ゲートGTA彼の地にて斯く、混沌せり   作:コッコ

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現地調査

「調査?」

 

「はい。特地の経済と宗教、政治形態等を調べる様に上に言われて、次いでにラスター達も連れて行けと・・・」

 

ラスターは自衛隊駐屯地で武器の手入れをしている時に銀座で兵士から助け、多くの市民を救って銀座の英雄と呼ばれる伊丹洋司に共に調査に赴く様に言われていた。

 

「何で俺達なんだ?確かに仕事は受けているが他にもいるだろ?」

 

「それは、何か面倒見てろと言われて・・・」

 

「(つまり見張り役にされたのか・・・認識あるのか?)」

 

ラスターは何となく察すると、立ち上がった。

 

「分かったよ。だが、そちらの車両を貸して貰うぞ」

 

「えーと・・・何で?」

 

「はぁ・・・俺達は四人。そっちは伊丹を含めて他に隊員がいるだろ?はっきり言うと、定員オーバーを避ける為だ」 

 

「あぁ・・・成る程・・・」

 

ラスターは伊丹の態度に呆れると、準備をする為に仲間達の元に向かっていった。

 

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暫く時間が経った時、伊丹は第三偵察隊を纏めていた所に近づく自衛官がいた。

 

「伊丹隊長」

 

「どうした倉田?」

 

「何で他は三両なのに此所だけ四両なんですか?」

 

「いや、それがね」

 

伊丹は訳を言おうとした時、向こうから四人の黒い軍か特殊部隊の様な服装の人物達が大荷物でやって来た。

 

「はい、退いて退いて!」

 

一人がそう言うと、車両の後ろのドアを開けて次々と荷物を運び込む。

 

「ちょ、誰っすかあんたら!」

 

「今日から同行する犯罪者だが、何か?」

 

一人がそう言うと、最後の荷物をしまって後ろから乗り込んだ。

 

「た、隊長・・・!」

 

「お察しの通りだよ」 

 

倉田が動揺しているのを見て、伊丹は察した通りだと言った。

そう、四人はラスター達で持ち得る弾薬を詰め込んでいたのだ。

 

「隊長、幾らなんでも!」

 

「分かってるよ。でも、心底悪い奴等と言う訳じゃないんだぞ」

 

伊丹は最初こそは戸惑ったが、話してみると以外とノリが良く、日本のアニメ文化がラスター以外のメンバーに開かせた程だ。

 

「伊丹氏!準備出来たよ!」

 

「氏じゃないよ!今は隊長だよ!」

 

「そうですね伊丹氏!」

 

「はぁ・・・もうそれで良いよ」

 

伊丹は諦めたと言わんばかりに溜め息を着くと、倉田は苦笑いするしかなかった。

暫くして、第三偵察隊とラスター達は出発した。

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第三偵察隊とラスター達は出発してから長い時間が経過した。

 

「はぁ、暇だ~」

 

「しょうがないでしょ。此所にテレビやラジオが繋がる様な所じゃないのよ」

 

ロストの愚痴に運転するジョバーナが咎める。

ラスターは本を読み、助手席に座るローラは小型のヘッドフォンを着けて音楽を聞いている・・・と、思ったら寝ている。

 

「其々、好きに過ごせば良い。どちらにしろ殆んどの仕事は調査で終わるんだ」

 

「あぁ~何かトラブルが起きないかな~」

 

ロストが冗談混じりに言うと他のメンバーは、それは勘弁してくれと言わんばかりの表情をしていた。

彼等はロスサントスで様々なトラブルが発生しても対処してきたが、あの銀座事件のトラブルはトラウマだった。

 

「・・・あ、村ですよ」

 

ジョバーナがそう言うと、ラスターは双眼鏡で村を見る。

村は自分達を見つけて警戒したのか、家に入っていく。

 

「あまり歓迎されていないようだ」

 

「そりゃあ、私達は余所者だからね。この時代はローマ帝国が台頭した古代か中世辺り。盗賊の類いと思われてもしょうがないわ」

 

いつの間にか起きていたローラがそう言うと、村から少し遠くに伊丹達の車両は止まって、ラスター達も合わせた。

そして、ラスターは車両の無線を使って伊丹に呼び掛けた。

 

「どうする?」

 

「ん~・・・取り合えず安心させる為に女性人から行かせてみようかと」

 

「奴等が襲ってきたら?」

 

「それは・・・」

 

「撃ち殺しても構わないな?俺は大切な仲間の命は絶対に守る主義なんだ」

 

「「「(嘘つけ!)」」」

 

ラスターの言葉に三人はツッコンだ。

ラスターは確かに仲間を守るが、それは誰かが死ねば作戦は失敗して報酬を得られないからだ。

しかも、自分も危ないと感じれば即逃亡しようとも考える。

そんなラスターに三人が今まで着いてきたのはやはり、ラスターのリーダーシップが本物である証拠であり、今までこの四人で仕事をしてきたと言う、腐れ縁があるからだ。

 

「・・・分かった。襲ってきたら発砲を許可する」

 

伊丹はそれしか選択しは無いと、判断したのか。了承した。

ラスターはそれを聞くと、ローラの方を見る。

 

「行ってこいローラ」

 

「いや、可笑しいだろ!?何で私一人!?」

 

「ジョバーナは運転から外す訳にはいかないし、後に残るのはお前だけだ」

 

「いやいや!ラスターもロストも運転できるじゃん!」

 

ローラは必死に抵抗するが、最終的にロストが助手席の扉を開けて引き摺り落としてローラが中に入れない様に鍵を掛けた。

 

「ちょっと!」

 

「窓を壊すなよ。壊したら全額弁償するのはお前だ」

 

「うッ、分かりましたよ・・・」

 

ローラはそう言って、村の方へ向かう。

ラスターはそれを見送ると、様子を伺う。

 

「・・・自衛隊は黒川と栗林、ローラが行ったな。あ、出てきたぞ」

 

「何とか友好的になれたな・・・車両が動き出した、進め」

 

「了解よ」

 

ラスターの指示にジョバーナは応えると、車両を走らせる。

村に入ったラスター達は、伊丹達が情報収集しているのが終わるのを待った。

 

「喉かですね・・・」

 

「こんなの当たり前だ。ロスサントスに結構あるぞ」

 

「それはほぼ、昔の話でしょうが」

 

「・・・」

 

ラスターを除いた三人で話していると、村の子供が寄って来ていた。

やはり、珍しいのかジロジロ見てくる。

 

「おい、ガキ共。何見てやがる」

 

ロストが突っ掛かろうとした時、ジョバーナの拳骨が飛んだ。

 

「何すんだよ!」

 

「それは此方の台詞よ!子供相手に何、喧嘩腰になってるのよみっともない!」

 

「何だと!」

 

ジョバーナとロストの口喧嘩が始まり、ラスターとローラは呆れてしまった。

その内に子供な一人がラスターの近くにやって来た。

 

「ねぇ、それなぁに?」

 

「ん、これの事?」

 

ローラは手に持つ特殊カービンを見せた。

子供は頷き、興味津々に見てくる。

 

「これは銃と言う武器よ」

 

「銃?」

 

「そう。銃よ」

 

ローラはそれだけを言うと、黙り込む。

子供達はローラになついたのか、回りを囲む様に構ってムードになっている。

 

「ほぉ、子供に好かれる体質なんだな?」

 

「・・・私は子供は嫌いよ。何とかして」

 

「それは無理だ。幾ら悪どい商売をする俺でも、子供に手を挙げる様な事はしない」

 

ラスターは笑いながら言うと、ローラは困った様に未だにしがみついてくる子供を見つめる。

 

「ラスター。そろそろ出発するぞ」

 

「さて・・・ジョバーナ、ロスト!喧嘩は止めて出発するぞ!」

 

「「ちッ!」」

 

二人は舌打ちして、車に戻って行くとローラもそそくさと戻る。

ラスターも乗り込むと村から出発した。

 

「それにしても本当に田舎だな。何処まで走っても家1つありもしない」

 

「しょうがないだろ。文明が低いんだからな」

 

「だからって、これは酷いでしょ!」

 

「うるさい!少しは静かに喋れ!」

 

「お前もな!」

 

運転中のジョバーナとロストが喧嘩し始め、ラスターは額を抑える。

ローラはラスターの心中を察して、同情の念を抱く。

暫く走った後、着けたままだったのか無線から何か歌が聞こえた。

 

「今、すぐ!メイコン、メイコン!」

 

「やふ、やふ!」

 

「何だそりゃ・・・」

 

ローラはそう呟くと、窓の方を見る。

 

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____

 

数時間が経過し夕日が沈む中、集落があるとされる場所まで向かっていると、無線が入った。

 

「ラスター。森の手前で夜営をする事になった。森に入るのは明日からだ」

 

「了解」

 

「良いの?」

 

「あぁ、何がいるか分からない森に入っても痛い目に遭うのは分かってるからな」

 

ラスターはそう呟くと、山や海での不運を思い出した。

山では猪が突進してきて吹っ飛ばされたり、海ではサメに食われそうになったりした。

 

車両を走らせ続けていると、急ブレーキがいきなり掛かった。

 

「どうした!」

 

「ラスター、前を見て!」

 

ラスターは前を見てみると、森が燃えていた。

ラスター達は降りると、伊丹達も降りて状況を確認している。

 

「災害か?」

 

「多分・・・大自然の驚異かな?」

 

「と、言うより怪獣映画見たいですよ・・・」

 

偵察隊の一番の年輩である桑原がそう言うと、伊丹は双眼鏡を覗く。

 

「ありゃま!」

 

ラスターも続いて覗くと、そこには巨大なドラゴンが空を飛びながら森を焼いている。

 

「首一本のキングギドラか?」

 

「おやっさん古いね・・・」

 

「どうするつもりだ伊丹?」

 

「そうだな・・・ねぇ、栗林ちゃん。怖いから一緒に着いてきてくれない?」

 

「嫌です」

 

「あ、はい・・・」

 

伊丹は栗林に同行を断られて森を見ると、ドラゴンが飛び去るのと同時に、何かに気づいたのか双眼鏡を素早く覗いて外す。

 

「なぁ・・・ドラゴンて、何もない森を焼き討ちする習性でもあるのかな?」

 

「ドラゴンの生体に興味がおありでしたら、隊長ご自身が追い掛けて見てはいかがですか?」

 

「いや、違う。村長が言ってたよな。彼処に集落があるって」

 

伊丹の言葉に全員が気付いた。

ドラゴンは森ではなく、集落を襲ったのだと。

 

「おやっさん。夜営は後回しかな」

 

「はい。全員、駆け足!」

 

桑原はそう言うと、偵察隊は走り出していく。

ラスター達はどうするか考えていたが、結局着いてきく。

 


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