IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
三人称side
食事も終わり、牙也と千冬はまたレゾナンスの近くに戻ってきていた。
千冬「牙也よ。私はこれから用事があるから、一旦学園に戻るが、お前はこれからどうする?」
牙也「そっすね、俺はしばらくこの辺りをうろついてます。何か欲しい物があるかもしれないんで」
千冬「そうか。ではまた学園でな」
千冬は足早に去っていった。
牙也「さーて、これからどうするか……ん?あれは……」
簪「えっと……ここ、どこ……?」
道に迷ったのか、簪が辺りを見回していた。
牙也「おーい、簪!」
簪「ひゃっ!?あ、牙也さん……!」
牙也「どうかしたか?何か迷ってるように見えたが」
簪「あの……この店、何処か分かりますか?」スッ
簪が牙也に見せたのは、
牙也「……新しく開店した、アニメ・漫画専門店か」
最近オープンした店の広告だった。どうやらこの日は、コスプレイベントがあるらしい。
牙也「ああ、あそこの店じゃないか?」
牙也が指差した先には、多くの人が並ぶ店があった。
簪「あ、本当だ……!ありがとう、ございます……!」
牙也「良いって良いって。そんじゃ、楽しんでこいよ?」
簪「あ、あの……牙也さんも、一緒に行きませんか?」
牙也「へ?」
簪「ち、ちょっと一人じゃ、心細くて……駄目、ですか?」アウアウ
牙也「ふむ……分かった、行ってみよう。俺も少しだが興味がある」
簪「!……はい!行きましょう!」キラキラ
牙也(目が凄く輝いてる……可愛いわ~)ナデナデ
簪「ひゃっ!?き、牙也さん!?」
牙也「ん?ああ、すまんすまん。簪のさっきの顔が可愛かったもんで、ついついやってしまった」
簪「かわっ……!?////」ボンッ
牙也「凄く輝いてたからな」
簪「あ、あうあう……みゅ~////」カオマッカ
牙也「おーい、簪?行かないのか?」
簪「は、はい~////」トテテ
楯無「簪ちゃんが心配で様子を見に来たら……」ハァ
箒「牙也の奴め……」イラッ
↑建物の陰から様子を見ていた
楯無「あれ絶対無意識よね?」
箒「でしょうね。それもかつての一夏よりも質が悪いから余計に……」
楯無「大変ね……学園でも牙也君のファンクラブが出来てるって噂がある程だから……」
箒「会長……その話、もっと詳しく……」ゴゴゴゴゴ
楯無「ま、まあまあ。その話は後で……ほら、牙也君と簪ちゃんが店に入るわよ」
箒「追いかけましょう!」
楯無「はいはい」
簪「牙也さん、まだですか!?」←E.艦○れの○淀のコスプレ
牙也「もうちょい……よし、出来た!」
簪「それじゃ、カーテン開けますね!」シャッ
牙也「どうだ?」←E.BLE○CHの黒○一護のコスプレ
簪「おお~!」キラキラ
牙也「元々着てた服自体がそっくりだからな……味が出るわ出るわ」
簪「でも、その眼帯を外したら……もっと完璧……」
牙也「あ、そっか……そっちの方がもっと味が出るな(あんまり見せたくはないんだがな)」
客A「うおっ!黒崎○護のコスプレだ!」
客B「すみません、写真に撮らせて下さい!」
客C「こっちも後でお願いします!」
牙也「へ?」
簪「人気……ですね。牙也さん、次はこれをお願いします♪」つ戦国BA○ARAの○達政宗のコスプレ服
牙也「眼帯付けてるなら、最初からこっちにすれば良かったような……」
簪「気にしたら……駄目ですよ」
牙也「それもそうか。取り敢えず写真写真!」
楯無「めっちゃ楽しんでるわね」←E.プリ○ュアのコスプレ
箒「会長も楽しんでるじゃないですか」←E.るろうに○心の○谷薫のコスプレ
楯無「そう言う箒ちゃんこそ……満更でもないんじゃない?」
箒「まあそうですが……こんなのがあったとは」
楯無「まあアニメや漫画と言っても、色んな時代や世界観があるからねぇ。簪ちゃんにそこら辺語らせたら一日じゃ終わらないわよ」
箒「簪……かなりのオタクだな……」
楯無「ま、大好きな事を思い切り楽しめてるって意味では、私は喜ばしく思うわ」フフフ
客A「すみません!写真撮って良いですか!?」
楯無「あら、こっちにも来たわね」
客B「そちらの方も!ご一緒に!」
箒「わ、私もか!?」
/ホラホラ-ハヤク!\
/チョ、マッテクダサイ-!\
簪「お姉ちゃん達……来てたんだね……」←E.SA○の朝田○乃のコスプレ
牙也「大方、簪の監視だろうけどな。シスコンも大概にしてもらいたいもんだ」←E.戦国○ASARAの伊達○宗のコスプレ
簪「でも、何か……お姉ちゃんも楽しそう……」
牙也「今度時間が空いたら、誘ってみたらどうだ?簪の頼みなら、あいつも絶対断らないだろ」
簪「……!うん、今度誘ってみる!」
牙也「よーし、もうちょい楽しみましょうかね!」
その後も、様々なコスプレをして楽しんだ。
時間はあっという間に過ぎ、夕方ーー。
簪「楽しかった……!」ホクホク
楯無「いやー、良かったわ~!あんなに楽しめるなら、コスプレも悪くないわね~!」
牙也「楯無は一番人気だったな。しかも一番ノリノリだったという……」ニガワライ
箒「……」ムスゥ
イベントが終わり、牙也達四人は学園行きの電車に乗る為に駅に向かっていた。
牙也「ん?どうかしたか、箒?」
箒「……何も」プイッ
楯無「あらあら、私達が牙也君と仲良さそうだから、嫉妬しちゃった?」クスクス
箒「なっ!?私が嫉妬などと……!」
簪「……顔に、羨ましいって出てる……」ジー
箒「うっ!?」
牙也「思った事が顔に出やすいからな、箒は」ハハハ
箒「~~~~っ!?牙也貴様!分かっててわざとそうしたのか!?」
牙也「Yes!」∑d
箒「……ちょっと一発殴って良いか?」ゴゴゴゴゴ
牙也「まあまあ。それにしても、箒がやったコスプレも可愛かったな。凄い似合ってたぞ」
箒「っ!?そうか……似合ってたか……!」ホクホク
楯無(ちょろいわね~。満更でもない顔しちゃって)
簪(楽しそう……)
牙也「あ、そうだ。ちょっと飲み物買ってくるわ。何かいるのあるか?」
箒「私はいい」
楯無「私もいいわ」
簪「私も……」
牙也「ん、分かった」
牙也は近くのコンビニに入っていった。
楯無「それじゃ簪ちゃん。私達はお先に帰りましょ?」
簪「え?あ、うん」
箒「先に帰るんですか?」
楯無「ええ。ちょっとやる事があってね」
簪「私も本音が待ってるから……」
箒「そうですか。じゃあ牙也には伝えておきます」
楯無「お願いね~」
簪「それじゃ、また学園で……」ペコリ
箒「またな。今度また誘ってくれ」
牙也「お待たせ……ってあれ?楯無と簪は?」
箒「先に帰ったぞ。何かやる事があるとかで」
牙也「ふーん……ま、良いか。俺達も帰るか?」
箒「そうだな。門限もあるしな」
二人はさっさと電車に乗り込んだ。
牙也「いや~、楽しかった!久しぶりにあんなにはしゃいだぞ」ノビー
箒「お前も会長も簪も、楽しそうだったからな」
牙也「箒はどうだったんだ?」
箒「わ、私か?……まあ、楽しかった」
牙也「そりゃ良かった。ま、あんな満更でもない顔してりゃ、誰でもそう思うか」
箒「牙也貴様!」
牙也「ははは、悪い悪い。でも楽しかったんだろ?」
箒「ま、まあ、な////」テレテレ
牙也「ははは……ふぁぁぁ~、眠い……」
箒「む、疲れたのか?」
牙也「多分な……久しぶりにあんなに騒いだから、当然か……悪い、少し寝るわ。駅に着いたら起こしてくれよ……zzz……」コテン
遊び疲れたのか、牙也はすぐに眠ってしまった。
箒「全く……調子の良い奴め……」ハァ
そうぼやきながら、箒は牙也の寝顔を見た。穏やかに眠る牙也のその顔は、少し幼さが感じられた。
箒「ふっ……まあ、ゆっくり休めよ」
すると、
コテンッ
箒「っ!?」
眠っている牙也の体がバランスを崩して、箒に倒れかかってきた。ちょうど箒の膝に牙也の頭が乗っかる形になった。
箒「……////」カァ
顔を赤くしてチラチラと牙也を見る箒。
箒(や、休めとは言ったが、ここまでしろとは言っておらんぞ!////)←でも満更でもない
しばらく悶々としていた箒だが、やがて諦めたかのようにため息をついた。
箒「ふぅ……まあ、今日くらいは良いか」ナデナデ
そう言って、軽く牙也の頭を撫でた。
牙也「…………うみゅ」
箒「」クスクス
牙也「……zzz」
箒「……いつも悪いな。お前にばかり無茶をさせて」
牙也「……zzz」
箒「私はまだ、お前のように強くはない。こないだの一件だってそうだ。私の実力では、あの者達には敵わなかった。まだ、お前のいる領域には届きそうにない。だが……」
牙也「……zzz」
箒「だからこそ……だからこそ、強くなりたい。いつか、お前を追い抜かし、お前を守りたいと思う。私が守られた分、今度はお前を守るんだ。だから……見ていてくれ」
箒「例え届かぬ目標だとしても、例えどんどん先に行ってしまおうとも……それでも、私はお前を追いかけ続ける。いつか、お前と並んで戦いたいから」
牙也(…………ありがとうな、箒。だが、そう易々とは抜かさせないさ。だから、必死になって追いかけて来い。いつでも手合わせしてやるよ)
ちゃっかり起きていて、箒の言葉を聞いていた牙也であった。
シャルロット「……あの二人、いずれ鈴と同類になりそうな予感がするのは僕だけかな?」
セシリア「奇遇ですわね。私も同じ事を考えていましたわ」
ラウラ「ふむ……あの二人も『バカップル』になる可能性あり、か……」メモメモ
麻耶「あのー、ボーデヴィッヒさん?そのメモ帳は一体……?」
隣の車両にたまたま乗っていて、この光景を見てしまったセシリア達であった。
三人称side end
次回から、ようやく福音編になります。
できる限り、楽しんでいただけるような小説を書いていこうと思ってますので、よろしくお願いします!
それでは、また次回!