ボクのモンハン見聞録!〜ただそれだけの、物語〜   作:リア充撲滅委員会北関東支部筆頭書記官

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ほのぼのパート突入!!

師曰く、「ほのぼのとは、それを壊す為の布石である。」
なんてことは無い!……かもしれない。

主人公がコレじゃなぁ。




閑話、森丘暮らしのアイルー!

 

にゃ〜。

 

おヒゲがビリビリするのにゃ〜。

みんなもそう言って、お家の中で震えてるのにゃ。

 

オトナ達からは絶対に外に出るなって言われてるけど、やっぱり気になるにゃ〜。今は誰も見てないし、ちょっと外へ行くくらいならバレないはずにゃ。

 

朝ごはん食べたにゃ。

歯も磨いたにゃ。

ハンカチ持ったにゃ。

寝癖も直したにゃ。

 

……本当に誰も見てないにゃ?

 

 

辺りを見回す。

……やっぱり他のみんなは家に籠りっぱなしにゃ。別にそこまで怖がらなくてもいいんじゃないにゃ?全く、度胸のないアイルーにゃ。

 

 

……まぁ、今は都合がいいから許してやるにゃ。

 

 

いないみたいにゃから、行ってみるにゃ〜。

 

 

 

ズウゥゥゥゥウウンン!!!

ゴゴゴゴ(ゴゴゴゴゴゴ)……

パラパラ…

 

 

痛っ!にゃ!

上から小石が落ちてきたにゃ〜。全く、酷い小石さんだにゃ〜。

 

って、そんなこと言ってる場合じゃにゃいにゃぁ!!

今のは何にゃ!?

爆音かにゃ!?何かが落ちたのかにゃ!?

 

なんか凄いことが起こってるみたいにゃぁ。

怖いにゃ〜……。

にゃ!?

いやいや、ぼくは勇敢なアイルーにゃ!この程度で怖気付いたりしないのにゃ!その証拠に……!

 

 

メキメキメキバキバキ……ズウゥゥゥン。

グルアァァァァァァアアアッ!!!

 

 

……。

 

違うにゃ。ぼくは勇敢であると同時に賢いのにゃ。

だからもう少し準備してから行くのにゃ。断じてビビった訳では無いのにゃ。断じて。

これは戦略的撤退にゃぁ〜!

 

でも、戻ろうとしたぼくの足は、そこで止まったにゃ。

 

 

……にゃ?

変な匂いがするにゃ?それも結構近い場所からだにゃ?

この匂い、血の匂いだにゃ〜。それもあの怖い……危険なブルファンゴが通せんぼして通れなくなった道の方からするにゃ!

にゃにゃ!これは確かめない訳にはいかないのにゃ!

 

でもその方向は丁度さっきの凄い音が聞こえてきたのと同じ方向にゃ。匂いの方が断然近いけど、それでもあんなのに近づくのは少し怖いにゃぁ〜…じゃなくて、慎重になったほうがいいにゃ〜。

 

というわけで、恐る恐る見に行くことにしたにゃ。

 

 

 

 

アイルー集落を抜けて、狭い道を通った先にあるのが、ブルファンゴが通せんぼしていた滝と川のある道にゃ。あそこではいい魚が獲れるから、ブルファンゴがいるせいで近づけなくてとても残念だと集落のみんなも言ってたにゃ。

 

やっぱり、近づけば近づくほど、血の匂いは濃くなって行くにゃ。それも、ブルファンゴの匂いもするにゃ。

 

にゃ〜。

誰か死んでるのかにゃ〜?

見たくないにゃ〜。

 

 

そんなことを考えにゃがらお魚のいる場所に行ってみると、そこには大きなブルファンゴが真っ赤になって倒れていたにゃ。完全に息はしてにゃくて、お腹がグチャグチャになってグチャグチャが飛び出してたにゃ。

 

にゃ〜……。

 

 

……。

 

 

はっ!?気を失っちゃダメにゃ!!

ぼくは出来るだけブルファンゴの死体を見ないように目をそらすにゃ。すると、その目をそらした先にもう一つ何かが倒れているのを見つけたにゃ。

 

布みたいなものが被さってなんなのかはわからにゃいけど、小さく上下に動いてるにゃ。

 

 

生きてるにゃ!!

 

 

正義感の強い勇敢なアイルーであるぼくは、それを見つけた瞬間、なんの迷いもなく助けに行ったにゃ。

布を被ったそれをひっくり返して、そもそもそれが何なのかを確認するにゃ。

 

にゃ〜。重いにゃ!

でもぼくは力持ちにゃ!このぐらいは出来るのにゃ〜!!

 

 

結局、ちょっと時間はかかっちゃったけどひっくり返すことに成功したにゃ。すると、布の中からその姿がこぼれ出たにゃ。

白い肌。青白い顔。体に毛は生えてなくて、鱗も無くて、ちょっとヘンテコな形をしているにゃ。

にゃん。早い話が人間にゃ。

 

でも、その体は傷だらけで血塗れで、何故か泣いた跡のように目からほっぺに血の軌跡が残ってるにゃ。

呼吸も弱々しくて、あれだけ動かしたのに目を覚ます様子もないにゃ。これは大変にゃ。

 

集落へ運んで薬を飲ませようと思ったけど、ぼく一人じゃとても運べないにゃ。だからと言ってぼく以外を呼ぼうとすれば集落の外に出たことがみんなにバレてしまうにゃ…。

 

 

にゃ。

 

 

もう一度、人間の顔を見るにゃ。

 

別に助けてあげる義理があるわけじゃないにゃ。助けなくちゃいけないわけじゃないにゃ。なのにぼくが怒られるのにゃ?

なら黙って放っておいたほうが……。

 

 

良いわけないにゃ!!

ぼくは正義感溢れる誇り高いアイルーにゃ!他者を助けるためには自分が多少の被害を被るくらいなんでもないのにゃ!お父さんもその方がモテるって言ってたにゃ……いや、それは関係ないにゃ。

 

それに、ブルファンゴが居なくなってお魚が取れるようになったことがわかったと言えば、それを発見した手柄として勝手に出かけた罰を帳消しにできるかもしれないにゃ。

にゃにゃにゃ、ぼくは計算高いアイルーにゃ!

 

にゃ〜。じゃあ呼んでくるにゃ〜。

 

 

 

結局怒られたにゃ…。

にゃにゃ!ぼくは小さい子供なんかじゃ無いにゃ!勇敢なアイルーにゃ!だから多少外に出たくらいどうってこと無いのにゃ!!

 

でも、結局みんなあの人間を運ぶのを手伝ってくれたにゃ。もしブルファンゴを退治したのがあの人間なら、お礼をしなくちゃいけにゃいからって言ってたにゃ。

 

にゃ〜。でも、あの人間なんでこんなところにいるのにゃ?ハンターさんというわけでも無さそうだし、凄いボロボロだったにゃ。

 

にゃにゃ!今はそれは良いんだにゃ。

 

それよりも、耳の尖ったお爺ちゃんから教えてもらった薬を作らなくちゃにゃ。

アオキノコあるにゃ。薬草あるにゃ。ハチミツあるにゃ。どれも最近外に出られなかったせいで鮮度がイマイチだけど、まあ使えないことも無いにゃ。

 

にゃんにゃ〜ん♪

 

薬草を煮詰めて煮汁だけを取り出すにゃ〜ん。相変わらず凄い匂いだけど今日ばかりはみんな文句は言えないはずにゃ。

 

煮汁が冷めるまで待っている間に、アオキノコをすり潰すにゃ〜。アオキノコの匂いはそんなに嫌いじゃ無いにゃぁ〜。

 

そしてハチミツにゃ。ハンターさんが捨てていったビンを洗った物に詰めておいたから備蓄はそこそこあるにゃ。

なんでそんなものを持ってるかって、その理由はバイトなのにゃ。

ハンターさんが狩りの最中に投げ捨てたりしたゴミやビンを集めて「ハンターズギルド」の人に渡すと、それの代わりにマタタビと魚の干物を貰えるにゃ〜。

だけど、ぼくは先見の明に優れる賢いアイルーだから落ちているビンの内うちのいくつかを洗って取っておいたのにゃ。

…そんなことはどうでもいいのにゃ〜。薬草の煮汁とすり潰したアオキノコを調合して、そこにハチミツをたらせば、あら不思議!「回復薬グレート」の出来上がりにゃ〜!

そんでもってぼくオリジナルのちょっと一工夫にゃ。これで完成にゃ。

 

後はこれをあの人間が飲んでくれるかだにゃ。

 

 

調合を終えて人間を寝かせてあるテントに入ると、そこには何か怖い表情をしたアシュレイさんがいたにゃ〜。怖いにゃ〜。

アシュレイさんはぼくの師匠で、この集落で唯一人間の言葉が喋れる凄いアイルーなのにゃ!ぼくも教えてもらってるけどまだ片言しか喋れないのにゃ。

 

アシュレイさんにどうしたのか聞いてみると、アシュレイさんはゆっくりと人間の右腕と左足を指差したにゃ。にゃん。人を指差しちゃいけないのにゃ〜。

 

にゃにゃっ!?

 

アシュレイさんの指した方を見てみると、そこには青くてゴツゴツして鱗に覆われた左足と、ゴワゴワして茶色い毛皮に覆われた太い腕があったにゃ。布に隠れていて全然気づかなかったにゃ。

 

それはどうみても人間のものじゃなくて……どちらかと言えば……、

 

 

モンスターのそれにゃ。

 

 

……でもそんなことより薬を飲ませる方が先にゃ。目を覚まして貰わないと事情も聞けないのにゃ。

 

そんなことを言ったらアシュレイさんに怖く無いのか?って聞かれたにゃ。そんなの近付いただけで突進してくるブルファンゴの方が怖……警戒すべき相手なのにゃ。

そう言ったら笑われたにゃ。にゃ〜!真面目な話にゃ!笑うところじゃ無いにゃ!!

 

目の前でそんなやりとりをしていたら、人間が僅かに動いたにゃ。そうだったにゃ。早く薬を飲まさないとにゃ。

でもそのためにはまず起きて貰わないとなのにゃ〜。

 

どうすれば起こせるかにゃ?

…アシュレイさんストップにゃ。ナチュラルに引っ叩こうとするんじゃ無いにゃ。怪我人にゃ。

 

こういう時は美味しそうな食べ物の匂いで釣るのが一番にゃ!

お肉を焼いてみるにゃ!

 

にゃんにゃんにゃんにゃん……♪

…まあ、こんなので釣れるほど人間は単純じゃ無いと思うけどにゃ。でもすぐに食べられるものを用意しておいた方が良いにゃ。

 

 

ガバッ…!!

 

 

 

………本当に起きたにゃ。

 





更新が遅れて申し訳ない。
もう一つの投稿作品の方に気をとられてしまって……。

「アイデア盛んにして、執筆未だ進まず。」

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