IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 ほのぼの回ですね。というよりギャグ要素を入れました。どこか覚えのあるネタがあるのは苦笑いで押し通して下さい。




コラボ5 抜錨!Build Up Fleet Girl's (5)

 

 ~起床~ 午前6時半

 

 牙也「ふああ……」

 

 牙也が起きて、現在の状況を思い出すのに数秒はかかった。辺りを見回して、やっと今の状況を理解する。

 

 牙也「そっか、昨日は鎮守府の子達に会って、数日ほどここに泊まらせてくれる事になったんだったな」

 

 ボサボサになった髪を掻きながら、牙也はベッドから這い出す。時計を見ると、午前6時半だった。

 

 牙也「ふああ……眠い」

 

 大欠伸をしながら寝室を出ると、

 

 箒「起きたか……ちょうど今から起こしに行こうかと思っていたが」

 

 先程まで朝の素振りをしていたのか、箒がソファに座り込んで汗を吹いていた。

 

 牙也「おはようさん。多分時間になったらあの子達が呼びに来るだろうし、早くシャワー浴びたらどうだ?」

 箒「そうだな、そうさせてもらおう。牙也も着替えて顔を洗ってこい」

 牙也「おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 五分後。

 

 

 コンコンーー

 

 牙也「ふああ……どーぞ」

 

 ガチャッ

 

 ??「失礼します!」

 

 元気な声で部屋に入ってきたのは、黒のセミショートの髪に白と青のセーラー服を着た中学生くらいの年格好の少女。牙也を見て素早く敬礼した。

 

 ??「特型駆逐艦一番艦、吹雪です!朝食の準備が出来ましたので、呼びに来ました!」ビシッ

 牙也「ああ、ご苦労様。悪いけど今箒はシャワー中で、カンナはまだ起きてこないんだ。もうちょい待ってくれるか?」

 吹雪「はい!」ビシッ

 牙也「それとそんな固くならずとも、いつも通りで良いよ。堅苦しいのは苦手なんだ」

 吹雪「え?で、ですが……」

 牙也「俺達はお前さんの上司じゃない。敬意を払われる謂れはないんだよ。気楽にしていてくれ、そっちの方が俺達としてはありがたい」

 吹雪「は、はあ……そこまで言われるのなら」

 牙也「おう」

 カンナ「ふああ……おはようございます」テコテコ

 

 とそこへ、ようやくカンナが起きてきた。

 

 牙也「おはよう、カンナ。洗面所で身嗜みを整えてきな、寝癖が酷いぞ」

 カンナ「ふぁい……」

 

 カンナは気の抜けた返事を返してフラフラと洗面所に向かい、

 

 

 ガツンッ!!

 

 

 ドタッ!!

 

 

 ガラガラガッシャーンッ!!

 

 

 箒「お、おい!大丈夫か!?」バタバタ

 

 盛大にやらかした。

 

 吹雪「だ、大丈夫でしょうか……?」アワアワ

 牙也「どうだか……吹雪、俺の代わりに様子を見てきてくれないか?俺だと覗きになりかねん」アタマカカエ

 吹雪「は、はあ……分かりました」

 

 

 この後箒と吹雪で洗面所の掃除を、牙也はカンナの治療を行った。

 

 

 

 

 ~朝食~ 午前7時

 

 影徳「いただきます」

 『いただきます!』

 

 午前7時。全員が揃って朝食を食べ始める。全員と言っても、この鎮守府は両手の指だけで足りる数しか艦娘がいないので、食堂は広く感じる程にがらんとしていた。とは言え人数が少なかろうと、食堂はいつも騒がしい。

 

 

 響「暁、人参残しちゃ駄目だよ。レディなら好き嫌いなんかないようにしなくちゃ」

 暁「わ、分かってるわよ!レディたるもの、好き嫌いがあっちゃいけないのよ!」

 夕立「と言いながら残すのが暁ちゃんっぽい」

 雷「暁!食べられないなら、私が食べさせてあげるわ!ほら、口開けて!」

 暁「なっ!?じ、自分で食べられるし!」

 

 

 電「んっ……んっ……ぷはぁ……吹雪ちゃん、牛乳をもう一本お願いするのです!」

 吹雪「え、まだ飲むの!?」

 睦月「電ちゃん、それで八本目にゃしい!いつもより沢山牛乳飲んでるよ!?」

 電「牛乳を沢山飲んで、箒さんみたいに早くなりたいのです!だから電は今日から今までより沢山牛乳を飲むのです!」ゴクゴク

 吹雪「箒さんみたいに……」ジー

 睦月「にゃしい……」ジー

 箒「?」ボヨンッ

 吹・睦『』サスサスペターン

 

 

 吹・睦『牛乳を飲もう!』ゴクゴク

 電「なのです!」ゴクゴク

 

 

 箒「……牛乳を沢山飲んだからって、すぐに大きくなる訳では……」

 カンナ「それ以上は言わぬが花ですよ、箒様」ゴクゴク←四本目の牛乳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牙也「うん、旨い。ありがとな、食事とかの世話までしてもらって」

 影徳「気にすんなよ。その代わり、色々手伝ってもらうからな」

 牙也「『働かざる者、食うべからず』だな、分かってるよ」モグモグ

 惣輔「へっへっへっ、工廠でこき使ってやるぜ……」グフフ

 影徳「あんまり余計な事させんなよ、一応客なんだからさ」

 惣輔「余計な事って何だよ」

 影徳「普通に考えて分かるだろうが鳥頭」

 惣輔「鳥頭の何が悪いってんだよ」

 影徳「いや別に悪いとか言ってねぇけど片栗粉全身に塗りたくるぞこの野郎」

 

 

 スパンッ×2

 

 

 牙也「飯の最中に唾吐き散らしながら喧嘩してんじゃないよ」

 影徳「……悪い」

 惣輔「お前のせいで客に怒られたし」

 影徳「なんで俺のせいなんだよ」

 惣輔「当たり前だろうがコラ、余計な事言いやがって」

 影徳「余計な事って何だよ」

 惣輔「何だとこのカキフライ頭が」

 影徳「カキフライの何が悪いってんだよ」

 惣輔「いや悪くねぇけどお前タルタルブッかけんぞこの野郎」

 

 

 ○龍拳!×2

 

 

 影・惣『』チーン

 牙也「黙って食え」ゴクゴク

 川内「むにゃむにゃ……夜戦……」ウツラウツラモグモグ←寝惚け状態でご飯食べてる

 牙也「……こいつはぶれないなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~仕事~ 午前10時過ぎ

 

 影徳「電、これお願い」

 電「なのです!」

 

 手際の良さを証明するかのごとく、執務室の机に山積みになった書類が影徳と電の見事なコンビネーションによって次々と片付いていく。

 

 箒「ほう……見事なコンビネーションだな、カンナ」

 カンナ「そうですね。深い信頼関係にあるのがよく分かります」

 

 箒とカンナはそれを微笑ましそうに見ながら、お茶菓子として出された煎餅を食べ、お茶を啜っていた。そして箒の膝の上には、

 

 

 夕立「ぽい……」zzz

 

 

 箒の豊満な胸に顔を埋めてお昼寝している夕立の姿があった。先程まで箒とカンナは、夕立と一緒に外で遊んでいたのだ。しっかりと箒を抱き締めて放さない姿は、まだ少し残っている幼さを感じとらせた。

 

 影徳「悪いな、夕立の世話してもらって。うちの艦娘の中で一、二を争う元気っ子で、たまにこうやって構ってもらいに来るんだよ」

 箒「こんなに幼い子が、前衛に立って戦っているのか……実感が沸かないな」

 影徳「まあそう思うのも仕方ないさ。様々ある世界で起きる出来事は、様々ある世界それぞれで違う。実感がないってのも当然だろ」

 カンナ「そうですね……色々な世界を私も見てきましたが、どこも違う形をした世界ばかりでした」

 影徳「そうだろうな。それで、どうだ?この世界に来ての感想は?」

 カンナ「……どこの世界も、必ず戦いが起きていました。勿論、この世界も。ですがどこの世界も、その世界特有の良さを持っています。ここもなかなか良い世界ではありますね」

 電「カンナちゃんはやっぱり、戦いは嫌いなのですか?」

 カンナ「はい……というよりも、戦って傷付く人達を見るのが嫌いですね」

 影徳「なるほど、ごもっともだ……」

 カンナ「ですが、牙也様達やあなた方には好感が持てますね。お互いを信頼し合って、平和の為に戦っておられるその姿……美しいです」

 影徳「あはは、なんか照れるな」

 夕立「うにゅ……ぽいぃ……」

 箒「おや、起こしてしまったか」

 夕立「ぽいぃ……もう少しだけっぽい……」モミッ

 箒「ふあうっ!?////ちょ夕立!どさくさに紛れて胸を揉むな!////」

 電「あ、夕立ちゃんずるいのです!電にもやらせるのです!」モミッ

 箒「電まで!?ちょ、二人共、助けてくれ!」

 

 

 

 

 影徳「そろそろ遠征に行った子達が帰ってくるな、埠頭まで迎えに行こう」

 カンナ「お手洗いに行ってきます」

 

 

 ↑という名目の逃走

 

 

 箒「薄情者共がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 この後二人が戻ってくると、散々胸を揉まれて轟沈した箒とやけにキラキラした電と夕立が戯れていたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~工廠~ 午前11時前

 

 牙也「おーい石動、この部品どこに置いとけば良いんだ?」

 惣輔「ああ、それはそこの作業机に置いとけば良いぜ」

 

 機械やら部品やら製作途中の物やらが散乱する工廠内を、牙也は惣輔に頼まれたパーツ等を持って慎重に動き回る。床に散らばった部品等を踏んづけて怪我でもしたら一大事だが、惣輔も牙也もお構い無し。

 

 牙也「ここで艦娘の艤装、だっけ?とか作ってんのか」

 惣輔「ああ、燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトを必要な量使って艦娘の艤装を作るんだ。ほっといてたらいつの間にか完成してるんだ、不思議だろ?」

 牙也「確かにな~、何をどうやったら武器になるんだか……」

 惣輔「知らね」

 牙也「つーか、お前今何を作ってんだ?」

 惣輔「よくぞ聞いてくれた!これは俺が長年n「あ、やっぱ長くなりそうだから良いや」最後まで言わせろよそこは!これはな、俺が開発した新しい艦娘専用の艤装、その名も『ベストシップドライバー』!」

 牙也「『ベストシップドライバー』?」

 惣輔「ほら、俺とエイトが変身する時にさ、ボトルみたいなのを使って変身してたの覚えてるか?」

 牙也「ああ、そう言えばそうだな」

 惣輔「これは分かりやすく言えば、艦娘達にもこの『フルボトル』を使えないかって事で作ったんだ!」

 

 惣輔はそう言って、自身が使うコブラフルボトルを牙也に見せる。

 

 惣輔「フルボトルはな、様々な成分を含んだボトルなんだ。これはコブラの成分を含んだコブラフルボトル。エイトが変身に使ってたのは蝙蝠の成分を含んだバットフルボトルだ」

 牙也「成分か……これ使って大丈夫な物なのか?」

 惣輔「大丈夫にする為のベストシップドライバーだぜ。ドライバーがフィルターの役割を果たしてくれるんだ」

 牙也「へぇ……ちょっと俺にも手伝わせてくれないか?」

 惣輔「ええ?ダメダメ、流用されたらたまったもんじゃねぇ」

 牙也「大丈夫大丈夫、流用はしないから」

 惣輔「流用『は』しねぇんだろ!?それ以外でなんかされるのは勘弁だ!」

 牙也「それにさ、『これくらい』の物なら、俺だって簡単に作れるぜ」

 惣輔「ほほう……今『これくらい』って言ったなお前……?それならこのベストシップドライバー、お前が一から作れるってのか?設計図見ずに」

 牙也「作ってやろうか?」

 惣輔「作ってみろよ……」

 牙也「分かった、なんなら賭けようぜ。設計出来たらお前今日の晩飯のおかず一品寄越せよ」

 惣輔「乗った。じゃあ出来なかったらお前がおかず一品寄越せよ」

 牙也「良いぜ……やってやらあ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから昼を過ぎて夕方5時過ぎーー

 

 

 川内「いや~、今日も特に何もなかったね~。夜戦したかった~」

 睦月「川内さんそればっかりにゃしい……」

 響「でもそれが川内さんだからね」

 

 本日の近海哨戒メンバーが戻ってきた。

 

 川内「皆無傷だし、工廠に艤装置いてから補給に行こうか」

 響「そうだね、ここからなら工廠の方が近いしね」

 睦月「睦月ヘトヘト~……」

 

 すると、

 

 

 

 

 

 牙也「よっしゃああああああああ!!」

 惣輔「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 工廠から叫び声が。

 

 川内「ん?今の叫び声……ソウさん!?」

 睦月「な、何かあったの!?」

 響「とにかく行ってみよう」

 

 

 

 

 

 

 

 その後川内達が工廠に着くと、何時間もかけてベストシップドライバーを完璧に完成させて狂喜乱舞してる牙也とそれを目の当たりにして崩れ落ちている惣輔の姿があった。

 その晩の夕食で、牙也は惣輔の煮物をごっそり頂いて満悦の表情をしており、惣輔は口から白い何かを出しながら真っ白に燃え尽きており、事情を知らない影徳達は首を傾げていたという。

 

 

 

 

 





 牙也「簡単に、とはいかなかったけど、ちゃんと完成させたぞコラァァァァァァァァァァァ!!」
 惣輔「畜生ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


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