堕天使総督始めました。   作:土岐宙

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今回のみ?第三者視点に戻ります。


12話

コバルトブルーのカード

逆廻十六夜

ギフトネーム“正体不明”

 

ワインレッドのカード

久遠飛鳥

ギフトネーム“威光”

 

パールエメラルドのカード

春日部耀

ギフトネーム“生命の目録”"ノーフォーマー"

 

スレートグレーのカード

アゼル=フォート()

ギフトネーム“【原点の神】(ゴッド・オブ・オリジン)”“【原点の魔王】(サタン・オブ・オリジン)”“【黒竜王の剣尾】(アナイアレイション・ブレイドテイル)”“【星光の双銃】(アースライト・ツインガン)”“【転移する指輪】(トランジション・リング)”“【反転する指輪】(リバース・リング)”“【格納する腕輪】(ストア・ブレスレット)”“【出現する指輪】(アピアランス・リング)”…………etc

 

 

 

「これは、ギフトカード!」

 

「お中元?」

 

「お歳暮?」

 

「お年玉?」

 

「商品券か?」

 

「ち、違います! というかなんで皆さんそんなに息がピッタリなんですか!?

 顕現してるギフトを収納できる上に、各々のギフトネームが分かるといった超効果な恩恵です!!」

 

落ちてきたカードは4枚。

各々のカードにはそれぞれの名前と、体に宿るギフトを表すネームが記されていた。

 

「つまり素敵アイテムってことか」

 

「……四次元ポケット?」

 

「だから何でそんな適当な反応なんですか!?

 あーもう、そうですよ! とても便利な超素敵アイテムですよ!」

 

「我らの双女神の紋のように、本来ならコミュニティの名と旗も記されるのだが、おんしらは“ノーネーム”だからの。少々味気なくなってしまっておるが、文句は黒ウサギに言ってくれ。

 そのカードの正式名称は"ラプラスの紙片"と言い、全知の一端だ。本人との魂と繋がれるため、ほとんどのギフトはその正体がわかるぞ」

 

「へえ、じゃあ俺の場合はレアケースってわけだ」

 

そう言って十六夜はカードに書かれた文字を見直す。

 

「? ちと貸してくれ………

 "正体不明"じゃと? どういうことじゃ………?」

 

(ギフトの無効? しかし、それだけではラプラスが何かしら答えを出すはず……)

 

白夜叉が十六夜のギフトに考えを巡らせていると………

 

「俺のことは一旦置いといてだ、化け物染みた行動をしたアザゼルはどうなんだ?

 俺としちゃあ、どんなギフトを使ったのかが気になるんだが?」

 

「一理有る。アザゼル、少し貸してくれぬか?」

 

「ほらよ」

 

「へぇ。【原点の魔王(サタン・オブ・オリジン)】ねぇ。説明してもらえるか?」

 

「【原点の魔王(サタン・オブ・オリジン)】ってのは心当たりがねぇが、【原点の神(ゴッド・オブ・オリジン)】ってのは心当たりがあるぜ。

 俺は後天的に世界創成を行った神の座に収まっただけだからな。

 ヤハウェとルシファーに分かれた【■■■■■】の座を本人たちから譲られたってのがその理由だろう。

 仮説で良いなら【原点の魔王(サタン・オブ・オリジン)】の説明をしてやるが、どうする?」

 

「続けてくれ」

 

「わかった。

 【原点の魔王(サタン・オブ・オリジン)】は、恐らくはルシファー…………

 始まりの魔王から、【原点の神(ゴッド・オブ・オリジン)】の座を与えられたときのモノだと考えてる。

 理由としては、【■■■■■】から魔王と神に分かれたってとで、【■■■■■】の座を貰ったときに偶然ついてきた副産物じゃねぇかって考えてるんだが、これで納得できるか?」

 

「納得はできない。………が、今のところはそれ以上に有力な仮定がないから信じてやる」

 

「だろうな。まあ、ありがとよ」

 

「一つ良いか?」

 

「良いぜ」

 

「アゼル=フォートと記されているのは何故じゃ?」

 

「俺の戸籍だからだよ。アザゼルなんて戸籍作れるわけねぇだろうが。だから、俺の名前を文字ってアゼルにしたんだよ。フォートについては四大魔王の四だ。アザゼルはヤハウェがつけた名前だからな、アイツら関係も入れてやらねぇと可哀想だろう?」

 

******

 

白夜叉の世界から帰還した【ノーネーム】のメンバーは、白夜叉の私室に戻っていた。

 

「さて。コミュニティの作り方についての説明だったか?」

 

「アザゼルさんはコミュニティに入らないのでございますか?」

 

「ああ。入らねぇよ」

 

「ッ! 理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

 

「理由は幾つか有る…………

 が一つは、【ノーネーム】の後ろ楯になるつもりだからだよ」

 

「へ?」

 

「へ? じゃねぇよ。その様子じゃあ考えたことなかったみてぇだな。

 後ろ楯が有るんだったら、商売が出来るし、契約も結べる。何でかってぇと、何かあったら後ろ楯に金銭でも何でも要求できるからな。

 分かりやすく言えば、連帯保証人ってのが簡単か?」

 

「よろしいのでございますか?」

 

「構わねぇよ。

 ガキ共が頑張ってんのに、良い歳した大人が頑張らねぇなんざ、格好悪ぃじゃねぇか。

 それに、元の世界に戻って人員連れてこねぇといけねぇからな」

 

「ありがとうございます!

 コミュニティの建て方は、私たち月の兎にコミュニティの旗と名を示すだけです」

 

「そうか。それじゃあ早速言うぞ。

 【神の子を見張る者(グレゴリ)箱庭支部】ってのが名前だな。リーダーはアザゼルで頼むぜ。

 旗印は、楕円の中に黒の羽ペンがあり、ハナミズキの花弁が舞ってる絵だな。

 意味は、永い和の内で約束した貴女への返礼。って意味だな」

 

「わかりました。箱庭中枢に発行しますね

 

 

 

 

 

 着ました。受理されましたよ」

 

「あんがとよ」

 

「私の出番を黒ウサギに盗られた…………」

 

「どんまい」

 

項垂れる白夜叉にフォローを入れる十六夜。

それを見てほっこりしている飛鳥と耀。

 

「さて。白夜叉、どっかに良い土地はねぇか?」

 

「四桁の外門に面白いのがあるぞ。『我を奴属させてみよ』とギフトゲームを常設してる魔王が居てな、奴属させられたら今まで負かしてきた者たちから巻き上げた財産全てを譲り渡すらしい。

 まあ、三桁並みの実力を持ってると噂じゃがな。私を消し飛ばした主なら大丈夫だろう」

 

「ありがとよ。そんじゃあ、行ってくるわ」

 

「はい! いってらっしゃいませ!!」

 

新婚夫婦の様なやり取りが実施されていたが、本人(黒ウサギ)は気付いていなかったのであった。

 

 

 

 

 




支店→支部
17/9/5/22:38

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