堕天使総督始めました。   作:土岐宙

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明日からは学校が始まるので、更新スピードが落ちるかもしれません。
出来る限り更新が出来るように頑張りますが、確実にスペースが多少落ちます。


11話

「そうかそうか。私相手に勝負を挑むか。ーーーーーだがその前に一つ聞きたい。」

 

そう言って立ち上がり、"サウザンドアイズ"の旗が記されたカードを取り出し"壮絶な笑み"を逆廻たちに向け宣言する白夜叉。

 

「おんしらが望むのは"挑戦"か?それとも…………

 "決闘"か?

 

後になって思い返すと、途端に恥ずかしくなるようなタイミング(キメ方)で景色を俺とやりあった(俺に消された)場所に全員を転移させた白夜叉。だが、俺の生暖かい目に気づいたのか、赤面する。

 

「白夜叉。お前、中二病拗らせてんのか?」

 

「アザゼルさん!

 白夜叉様は自覚してないんですから、普通に格好いいと思ってるんですから、それを言ってはダメですよ!」

 

ウサッ娘、お前が今止め刺したせいで白夜叉が涙目になってんぞ。

俺も幾つか空間作ってみようかねぇ。

作るとしたら、稲穂が一面に広がる草原なんて良いかも知れねぇな。そこに屋敷を建てて酒を飲むのも良いだろうし、収穫して食料にするのも良い。

後は、滝や温泉、日本庭園が有る屋敷を作って見ようかねぇ。回りには桜や楓、梅を植えて、森にするのも良いな。

 

「泣くんじゃねぇよ、最強のフロアマスターだろ。

 お前がそんなことで泣いちまったら、お前が支配してるところが嘗められるんだぜ。

 ほら、俺は挑戦にするから早く進めようぜ」

 

珍しく逆廻がフォローをしているが、なんとなくフォローになっていない気がすんだよなぁ。

 

「い、今一度名乗ろう。

 私は" 白き夜の魔王"。太陽と白夜の星霊・白夜叉。

 おんしらが望むのは試練を受ける"挑戦"か?それとも。対等な"決闘"か?」

 

「参った。降参だ白夜叉。こんな演出されたんだ。

 あんたには俺を試すだけの資格がある。『今回だけ』は素直に試されてやるぜ。」

 

「フフフっ……そうかの。して、残った小娘達はどうする?」

 

「私も試されてあげる」

 

「右に同じ」

 

逆廻や耀、飛鳥は白夜叉のことを微笑ましいモノを見る目で見てる気がすんだよなぁ。

あれでも魔王を名乗れるだけの実力は有るんだぜ。

段位にすりゃあ、初代ルシファー(ヤハウェ)クラスだな。

 

「もうっ!お互い相手を選んでくださいませ!

 "階層支配者"に喧嘩を売る新人と、それを買う"支配者"なんて冗談にしてもやりすぎです!!

 それに白夜叉様が魔王だったのは何千年も昔の話じゃないですか!」

「なんだよ。元魔王様だったってことか?」

 

「そう言うなよ黒ウサギ。私も遊びには飢えていたのだ」

 

白夜叉も段々調子が戻ってきたじゃねぇか。

此方に飛翔してくる存在が恐らく“挑戦”の内容に関わるモノだろう。

目視できるか出来ないかの辺りで甲高い音で鳴いたのは、グリフォンだろう。前に一度だけ出会ったことがある。

 

「今の鳴き声。初めて聞いた」

 

「あやつか。………おんしらを試すにはちょうど良いかの」

 

白夜叉は一拍の手拍子でグリフォンを此方まで転移させた様に見えるが、実際にはその必要がない筈なんだが、この際突っ込まないことにする。

 

「グリフォン!!」

 

耀の奴が大分興奮してるみてぇだが、グリフォンより珍しいのをペットにしてっから、今度呼び寄せるかね。

確か、麒麟と鳳凰、それに四聖獣が最近加わったんだっけか?

機会があったらロキん所のフェンリルもペットにするか。

 

「さて、早速始めるかの」

 

白夜叉がまた一拍の拍手をすると、一枚の羊皮紙が逆廻たちの真ん前に落ちてきた。

 

『ギフトゲーム名 "鷲獅子の手綱"

 

プレイヤー側

 

逆廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

 

・クリア条件

グリフォンの背に跨がり、湖畔を舞う

 

・クリア方法

"力" "知恵" "勇気" のいずれかでグリフォンに認められる。

 

・敗北条件

プレイヤーが降参、もしくは上記を満たせなくなった場合

 

宣誓 誇りと御旗と主催者の名の下にギフトゲームを開催します。

 

        "サウザンドアイズ"印』

 

「私がやる」

 

耀の奴、張り切ってんなぁ。

 

『お、お嬢大丈夫か?

 なんや獅子の旦那より遥かに怖そうやで…………』

 

三毛猫がにゃーにゃー鳴いてる(話してる)みてぇだが、理解はできるが会話に参加するつもりはねぇ。

 

「大丈夫、問題ない」

 

キラキラとした瞳でグリフォンを見続ける耀。これはどうやっても譲る気はねぇな。

そんな空気を感じ取ったのか、逆廻たちが耀に場所を譲る。

 

「失敗しても骨は拾ってやるよ、春日部」

 

「何事も挑戦だぜ。そう気負うことはねぇよ」

 

「頑張ってください」

 

「絶対に勝ちなさい。負けたら許さないわよ」

 

逆廻たちも独自のエールを贈ってるが、耀はグリフォンから目を離さない。まるで目を離した隙に何処かに翔んでくのを恐れてるみてぇに俺には見える。

 

「初めまして。私、春日部耀です。」

 

『!?』

 

グリフォンと言葉を交わすか。

猫とも会話できていたことを鑑みるに、恐らく耀のギフトは、動物、もしくは異種との対話。そして、その種族の特徴的な能力を会得することだろう。

 

「貴女が私を背に乗せて、誇りを賭けて勝負をしませんか?

 内容は、あそこの山まで私を背負ったまま往復してここまで帰って来る。それにまでに貴女が私を振るい落としたら貴方の勝ち。帰ってこれたら私の勝ち」

 

そう言って、遠くにある山脈の内、こちらから見える手前の山に指を指す。

 

『ほう。

 勝負の内容は構わない。

 ………だが、お前は誇りを賭けるといった。少女1人落とせないのでは私の誇りは失墜する。

 それと同等の誇りにお前は何を賭ける?』

 

「命を」

 

若いねぇ。本当に若い。

死を恐れてない上に、無茶なことを平然とするなんざ青臭い青春時代にしかできるもんじゃねぇよ。

俺は立場ってもんがあるからそう言うことが出来ねぇんだよなぁ。羨ましいぜ。

 

『いいだろう少女よ!その覚悟見せてもらうぞ!』

 

 

 

 

 

 

 

耀とグリフォンとのギフトゲームを開幕した。

 

 

 

 


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