ゲートGTA彼の地にて斯く、混沌せり   作:コッコ

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連合諸王国軍

特地に入った自衛隊はゲートを抜けると同時に、戦闘に入った。

暗闇の奥に見える無数の篝火に自衛隊は怯まず配置に着いて敵が来るのを待ち受けた。

そんな状況の中、ラスター率いる強盗団もいた。

 

「はぁ・・・俺達は傭兵か何かになったのかラスター?」

 

「しょうがないだろ。レスターを敵に回して逃げ切る様な事は出来る筈がない。面倒だが失敗した取り分を取り戻す為にやるとしよう」

 

「もう、しょうがないわね・・・」

 

「ラスターがそう言うなら・・・」

 

ラスター達が話し終えると同時に、敵がゆっくりと押し寄せてくる。

ラスターは持ち込んだベビースナイパーを向けて狙った。

 

「(悪いが死んで貰うぞ・・・)」

 

ラスターはそれだけを思うと、ベビースナイパーの引き金をゆっくりと引いた。

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~帝都ウラ・ビアンカ~

 

ゲートを使い攻め込んだ国、帝国。

文明はローマ帝国の様な物で、元老院と呼ばれる場所で帝国の政治家達が話し合っていた。

 

「大失態でありますな、皇帝陛下。帝国の戦力の何と六割の損失・・・如何、御教示なされるか?」

 

元老議員のカーゼルは帝国の皇帝モルトを非難する様に言うと、モルトは玉座に座って発言する。

 

「カーゼル侯爵。貴殿の心中は察する物である。帝国に服しておる諸国が一斉に反旗を翻し、帝都を何時包囲するのか不安なのであろう・・・痛ましい事である」

 

モルトはカーゼルをからかう様に言うと、更に発言する。

 

「我が帝国は危機に陥る度に皇帝、元老院、国民がひとつとなってきたではないか。戦に百戦百勝はない!故に此度の責任は追求はせん!まさか、他国の軍勢が帝都を包囲するまで裁判ごっこに明け暮れる者はおらぬよな?」

 

「自分の責任を不問に・・・」

 

モルトの上手い責任の避け方にカーゼルは悔しそうに呟く。

そこに、杖を突いた頭に包帯を巻いた男が歩いてきた。

 

「しかし、如何なされますか?敵は丘を奪い、陣を築こうとしているのですよ。無論、我らは丘を奪還しようとしました。しかし、パパパ!と言う音が聞こえる同時に味方の兵は倒れ、わしの隣にいた指揮官が頭を何かに貫かれて死んでいたのです!」

 

男の敵の恐ろしさを語る言葉に元老院は黙っていると、鎧を着た男が立ち上がった。

 

「何を弱気な事を言っている!属国から兵をかき集め、再び門の向こうに攻め混むのだ!」

 

「力ずくで戦ってどうする!」

 

「引っ込め、戦バカ!」

 

「何だと!」

 

元老院は議論と言うより、子供の言い合いに近い物になってしまった。

カーゼルは唖然としていると、モルトは手を少し挙げて制す。

 

「余はこのまま座視する事は望まん・・・ならば、戦うしかあるまい」

 

モルトはそう言うと、立ち上がって宣言した。

 

「他国に使節を派遣せよ。我らは異世界の賊徒を撃退する為に、連合諸王国軍を糾合する!」

 

モルトの言葉に議員達は称賛の声を挙げるが、カーゼルだけは違った。

カーゼルはモルトの前に行くと、モルトに向かって言った。

 

「皇帝陛下。アルヌスの丘は人馬の骸で埋まりましょうぞ・・・」

 

「・・・ふっ」

 

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~アルヌスの丘~

 

連合諸王国軍がアルヌスの自衛隊に向かって行進していた。

連合諸王国軍の参加国の一つ、エルベ藩王国のデュランがアルヌスの丘を見ていた。

 

「陛下!二つ丘の向こうに、斥候らしき者がおります」

 

「ほおっておけ。諸王との会合を急がねば」

 

その夜、諸王達は軍議を始めていたが帝国の司令官が来なかった。

 

「帝国軍の司令官が来ぬだと!」

 

「我が軍は敵と対峙しており、その場を離れる訳にはまいりません」

 

「ぬぅ、解せんな・・・敵は然程いる様には見えなかったが・・・」

 

「デュラン殿。帝国軍は我らの代わりに敵を抑えてくれているのだ」

 

「リィグゥ殿・・・」

 

リィグゥの主張にデュランは不安を覚える。

 

「分かりました。では、我らが先鋒を賜りましょう」

 

「いや、我が軍こそ前衛に!」

 

「お待ちくだされ!此度の先鋒は我々に!」

 

諸王達は手柄を立てんと、先鋒になろうとしたがデュランは先鋒に志願しなかった。

その後、帝国の伝令は帰っていくとテント内では先鋒になった諸王が朝が待ち遠しいと言っている。

 

「此度の先鋒はならなんだか・・・」

 

「異界の敵は少数、此方は号して10万。武功が欲しければ先鋒以外にないとお考えか?」

 

「でしたら何故、先鋒を望まなかった?」

 

「今回の戦はどうも気に食わん・・・」

 

「はは!エルベ藩王国の獅子と吟われたデュラン殿も年波には勝てんと言う事か・・・ははは!」

 

リィグゥは笑うが、デュランは真剣な面持ちで明日を待つ。

翌朝、連合諸王国軍は決められた場所に軍を置くと一斉に進軍を開始した。

 

「そろそろ戦いが始まる頃合いか」

 

「報告!アルグナ、リィグウ公国軍が動き出しましたた!」

 

「帝国軍は?」

 

「それが、帝国軍は一兵もおりません」

 

「何だと!」

 

その頃、リィグゥも帝国軍がいない事に気付き異変を感じた。

 

「どうして帝国軍の姿がない!」

 

「分かりません」

 

「くッ、まさか・・・」

 

リィグゥは嫌な予感を感じ始めた時、突如大爆発が起きリィグゥも巻き込まれる様に爆発に飲まれた。

その光景を遠くなら見たデュランは驚愕した。

 

「まさか、アルヌスの丘が噴火したのか?」

 

デュランは爆発の原因を探るべく進むと、そこには変わり果てた兵士の死体だらけで、思わず吐き気を催す兵士もいた。

 

「アルグナ王は・・・リィグゥ公は何処に!」

 

連合諸王国軍の被害一万以上。

その結果を出していても連合諸王国軍は進もうとしたが、アルヌスの丘に簡易式な陣地を築き、尚且つ現代の兵器を武装した自衛隊には敵わず更に被害を出した。

 

「連合諸王国軍は既に半数歯科存在せん・・・何故、この様な事態に!」

 

「帝国軍は何処で何をしておるのだ!」

 

「いや、帝国軍とて敵う相手ではない。此所はもう退くしかないのでは!」

 

「このまま逃げて帰る訳にはいかん!」

 

「しかしデュラン殿、我々の力では!」

 

「夜襲ならあるいは・・・」

 

その夜、月明かりの無い地を連合諸王国軍は進む。

 

「今夜は新月。この闇夜に乗じ、丘に攻めれば敵陣に迫れる筈」

 

「音を立てるな・・・静かに進め・・・」

 

部隊長がそう指示した時、突如明かりが回りを照らし出した。

 

「何だ、この明るさは!・・・いかん!」

 

デュランは最初は戸惑っていたが、すぐに気付き馬を走らせた。

 

「全軍、馬を駆けさせろ!人は走れ!走れ、走れ!」

 

デュランは馬を掛けて突撃するが、有刺鉄線に馬が引っ掛かりデュランは投げ飛ばされてしまった。

 

「デュラン様!今、お助けします!」

 

「盾を前に!」

 

兵士達はデュランを助け起こすと、デュランはすぐに敵の射程内だと気付いた。

 

「逃げろ!皆、逃げるのだ!」

 

デュランは叫んだが時既に遅く、自衛隊の攻撃が開始された。

次々と凶弾に倒れる兵士を見たデュランは言葉も出ず、落ちていた弓と矢を拾って引いた。

 

「おのれ・・・!」

 

デュランは矢を飛ばすも届く筈もなく、正しく一矢報いただった。

 

「・・・何故、何故こんな事に・・・ふふふ・・・はっはっはっはっは!ふあはっはっはっはっはっ!」

 

デュランは狂った様に笑い出すと、砲弾の流れ弾がデュランの近くに当たり吹き飛んだ。

 


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