IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 関係ない一言を。

 鍋食べたい。

 牙也「一人鍋か?」
 そうだな。意外と自由が効くから楽しいぞ。
 牙也「早く彼女作れよ」
 ……リア充爆発しやがれ。
 牙也「お前が爆発しやがれ」

 ……始まります(T_T)
 牙也「泣くなそれくらいで!」




コラボ4 Avenger's Girl(5)

 

 牙也「さて、行くぜ」

 箒「ち、ちょっと待て。何故わざわざ危険を犯してまでここに戻ってきたのだ?」

 

 亡国企業本部と思われるビルに戻ってきた三人だが、牙也が先々入っていこうとするのを箒は慌てて止めた。何故わざわざここに戻ってきたのかが分からないからだ。

 牙也「ああ……この世界の真実を知る為には、あいつから話を聞くのが一番だと思ってな」

 カンナ「あいつ……まさか」

 牙也「そう言う事だ。この世界で何が起こっているのか、それを知る鍵はーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紅星椿だ」

 

 

 そう断言して、牙也はビルに向かっていく。

 箒「あ、ちょっと待て!危険だぞ!」

 カンナ「その通りです、牙也様。ここはあの黒コートの本拠地とも言える場所、下手に飛び込んでは……」

 牙也「だがあいつから話を聞かない限り、この世界の真実を知る事は出来ない。『虎穴に入らずんば虎児を得ず』ってな」

 カンナ「ですが……」

 牙也「心配か?大丈夫さ、あれがあるからな」

 牙也はそう言って「へへっ」と得意そうに笑みを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 椿「……」

 椿はビルのエントランスにいた。早くに牙也達の気配を察知し、エントランスに出てきていたのだ。そして煉獄刀・紅蓮とコルトガバメントM1911を抜いてエントランスの中央に仁王立ちして待っている。

 椿「……奴等が来たという事は、どうやら傷は癒えたようだな。今度こそ奴等を叩きのめしてくれよう……」

 銃のリロードを済ませ、紅蓮には既に太刀の如きエネルギーを纏わせ、最初から全開で行こうとしている様子が窺える。

 椿「しかし妙だ……一つの世界に同一人物がいるなどとある訳がない……一体奴等は何者だ……?」

 牙也「俺達は、この世界出身だ。ただし、こことは違う未来を歩んだ世界だがな」

 椿「そうか……つまり別世界から来たという事か。にわかに信じがたい事だが……」

 箒「まあそう言う事だ。それにしても、お前に何があったかは知らんが……随分と暴れているようだな」

 椿「まあな……私には果たさなくてはならない事がある……それを達成する為には、この命など……」

 カンナ「命を賭けてまで果たしたい事なのですか……?」

 椿「その通りだ。あいつだけは……あいつだけは、私の手で……」グッ

 椿は固く拳を握り締める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牙・箒・カ『随分と決意が硬いな(のだな)(のですね)』ウンウン

 

 椿「貴様等いつから話を聞いていた!?というかいつの間に後ろにいた!?」ガビーン

 いつの間にか背後に突然現れた三人に、慌ててツッコミを入れる椿。だが三人はそんな事気にもせず、

 牙也「なるほど、お前の目的はつまり『復讐』か?」

 箒「それはまたとんでもない事を……」

 カンナ「それほどに憎いのですか?」

 椿「さらっと私の質問をスルーするな!!」ウガー

 さりげなくスルーして話を進めていく。

 

 牙也「まあ茶番はこれくらいにして……クラック開いてお前の背後に回ったのさ」

 そう言って牙也は、自分達の後ろに開いたクラックを指差す。

 椿「ちっ、私でも気づけないとは……」

 牙也「気配消すのは得意なんでね」

 椿「……まあ良い。貴様等には色々聞きたい事があったからな、そちらから出向いて来るとは大助かりだ」

 牙也「奇遇だな、俺達もお前に聞きたい事があるんだよ」

 椿「そうか。ならば……」ビッ

 椿が後方に何か合図を送ると、

 

 

 ビシッ

 

 

 箒「ぐっ!?」

 カンナ「うっ!」

 

 突然箒とカンナが気を失って倒れ込んだ。

 

 牙也「二人tーー」

 

 

 ビシッ

 

 

 牙也「がっ!?」

 

 そして立て続けに牙也も気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 椿「すまないな、スコール、オータム、マドカ、セシリア。手間をかけた」

 三人が気絶したのを確認して、椿は先ほど名前を挙げた四人に頭を下げた。

 スコール「良いのよ、これくらい。それで、この子達はどうするの?」

 オータム「あたしとしては、始末するのが一番だと思うけどな」

 マドカ「どうするんですか、師匠?」

 椿「……個人的に、少し聞きたい事があるからな。マドカ、私の部屋に運ぶのを手伝ってくれないか?」

 マドカ「あ、はい!」

 椿は牙也と箒を肩に背負い、マドカはカンナをおんぶして行ってしまった。

 セシリア「……」

 スコール「気になるの、オルコット嬢?」

 セシリア「え?あ、はい。私も気になる事が……」

 スコール「それなら貴女も行ってきなさい。走れば追い付くでしょう」

 セシリア「あ、ありがとうございます」

 スコールに諭されて、セシリアは椿達を追いかけていった。

 

 オータム「……どう思うよ、あの三人」

 エントランスに残ったオータムがスコールに聞く。

 スコール「どう思う、とは?」

 オータム「いや……あいつの話じゃ、ガキの方と互角に戦ったって聞いたからな。相当の手練れなのは分かったが……あのガキ、スコールは敵だと思うか?」

 スコール「どうかしらね……でも先に手を出したのは彼女だって言うじゃない。それで彼女と互角だなんて……にわかには信じられないけど、敵に回したら厄介なのは分かるわ」

 オータム「しかも異世界だぜ、異世界!信じられねぇよ!」

 スコール「そうねぇ……まあ私達の邪魔をしないならそれに越した事はないわね」

 ひとまず牙也達の事は椿に任せる事にしたスコール達であった。

 

 

 三人称side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 箒side

 

 

 ゆっくりと目を開けると、見覚えのある建物の天井が見えていた。檜で作られた屋根と天井、そして私が今寝転んでいるであろう床の木の感触。間違いなく篠ノ之神社に建てられた剣道場だ。だがいつもと違う光景である事に私はすぐに気づいた。何故か剣道場の中は異常に暑く、辺りからパチパチと音がする。体を起こそうとするが、何故か起き上がれない。不思議に思って自分の体を見た時に、私は恐怖に襲われた。

 

 

 

 

 

 

 

 私の胸辺りに大きく穴が空いており、夥しい程の量の血が流れていた。

 「!?」

 辺りを見回すと、剣道場は火の手が上がっており、今にも倒壊しそうになっていた。剣道場の扉は破壊されており、そこには学園の制服を着てISを纏った女子生徒数人の姿が見える。女子生徒達は火の手が上がる剣道場を見て高笑いを上げていた。

 

 生徒『アハハハハ!!これは報いよ!あんたが正昌君の心を傷付けた報いなのよ!』

 

 (正、昌?誰だ、そいつは?私はそいつに、何か恨まれるような事をしたのか?)

 そんな私の疑問にその生徒達が答える筈もなく、生徒達は私をその場に残してさっさと行ってしまった。私は必死になって逃げようとするが、床に張り付いたかのように体が動かない。そうこうしていると、

 

 

 バキバキバキイッ!!!

 

 

 剣道場は遂に倒壊し、天井が私に向かって落ちてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 そこで、私の意識はまた途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……はっ!?」ガバッ

 

 飛び起きると、私はどうやらベッドの上に寝かされていたようだった。ベッド周りを見回すと、私の隣にカンナが寝かされ、少し離れたソファには牙也が寝かされていた。

 (今の夢は……まさか、この世界の私の記憶……?まさか、この世界の私は既に……?)

 そんな事を考えながら、私はベッドから降りて部屋をうろつく。と、

 「これは……?」

 おもむろに机の上に置かれた写真立てが気になって、手に取ってみた。そこに写っていたのは、

 

 「私と一夏のツーショット写真……?何故ここに……?」

 

 一夏と私が写った写真だった。これに私は違和感を覚えた。

 (この世界の私は、恐らく既に死んでいる……なのに、何故これがここにあるのだ……?)

 気になってその写真をじっと見つめていると、

 

 

 

 

 

 キイイイイーー

 

 

 

 椿「ふう……やはりシャワーはさっぱりす、る……な…………」

 

 

 

 

 え?…………え?

 

 

 

 

 椿「…………やらかしたか」

 

 

 

 浴室から出てきた人物を見て、私は絶句しか出来なかった。髪は白髪で腰辺りまで伸びており、目は血の如く紅であったがーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 箒「わ……私…………なのか……?」

 

 

 

 

 その姿は、紛れもなく私だった。

 

 

 

 

 箒side end

 

 

 

 

 

 

 椿「…………やらかしたか」

 

 浴室から出てきた為にタオル一枚という格好の椿は、そう言って頭を抱えた。そこに、

 

 ガチャッ

 

 セシリア「箒さん、三人のご様子……は…………」

 

 セシリアが部屋に飛び込んできた。が、その現状を見てセシリアも絶句した。箒が二人もいるのだから。

 箒「セ、セシリアまで……何故ここに……!?」

 

 

 牙也「う……ううん……」

 カンナ「うみゅう……?」

 

 と、さらに不味いタイミングで牙也とカンナも目を覚ました。

 箒「牙也!お前はそのまま目を閉じろ!」

 牙也「へ?」

 箒「目を閉じろ!そして絶対に後ろを向くな!」

 牙也「……何の事かは知らんけど、箒がそう言うなら……」

 渋々了承して、牙也は顔を伏せる。

 箒「早く服を着ろ。後で全て話してもらうぞ、お前達二人の事を」

 椿「……っ、分かった」

 セシリア「……承知しました」

 

 

 

 

 





 コラボして下さる作者さん、引き続き募集中です。


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