IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 この話で現れたインベスは、モンハン4登場の『ゴア・マガラ』を思い浮かべて下さい。




第30話 飛龍ノ咆哮

 三人称side

 

 箒「くっ、不味いな……皆は先に戻れ!ここは私が殿を努める!」

 鈴「ちょっと、一人じゃ無茶よ!」

 セシリア「そうですわ!ここは私達がーー」

 箒「馬鹿言うな!インベスとISの融合体がどれだけ危険かは、皆も分かっているだろう!?」

 ラウラ「篠ノ之の言う通りだ。とにかく、私達はこの海域から離脱するぞ」

 シャルロット「そうだね。私達じゃ足手まといだよ」

 ラウラの言葉に、シャルロットも賛成する。

 鈴「……っ、箒!」

 箒「なんだ?」

 鈴「……死ぬんじゃないわよ!」

 箒「無論、承知の上だ!変身!」

 

 《マスカット》

 

 《ロック・オン!》

 

 《ハイー!マスカットアームズ!銃剣!ザン・ガン・バン!》

 

 箒「行け、皆!牙也達にもこの事を知らせてくれ!」

 

 ヒガンバライナーに飛び乗った箒は、内蔵された対インベス用マシンガンで巨大な龍のインベスーー福音インベスと名付けるかーーを攻撃する。

 

 ラウラ「全員撤退!」

 鈴「あんた、ナターシャさんをセシリアに渡しなさい!」

 春輝「はいはい、分かったよ!」

 鈴「セシリア、『ストライク・ガンナー』で先に戻って!」

 セシリア「分かりましたわ!皆さんもお気をつけて!」

 春輝「頼んだよ!」

 セシリアはナターシャを背負い、超高速で海域から離脱した。

 シャルロット「私達も撤退しよう!」

 千冬『ボーデヴィッヒ、どうした!?何があった!?』

 ラウラ「教官、聞こえますか!?こちらラウラ!非常事態です、福音がインベス化しました!」

 千冬『何!?全員無事なのか!?』

 ラウラ「今は全員無事で、撤退の為に篠ノ之が殿を担当しています!急いで救援を!」

 千冬『分かった、すぐに牙也と私が向かう!お前達はその海域から急いで離脱しろ!』

 ラウラ「了解!皆、撤退だ!」

 

 

 

 

 

 千冬「くそっ、最悪の事態だな……!牙也は何処だ!?」

 牙也「はいはい、ちゃんとここにいますよ」ヒョコッ

 大広間の窓から牙也が顔を出した。

 牙也「通信の内容は把握してますから、急いで向かいましょう。ヒガンバライナーは既に準備してます」

 千冬「よし、山田先生!ここの指揮権を一旦預けるぞ!」

 真耶「分かりました。お気をつけて……!」

 千冬は牙也と共にそれぞれの持つヒガンバライナーに飛び乗った。

 

 牙・千『変身!』

 

 《ブルーベリー》

 

 《オレンジエナジー》

 

 《ミラベルエナジー》

 

 《ロック・オン!》

 

 《ミックス!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell・Stage!ジンバーオレンジ!ハハァーッ!》

 

 《ソーダァ!ミラベルエナジーアームズ!Light Load!Light Load!Li-Li-Li-Li-L-L-L-L-Light!》

 

 そしてブースターを全開に吹かせて箒の元へ急いだ。

 

 シュラ「最悪だな」

 轡木「そうだね。こればかりはそうとしか言えないよ」

 シュラ「すまないが、ちょっとヘルヘイムの森に戻る。こうなった以上、我が不干渉と言う訳にはいかん」

 轡木「分かったよ、気をつけて」

 

 シュラはクラックを開き、ヘルヘイムの森へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 箒「ハアッ!」

 ヒガンバライナーを操り、海上を縦横無尽に駆け巡る箒。福音インベスに隙を見つけてはマスガンドやヒガンバライナーから銃弾を放って攻撃する。福音インベスも負けじと火炎球を放って箒を撃ち落とそうとする。が、決定打はまだお互いに出ていない。

 箒「ええい、らちが明かん!それなら……!」

 

 《ブドウエナジー》

 

 《ロック・オン!》

 

 《ミックス!マスカットアームズ!銃剣!ザン・ガン・バン!ジンバーブドウ!ハハァーッ!》

 

 箒「食らえ!」バババババンッ

 

 ジンバーブドウアームズにフォームチェンジして射撃能力を強化し、さらに福音インベスに攻撃する。今度は先程よりも効いているのか、福音インベスが攻撃する毎にのけ反り怯み始めた。

 

 牙也『箒、聞こえるか!?牙也だ!今千冬さんと共にそっちに向かってる!』

 すると、牙也から通信が入った。

 箒「こっちは大丈夫だ!どれくらいで合流出来る!?」

 千冬『急いで10分だ!それまで持ちこたえろ!』

 箒「了解!」ピッ

  (一先ず牙也と千冬さんが合流するまでは、インベスの牽制に全力を尽くそうか。私がなんとしても、こいつを足止めしなければ……!)

 箒はマスガンドの乱射で福音インベスを牽制し続けるーー。

 

 

 

 

 

 一方牙也と千冬はーー

 牙也「一先ずセシリアと福音搭乗者の無事は確認出来ましたね」

 千冬「うむ。凰達は大丈夫か……?」

 鈴・シ・ラ・簪『織斑先生(教官)!』ゴオッ

 千冬「皆無事か?」

 鈴「私達はなんとか」

 先に離脱したセシリアとナターシャの無事を確認した後、今度は鈴達と合流して無事を確認した所であった。

 ラウラ「今篠ノ之がインベスを抑えてくれています。教官、後の事はよろしくお願いします」

 シャルロット「篠ノ之さん一人じゃあれはきついよ……牙也さん、急いで下さい!」

 牙也「任せろ、皆はこのまま旅館に戻って待機していてくれ」

 千冬「む?お前達、織斑の姿が見えんが……」

 鈴・シ・ラ・簪『え?』キョロキョロ

 全員が辺りを見回すが、確かに春輝の姿が見えない。

 

 鈴「え!?あいつ何処に消えたの!?」

 簪「でも、離脱する時は一緒だった……」

 シャルロット「撤退中に誰かが攻撃を受けた訳でもないですし……」

 ラウラ「まさか奴め、途中でこっそり抜け出してUターンしたのか……!?」

 牙也「あの馬鹿……!先に向かいます!」ゴオッ

 牙也は慌ててヒガンバライナーを操り、福音の元へ急いだ。

 千冬「すまない、家の愚弟が迷惑をかける……とにかく、ボーデヴィッヒ達は戻れ!春輝は私達が連れ戻す!」ゴオッ

 千冬もヒガンバライナーを操り、牙也を追いかけた。

 ラウラ「教官、お気をつけて……!」

 四人は牙也達の無事を祈った。

 

 

 

 

 

 

 箒「ハァ……ハァ……ハァ……タフだな、こいつ……!」

 福音インベス『グルルルルル…………!ガアッ!!』

 箒「っ!」ゴオッ

 箒は追い詰められていた。マスガンドの射撃に耐性がついたのか、福音インベスは怯まなくなり、逆にその巨大な翼脚を振り回して箒に襲い掛かる。

 箒「くそっ、ここで倒れる訳には……!」

 

 《バナナエナジー》

 

 《ロック・オン!》

 

 《ミックス!マスカットアームズ!銃剣!ザン・ガン・バン!ジンバーバナナ!ハハァーッ!》

 

 《ジンバーバナナスパーキング!》

 

 ジンバーバナナアームズにフォームチェンジして、ロックシードを三回切り、マスガンドを上段に構える。マスガンドの銃口からエネルギーが噴出してマスガンド全体をコーティング。さらに、それがエネルギーの刃を形成して長刀のようになる。

 

 『グアアアアアアアア!!!』

 

 福音インベスがスラスターを吹き、翼脚を振り回して箒に襲い掛かる。限界までエネルギーを噴出させる事でその長さが4倍にも5倍にもなったマスガンドを構え、

 箒(まだだ……ギリギリまで引き付けろ…………ここだ!)

  「だああああああっ!!」ザンッ

 

 『グガアアアアアア!!!?』

 

 攻撃を外さないギリギリのタイミングでマスガンドを振り下ろし、福音インベスを叩き斬った。斬られた箇所から火花が散り、福音インベスは大きく吹き飛んで海に落ちていった。海から大きな水飛沫が上がり、やがて何も見えなくなった。

 箒「ハァ……ハァ……ハァ……やった……のか……?」フラッ

 箒は力が抜けて、ヒガンバライナーの座席にへたり込んだ。

 箒「ハァ……ハァ……ふう……。後は、福音を回収してーーっ!?なんだ!?」

 突然海から眩い光が発され、

 

 

 

 ザッパアアアン!!

 

 

 

 箒「っ!あれは……!?」

 先程福音インベスが落ちたのと同じ場所から巨大な水飛沫が上がり、先程の福音インベスが現れた。しかし良く見ると、福音の形状が異なっている。全身からエネルギーの翼のような物が生え、それが翼脚を覆っている。

 箒「さっきの福音と違う……?まさか、インベスの状態から第二形態移行したのか!?」

 

 『グアアアアアアアア!!!』

 

 福音インベスは、翼を覆うエネルギーの翼を弾丸のようにして箒に放った。

 箒「くそっ、なんとかーーっ!?」ガクンッ

 しかし、先程の戦いの疲れが一気にやって来たのか、体が動かせない。

 箒「しまっーーぐあああああっ!!」

 エネルギー弾は箒とヒガンバライナーに全てヒットし、ヒガンバライナーは完全に破壊され、箒も爆風に吹き飛ばされて変身が解除された。

 箒「が…………はっ……!」

 飛行手段を失った箒は海に向かって落ちていく。

 

 

 

 

 

 

 牙也「間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ゴオッ

 

 

 

 

 

 

 が、なんとかそこへヒガンバライナーに乗った牙也が突っ込んで、箒を回収した。そのまま牙也は福音インベスから離れていく。

 牙也「箒、しっかりしろ!」

 箒「ゴホッゴホッ……!すまない、牙也……やられて、しまった……」

 牙也「今は喋るな、箒。本当にすまん、救援が遅れちまって……」

 千冬「牙也!篠ノ之は無事か!?」ゴオッ

 牙也「さっき福音に撃墜されて、この有り様です。相当強いですよ、あのインベス」

 箒「千冬、さん……すみません……」

 千冬「くっ……やむを得ん。一旦戻るぞ、怪我人を乗せたまま戦えはしない」

 牙也「それが妥当ですね。急いd春輝『うおおおおおお!!』この声……!?」

 

 

 

 

 春輝「こいつを倒すのは、僕だぁぁぁぁぁ!」

 

 

 

 

 何処からか春輝が現れ、福音インベスに攻撃を仕掛けた。が、インベスは難なくそれをかわす。

 牙也「あの脳筋め……!」

 千冬「春輝は私が責任持って回収する!牙也は先に戻れ!」

 牙也「了解!インベスの攻撃に気をつけて!」

 牙也は箒を乗せて、旅館へと急いだ。

 千冬「インベスよ、貴様の相手は後日だ……意地でも帰らせてもらうぞ!」ゴオッ

 千冬はブースターを吹かせてインベスに突っ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 真耶「皆さん、無事でしたか!」

 海岸では、無事に帰還した鈴達が真耶に出迎えられていた。

 鈴「ただいま戻りました!」

 シャルロット「山田先生、ナターシャさんは!?」

 真耶「今仮設の医務室で寝ています。体に異常はありませんでしたから、もう大丈夫ですよ」

 簪「良かった……」

 真耶「あれ?ところで、織斑君は?」

 ラウラ「撤退の途中ではぐれてしまいました。恐らく、単独行動を起こして福音の元へ戻ったのかと」

 真耶「えぇ!?だ、大丈夫なんですか!?」

 セシリア「織斑先生と紫野さんがおられますし、大丈夫だとは思いますが……」

 

 牙也「おーい!!」

 

 そこへ、牙也が降り立った。

 真耶「紫野さん!」

 鈴「もう戻ってーーって、箒!?」

 牙也「救援が間に合わず、福音に撃墜されたんだ……すまない。とにかく、箒の治療を頼むぞ!俺はまた向こうに戻る。千冬さんでもあのインベスは苦戦してるだろうからな」

 真耶「分かりました!」

 真耶が箒を背負って旅館に戻っていく。すると、牙也のヒガンバライナーに通信が入った。

 

 千冬『牙也、聞こえるか?千冬だ。織斑を無事に回収した。だが、インベスの攻撃でヒガンバライナーのメインエンジンがやられてしまった。今予備のエンジンで帰還中だが、一応の為途中まで迎えに来てくれるか?』

 牙也「了解。千冬さんは大丈夫ですか?」

 千冬『私は大丈夫だ。インベスはなんとか撃退したが、いつまた動き出すか分からん状態だ』

 牙也「了解。これから迎えに行きます。皆は一先ず戻ってくれ」

 そう言って牙也はまた飛んでいった。

 

 

 

 三人称side end

 

 

 




 

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