遠藤平和科学研究所
ラン「京香先生、お久しぶりです。あっ、すぐお茶入れますね」
京香「ありがとうランちゃん。ここは変わりませんね」
今に備え付けられているガラクタ… マイナスエネルギー検知器を見て京香先生は懐かしそうに呟いた。
遠藤「ホッホッホッ、散らかっててお恥ずかしい。で、話とは…」
その質問に京香先生は真剣な顔で話し始めた。
京香「はい、この前会った出来さんなんですが、覚えてらっしゃいますか?」
ソーラ「うん、もっちろん。一生懸命頑張ってる人だよね」
遠藤「うむ、わしも覚えとる。その子がどうしたんじゃ?」
京香「それが… ちょっと最近おかしいらしくて… 入院してるおばあさんの世話に来たお母さんから聞いたんですけど…」
なんでもこの十日ほど妙に情緒不安定なのだという。
やたら明るくハイテンションな朝を迎え、ニコニコしながら掃除や家族の弁当を作って、元気よく登校していく。
かと思ったら、だんだんと機嫌が悪くなって行き、ちょっと物音を立てたりしたことでも周囲に当たり散らし、じゃれついて来た妹をひっぱたくこともある。
そうやってイライラがピークに達した頃、またハイテンションになる。
そういったことを二、三日の周期で繰り返しているというのだ。
遠藤「なんじゃそれは… 何かきっかけみたいなことでもあったのか?」
京香「ええ、それが突然飛び出していった日に帰って来てからだと。ただ何があったかは言わないみたいで。気晴らしの方法が見つかったというだけで…」
ソーラ「? それならいいことだと思うけど、何かいけないの?」
キョトンとしたソーラに遠藤博士は難しい顔で話し始めた。
遠藤「…なんとなく親御さんや先生の心配しとる理由はわかる。 つまるところ変な薬に手を出しとるんじゃないかということじゃな」
京香「ええ、私も妙に思ってお母さんに頼んでこっそり彼女の髪をもらって調べて見たんです。髪の毛には兆候が出やすいので…」
ラン「結果は?」
京香「シロ…ということでしたが、検査に引っかかりにくいものもありますから一概にそうとは…」
遠藤「うーむ…」
皆がしかめっ面をしている中、どうも会話が理解できないソーラが手を挙げた。
ソーラ「しつもーん。薬って体を治すためのものですよね。それでなんでこんなに悩んでるんです?」
そのソーラのある意味正しい意見にどう答えるべきか頭を抱えることになった。
遠藤「あ〜、ややっこしい話じゃがな。確かに薬は本来体を治すためのものじゃし、今話しとる「薬」も元々は痛み止めや疲労防止のためのものじゃったんじゃがな…」
ソーラ「はぁ…」
京香「でも、なんともない人が使うと、過剰に効果がありすぎて痛みを感じなくなるとか、妙に頭がすっきりしたりするといったことになってしまって、それが快感になるのよ。 そしてだんだんとその快感から抜け出せなくなっていくの」
ソーラ「ふんふん」
京香「でも、もともと体そのものは健康だから薬を大量に何度も取り込むと体にもよくないどころか、壊してしまうの。そしてその苦しみから逃げようとまた薬に手を出す。そんな悪循環でやがて完全に体がおかしくなってしまうの」
遠藤「体だけならまだいいがな。副作用でだんだんと頭まですっきりするどころかおかしくなっていくこともある。やけに自分が偉くなったように感じたりして、平気で悪いことをしたりな」
二人の簡単な説明を聞いて、ソーラは絶句した。
ソーラ「そんな… そんな危ないものってみんな知らないんですか?」
その言葉に情けないというようにため息をついた。
遠藤「み〜んなわかってはおるんじゃがな。人間なんて弱いもんじゃ、苦しみから逃げようと安易に手を出してしまうこともある…」
どんよりとしてしまった空気の中、ランが必死になって話を切り替えた。
ラン「そ、そんなことよりも!! その出来さんだっけ、どうなったの?」
京香「あ、ああ。それなんだけどね。もしそんな薬に手を出してたりしてるなら、早く辞めさせてあげないと… 河内警部に相談しようかと思いましたけど、警察沙汰にしてしまうというのも…」
遠藤「なるほどな。しかしそれが本当に本人のためになるかというとな…」
どうしたものかと考えていると、ソーラがポツリとつぶやいた。
ソーラ「でも、そのクスリって変だね。ストレスを感じてる人をおかしくするってドラフターでも作ってるみたい…」
そこで全員がハッと思い当たった。
京香「まさか… この件にあの怪物が関係している!?」
遠藤「わからん。しかし本当に薬に手を出しているとして、アルバイトもしとらん中学生が簡単に買える代物ではないはず… 誰かにもらうにしても見返りもなしに配るまい」
ラン「じゃ、じゃあ…」
遠藤「無論、確証はない。マイナスエネルギー検知器も反応しとらんのじゃからな。ただ、可能性は否定できん」
遠藤博士がそう言い放った途端、ソーラが勢いよく飛び出そうとした。
ソーラ「あの出来さんを探しに行きます。あいつら許せない、あんな一生懸命な人を!!」
遠藤「待て、わしらも一緒に行く。放っては置けまい!!」
とりあえず車を飛ばして、出来さんの中学校まで行ってみた三人だったが、すでに時刻は夕方。
部活動の時間になっており、運動部で校庭はごった返していた。
遠藤「彼女の状況から勘案してクラブ活動などはしておらんじゃろう。まだ学校にいるとして何かの委員会じゃろうが…」
京香「事情を説明して校内に呼び出しをかけてもらいましょうか? ちょっと強引な理由をつける必要がありますが…」
自分たちは完全に部外者であり、校内に勝手に入っていくのはまずい。
なんとか理由を考えていたところ、
ソーラ「ねえねえ、ちょっと聞きたいんだけど…」
京香「ソーラさん!?」
遠藤「こういうところはあいつら譲りじゃな、全く」
いつの間にやらソーラが堂々と入って行き、ランニングをしていた男子生徒に質問していた。
「は、はい。なんですか?」
ソーラ「あ、あのね… 出来さんって人探してるんだけど。知らないかなぁ」
プラチナブロンドの髪に、透けるような白い肌。
ルビーのように光る赤い瞳。
こんな人間が学校に在籍して入れば嫌でもみんな知っている。
どう考えても部外者なことが丸分かりだったにもかかわらず、その男子生徒は多少顔を赤らめながらもペラペラと話し始めた。
「えっ、で、出来? あ、あぁ、俺、いや僕のクラスメイトなんですけど今日はもう帰りましたよ。なんかすごく機嫌が悪そうで委員会があるっていうのに、それも聞かずに飛び出して行きました。忙しいなら言ってくれたらよかったのに」
ソーラ「そう、どうもありがとう」
ニッコリと笑って礼を言ったソーラに、その男子生徒は元気よく答えた。
「い、いえ、どういたしまして!!」
そこに遠藤博士が慌てて飛び込んできてソーラの腕を引っ張り、学校から連れ出した。
遠藤「先走りすぎじゃ、あまり勝手にあちこち入ってはいかん」
ソーラ「でも出来さんはもうここにいないみたいですよ。大急ぎでどっかに行っちゃったって」
遠藤「ああ、わかった。とにかく街の中を探そう。彼女の自宅と学校を中心にして、どちらからも徒歩で行ける範囲を重点的にな」
とりあえず知りたかった情報は手に入ったため、遠藤博士は車を飛ばした。
京香「でもよく簡単に話してくれましたね。部外者に対しては注意するようにと、最近は学校でも口を酸っぱくして言われてるでしょうに…」
遠藤「ソーラは贔屓目なしに見てもかなりの美少女じゃからな。思春期男子の悲しいサガ、これも人の弱さじゃよ」
京香先生の疑念に、遠藤博士はぽつりと呟いた。
出来「ハアハア… もう限界、早くあれをもらわないと、イライラで頭がおかしくなりそう…」
日も沈みかけた頃、街中の裏路地で出来さんは肩で息をしてよろめきながら、誰かを探していた。
出来「いつもここで、この時間にいるって言ってたのに… どこに行ったの…?」
獲物を探すケダモノのように血走った目をして、あたりを見回していた出来さんの前に、ガリガリの男がどこからともなく現れた。
パーリ「ふふふ、いい感じに育ってきているようだな」
怪しい笑みを浮かべていたパーリだったが、今の出来さんにそんなものはどうでもよかった。
出来「い、いた!! 早く、早くあの水晶を!! 頭がおかしくなりそう!!」
なりふり構わず、すがるように飛びついてきた出来さんに、パーリは懐から真っ黒なクリスタルを取り出した。
パーリ「ほらこれだろう。相当ストレスが溜まっているようだね」
出来「そうですよ!! どいつもこいつも自分勝手ばっかり!! 死んじまえばいいんだあんな奴ら!!」
吐き捨てるように危険なことを言い出した出来さんは、待ちきれないというようにパーリの差し出したクリスタルを手に取ろうとした。
出来「ああ、これでまた頭がスッキリする。これは本当にすごい…」
ソーラ「待ちなさい!!」
そこに凛とした声とともにソーラが飛び込んできた。
出来「え? あ、あなたは!?」
パーリ「貴様…」
遠藤「な、なんじゃお主は…」
京香「すごく嫌な雰囲気が…」
あとを追ってきた遠藤博士と京香先生もパーリの醸し出すどこか得体の知れない感覚に、不快感を覚えていた。
ソーラ「あなた、出来さんに何をするの?」
パーリ「どうもせん。ただ、ストレスを解消させてやる代わりに見返りをもらおうと思ってな」
そう嘯くと、手にしていた黒いクリスタルを放り投げた。
出来「ああっ!!」
すると出来さんはボールを追いかける犬のように、転がっていったクリスタルを追いかけて行った。
遠藤「いかん!!」
京香「待ちなさい出来さん!!」
パーリ「ふん。人間なんぞ愚かなものだ」
ソーラ「黙りなさい!! このマイナスエネルギー… 私にだってわかる!! あなたがドラフターを!!」
パーリ「その通り。そして俺も知っているぞ、キュア・ソーラー!!」
そう叫ぶとパーリは飛びかかっていき、ソーラも負けじとクロムスティックを取り出して応戦した。
クリスタルを追いかけて行った出来さんは、何度も躓きながらもようやくそれを捕まえることに成功し、宝物のようにそれを大切に持ち上げた。
出来「や、やった… これは私のものだ。これがあればもう私は苦しむことも…」
遠藤「よ、よせ!! それを捨てるんじゃ!! それは危険なものじゃ!!」
そんな出来さんに遠藤博士はクリスタルを捨てるよう促したが、聞く耳を持たなかった。
出来「嫌よ!! これがあるから私は痛みも苦しみもなくなってまともでいられる!! ようやく私のものになったんだもの、誰が捨てるもんか!!」
京香「落ち着いて。ご家族も心配してるのよ、さぁ帰りましょう」
凄まじい形相で叫んだ出来さんをなんとか説得しようと、家族を引き合いに出した。
がそれは完全に逆効果だった。
出来「何よ!! 勝手ばっかりやった挙句、私の事さえ先生に押し付けたんでしょ!! あんな奴らが私を心配してるったって、召使がいなくなったってぐらいのことでしょ!!」
その叫びとともに力強く握り締めた手の中のクリスタルは、そのまま手の中に消えて行った。
それと同時に出来さんの全身から黒い蒸気のようなものが噴き出し始め黒い火花のようなものがスパークすると同時に、巨大な絵本に手足の生えたようなドラフターが誕生した。
ソーラ「ハアッ!!」
スティックで殴りかかったソーラだが、パーリはそれを受け止めてしまった。
とはいえ、かなりの鍔迫り合いになっており、お互いに身動きが取れなくなってしまった。
ソーラ「あなた!! 出来さんを元に戻しなさい!!」
遠方でドラフターが誕生してしまったことを感じ取ったソーラがそう詰め寄ったが、パーリは涼しい顔で返した。
パーリ「無駄だ!! コツコツとダーククリスタルのマイナスエネルギーを与え続けていたからな。あいつはストレスを多く抱えていたから簡単に依存するようになった。愚かな奴だ!!」
その言葉にソーラは完全に堪忍袋の尾が切れた。
ソーラ「許さない!! あんなに一生懸命な人を踏みにじって!! ううん、これまでも何人もの人を!! 先輩を!!」
怒りに任せてパーリを押し飛ばしたソーラだったが、パーリはニヤリと笑った。
パーリ「いいのか? 俺の相手などをしていて」
ソーラ「えっ?」
パーリ「あいつには少しずつマイナスエネルギーを与えていたと言ったはずだ。ドラフター化した今、すでに究極成長は目前だ。間も無くこの世界は暗黒に染まる!!」
そう高らかに宣言したパーリに、ソーラは慌てて雄叫びをあげている絵本ドラフターを見やった。
すると絵本ドラフターからは真っ黒な蒸気が溢れ出して周囲を闇で包み始めていた。
ソーラ「い、いけない!! 早くなんとかしないと!!」
それに気を取られたことで隙ができ、パーリはソーラを蹴り飛ばしつつ近くのビルの屋上へと大ジャンプした。
パーリ「さらばだプリキュア。俺たちの勝ちだな!!」
ソーラ「くっ、待ちなさい!! こんなことをして一体どうしようと…」
そう問い詰めるも、パーリは高らかに笑いながら姿を消した。
ソーラ「まずい、早くなんとかしないと…」
焦りつつもソーラはチラリと空を見上げた。
一刻も早くドラフターを浄化しなければならない。それはわかっているのだが…
ソーラ「太陽電池のエネルギーはチャージしてあるけど… もう夜になってるし…」
ソーラーエネルギーに不安があったソーラは飛び込むのに躊躇していたが、絵本ドラフターが一層大きな叫びをあげたことで覚悟を決めた。
ソーラ「〜!! 迷ってる場合じゃない!!」
迷いを振り切るように拳を握り締めると両腕を頭の上でクロスさせ力の限り叫んだ。
ソーラ「モードプリキュア、ウェイクアップ!!」
掛け声とともに両腕を大きく開くとソーラの全身は万華鏡のような幻想的な光のオーロラに包まれていった。
その光のオーロラを身にまとうかのようにすると、彼女は深緑のフリルのついた黒光りのするドレスのようなコスチュームに変身していた。
遠藤「い、いかん!! マイナスエネルギーを辺りに撒き散らし始めとる!! このままでは…」
絵本ドラフターから溢れ出るマイナスエネルギーの蒸気を見て、遠藤博士も慌て始めた。
京香「出来さん、お願い!! 正気に戻って!!」
だがすでに人としての意識が失われているのか、そんな言葉になど全く反応を返すことはなかった。
ソーラー「タァリャアアア!!」
そこにソーラーが気合とともに放ったドロップキックが炸裂し、絵本ドラフターは大きく蹴り飛ばされた。
そしてうまく着地したソーラーは絵本ドラフターに向かって堂々と名乗りをあげた。
ソーラー「光り輝く太陽のかけら キュア・ソーラー!!」
そんなソーラーに対して、イラついたように絵本ドラフターは猛烈なスピードで殴りかかってきた。
ソーラー「グアッ!!」
そのパンチは強烈で、ソーラーの体は一撃でアスファルトに埋まってしまった。
遠藤「ソーラ!!」
そうしてそんなソーラーに対して、何度となく絵本ドラフターはパンチを振り下ろしていった。
京香「一方的にやられている… なんて強さ…」
遠藤「い、いやソーラの方にも問題がある。とっくに日は沈んどるし、あやつの吐き出した黒い蒸気で周囲は真っ暗じゃ。これでは光線の、エネルギーの補充が効かん!!」
遠藤博士の懸念したことは、ソーラーが一番よくわかっていた。
ソーラー「まずい… なんとか変身できたけどとてもじゃないけど戦えるだけのエネルギーがない…」
事実、先ほど不意打ち気味に放ったキックでもいっぱいいっぱいであり、次々と振り下ろされてくるパンチには耐えるだけがやっとだった。
ソーラー「でもなんとかしないと、世界が暗黒に… そうだ!! あいつが少しずつマイナスエネルギーを蓄積したなら…」
ソーラーは一か八かにかけて微動だにしないまま攻撃を耐え、少しずつ全身にエネルギーを溜めていった。
ソーラー「お願い、間に合って… 究極成長仕切る前に…」
防御すらしないまま一方的に殴られ、踏み潰され、ソーラーはたちまちのうちにボロボロになっていったが、それでもエネルギーの集中を止めなかった。
そうしてソーラーを力任せに踏み潰すと、ついに絵本ドラフターが一際大きな雄叫びをあげ、一層巨大化し始めた。
京香「ああっ!!」
遠藤「いかん!!」
しかしそれと同時にソーラーのエネルギーもなんとかチャージが終わった。
ソーラー「く、喰らえ!! プリキュア・ブレストフラッシャー!!!」
その叫びとともに、ソーラーの上半身と横いっぱいに伸ばした腕から目も眩むような閃光とともに強烈なビームが絵本ドラフターの足元から上空に向かって発射された。
そうしてその一撃には究極成長寸前だった絵本ドラフターも堪らず浄化されてしまった。
ソーラ「な、なんとか… 間に合った…」
かろうじて勝利はしたものの、残されていたエネルギーを全て使い切ってしまったソーラもまた、変身解除してダウンしてしまった。
出来「あの… 私、帰ったって仕方ないんじゃ…」
憑き物が落ちたように元の落ち着いた性格に戻った出来さんは、京香先生につれられて自宅の前まで来たものの、入りづらそうにしていた。
京香「心配しないで、ご家族も心配してたんだもの。さっ」
優しく家に入ることを促され、覚悟を決めてドアを開けたところ、父親の怒声が響いて来た。
出来父「いったいどこに行っていた!!」
出来「ヒィッ!!」
思わず縮み上がってしまった出来さんだが、両親は彼女を優しく抱きしめてくれた。
出来父「心配したんだぞ」
出来母「ごめんなさいね。あなたってばなんでもできるから、つい押し付けちゃって…」
出来妹「お姉ちゃんおかえり」
その温かい言葉に、出来さんも涙を流し始めた。
出来父「その、すまなかったな。つい、私の感情を押し付けてしまって… リストラされてどこかイライラしてたんだな」
出来母「お父さんってば、昔から完璧主義者だから… あなたがあんなに辛かったなんて全然気づかなくて… ゆっくり話し合いましょう。これからどうするか…」
出来父「聞かせてくれないか。お前が本当にやりたいことを…」
出来「うん…」
そうして、京香先生や遠藤博士に丁寧に頭を下げ、出来さんたちは家の中に入って行った。
ソーラ「大丈夫かなぁ… そもそものストレスの原因はあの家族なんですよね」
遠藤博士に負ぶわれたままそれを見送ったソーラは、不安そうに呟いた。
遠藤「まあ、円形脱毛症ができるぐらいに追い詰められとったみたいじゃからな。わしも一抹の不安は確かにある」
ソーラ「じゃあ…」
京香「信じましょう。家族だからこそ支え合っていくことができると。信じあえる家族がいることが一番のストレスを解消する方法なんだって…」
その未来を信じる言葉に、ソーラもまた力強く頷いた。
ソーラ「そっか… そうですよね!!」
続く