IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 後編です。




第24話 夏ノ準備モ楽ジャナイ(後編)

 三人称side

 

 食事も終わり、牙也と千冬はまたレゾナンスの近くに戻ってきていた。

 千冬「牙也よ。私はこれから用事があるから、一旦学園に戻るが、お前はこれからどうする?」

 牙也「そっすね、俺はしばらくこの辺りをうろついてます。何か欲しい物があるかもしれないんで」

 千冬「そうか。ではまた学園でな」

 千冬は足早に去っていった。

 牙也「さーて、これからどうするか……ん?あれは……」

 

 

 

 簪「えっと……ここ、どこ……?」

 道に迷ったのか、簪が辺りを見回していた。

 牙也「おーい、簪!」

 簪「ひゃっ!?あ、牙也さん……!」

 牙也「どうかしたか?何か迷ってるように見えたが」

 簪「あの……この店、何処か分かりますか?」スッ

 簪が牙也に見せたのは、

 牙也「……新しく開店した、アニメ・漫画専門店か」

 最近オープンした店の広告だった。どうやらこの日は、コスプレイベントがあるらしい。

 牙也「ああ、あそこの店じゃないか?」

 牙也が指差した先には、多くの人が並ぶ店があった。

 簪「あ、本当だ……!ありがとう、ございます……!」

 牙也「良いって良いって。そんじゃ、楽しんでこいよ?」

 簪「あ、あの……牙也さんも、一緒に行きませんか?」

 牙也「へ?」

 簪「ち、ちょっと一人じゃ、心細くて……駄目、ですか?」アウアウ

 牙也「ふむ……分かった、行ってみよう。俺も少しだが興味がある」

 簪「!……はい!行きましょう!」キラキラ

 牙也(目が凄く輝いてる……可愛いわ~)ナデナデ

 簪「ひゃっ!?き、牙也さん!?」

 牙也「ん?ああ、すまんすまん。簪のさっきの顔が可愛かったもんで、ついついやってしまった」

 簪「かわっ……!?////」ボンッ

 牙也「凄く輝いてたからな」

 簪「あ、あうあう……みゅ~////」カオマッカ

 牙也「おーい、簪?行かないのか?」

 簪「は、はい~////」トテテ

 

 

 

 

 楯無「簪ちゃんが心配で様子を見に来たら……」ハァ

 箒「牙也の奴め……」イラッ

 

 ↑建物の陰から様子を見ていた

 

 

 楯無「あれ絶対無意識よね?」

 箒「でしょうね。それもかつての一夏よりも質が悪いから余計に……」

 楯無「大変ね……学園でも牙也君のファンクラブが出来てるって噂がある程だから……」

 箒「会長……その話、もっと詳しく……」ゴゴゴゴゴ

 楯無「ま、まあまあ。その話は後で……ほら、牙也君と簪ちゃんが店に入るわよ」

 箒「追いかけましょう!」

 楯無「はいはい」

 

 

 

 

 簪「牙也さん、まだですか!?」←E.艦○れの○淀のコスプレ

 牙也「もうちょい……よし、出来た!」

 簪「それじゃ、カーテン開けますね!」シャッ

 

 

 牙也「どうだ?」←E.BLE○CHの黒○一護のコスプレ

 

 

 簪「おお~!」キラキラ

 牙也「元々着てた服自体がそっくりだからな……味が出るわ出るわ」

 簪「でも、その眼帯を外したら……もっと完璧……」

 牙也「あ、そっか……そっちの方がもっと味が出るな(あんまり見せたくはないんだがな)」

 

 客A「うおっ!黒崎○護のコスプレだ!」

 客B「すみません、写真に撮らせて下さい!」

 客C「こっちも後でお願いします!」

 

 牙也「へ?」

 簪「人気……ですね。牙也さん、次はこれをお願いします♪」つ戦国BA○ARAの○達政宗のコスプレ服

 牙也「眼帯付けてるなら、最初からこっちにすれば良かったような……」

 簪「気にしたら……駄目ですよ」

 牙也「それもそうか。取り敢えず写真写真!」

 

 

 

 

 楯無「めっちゃ楽しんでるわね」←E.プリ○ュアのコスプレ

 箒「会長も楽しんでるじゃないですか」←E.るろうに○心の○谷薫のコスプレ

 楯無「そう言う箒ちゃんこそ……満更でもないんじゃない?」

 箒「まあそうですが……こんなのがあったとは」

 楯無「まあアニメや漫画と言っても、色んな時代や世界観があるからねぇ。簪ちゃんにそこら辺語らせたら一日じゃ終わらないわよ」

 箒「簪……かなりのオタクだな……」

 楯無「ま、大好きな事を思い切り楽しめてるって意味では、私は喜ばしく思うわ」フフフ

 

 客A「すみません!写真撮って良いですか!?」

 楯無「あら、こっちにも来たわね」

 客B「そちらの方も!ご一緒に!」

 箒「わ、私もか!?」

 

 /ホラホラ-ハヤク!\

 

 /チョ、マッテクダサイ-!\

 

 

 

 簪「お姉ちゃん達……来てたんだね……」←E.SA○の朝田○乃のコスプレ

 牙也「大方、簪の監視だろうけどな。シスコンも大概にしてもらいたいもんだ」←E.戦国○ASARAの伊達○宗のコスプレ

 簪「でも、何か……お姉ちゃんも楽しそう……」

 牙也「今度時間が空いたら、誘ってみたらどうだ?簪の頼みなら、あいつも絶対断らないだろ」

 簪「……!うん、今度誘ってみる!」

 牙也「よーし、もうちょい楽しみましょうかね!」

 その後も、様々なコスプレをして楽しんだ。

 

 

 

 時間はあっという間に過ぎ、夕方ーー。

 

 簪「楽しかった……!」ホクホク

 楯無「いやー、良かったわ~!あんなに楽しめるなら、コスプレも悪くないわね~!」

 牙也「楯無は一番人気だったな。しかも一番ノリノリだったという……」ニガワライ

 箒「……」ムスゥ

 

 

 イベントが終わり、牙也達四人は学園行きの電車に乗る為に駅に向かっていた。

 

 

 牙也「ん?どうかしたか、箒?」

 箒「……何も」プイッ

 楯無「あらあら、私達が牙也君と仲良さそうだから、嫉妬しちゃった?」クスクス

 箒「なっ!?私が嫉妬などと……!」

 簪「……顔に、羨ましいって出てる……」ジー

 箒「うっ!?」

 牙也「思った事が顔に出やすいからな、箒は」ハハハ

 箒「~~~~っ!?牙也貴様!分かっててわざとそうしたのか!?」

 牙也「Yes!」∑d

 箒「……ちょっと一発殴って良いか?」ゴゴゴゴゴ

 牙也「まあまあ。それにしても、箒がやったコスプレも可愛かったな。凄い似合ってたぞ」

 箒「っ!?そうか……似合ってたか……!」ホクホク

 楯無(ちょろいわね~。満更でもない顔しちゃって)

 簪(楽しそう……)

 

 牙也「あ、そうだ。ちょっと飲み物買ってくるわ。何かいるのあるか?」

 箒「私はいい」

 楯無「私もいいわ」

 簪「私も……」

 牙也「ん、分かった」

 牙也は近くのコンビニに入っていった。

 

 楯無「それじゃ簪ちゃん。私達はお先に帰りましょ?」

 簪「え?あ、うん」

 箒「先に帰るんですか?」

 楯無「ええ。ちょっとやる事があってね」

 簪「私も本音が待ってるから……」

 箒「そうですか。じゃあ牙也には伝えておきます」

 楯無「お願いね~」

 簪「それじゃ、また学園で……」ペコリ

 箒「またな。今度また誘ってくれ」

 

 

 

 牙也「お待たせ……ってあれ?楯無と簪は?」

 箒「先に帰ったぞ。何かやる事があるとかで」

 牙也「ふーん……ま、良いか。俺達も帰るか?」

 箒「そうだな。門限もあるしな」

 二人はさっさと電車に乗り込んだ。

 

 

 牙也「いや~、楽しかった!久しぶりにあんなにはしゃいだぞ」ノビー

 箒「お前も会長も簪も、楽しそうだったからな」

 牙也「箒はどうだったんだ?」

 箒「わ、私か?……まあ、楽しかった」

 牙也「そりゃ良かった。ま、あんな満更でもない顔してりゃ、誰でもそう思うか」

 箒「牙也貴様!」

 牙也「ははは、悪い悪い。でも楽しかったんだろ?」

 箒「ま、まあ、な////」テレテレ

 牙也「ははは……ふぁぁぁ~、眠い……」

 箒「む、疲れたのか?」

 牙也「多分な……久しぶりにあんなに騒いだから、当然か……悪い、少し寝るわ。駅に着いたら起こしてくれよ……zzz……」コテン

 遊び疲れたのか、牙也はすぐに眠ってしまった。

 

 箒「全く……調子の良い奴め……」ハァ

 そうぼやきながら、箒は牙也の寝顔を見た。穏やかに眠る牙也のその顔は、少し幼さが感じられた。

 箒「ふっ……まあ、ゆっくり休めよ」

 すると、

 

 

 コテンッ

 箒「っ!?」

 

 眠っている牙也の体がバランスを崩して、箒に倒れかかってきた。ちょうど箒の膝に牙也の頭が乗っかる形になった。

 

 箒「……////」カァ

 顔を赤くしてチラチラと牙也を見る箒。

 箒(や、休めとは言ったが、ここまでしろとは言っておらんぞ!////)←でも満更でもない

 しばらく悶々としていた箒だが、やがて諦めたかのようにため息をついた。

 箒「ふぅ……まあ、今日くらいは良いか」ナデナデ

 そう言って、軽く牙也の頭を撫でた。

 牙也「…………うみゅ」

 箒「」クスクス

 牙也「……zzz」

 箒「……いつも悪いな。お前にばかり無茶をさせて」

 牙也「……zzz」

 箒「私はまだ、お前のように強くはない。こないだの一件だってそうだ。私の実力では、あの者達には敵わなかった。まだ、お前のいる領域には届きそうにない。だが……」

 牙也「……zzz」

 箒「だからこそ……だからこそ、強くなりたい。いつか、お前を追い抜かし、お前を守りたいと思う。私が守られた分、今度はお前を守るんだ。だから……見ていてくれ」

 

 

 

 箒「例え届かぬ目標だとしても、例えどんどん先に行ってしまおうとも……それでも、私はお前を追いかけ続ける。いつか、お前と並んで戦いたいから」

 

 

 

 牙也(…………ありがとうな、箒。だが、そう易々とは抜かさせないさ。だから、必死になって追いかけて来い。いつでも手合わせしてやるよ)

 ちゃっかり起きていて、箒の言葉を聞いていた牙也であった。

 

 

 

 

 

 

 シャルロット「……あの二人、いずれ鈴と同類になりそうな予感がするのは僕だけかな?」

 セシリア「奇遇ですわね。私も同じ事を考えていましたわ」

 ラウラ「ふむ……あの二人も『バカップル』になる可能性あり、か……」メモメモ

 麻耶「あのー、ボーデヴィッヒさん?そのメモ帳は一体……?」

 

 

 

 隣の車両にたまたま乗っていて、この光景を見てしまったセシリア達であった。

 

 

 

 

 三人称side end

 

 




 次回から、ようやく福音編になります。

 できる限り、楽しんでいただけるような小説を書いていこうと思ってますので、よろしくお願いします!

 それでは、また次回!

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