IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 今回は箒視点のみです。


 結構早歩きですが、楽しく読んでいただけると幸いです!


侵食者、出陣
第5話 IS学園ノ箒


 

 

 

 箒side

 

 私は今、高等学校の教室の中にいる。ただし、ここは普通の高等学校とは違い、IS操縦者を育成する『IS学園』というところだ。東京湾の人工島に建てられた学園で、ここにはIS操縦者、もしくは整備士の資格を取ろうとするために世界中から多くの少女達が集まる。最も、彼女達にはそれ以外にもここへ来るための目的があるがな。今年は特にそれが顕著に表れている。ん?目的とは何かって?

 それは――――――

 

 

 

 

 

 ??「織斑春輝です。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 こいつだ。今自己紹介した織斑春輝という人物がいるからだ。なぜどこにでもいそうな者がここまで注目を集めるのか。その理由は二つある。

 まず一つは、その名字。「織斑」という名字、分かる人なら分かるだろうが、織斑春輝は世界最強(ブリュンヒルデ)の称号を持つ織斑千冬さんの家族なのだ。ただ、それに気づいている人がこのクラスに一体何人いるかは分からない。

 しかし、一番大事なのはもう一つの理由だ。ここまで注目される理由、それは―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そいつは、『世界唯一の男性操縦者』である事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 春輝「以上です!」

 ドガシャーーーーーーーーーン!!

 

 あ、クラスの女子の大半がズッこけた。

 

 

 ??「お前は自己紹介もまともに出来んのか!?」

 バキャッ!!

 おかしいな、今出席簿から鳴らないはずの音が聞こえたような………………

 

 春輝「げえっ、張遼!?」

 千冬「誰が泣く子も黙る張遼だ!?」

 バキャッ!!

 本日二回目。もう慣れてきている私がいる。

 

 千冬「すまないな、山田先生。HRを任せてしまって」

 真耶「いえ、大丈夫です。会議は終わったみたいですね」

 千冬「ああ、ここからは私が引き継ごう」

 そう言って千冬さ―――――織斑先生は教壇に立った。

 

 千冬「諸君、私がこのクラスの担任となった織斑千冬だ。私の仕事は、お前達15歳を16歳にすることだ。分からない事や苦しい事があるだろう。道に迷ってしまう事もあるだろう。そんなときは、何時でも私のところに聞きに来い。そして、つまらない事でつまづきたくなければ、私の言うことははいかyesで答えろ、いいな?」

 

 理に叶っているな、と思う自分がいた。

 

 

 春輝「ち、千冬姉が担任!?」

 千冬「ここでは織斑先生だ!」

 バキャッ!!

 三回目。春輝よ、お前「学習」という文字を忘れたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、織斑先生の自己紹介に対してクラスの大半が凄まじい大歓声をあげて、お祭り騒ぎになった。ああ、耳がまだキンキンする。こんなところに私は三年間も通わなければならんのか………………はあ。

 

 

 

 

 ??「ほーちゃん、大丈夫?」

 すると、クラスメイトの布仏本音が話しかけてきた。

 「ああ、大丈夫だ。すまないな、気にさせて」

 本音「もーまんたーい。友達でしょー」

 友達…………か。私は姉の影響もあって、あちこちを転々としていたから、友達なんてなかなかできなかった。友達と言える人と言えば、一夏や鈴、牙也くらいだ。彼女に会ってそう時間が立っているわけではないが、「友達」と言われるのはとても嬉しかった。

 本音「あ、それとかいちょーから伝言だよ。『放課後に生徒会室まで』だって」

 「会長が?そうか、分かった」

 

 キーンコーンカーンコーン…………………

 

 本音「あ、チャイムだ。ほーちゃん、また後でね」

 「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからひと悶着あった。織斑先生の授業の時にクラス対抗戦に出場するクラス代表を決めたのだが、クラスの大半が春輝を推薦した事に、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットが反発。春輝と言い合いになり、織斑先生の提案で一週間後模擬戦で代表を決めることになった。片や長年ISを動かしており、実力は十分あるであろう代表候補生。片やほとんどISを動かした事が無いが、今世界から注目を集めている世界唯一の男性操縦者。まさに注目のカードだ。

 そんなこともあって、疲れに疲れたまま、気付けば放課後になっていた。

 

 

 

 私は今、本音の伝言を受けて生徒会室に向かっていた。IS学園の生徒会長には一度会った事がある。牙也と共にクラックを探していたとき、クラックが開いたという報告を受けて向かった場所がたまたま会長の実家だったのだ。そこに出現したインベスを会長や会長の妹、従者達と協力して撃破し、なんとか事なきを得たが、アーマードライダーやクラックについて説明を求められた。そこで、会長の実家が対暗部用暗部の家系であることを知った。

 そして会長の提案で、アーマードライダーである牙也と私、会長の実家、IS学園の理事長、織斑先生、そして姉さんは会長の家を通じて対インベスに関して協力関係となった。形としては、姉さんがクラックの出現を察知し、それを会長に伝える。そしてアーマードライダーの私達が動く、というのが基本的な流れになった。

 理事長や織斑先生とも関係を結んだのには訳がある。実は、ここ最近IS学園でもクラックらしき歪みが確認されるようになったのだ。インベスの出現情報は確認されなかったが、裏情報でこの事を知り危険性を考えた学園の理事長が織斑先生と共に協力を申し出たのだ。

 今回の会長からの呼び出しも、インベスの一件の事だろう。そう考えていると、いつの間にか生徒会室の前であった。私は、意を決してそのドアをノックした。

 

 

 

 

 コンコンコン――――――

 

 

 ??『入って、どうぞ』

 

 

 キィ―――――――

 

 

 「失礼します。篠ノ之箒、参上しました」

 

 

 すると、そこには―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一夏「久しぶりだな。箒」

 

 牙也「来たか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前の想い人の一夏と、今の想い人の牙也が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 箒side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 次は、やっとあの人達が登場です!


 お楽しみに!

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