ツインテールとゲームで世界を守る。【とりあえず凍結】   作:熊0803

23 / 32
相変わらずの亀更新で申し訳ありません。
楽しんでいただければ幸いです。
今回かなり改変したので、苦手な方はご了承ください。


決戦、烏賊騎士と海竜! 後編

  しばしの間、クラーケギルディの慟哭が工場跡に響き渡った。それをレッドとブルーはただ見つめる。さしもの二人といえど、こんな状態の相手に攻撃を仕掛けるような事はしない。

 

  しかし、戦える状態ではない相手に遠慮したというのもあるが、それ以上に二人はリヴァイアギルディの言葉に困惑していたため思考が困惑していたのだ。

 

  ポセイドギルディとやり取りをしている正斗はともかくとして、二人はリヴァイアギルディのことをよく知っているわけではない。だがリヴァイアギルディは男のはずだ。

 

  低い声に基本2メートル以上あるエレメリアンの中でも高い身長、どう見たって膨らんでいない胸。どこからどう見ても男性型エレメリアンのはずなのである。

 

  それなのにあの言葉ということは……もしやリヴァイアギルディはソッチ系のエレメリアンだったのだろうか。いや、では先ほどの『私』というのは一体……。

 

  そうやって二人が頭をひねっている間に、クラーケギルディの慟哭がやんだ。ハッとして二人は今は戦闘中だと意識を戻し、それぞれの武器を構えクラーケギルディを見る。

 

  そんなツインテイルズに対し、クラーケギルディは……リヴァイアギルディを腕の中に抱いたまま、顔を俯かせていた。全く動かないのが逆に不気味だ。

 

 

 シュパァンッ!!

 

 

「ぐっ……!?」

「レッド!?」

 

  突然レッドに視認不可能な速度で何かが迫って来た。寸前のところでなんとか反応したレッドはテイルカリバーをクロスして防御するが、受けきれずに数歩分後退させられる。

 

  テイルカリバーと何かがぶつかる音に振り返ったブルーにレッドは大丈夫とアイコンタクトし、再度クラーケギルディを見た。この場に自分とブルー以外いないのだから、必然的に今の攻撃はクラーケギルディのものということになる。

 

  そしてレッドの予想通り、今の攻撃はクラーケギルディのものであった。その証拠に、伸びていた触手の一本がシュルシュルとクラーケギルディの元へ戻る。

 

  最初からレベルアップしている二人をもってして視認不可能な攻撃を繰り出したクラーケギルディに警戒していると、クラーケギルディがリヴァイアギルディを地面に寝かせ、立ち上がった。

 

 そしてーー

 

 

「…………許さぬ」

 

 

 

 ドッ!!!!!

 

 

 

「「っ!?」」

 

  突如、クラーケギルディの体から凄まじいオーラが噴き出した。そこから感じる力はそれまで幹部級だったものが何倍、何十倍にも膨れ上がっている。二人は思わず息を呑んだ。

 

  無意識に二人が後ずさりすると、クラーケギルディが自らの顔に手をかけた。すると手をかけた場所から放射状にヒビが広がり……そして、割れる。

 

  それまで見ていたクラーケギルディの顔にヒビが入ったことに二人が驚いていると、さらに驚くべきものを見た。クラーケギルディの顔だ。

 

  仮面のような顔であったクラーケギルディの新たな顔は……有り体に言えば、真っ黒であった。唯一黄金色に輝く菱形の両眼の中には貧乳属性のエンブレムが瞳として内包されている。

 

 パキ、パキパキパキッ……

 

  顔を表したのを皮切りに、クラーケギルディの全身にヒビが入り始める。白かった鎧が崩れ落ち、中から顔と同じように黒い全身があらわになってゆく。

 

  やがて、最後に頭にあった烏賊の頭部のような鎧が崩れ落ちた。その中から現れたのは……髪のように波打つ大量の触手。それら全ての先端は刃になっており、非常に鋭そうだ。

 

  そうして完全に変態した時……そこには全く違うクラーケギルディがいた。影法師のような体に髪のような触手、四肢の指は全て猛獣の爪のように尖っており、鮮烈に光る黄金の両眼、細身の胸の中心には貧乳属性(スモールバスト)属性玉(エレメーラオーブ)が埋め込まれている。

 

「な、なんだよ、あれ……?」

「あれが、真の姿だっていうの……!?」

 

  驚いて呟く二人だが、実際は違う。

 

  クラーケギルディはこの土壇場において、リヴァイアギルディを失ったことへの悲しみと怒りによって爆発的に自らの属性力(エレメーラ)を成長・解放し進化したのだ。

 

  すなわち、今のクラーケギルディはクラーケギルディに非ず。失う悲しみにより強大な力を得た、全く新しいエレメリアン。

 

 その名も……

 

「ーー我が名はシャドウギルディ。怒りと悲しみの化身。さあ、ツインテイルズ…我が友を奪った罪、その命で贖ってもらおうか」

 

  それだけ呟くと、シャドウギルディはぐっと前項姿勢になり、触手を左右にあった柱に突き刺した。

 

『二人とも、気をつけてください!今のクラーケギルディ……シャドウギルディは桁違いのポテンシャルを……』

 

  基地でモニターしていたトゥアールが表示されたシャドウギルディの力に警告を発するが……。

 

「ーー遅い」

 

  すでに、触手をゴムとして自らをパチンコのように打ち出したシャドウギルディはレッドとブルーの目の前に迫っていた。武器を構えようとするが、脳から命令が体に伝達する前にシャドウギルディが動く。

 

  シャドウギルディは二人の頭を鷲掴みにすると、思い切り地面に叩きつけた。フォトンアブソーバーによりダメージは免れたが、単純な衝撃が襲いかかる。

 

  それだけにとどまらず、シャドウギルディは二人の頭を掴んだまま持ち上げると腕を振るい、二人を投げ飛ばした。柱に打ち付けられ、今度は背中に衝撃が走る。

 

  しかし、まだまだシャドウギルディの猛攻は止まらない。頭部の触手の半分が根元から分離したかと思うと、その触手から肉が盛り上がりもう一体のシャドウギルディが出来上がった。

 

  二体のシャドウギルディはそれぞれレッドとブルーに向かっていく。なんとか立ち上がった二人は応戦しようと武器を構えるが、シャドウギルディの圧倒的速度には敵わない。

 

 

 

  それからは、ある意味一方的な蹂躙だった。

 

 

 

  これまで戦ったどのエレメリアンとも比べ物にならないスピード、手数の多さにツインテイルズはなすすべなく翻弄される。その名に恥じず、シャドウギルディはまるで影のように忍び寄って攻撃していた。

 

  レッドはシャドウギルディを捕らえようと必死に二刀のテイルカリバーを振るうが、シャドウギルディは斬撃をことごとく回避、触手で打ちはらい、逆に両手と触手を使った超連続攻撃をお見舞いする。

 

  ブルーの方へ向かったシャドウギルディは彼女のウェイブ・ボルグオルタの圧倒的なリーチの弱点……すなわち懐に潜り込み、槍を触手で絡め取るとあれほど執着していたのが嘘のように容赦ない蹴りを全身に浴びせ大ダメージを与えていた。

 

  あまりの猛攻に弾き飛ばされた二人はお互いに背中合わせになり、全方位をカバーしようとしたが、シャドウギルディは二人の陰に潜み、下から急襲した。

 

  まさか自分の陰から攻撃を仕掛けられるとは思わなかった二人は宙に舞って……そしてもう一体のシャドウギルディの振り下ろした拳のスマッシュで地面に叩きつけられる。

 

  更にシャドウギルディはいつのまにか二体だったものが四体に増え、超変則的な動きと全員が同一意思だからこその完璧なコンビネーションで追い詰める。

 

  数分。たったそれだけで、形成は一気に逆転した。全身がボロボロのレッドとブルーは地に倒れ伏し、それを一体に統合されたシャドウギルディが見下ろしている。

 

「……存外あっけないものだ。これがあのツインテイルズとは、軟弱なり」

 

  なんの感情もこもっていない声でシャドウギルディは吐き捨て、二人の背中をグリグリと踏みつけた。二人にはもはや反抗する力もない。

 

「ぐっ……く、そぉっ……!」

「ぐ、ぅう……!」

 

  ひとしきり踏みにじると、まるで飽いたとでもいうようにシャドウギルディは足を離し、触手を右腕に絡め始めた。

 

  小さかった触手の刃が寄り集まり、数秒後にはシャドウギルディの右腕にはまるで鎌のような刃が握られる。

 

  シャドウギルディは腕を振り上げ、二人の首に狙いを定めた。必死に睨みあげるレッドとブルーだが、シャドウギルディは無感情で無機質な目を崩さない。

 

 

 

「ーー死ね」

 

 

 

  シャドウギルディが鎌を振り下ろす。レッドとブルーの視界に、死の鎌がスローモーションで映り込んだ。

 

  死の間際に立ってなお、二人は何か反撃の策を考える。こんなところで死ぬわけにはいかない。二人はこの世界をアルティメギルの脅威から守りきらなくてはいけないのだ。

 

  だがその抵抗も虚しく、鎌はどんどん迫る。あと首に到達するまで50センチ、40センチ、30センチ……20、10、5……。

 

  そして0に到達し、二人の首が刈り取られる、その瞬間ーー。

 

 

 

《ガッチャーン! テイル・アーップ!》

 

 

 

 ドドドドドドドッ!!!

 

「ぬぅっ……!?」

 

  男の声とともに、大量の弾丸が降り注ぐ。シャドウギルディは二人への攻撃を中断し、触手の刃を組み合わせて盾のようにして攻撃を防御した。

 

  しかし攻撃は一度で終わらず、ミサイル、ホーミング弾、徹甲弾など様々なものが飛んでくる。耐えきれないと判断したシャドウギルディはバックステップをしながらそれらを触手で切り裂いて防御した。

 

  やがて、攻撃が途絶える。シャドウギルディは触手を元に戻し、攻撃が飛んできた方を睨んだ。同様に、解放された二人もまさかと思いながら振り返る。

 

  濛々と立ち込める煙の中に、一つの陰。全身に武器を装備したその姿は、まるで要塞のようであった。見覚えのあるフォルムにレッド達は薄々と正体に気がついた。

 

  やがて、煙が晴れる。そして煙の中から姿を現したのはーー。

 

 

 

「お待たせしましたわ、お二方!」

 

 

 

 ーーテイルイエローであった。

 

「イ……」

「イエロー!?」

 

  驚いて目を見開く二人。そんな二人とは対照的に冷静だったシャドウギルディはピクリと体を震わせ、後ろを振り返った。

 

 コツ、コツ、コツ……。

 

  暗闇の中から、音が響く。暗闇を見通せる能力を持つシャドウギルディは音の発生源である人物を見て……今度は少し驚いた。

 

「フン……来たか」

 

  シャドウギルディの声にハッと我に返った二人はもう一度シャドウギルディの方向を向き、その奥の暗闇から出て来た人物を見て……先ほど以上に驚いてぽかんと口を開けた。

 

「ふむ……これはなかなか、ピンチな様子だな。レッド、ブルー?」

 

  そう、暗闇から姿を現したその人物の名は……。

 

「正斗!?」

「マサ!?」

 

 神崎正斗、その人である。

 

  驚きの声を上げる二人に対して、正斗は不敵に微笑むのだったーー。

 

 

 ●◯●

 

 

  早急に仕事を片付けて駆けつけてきた俺とようやく機嫌を直して出てきた神堂に唖然としている二人、そして全く違う姿になっているクラーケギルディ……いや、シャドウギルディと言ったか?に俺は不敵な笑みを見せる。

 

  早速話しかけようとするが、ふと自分の立つ場所の少し先の地面に誰かが倒れているのを見つけた。コツコツと歩いて近づく。するとシャドウギルディが身構えた。

 

  シャドウギルディを手で制し、地面に倒れている誰かを見下ろす。するとそれがリヴァイアギルディだ理解した。肩口からバッサリと深い切り傷があり、総二の斬撃によるものだと予想する。

 

  ふむ、と一つ頷くと、異次元空間になっている胸ポケットからあるものを取り出す。それは一見して、長方形のプラスチック製のケースだった。

 

  ロックを解除し、両開きのフタを開ける。すると中に規則的に並んでいるエナジーアイテムのメダルがあらわになった。その中の一つ、緑色のメダルを取り出す。

 

《回復!》

 

  そのままピンッ、とメダルを弾くと巨大化させリヴァイアギルディに使う。すると暖かい光がリヴァイアギルディを包み、傷を癒していった。

 

  ふと顔を上げてシャドウギルディを見ると、驚いて目を見開いている。総二と愛香も驚いたままだ。どうやら俺がリヴァイアギルディを癒したことが予想外だったようだ。

 

  俺はニヤリと笑い、エナジーアイテムのケースをしまうと代わりにバグヴァイザーを取り出し回復したリヴァイアギルディに向けた。

 

 

 キュィィィン……

 

 

  リヴァイアギルディが粒子になり、バグヴァイザーの中に吸収される。最後の粒子まで完全に吸収しきるとバグヴァイザーの画面を見た。するとそこには0と1の空間が表示されており、そして……リヴァイアギルディがいた。

 

「起きたまえ、リヴァイアギルディ」

『……む? ここは……』

 

  トントン、と軽く画面をつつくと中にいるリヴァイアギルディが目を開き、覚醒した。リヴァイアギルディの声にシャドウギルディが動揺したような仕草を見せる。

 

  それに構わず、俺は意識を仕事の時のものに変えるとリヴァイアギルディに話しかけた。

 

「勝手だが、君の傷は私が回復させてもらった。安全のためここに入ってもらったよ」

『……貴様が助けてくれたのか、神崎正斗。感謝する…が、なぜ私を?』

「そうだな…ポセイドギルディ殿に君とクラーケギルディのことを任された……と言えば、わかるかね?」

『っ……そうか、義父上が…重ね重ね、感謝する』

「ま、待て! なぜ貴様が義父上のことを知っている!?」

 

  シャドウギルディが声を荒げて会話に割り込んで来た。俺はリヴァイアギルディから目を離し、シャドウギルディを見る。そしてポケットから例のアルティメギル印の入った通信機を取り出して見せた。

 

「それはっ…!」

「つまりはそういうことだよ……さて、リヴァイアギルディ。君は何か彼に話すことがあるのではないかね?」

 

  そう言うと俺はバグヴァイザーの画面をシャドウギルディに向け、リヴァイアギルディと対面させた。

 

「……リヴァイアギルディ」

『…その声、クラーケギルディか? なんだ、随分と様変わりしたではないか』

「…何故だ。何故あのようなことをした! あのまま私を見捨てていれば、貴様が全てを担うはずだったのに!長年の諍いに決着がついたのだぞ!?」

『…言っただろう?気がつけば勝手に体が動いていたと。想い人の命を助けられたのだ、後悔はない』

「そうだ、それだ! そもそもおかしいだろう!? 貴様は()()()()()()()()()()()()()()()!それなのに私に想いを寄せるなど、どうかしている!」

 

  いや、俺たち人間からすればエレメリアンなど大概どうかしているのだが……まあ、言わないほうがいいだろう。本人達は真剣なのだから。

 

  そう思いながらイエローに助けられて立ち上がる二人の様子を見ていると、リヴァイアギルディが押し黙っていることに気がついた。声を荒げていたシャドウギルディも訝しげにしている。

 

  俺も少し不思議に思い、バグヴァイザーをひっくり返して画面を見る。すると、プルプルと震えて俯いているリヴァイアギルディの姿が見て取れた。

 

『…る………たな…こに…えな…うで…』

「なんだ、聞こえぬぞリヴァイアギルディ!もっとはっきり言え!」

 

 シャドウギルディの言葉に、キッとリヴァイアギルディが心底怒っているという顔をした。そして画面の中で大きく口を開き……

 

 

 

 

 

 

 

『悪かったな!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 そう、その場にいる全員に響き渡るような大声を張り上げた。事前にポセイドギルディから聞いていた俺以外の全員が硬直する。特にシャドウギルディは唖然とした様子だった。

 

 そう……リヴァイアギルディはどこからどう見ても女には見えない、総二とのアレで少しだけある愛香以上の絶壁なのである。加えて声も低く、体格もいいので外見情報だけだと女とは考えられない。

 

  いや……だからこそ巨乳属性(ラージバスト)のエレメリアンとして生まれたのだろうか。誰よりも巨乳を愛し、そして巨乳を欲した女……それがリヴァイアギルディなのである。

 

  だが、リヴァイアギルディはポセイドギルディの下で貧乳を愛する者……つまりクラーケギルディと運命の出会いを果たした。初めて見たときからずっと心を寄せていたらしい。

 

  そのポセイドギルディは、こと修練のことになると凄まじいようだが、それ以外は本人達の意思に任せると言うスタンスを取っていると本人から聞いた。俺も会社では、仕事をしっかりとやるならそれ以外は何も強制しない方針をとっている。

 

  ちなみにポセイドギルディは本人が気づくべきだとあえてリヴァイアギルディを男として迎え入れたらしい。なかなか意地が悪いものだ。

 

  俺がそう考えて少し笑みをこぼしていると、ようやく我に返ったシャドウギルディが当惑した様子で怒るリヴァイアギルディを見た。

 

「え、な、お、女だと? 貴様、女だったのか!?」

『だからそう言っているだろうこのたわけが! 全く、私が何年貴様が貧乳の人間に求婚するのを見て怒りを抑えていたか……』

「むぐ、いや、それは……というか、それならばこれまでの私たちの諍いはなんだったのだ!」

『そ、そこは察しろ!』

「……つまり恥ずかしくて普通に会話することができず、気がつけば口論ばかりだったと」

「「「あ、なるほど」」」

『なっ、き、貴様、神崎正斗!』

 

  俺の言葉に総二達が納得がいったと言う顔をして、反対に画面の中でリヴァイアギルディが顔を赤くする。シャドウギルディはさらにオロオロとしていた。

 

  しばらくその様子を見ていたが、やがてある程度落ち着いたところでこほんと一つ咳払いする。そして真剣な顔をして口を開いた。

 

「さて、そういうわけでリヴァイアギルディの気持ちが明らかになったわけだが……一つ君たちに提案がある。二人とも、私の元へ来て人間にならないかね?」

「『っ!?』」

 

  俺の発した言葉に、リヴァイアギルディとシャドウギルディが何を言っているのか理解できないと言う顔をする。総二達は俺がリヴァイアギルディを助けた時点である程度察していてのか、呆れた笑いを浮かべていた。

 

  そう。俺はかつてのドラグギルディ、バハムギルディ達の時のようにこの二人をこちら側に引き込もうと考えている。

 

  愛する者のため命を投げ捨てたリヴァイアギルディ、土壇場で二人を圧倒するほどの存在に進化したクラーケギルディ……充分に引き込む価値はあった。

 

「……な、何を訳のわからないことを!我らが人間となるなど、そんなものは所詮…」

「叶わぬ夢、とでも言いたいのだろう? だが…私の誘いに乗ったドラグギルディは人間となり、人の世で暮らしているぞ?」

「ドラグギルディが!?」

 

  自らの言葉を証明するために、懐から透明板を取り出して龍美にビデオ通話をかける。すると数コールで電話に出たので、透明板を操作して空間に表示した。

 

「龍美、こちらの様子が見えるか?」

『……む、そこにいるのはリヴァイアギルディ…と、この画面越しでも伝わってくる強大な貧乳属性…もしやクラーケギルディか?』

「ドラグギルディ、なのか?」

『うむ、我が名はドラグギルディ改め黒咲龍美、エレメリアンより〝超越せし者(ネオ・エレメリアン)〟へと昇華した者だが……ふむ、それにしてもクラーケギルディ、随分と様変わりしたな。私の知る貴様は白くなかったか?』

『ありえぬ……まさか本当に人間に…?』

 

  驚いてブツブツと呟くリヴァイアギルディ達に、龍美は画面の向こうで合点がいったような顔をする。

 

『……なるほど、大体理解した。この二人も引き込もうと言うのだな、社長?』

「そういうことだ。人間になれるということを証明するために電話させてもらったよ」

『そういうことならば問題はない……リヴァイアギルディ、クラーケギルディよ。今私は、こうして人としてこれまでで最も至福な時を謳歌している。できればそれを貴様らとも共有したい……私から言いたいことは以上だ。貴様らの選択の先で待っているぞ』

 

  不敵な笑みを浮かべてそう言い終えると、龍美は一度こちらに頭を下げると通話を切った。透明板を懐に戻し、リヴァイアギルディ達を見る。

 

「ということだが……どうするかね?」

 

  俺がそう問いかけると、二人はしばし逡巡するように顔を俯かせ、考え込んでいた。俺はただそれを静かに待つ。どちらを取るにせよ、本人の自由意志によって決めさせたい。

 

  しばしの時……と言っても数分だが、答えを出したのか、リヴァイアギルディとシャドウギルディが顔を上げて俺を見る。俺は目で答えは?と問うた。

 

『……私は、貴様の手を取る。義父上に師事してから今まで、仕方がないことだとわかっていながらも奪うことに苦しみを感じていた。それから解放され、そして人間の心を……エレメリアン(我ら)とは違う心を知ることができるのなら……それなら、私は人間になる道を選ぼう』

 

  まず最初に、リヴァイアギルディが画面の中で決意をたたえた瞳でそう言った。俺はそんなリヴァイアギルディに笑顔で頷く。こちらは成功、と。

 

  では残る一人……クラーケギルディことシャドウギルディは…。

 

「……リヴァイアギルディが行くのなら、私も行こう。私にはその責任がある」

『クラーケギルディ? 責任とはどういう意味だ?』

「貴様のことに気がつかなかったことだ。いつも目の前に映るものに躍起になり、隣にいる貴様を見るどころか争ってばかりいた、な……。目先のものだけを見るのは我らエレメリアンの悪い癖だ」

 

  そう言ってグッと拳を握るシャドウギルディに、リヴァイアギルディがシャドウギルディの名前を呟きながら頬を赤く染めた…ような気がした。

 

「だからまだチャンスがあるのなら……もう一度だけ。もう一度だけ貴様と向き合わせてくれないだろうか、リヴァイアギルディ」

『……ふん、馬鹿者め。そんなもの、良いに決まっているだろう? いくらでも来るがいい』

「…感謝する」

「……話は纏まったようだな」

「ああ……だが」

 

  俺が差し出した手を取るかと思ったが、シャドウギルディは俺に背を向けた。そして地面に転がっていた自分の剣を拾い、同じようにマントを拾い羽織る。

 

「その前に、私と戦え……テイルイエローよ」

 

  そうすると、手に持った剣の切っ先を…なんと、イエローに向け、そう宣言した。

 

 

 ●◯●

 

 

「わ、私ですの!?」

「ああ……貴様は本来ならば忌むべき巨乳、だがその巨乳と向き合うことで私は初めてリヴァイアギルディに顔向けすることができる」

『クラーケギルディ…』

 

  真剣な目をして自分を見てくるシャドウギルディにイエローは困惑したような表情を見せていたものの、しかしやがて決意を固めたような顔をして頷いた。

 

「……そういうことならば、全力でお相手いたしますわ。苦難を乗り越え、覚醒した私の実力、お見せいたします!」

「フン、その意気や良し! 存分にかかってくるがいい、テイルイエロー!」

 

  剣を構え、闘志をみなぎらせるシャドウギルディと全身の重装備を展開したイエローに、巻き込まれないようレッドとブルーを伴い安全圏まで退避する。

 

  そうして俺たちが無事に退避したのを見計らって、シャドウギルディとイエローは……同時にお互いに突進し、超至近距離で凄まじい戦いを繰り広げ始めた。

 

  最初は俺もレッド達も遠距離特化のイエローが何故インファイトを?と疑問に思い首を傾げたが、しかしイエローの動きを見てその理由にすぐに気がついた。

 

  イエローはあえて超至近距離に近づくことで、触手による攻撃を出させないようにしているのだ。加えて、ジャーヴィスがサポートしているであろう巧みな銃撃で斬撃を弾いている。

 

  だがその行動は半分無駄とも言えた。というのも、シャドウギルディは触手をイエローの銃撃に対し防御として使ってはいるものの、攻撃は手に握る剣のみで行なっているのだ。

 

 そこからは姿が変わろうとも、シャドウギルディの騎士としての誇りが感じられた。加えて、以前俺が戦った時に手に入れたデータよりも明らかに速い。

 

  進化したことにより獲得したその超スピードを存分に発揮し、まるで流星雨の如き超高速の攻撃を繰り出している。特に刺突は文字通り閃光のように見えた。

 

  対するイエローも負けず劣らず、その重装甲の堅牢さを活かして捌き切れなかった斬撃をいなしてカウンターの銃撃を繰り出している。

 

  シャドウギルディがまるで腕だけ分身しているかのような連続攻撃を繰り出せば、両腕の前腕の四門からビームの砲撃がそれに答え一斉掃射された。

 

  逆にイエローからゼロ距離での両肩の大砲二門の砲撃を敢行すると、シャドウギルディはまるで駒のように回転しそれらすべてを切り裂いた。

 

 そのまま、斬撃と銃撃の応酬が続くことしばらく。エネルギーが切れたのか、イエローが装甲を脱着し始めた。両肩、両腕、腰、足とどんどん地面にパージされた装甲が落ちてゆき、最後にはマントと装甲のみになっている。

 

「どうやら打ち止めのようだな!」

「まだ終わっていませんわ!」

 

 イエローは腰のレイピアを抜き去り、シャドウギルディの繰り出した袈裟斬りを受け止めた。

 

「何ィ!?」

「はぁっ!」

 

 細剣とレイピア、今度は同じ土台での戦いが始める。それはこれまでに培った技術の差が見え隠れするが、なかなか見応えのある戦いであった。

 

 両者一歩も譲らず、激しい剣戟をぶつけ合う。中には剣の切っ先同士が衝突して衝撃波が発生するなどということも稀にだがあった。

 

 しかし、やがて体格と実力差でイエローが押され始めた。ぴこぴこと音を立てて胸部装甲に表示されたゲージが減少していく。その様子をある程度回復したレッドたちが隣でハラハラと見守っていた。

 

 ふむ……ケースからエナジーアイテムを出すこともできるが、それは戦いに泥を塗る最低の行為。グラファイトが知れば大激怒するだろう。俺も静かに勝負の行方を見ることにするか。

 

 

 ピシッ……

 

 

 そうして見守っていると、そんな音が俺たちの耳に聞こえてきた。二人の方を見れば、どちらとも手に持った剣に無数のヒビが入っており、肩で息をしていた。

 

「はぁっ、はぁっ……」

「ゼェ、ゼェ…よ、よもやこれほどの戦士とは……見誤っていたぞ、テイルイエロー。貴様も立派なツインテールの戦士だったのだな……ならば!」

 

 シャドウギルディは後ろに大きくジャンプして後退すると、左半身を引いて細剣を持つ右手を前にゆるく突き出した。そして触手を伸ばし、すべて右手に収束していく。

 

 数秒後、シャドウギルディの右手は肘から先がまるで一本の槍のように変化していた。そしてそこに凄まじい濃度の属性力(エレメーラ)が胸の属性玉(エレメーラオーブ)から集まってゆく。

 

「今の私が放てる、最高の一撃をもって貴様を打ち破って見せようぞ!」

「……わかりましたわ。ならば私も、最高の技をお見せいたしましょう!」

 

 大きな声でそう宣言したイエローもまたレイピアを投げ捨て、先ほどのシャドウギルディのようにバックステップで距離をとった。

 

 そして右腕を胸の前に掲げると、ガシャットブレスに手をかけ、中心に走ったラインより下を半分回転させて元に戻した。そうするとガチン、という音とともに中心のエンブレムが刻み込まれた宝玉が光る。

 

《KIME-WAZA!》

 

 ガシャットブレスから音声が発せられたかと思うと、地面に転がっていた装甲がひとりでに浮き上がり、イエローの背後に飛んで行ったかと思うと合体し始めた。

 

 次々とパーツが展開、接合、融合していき、最後に大砲状態のままのヴォルティックブラスターとガシャコンマグナムが両側面に合体すると、そこには黄金色の巨大な戦艦が出来上がっていた。

 

 イエローはジャンプしてその戦艦に飛び乗ると、空高く飛翔する。シャドウギルディはそれを見上げ、槍と化した無地からの右腕を後ろに引き絞った。

 

 もはや俺たちにはかろうじてしか見えないような高度まで飛翔したイエローは……なんと戦艦から飛び降りる。すると落下するイエローの背に、戦艦の全砲門から一斉にビームが放射されたのだ。

 

 ビームに背中を押され、落下による加速にさらに加速が重なったイエローは……落下地点にいるシャドウギルディめがけて雷速で落ちていく。

 

  そして空中で一回転すると、なんとエネルギーを纏った右足をまっすぐに突き出し、キックの体制に入る!

 

 

《FANTASY! CRITYCAL STRIKE!》

 

 

「ハァァァァアァアアアアァアアアアァアアアッッッ!!!」

 

  遥か昔、人々は雷を神の怒りとして恐れた。それは今も、怒った親から雷が落ちる、という比喩にも用いられている。つまりそれほどに雷とは特別なものなのだ。

 

  そして今のイエローは……間違いなく、寸分の違いもなく、まさしく雷そのもの。人の身でありながらイエローは、天より降り注ぐ神の怒りと成ったのだ。

 

  対するシャドウギルディもまた、極限まで右手の槍を引き絞り、大きく左足を踏み出した。

 

  そして地面が割れるほどの踏み込みとともに、イエローに向かって神速の刺突を繰り出す!

 

「シィィイイィィィィァァァアアァアァアアアッッッ!!!!!」

 

  雷速のキックと、神速の刺突。その二つがぶつかった時ーー

 

 

 

 

 

 ーードッガァァァァァァァァアアァン!!!

 

 

 

 

 

  二つの必殺技の衝突は、工場跡全体を揺るがすほどの、超爆発を引き起こした。俺は後ろで顔をかばっている二人も範囲に入るよう属性力(エレメーラ)の結界を張り、爆風と衝撃波を防いだ。

 

  衝突の余波は一度だけにとどまらず、三度も衝撃波が襲ってきた。それらを耐えきり、結界を解除して内側まで届いた風圧で乱れた襟を直す。

 

  それが終わって前を見ると、工場跡は完全に倒壊していた。結界を張っていた範囲だけが不自然に綺麗であり、周りは瓦礫で埋もれている。砂埃が舞い、全く遠くが見渡せなかった。

 

「けほっ、けほっ、なんだよさっきの!」

「ものすごいやり合いだったわね……」

 

  なにやら会話を交わしている二人を連れて、未だ肌で感じ取れるほどの力を発している場所へと土煙を手で払いながら歩いていく。

 

  そこに行き着くと、タイミングよく土煙が晴れたので、先ほどの凄まじい衝突の結果がどうなったのかを確認することができた。そしてそれを見て…思わず、ふっと笑う。

 

  俺の視界の先……そこには、肩口に槍の切っ先と思われるものが突き刺さり流血するイエローと、それと背中合わせに立つ右腕と触手が完全に消し飛んだシャドウギルディがいた。

 

  結果は引き分け、といったところか。いや、ダメージの差で言うならばイエローの勝ちになるのだろうが、しかし両者の満足げな表情を見るとそうは思えなかった。

 

  しばらくその体制でいたものの、イエローが立ち上がり、よろめいたシャドウギルディを受け止めた。すぐにシャドウギルディは自分の足で立ち直し、イエローに軽く頭を下げた。

 

「……私の負けだ、テイルエローよ。良い蹴りであった…私もまだまだ、精進せねばならぬようだ」

「いえ……あなたの剣術、見事としか言いようがありませんでしたわ。経験を積まなくてはいけないのは、私も同じでしてよ」

「ふ……そうか」

 

  一言二言なにかしらの会話を交わすと、二人はこちらに歩いてくる。後ろのレッド達が身構えたが、手で制してイエロー達がこちらに来るのをじっと待つ。

 

  こちらに歩み寄ってきたシャドウギルディは、なんと俺に跪いた。困惑する二人と、なにやら訳知り顔のイエロー。俺も少し首を傾げる。

 

「……約束通り、貴方の下につこう。これより貴方を新たな主人として忠誠を捧げる…リヴァイアギルディともども、よろしく頼む」

「…ああ。見事な戦いだった、シャドウギルディ。これからは仲間としてよろしく頼む」

「……御意」

 

  シャドウギルディを、リヴァイアギルディに使ったものとは違う予備のバグヴァイザーで吸収する。そうすると懐にしまい、ふう、と一つ息を吐いた。

 

「あの……神崎くん」

「うん?どうかしたのかね」

 

  唐突に話しかけてきたイエローの方を向くと、もじもじとしながらなにやら言いたげにしていた。

 

「その…私、ちゃんと戦えていたでしょうか?」

「……ふっ、むしろ想像以上の大健闘だ。これからもよろしく頼むよ、テイルイエロー…いや、新たなツインテイルズ」

「っ! は、はい! 精一杯頑張らせていただきますわ!」

 

  元気一杯に答えるイエローに、俺は思わず苦笑する。後ろからは俺と同じように歓迎する声が二つ、聞こえてきた。

 

 

  そうして、幹部であるリヴァイアギルディとクラーケギルディとの壮絶な戦いは終幕を迎えるのだった。

 

 

 ●◯●

 

 

  これで終わりかーーそう思い、さあ帰ろう、と三人に言おうとしたらその時。

 

 

 

 

 

 ーー見事じゃ。さすがは〝あの人〟の意思を継ぐもの……これ程の強さであって当然と言うべきじゃな。

 

 

 

 

 

  どこからともなく、正体不明の声が響き渡った。

 

「っ!? 誰だ!」

 

  唐突に入り込んできた謎の声にいち早く反応したレッドが振り返る。釣られて俺たちも振り返って……そこにいた者に、思わず目を見開いた。

 

  〝その少女〟はまるで、天空から賛美歌でも響いてきそうな荘厳で、それでいて何処か冷徹な雰囲気を纏っている。〝その少女〟を中心に、夜の帳が下りるにはまだ早いはずなのに、周囲は不気味なほど薄暗くなりはじめた。

 

  まるで蜃気楼がゆっくりと実態を持つがごとく、地平線が揺らめく。俺たちに向かって、影のような〝その少女〟は近づいてきた。

 

  否……影のようなではない。()()()()()と形容した方が正しいだろうか。なぜなら〝その少女〟は、限り無く闇に近かったのだから。

 

  首から下を覆う白衣の下より見え隠れする装甲も、おさげのように豊満な胸に垂らされたツインテールも、片方が黄金の凛然とした瞳を彩る、眼鏡のフレームでさえも。

 

  一部を除き、全てが黒。今しがた倒したシャドウギルディすらちっぽけに思えるような、周囲すべてを覆い尽くすような、そんな強大な属性力(エレメーラ)を体より発している。

 

  体内で眠っているはずのゲムデウスの意識が反応する感覚に、俺はそれまでの不敵な笑みを崩し、鋭い目で〝その少女〟を見据えた。

 

「……君は誰かね?」

「そうじゃな……地獄よりの使者、とでも言うべきであろうか」

 

  そう言うや否や、〝その少女〟は右腕を勢いよく振り上げ、白衣を翻した。それに伴い体から発せられる属性力(エレメーラ)が増大する。

 

  そしてその白衣の奥から現れたものに……レッドも、ブルーも、イエローも……俺でさえも、驚きに目を見開いた。

 

  そこにあったのは、漆黒の全身装甲。輝きの対極に位置するものである闇のはずなのに、禍々しさすら超えた畏敬の念を感じさせる、気高い闇の鎧。

 

  あれはまさか……テイルギア? いや、違うな。ゲムデウスの力で感じ取れるテイルギアの構造とはどこか違う…ではあの謎のギアは、一体?

 

「それは……テイルギアではないな?」

「ほう、よく見破った……この鎧の名はグラスギア、頑強装甲グラスギア。眼鏡を愛する力、眼鏡属性(グラス)の力より生まれし究極の鎧」

 

  ふむ、なるほど……頑強と眼鏡をかけているのか。なかなか、ネーミングセンスが光る名前だ。しかしこの癖のあるネーミング、どこか覚えがあるな。

 

  俺のその疑問は、次に発せられた少女の言葉で一気に解決することになった。しかしそれは、新たな疑問をも呼び込んでしまう。

 

 

 

 

 

「改めて名乗ろう……我が名は〝ダークグラスパー〟、アルティメギル首領直属の戦士にして、闇の処刑人……そして永遠の証を継ぎしもの。ここへは、誘いに来た。あの人……()()()()()の意思を継いだ戦士たちよ。妾の元へは来ないか?」

 

 

 

 

  そう、畏怖すら感じる確固とした声音で言う少女に、俺達は驚愕するのだったーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〝GAME CREAR!〟

 

 

 

 

 〝What's the NEXT GAME?〟

 

 




感想をいただけると嬉しいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。