ソードアートオンライン HANAlinkstart   作:零華〜幻〜

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〜新たな出会いと始まり〜

〜直葉side〜

私「お姉ちゃん…早く…目を覚まして…」

あれから毎日、午前中はキリトくんとGGOをプレイし、午後からお姉ちゃんのお見舞いと言う日々を繰り返している。

病院の先生からはもう意識が戻って話したりすることは出来ないと思った方がいいと昨日言われた。

お姉ちゃんとの面会をするには、身分証明書とタブレットによる指紋認証が必要になる。

この病院独自の防犯システムである。

もうすぐお姉ちゃんが倒れて意識が戻らなくなって2週間。

体もすっかり細くなって、強く握ったら折れてしまうんじゃないかというくらいになっていた。

お姉ちゃんの手を握りながら私は涙を流してしまった。

せめて、意識は無くても、お姉ちゃんの前で弱い姿を見せないって泣かないって決めていたのに、勝手に流れる涙が止まらない。

私「ねぇお姉ちゃん…一緒にまたゲームやろうよ…お姉ちゃんが好きそうなゲーム、キリトくんと見つけたんだよ…?」

私は溢れて止まらない気持ちを涙と言葉にして全て出した。

私「お姉ちゃんの帰りをみんな待ってるんだよ…?ずっとずっと待ってたのに…どうして…こんな…酷いよ…」

止まらない。止められない。

溢れてやまない気持ちを意識のないお姉ちゃんに対して吐き出していく。

私「まだ、お姉ちゃんと遊びたい…お出かけしたい、買い物にも行きたい…一緒に…行こ…うよ…!」

涙がポロポロと流れ落ちていく。

その涙がお姉ちゃんの手に落ちた時、意識の無いはずのお姉ちゃんの手に力が入った気がした。握り返してくれた気がした。

私「っ…!!」

私はすぐに病室を飛び出して看護師さんを呼んだ。

意識がもしかしたら戻るんじゃないか、少し戻って来たんじゃないか、そう思った。

しかし、看護師さんが見る限りではただの筋肉の反応というだけの話らしい。

私「なんだ…違った…んだ…」

それを聞いてその場で崩れ落ちた。

そうだ。意識が戻る可能性が低いんだから。

ずっと期待したって無理なんだよもう。

私「ごめんなさい。私の早とちりで…もう今日は…帰ります…」

そう言い、面会終了のボタンを押して病室から退室し、看護師さんにタブレットを返した後私は病院を後にした。

〜キリトside〜

リーファから現実でメールを貰い、GGOにログインした俺は、リーファをすぐに見つけたが様子がおかしかった。

俺「リーファ…?どうしたんだ?」

リーファから返事はない。

その代わりに無数の涙を流しているのが見える。

辛いのは分かってる。でも俺じゃ癒すことは出来ないだろう。そう思った時に1人きっと元気づけてあげられるであろう人物を思い出した。

俺「リーファ、少しだけ待っててくれ。」

そう言って1度ログアウトした。

ログアウトした後、俺が連絡したのはアスナだった。

〜アスナside〜

キリトくんから連絡を貰った私はリズ達に事情を伝えて急いでGGOにコンバートした。

駆けつけた時に見たリーファちゃんの状態は…

もうそのまま消えてなくなってしまうのではないかというくらいだった。

私「リーファちゃん…?」

リ「ア…スナ…さん…」

私に向けられた瞳には涙が溜まっていて、溢れても溢れても溜まり続けていた。

私はリーファちゃんを思わず抱きしめる。

遅れて再びログインして来るはずのキリト君がまだ来ない。

一体何をして…

?「さっきからリーファはこんな調子なんだ。さっきまでハナのお見舞いに行っていたはずなんだが…何かあったのか…?」

聞き覚えのあるキリトくんの声に振り返るとそこに立っていたのは女の子。

私「あの…どちら様ですか…?」

リ「…キリト…くん…」

私はその言葉を聞いて女の子を2度見…いや3度見した。

何故キリトくんはこんな女の子の姿になっているのか。

コンバートした時にバグが起きて性別が女の子になっちゃった?

はたまたキリトくんにそういう類の趣味があったのか…

キ「あのさ…アスナ変なこと考えてないか?w」

私「へ…?」

キ「ちゃんと性別は男のままだし、たまたまアバターがレアなものに当たっただけだよ…w」

そう聞いて、私は安心した。

キリトくんがバグで女の子になった訳でも、そういう類の趣味があった訳でもなかった。

私「よ、よかった…キリトくんがそういう趣味がある訳じゃなくて…」

キ「そ、そんな訳ないだろ!?wそれよりもリーファだ!」

私はハッとなりリーファちゃんの方へ向き直ると、リーファちゃんの顔には少し笑顔が浮かんでいた。

リ「今のやり取り見てたら…少し元気が出てきたよ…ありがとう!キリトくん、アスナさん!」

キ「お、おう…w」

少し複雑そうなキリトくんだったけど、それでもリーファちゃんが笑顔になってくれただけ良かった。

そう思っていると、後ろから2人組に話しかけられた。


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