幼女戦記×編隊少女   作:アル・ソンフォ

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遅くなり申し訳ございません。更新しました。
編隊少女の方ではコラボ企画は終わってしまいましたが、こちらの作品は続きます。
最終話までよろしくお願いいたします。

追伸:
編隊少女でデグレチャフ少佐をゲットされた方おめでとうございます。残念ながらゲットできなかった方も引き続き幼女戦記をお願いいたします。


第11話:接敵

「観戦するつもりで十分か」

鳩森小隊の三機の後に付くように北東方向へ進路をとったターニャはつぶやく。いくらラインでノルデンで戦闘を重ねてきた自分でも来た早々に正体不明の敵と航空戦などごめんだ。本当なら、彼女たちにまかせてさっさと帰投したいが、こちらでの戦い方と今後の敵を特等席から観戦すると思えば悪くはない。

 

「デグレチャフ少佐、鳩森です。まもなく接敵します。後方で私達の戦いを見てて下さい。」

セレブリャコーフ少尉の声とよく似た鳩森少尉のからの無線が入る。

「了解した、鳩森少尉。交戦開始次第、一〇〇〇ほど距離をとる。では、貴官らの奮戦を期待する」

既にターニャの目には、北西方向から向かってくる三機の黒い戦闘機らしきものが見えている。航空魔導士とは何か違う感じはあるが魔力反応も感じる。そういえばフーファイターという敵は精神に干渉し狂乱状態を起こす感応波というものを出すとか資料に書かれていたなと思い起こす。

「少佐さん、見ててくださいね♪」

「デグレチャフ少佐殿、私達の戦闘しかと見ていてほしいのであります。」

 あとの二機からも無線が入る。先程一緒に編隊訓練をした鷹登少尉と吹雪准尉だろう。ターニャは彼女達にも型通りの返答をした。さて、彼女たちの戦闘を見せてもらおう。

 

 ターニャは砲撃観測手よろしく双眼鏡を取り出し、戦闘状況を確認していた。戦闘機と違い上空で静止できる航空魔導士というのはこういう時ありがたい。

「鳩森少尉たちの方が優勢というところだな。うむ、訓練の時もそうだったが、実戦でもあれだけの動きが取れるのか、うまく敵機の後ろをとっているし、編隊に乱れもない。だが、しかし、あれを回避するフィーファイターというのもなかなかの技量だな。んっ、魔導反応?」

 ターニャは魔導反応が敵であるフィーファイターからだけではなく、味方である鳩森小隊からも感じることに気が付いた。戦闘をよく観察すると、敵味方にかかわらずその反応が起こるたびに機銃からでは有り得ない様な火力が生じたり、行動に乱れが生じたりしている。なるほど、感応波とかいう精神に影響を与える波長に対する耐性だけで操縦士をやっているわけではないということだなと判断した。

 

「デグレチャフ少佐、我々が優勢のようだな。このままでは貴官の出る幕はなさそうだ」

藤堂司令官からの無線が入る。

「藤堂司令官殿、有難いことです。おかげさまで小官も特等席で空中戦を眺めていることができます。あっ、今、一機撃墜できたようですな。残りの二機も高度が低下、煙もでていることからもうすぐ全機撃墜できそうですな。」

「うむ、まあ、今回進入してきた敵はあまり強力ではないようだな。おそらく先程の光学術式に反応した偵察か何かだろう。このまま進めばちょっと遅いがティータイムを兼ねた訓練検証会ができそうだな。」

「藤堂司令官殿、了解した。ああそういえば、先程の着任挨拶の時出された珈琲の豆は残っていますかな。副官のセレブリャコーフ少尉はこう見えてバリスタ並みの技量を持っているのですよ。よろしければいかがですか。」

 

 ターニャは今日一日が存外順調であることで機嫌を良くしていた。存在Xが現れたときはまたくそったれな展開が訪れるかと思っていたが、その後は順調そのもの、新型魔道具の到着のせいで昼食はあわただしくなったが、その新型自体はシューゲル博士が関わったとはとても思えない優秀なもの、検証を兼ねての訓練すぐの戦闘とはけしからんと思ったものの、実際は観測手よろしくお空で高みの見物、これが終われば珈琲にお菓子まで待っているというのだから素晴らしいの一言に尽きる。ひょっとして十年かけても理不尽さが治らなかった存在Xも少しは市場原理というものを学んだのかもれないとさえ思えてしまう。

 

「セレブリャコーフ少尉、司令官の指示に従って訓練検証会の準備をしまたえ。」

そうセレブリャコーフ少尉に指示したとき、無線が入る。

「デグレチャフ少佐、南東方向に機影。接近してきます!」

 準備の回答が接敵?一瞬混乱しかけたが、セレブリャコーフ少尉ではなく鳩森少尉からの無線が割り込んできたのだと思いなおす、声が似ているうえにコールサインが使用されていないから紛らわしい。間違えそうだとおもいつつもターニャが南東方向に集中すると強力な魔力反応が急速に接近してくるのを感じた。

 

 

「デグレチャフ少佐より司令官、ボギーより強力な魔力反応を感知。南東方向距離四〇〇〇。」

 やはり存在Xはくそったれか、順調と見せかけて一気に叩き落すか、磨いたのは嫌がらせと理不尽さのほうかと悪態をつきつつターニャは呼びかける。

「魔力反応から敵は一機であるものの鳩森小隊が戦闘中の三機よりも強力と推定、至急救援を乞う。」

フーファイターとやらに術式がどれくらい通じるか分からない以上、増援は必要だ。短機関銃を構えつつターニャは救援を要請する。

「少佐、我々も地上からの観測により、敵を「ボス」級と判定した。ただ、鳩森小隊は戦闘継続中であり援護不能、こちらよりエミリア・ユンカース大尉の小隊を救援に回す。ティータイムは邪魔されたようだな。」

「司令官、ユンカース大尉はそばにいたのでは?救援到達時間は」

「デグレチャフ少佐、残念ながら空中待機の部隊はいない。基地からの発進となるので到着は急いでも六〇〇はかかる。遅滞戦闘に努められたい。」

 

 余裕を感じたところでの強力な敵との遭遇とは北方ノルデンの初陣と同じではないか、救援到着も六〇〇とは悪意のある偶然だなとターニャは感じた。

 仕方がないせいぜいあがいて見せよう。ターニャはエレニウム九五式を起動させた。

 




おまけコント4:コラボ終了後

デグさん:「結局、でなかったのか」
作者:「出ませんでした。どうもガチャ運がないようでして」
デグさん:「それで更新が遅れたのか?」
作者:「そういうことにしておいてください。ところであちらの世界はどうでした」
デグさん:「まあ、悪くはなかったな。なにせナポレオンの愛したコーヒーが飲めたのだからな」
作者:「わかりました。こちらの世界でも近いうちに美味しいものを用意します」
デグさん:「期待しようではないか」

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