コズミックプリキュアS   作:k-suke

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第25話 輝け!! シャイニーダイヤモンド(前編)

 

 

 

ミラクル「マジカル、フェリーチェ、行くよ!!」

 

マジカル・フェリーチェ「「ええ!!」

 

ミラクルの呼びかけに頷きあうと、一つの宝石を取り出しモフルンの胸元にセットした。

 

 

ミラクル・マジカル・フェリーチェ「「「キュアップ・ラパパ!! アレキサンドライト!!」」」

 

その掛け声とともにモフルンを含めた四人が手を繋ぐと、Aの文字が自動的に描かれたリンクルスマホンとモフルンの胸元の宝石からまばゆい光が発せられた。

 

それと共に三人のコスチュームは大きく変化していた。

 

ミラクルとマジカルは全身のフリルが増量し、翼状のマントが背中に装着され、頭には大きなとんがり帽子を被っていた。

 

そしてフェリーチェはコスチュームがロングドレスのようになり頭頂部に巨大なお団子ヘアが作られ、魔法使いというより妖精の女王のようになっていた。

 

 

ミラクル・マジカル・フェリーチェ「「「魔法つかいプリキュアオーバーザレインボー!!」」」

 

豪「うおっ、スッゲー!! かっこいい!!」

 

 

堂々名乗りを上げたミラクル達を見て、ソーラーも負けていられないとばかりに気合を込め始めた。

 

ソーラー「すごいプラスエネルギー… こりゃ負けられないな。いっくぞー!!」

 

 

 

 

モフルン「レインボーキャリッジ、モフー!!」

 

それと同時に車体部分は半球型になったガラスの馬車のミニチュア レインボーキャリッジをモフルンが呼び出した。

 

 

ミラクル「巡り会う奇跡よ!!」

 

マジカル「繋がる魔法よ!!」

 

フェリーチェ「育まれし幸せよ!!」

 

ミラクル・マジカル・フェリーチェ「「「今私たちの手に!!」」」

 

 

その口上とともにレインボーキャリッジにアレキサンドライトを含むリンクルストーンの力を結集させプレシャスブレスを召喚した。

 

ミラクル・マジカル・フェリーチェ「「「プレシャスブレス!!」」」

 

 

さらに続けてレインボーキャリッジを操作して魔法陣を呼び出し、呪文を唱え始めた。

 

ミラクル・マジカル・フェリーチェ「「「フル・フル・フルフルリンクル!!」」」

 

 

 

ソーラー「ソーラーエネルギーフルチャージ!!」

 

そしてソーラーもまた、上半身に全エネルギーを集中させてトラウーマに狙いを定めた。

 

 

 

 

 

ミラクル・マジカル・フェリーチェ「「「プリキュア・エクストリーム・レインボー!!」」」

 

ソーラー「プリキュア・ブレストフラッシャー!!!」

 

その掛け声とともに二筋の強烈な光線が発射された。

 

 

 

ミラクル・マジカル・フェリーチェ「「「キュアップ・ラパパ!! 虹の彼方へ!!」」」

 

 

 

 

「ギイャアアアア!!!」

 

 

 

 

 

 

 

その途端、まるでヤモリを押しつぶしたかのような悲鳴が響き、大爆発とともに爆煙が上がった。

 

 

 

フェリーチェ「えっ?」

 

ミラクル「この声、トラウーマと違う?」

 

 

トラウーマとは明らかに違う、それでいて聞き覚えのある悲鳴に驚きの声を上げた一同は、閃光が収まって行くとともに目を見開いた。

 

 

ヤモー「がっはぁ…」

 

ソーラー「あ、あいつはさっきの!!」

 

 

 

二つの必殺技の直撃をくらい、ボロボロになると同時に闇の力が浄化されたか、小さなヤモリへと戻っていったヤモーを見てトラウーマは嘲るように言い捨てた。

 

トラウーマ「ふん、思ったよりも怨念が強かったからか先ほど消し損ねた。用もなくなったから放っておいたが、意外に役に立ったな」

 

マジカル「そ、そいつを盾がわりにしたの!?」

 

フェリーチェ「あ、あなたという人は…」

 

その言葉に怒りに満ちた目で四人はトラウーマを睨みつけたが、トラウーマはいけしゃあしゃあと返した。

 

 

トラウーマ「何をいう、そもそもこいつはお前達の敵だったのだろう。むしろ感謝してもらってもいいぐらいだ」

 

 

 

ミラクル「だからって… そんなこと許されない!!」

 

トラウーマ「誰が許せといった!!」

 

 

その怒声とともに、トラウーマの口から強烈な闇の波動が四人に向かって放たれた。

 

 

「「「「!!!!!」」」」

 

 

必殺技を無駄撃ちした形になってしまい、力を大きく消耗していた四人にとってこの一撃はたまったものではなく、声にならない悲鳴をあげて大きく吹き飛ばされた。

 

 

 

 

豪「ああっ!!」

 

ラン「ソーラさん!!」

 

ソルシエール「プ、プリキュア…」

 

みらい「う、うあ…」

 

リコ「く…」

 

ことは「み、みんな、だ、大丈夫?」

 

 

変身解除してしまい、ボロボロになり地面に大の字になっていたみらいとリコに声をかけたことはだったが、同じようにソーラに声をかけようとして絶句した。

 

 

ソーラ「あ、ぐ… しまった… エ、エネルギーが…」

 

 

必殺のブレストフラッシャーを放ってしまったため、エネルギーを使い果たして変身が解除されていたソーラに今の一撃は耐えられなかったらしく、全身の人工皮膚が至る所で破れ、傷口から見える機械はバチバチと火花をあげていた。

 

 

ことは「ほ、本当にロボットだったんだ…」

 

みらい「き、傷口を見ないと信じられない…」

 

 

リコ「い、今はその話を後にして。あなたもしっかりして…」

 

 

力を使い果たした挙句大ダメージを受け、身じろぎすらまともにできなくなったソーラを必死に抱き起こそうとしたみらい達だったが

 

リコ「く、み、みらい… 立てる…?」

 

みらい「な、なんとか…」

 

モフルン「みんな、しっかりするモフ」

 

 

ことは「で、でも…」

 

 

当の自分たちも大きく消耗してしまっており、立ち上がることさえ困難になっている状況ではどうにも動きが緩慢にならざるを得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トラウーマ「ふっ、終わりだ。何もかもがな!!」

 

その叫び通り、トラウーマの砲撃で街は闇に包まれていき何もかもを飲み込み始めていた。

 

 

 

豪「や、やべえ!! 街が消える!!」

 

ラン「でも、どうすれば…」

 

ソルシエール「これも私が招いたことか… しかし、どうすればいい…」

 

 

 

 

豪「でぇい、こうなりゃヤケクソだ!!」

 

ラン「えぇい、どうにでもなんなさい!!」

 

 

豪とランは街を覆っていく闇に対して、アンチマイナーガン改めプラスエネルギーガンを乱射しまくったが、そんなものは溶岩を氷で冷やそうとするものであり何の効果もなかった。

 

 

ソルシエール「…どこまでも、お前達は抗うのだな」

 

豪「ああ、姉ちゃん達だってそうさ。絶対に諦めてねぇ!!」

 

ラン「そうよね。こんな程度で諦める人達がプリキュアやってるワケわよね!!」

 

 

ソルシエール「しかし…もう」

 

うつむきながらソルシエールは、プリキュアの状況を手のひらの中に映し出した。

 

 

 

 

リコ「お願い… 動いて…」

 

ことは「こんなので… 終われないよ…」

 

必死に立ち上がろうとしていたリコとことはだったが、膝はガクガクになりどうしてもいうことを聞かなかった。

 

 

ソーラ「こんなこと… してられないのに…」

 

エネルギーは使い果たしボディは中破状態になってしまっていたソーラもまた必死に足掻いていたが起き上がることさえ困難になってしまい、悔しそうに歯噛みをしていた。

 

 

そんな中、倒れ伏していたみらいがハミングを口ずさみ始めた。

 

 

リコ「みらい…」

 

ことは「はー… その歌…」

 

ソーラ「一か八かか…」

 

フッと微笑みながら皆で絶え絶えになりながらもハミングを口ずさみ始めた。

 

 

 

ソルシエール「なぜ諦めない。こんな状況で歌っていられる…」

 

絶望的な状況にもかかわらず歌を歌い、必死になって立ち上がろうとしてくる四人を見て、ソルシエールは先ほどマジカルに言われた言葉を思い出していた。

 

 

マジカル(それにあの歌を聴いているとすごく元気が出たわ)

 

ソルシエール「確かにそうだ…」

 

 

 

肩を貸し合い必死に立ち上がった四人だったが、力及ばず跪いてしまったが、それでも諦めることなく励まし合い、もう一度立ち上がろうとしていた。

 

 

リコ「も、もう一度…」

 

みらい「うん!!」

 

フェリーチェ「が、頑張ろう」

 

ソーラ「諦められないよね…」

 

 

そんな彼女達が歌い始めるより早く、どこからともなく歌が風に乗って流れてきた。

 

 

みらい「えっ?」

 

ソーラ「この声、ソルシエールさん?」

 

 

 

 

 

豪「あんた、その歌…」

 

ラン「綺麗な歌… そんな歌詞なのね」

 

 

 

トラウーマ「なんだ? どういうつもりだ?」

 

 

贖罪か激励かそれとももっと別の想いなのか、ソルシエールは溢れ出てくる想いを歌い続けていた。

 

歌が進んでいくにつれて、ソルシエールの黒色のゴシックロリータの冷たい印象のドレスは白く優しい印象を与えるものへと変化していった。

 

 

 

 

みらい「傷が…治っていく…」

 

リコ「力が…湧いてくる」

 

ことは「はー…」

 

 

歌声を聴いていたみらい達の傷はたちどころに癒えていき、ソーラのボディも修復を完了していた。

 

 

ソーラ「すごい、太陽も出てないのにエネルギーまで回復した!!」

 

 

完全に力を取り戻したことを確認した四人は力強く頷きあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みらい・リコ「「キュアップ・ラパパ!! ダイヤ!!」」

 

その呪文とともに二人がモフルンの首のリボンに宝石をはめ込み、手を繋ぎあった。

 

みらい・リコ「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!!」」

 

すると虹色の光に包まれながら二人はそれぞれピンクと紫を基調にした派手な衣装に姿を変えていた。

 

 

ことは「キュアップ・ラパパ!! エメラルド!!」

 

タッチペンを取り出してエメラルドをセットしたスマホンにFの文字を書くとペンを一振りした。

 

ことは「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!!」

 

それと同時に呪文を唱えると、まばゆい光とともに現れた緑色の魔法陣とともに光の蔓がことはを包み込んでいった。

 

 

 

ソーラ「ソーラーエネルギーチャージ完了!!」

 

エネルギーが完全回復したソーラは両腕を頭の上でクロスさせ力の限り叫んだ。

 

 

 

ソーラ「モードプリキュア、ウェイクアップ!!」

 

掛け声とともに頭上で交差させた両腕を大きく開くと万華鏡のような幻想的な光のオーロラが発生し、ソーラはそれを身に纏った。

 

 

 

 

 

 

ミラクル「ふたりの奇跡!! キュア・ミラクル!!」

 

マジカル「ふたりの魔法!! キュア・マジカル!!」

 

フェリーチェ「あまねく生命に祝福を!! キュア・フェリーチェ!!」

 

 

「「「魔法つかいプリキュア!!」」」

 

 

 

 

「光り輝く太陽のかけら キュア・ソーラー!!」

 

 

 

 

 

 

続く


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