「美人を見りゃあ、誰だってそう反応するってぇの」
「ッッッ!! 明日には部下届けてやるんだから、感謝すると良いよッ! この馬鹿ァ!!」
おいおい。
あんた本気で俺のこと堕天させる気じゃねぇよな………。
「ッ!?」
ヤベェ。
恐らくはルシファーだろうが、いったい何処から殺気飛ばしてんだよ!
確か俺の記憶が正しいならお前は
全面戦争の時は最悪、背中から(ルシファーに)刺されないようにしねぇとヤバイぞ。本気で殺されちまう気がバリバリ感じる。
補足
ヤハウェちゃんは未来を知ってるという話を聞いたため、神器については突っ込みませんでしたが、極秘裏に計画中のモノなので、知ってるとことで、未来の話を信じました。
あと、ヤハウェちゃんはチョロいです。