IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
コラボ第3段、順調(?)に進んでます。
早く本編に戻らねば……←(謎の使命感
んんっ、では始まります!
三人称side
箒・千『馬鹿かお前は…………』ハァ
牙也「分かってるよ…………」ワシワシ
医務室。牙也達は戦闘で負った傷を治療していた。箒と千冬は、そこで牙也と鬼崎の戦いの結末を聞いて呆れ返っていた。
箒「まさかそんな負け方をするとは……」
鬼崎「僕も予想外でしたよ……でも楽しめましたよ、牙也さんとの戦闘は」
薫「あたしは物足りなかったなぁ~。お姉さん、途中で終わらせちゃったんだもん」
千冬「すまないな。こちらとしてももう少し楽しみたかったのだが……」
夏煉「だ、大丈夫ですか?」
牙也「軽い脳震盪で済んだだけまだましだ。地面が砂地で助かったよ」ワシワシ
牙也はそう言って頭を掻いた。
箒「全く、大事な部分で抜けているのだから……」ベシッ
牙也「~~~~~~~っ!?」モンゼツ
千冬「篠ノ之、怒りたい気持ちは分かるが、今は抑えろ。一応怪我人だ」
箒「脳震盪程度なら大丈夫でしょう?」
千冬「それもそうか」
夏煉「いや、大丈夫じゃないですよ!?」
牙也「ああ、大丈夫大丈夫。怪我ってな、血が出てなけりゃ怪我とは言わんのだよ」
夏煉「え、え~……?」
鬼崎「夏煉、本気にしたら駄目だよ。この人達限定だから」
薫「そうよ、この人達が普通じゃないのよ」
牙也「お前等がそれを言うか…………」
箒「全くだ」ウンウン
薫「え、あたし達普通じゃーー」
千冬「ないな」
箒「ないぞ」
牙也「ないだろ」
薫「(゜ロ゜)」ウソーン…
鬼崎「義姉さん、分かってたはずでしょ…………」ジーッ
夏煉「薫義姉さん、私達の力が普通だと思ってたんですか……?」ジトーッ
薫「ちょ、あたしをそんな目で見ないでよ!冗談だって!分かってたって!」
鬼崎「本当に?」ジーッ
夏煉「本当ですか?」ジトーッ
薫「本当だって!」
牙也「はぁ、それくらいにしとけ、二人とも。端から見ててアホらしく思えてくる」
箒「砂浜で盛大にずっこけたお前には言われたくあるまい」
牙也「(´・ω・)」ショボン
シュラ「相変わらず何処か抜けてるな、牙也」ガチャ
そこへシュラが医務室のドアから入ってきた。
牙也「……ほっといてくれ」ムカッ
千冬「まあそう怒るな。ところでシュラ、春輝はどうだ?」
シュラ「一応の怪我の治療はしておいた。あれくらいなら我の治癒能力でなんとかなるレベルだったからな。すでに部屋に帰したぞ」
千冬「そうか、迷惑をかけたな」
シュラ「構わん。元はと言えば、この三人に喧嘩を売ったあ奴の自業自得だ」
箒「……厳しいな」
シュラ「当たり前だ。あの者は力の何たるかを分かっていない。いや、分かろうとしていない。あれにアーマードライダーの力を渡してみろ、大惨事になるのは目に見えている。奴には厳しく接する方が良い薬になろう」
牙也「その薬をちゃんと飲んでる感じはしないがな……」
千冬「」ヤレヤレ
シュラ「ところで、貴様等は何者だ?ロックシードを欲する理由は何だ?」キッ
鬼崎「そうですね、まずは僕達の事について説明しましょうか」
そう言って鬼崎は、自分達の秘密を一通り話した。
箒「《転生者ハンター》か……にわかには信じられないが……」
薫「あたし達は神様が間違って転生させた人の魂や、転生先の世界で好き勝手に世界を荒らし回ってる屑転生者の魂を回収する役目を持ってるんだ。それぞれの世界を本来の形に保つ為にね」
千冬「そしてお前達は今回、主である《ヴラド・スカーレット》の命でロックシードを採りに来た、と」
鬼崎「まとめれば、そういう事になります」
シュラ「…………」
牙也「シュラとしてはどう見る?こいつらの事を信じられるか?」
シュラ「……こちらとしては、あまり他者にロックシードを使わせたくないのだがな。鬼崎、お前の主と話がしたい。そいつの真意を問わねばならん」
鬼崎「……分かりました。では幽霊列車の方に。そこに通信機器があるので」
鬼崎はシュラと共に医務室を出ていった。
牙也「……まあ、妥当な判断だろうな。初めて会った者同士、打ち解けるのは簡単だが頼みを聞くのは難しい」
薫「だからこそのあの行動ね。まあヴラドさんはロックシードを危険な事に使わないってあたし達は信じてるから、心配はないだろうけど」
千冬「随分信頼しているな。恩人か何かか?」
薫「あたしと陽は、ヴラドさんに拾われたんだ。いわゆる《育て親》ってやつね。だから、ヴラドさんには感謝してもしきれないよ」
夏煉「私は陽太義兄さんに拾われて、義姉弟の契りを結びました。陽太義兄さんや薫義姉さんには、沢山助けられてます」
箒「……なんか、羨ましいな」
夏煉「え?」
箒「いや、私にも姉がいるんだが、なかなか接する機会が無くてな。姉さんが忙しいっていう理由もあるんだが……だから、羨ましく感じたんだ。お前達三人の仲の良さをな」
千冬「束は自由奔放だからな……たまに私達の前に顔を出すんだが、その時くらいしか話す機会が無いんだ。後はごく稀に向こうから電話を掛けてくるくらいだな」
薫「へぇ、束さんって言うんだ、貴女のお姉さんの名前……ん?束……って、まさか貴女、篠ノ之束さんの妹さん!?」ガタッ
箒「うお!?あ、ああ」
薫「うわ~、そんな有名人の妹さんがアーマードライダーの力を持ってるなんて……お姉さんに何か言われなかった?」
箒「私が良く考えて決めた事だ。後悔はないし、姉さんもそれを後押ししてくれた。それに報いたいんだ」
夏煉「格好良い……!」キラキラ
箒「そ、そうか?////」テレテレ
牙也「」ニガワライ
千冬「」クスクス
鬼崎「戻りました」
シュラ「終わったぞ」
そこへ鬼崎とシュラが戻ってきた。
牙也「随分早かったな」
シュラ「主とやらがなかなか面白い上に話の良く通じる者でな。少なくとも悪事に使う事は無いと判断した」
夏煉「つまりそれは……!」
シュラ「……明日、ヘルヘイムの森に案内する。必要なロックシードがあれば言ってくれ。出来る範囲で要望に答えよう」
薫「よっしゃーー!!ありがとね!」ガッツポーズ
夏煉「ありがとうございます!」
シュラ「礼は必要ない。だが、今から言う事を必ず守れ。さもなくば、ロックシードは渡せない」
鬼崎「何でしょう?」
シュラ「一つ、ヘルヘイムの森の中では勝手な行動を取らない。二つ、ヘルヘイムの果実を絶対に食べてはならない。三つ、ロックシードを絶対に悪事に使うな。これらの内どれか一つでも破れば、我は貴様等に渡すロックシードを全て破棄し、今後一切貴様等には協力しない。良いな?」
鬼崎「……分かりました。その条件を飲みましょう」
薫「随分厳しい制約ね……」
夏煉「それだけ危険な物なんでしょうね……」
牙也「まあブルーベリーに限らずロックシードは全部危険物だからな……」
シュラ「ヘルヘイムの果実だってそうだろう?兎も角、全体的な動きは明日だ。今日は一先ず帰って休め。戦いの疲労が抜けてないだろう?」
鬼崎「分かりました。義姉さん、夏煉、今日は幽霊列車に泊まり込みだ。夜も遅いし、もう休もう」
薫「はいは~い。それじゃあ、また明日ね~」
夏煉「失礼しました」ペコリ
三人は医務室を出ていった。
牙也「よし、俺等も撤収するかね」
シュラ「明日はどう動く?」
箒「私はこっちに残る。誰かが残っておかないと、急時に対応出来ないだろう」
千冬「では私も残ろう。教師としての仕事もあるからな」
牙也「じゃあ俺とシュラが三人を案内するって事で。決まりだな」
四人はそれぞれの部屋に戻っていった。
次の日。
牙也「よし、そんじゃ行くか」
シュラ「ああ。三人共、準備は良いな?」
鬼崎「はい、いつでも」
薫「早く早く~!」
夏煉「薫義姉さん、落ち着いて……」
シュラ「ヘルヘイムの森に入ったら、まずは拠点に案内する。それから、ロックシード探索に入るぞ」
そう言ってシュラはクラックを開いた。
シュラ「さあ、早く入れ。すぐにクラックは閉じるぞ」
五人は次々とクラックに入っていった。
そして全員がクラックに入って数秒もしない時ーー
??「……よし、今だ」ササササッ
誰かが五人を追うようにクラックに近付いた。その人物は、全身を長めのコートで隠していた。
??「……やっとチャンスが巡ってきた……これで僕も……!」グッ
その人物はそう呟いてクラックに入っていった。
千冬「ん?あれは……誰だ?」
それに気付いたのは、校内の見回りをしていた千冬であった。
千冬「……全く、誰かは知らんがいらぬ仕事を増やしてくれる」ハァ
そう言って千冬はスマホを取り出して誰かに電話を掛けた。
千冬「私だ。実はなーー」
シュラ「牙也、あの果実をもげ」
牙也「へいへい」ヒョイッ
シュラ「次はあれだ」
牙也「これだな」ヒョイッ
シュラが示した先にあるヘルヘイムの果実を、戦極ドライバーを腰に付けた牙也が次々収穫していく。ヘルヘイムの果実は、牙也が手に取る毎に次々ロックシードに変わっていく。鬼崎達三人の手には、大量のロックシードがあった。
薫「お~、豊作豊作!沢山採れたね!」キラキラ
夏煉「色んな種類のロックシードがあるんですね……」
鬼崎「ありがとうございます。これだけあれば大丈夫でしょう」
シュラ「そうか。おい牙也、もう良いぞ」
牙也「ん?もう良いのか。んじゃこれは、俺が使わせてもらうか」
牙也は余分に採ったロックシードをお手玉した。
シュラ「さて、戻るぞ。クラックを開くから少し離rーーん?」
牙也「どうした?」
シュラ「…………近いな。誰かいる」
牙也「何?」
鬼崎「誰か迷い込んだのでしょうか?」
薫「それとも、意図的に侵入したかよね」
??『待て待て、私だ』
木の影から現れたのはーー
牙也「なんだ、千冬さんか」
千冬であった。
シュラ「どうした?向こうに残っていたのではないのか?」
千冬「いや、あのクラックを通って此処に侵入した馬鹿を見つけてな。篠ノ之に連絡した後、その馬鹿を追って来たんだが、撒かれてしまったのだ」
シュラ「……ううむ、面倒な事だな」ハァ
鬼崎「アーマードライダーの力を持ってない人が迷い込むとなると、危険ですね……」
牙也「仕方ない、探すか」
シュラ「三人は先に戻っておいてくれ」
夏煉「それ、私達にも手伝わせてくれませんか?」
牙也「え?」
シュラ「いやしかし、客とも言えるお前達にこんな事をさせる訳には……」
薫「あたし達としては、無力な人達を危険な目に合わせる訳にはいかないのよ」
鬼崎「ロックシードをくれたお礼と思って、お願いします」
シュラ「……はぁ、分かった。だが、ここは二人一組で捜索しよう。我は鬼崎と、織斑は兵鬼と、牙也は鬼町とだ」
牙也「……その振り分けに何故か悪意を感じんだが……」
鬼・薫『同感』
シュラ「そうか?」ハテ…
千冬「馬鹿な事やってる場合か!さっさと捜索するぞ!」
千冬はヒガンバライナーを展開して飛び乗った。
薫「え、何これ!?」
千冬「ロックビークル【ヒガンバライナー】だ。兵鬼、私達はこれを使って捜索する。早く乗れ」
薫「あ、はい!」ピョイッ
薫がヒガンバライナーに乗ると、
千冬「では先に行くぞ。また後でな」ブウウウウンッ
二人はあっという間に行ってしまった。
牙也「俺達も行くか」
夏煉「あ、はい!」
シュラ「鬼崎、我等も行くぞ」
鬼崎「はい。あ、そうだ。牙也さん」
牙也「なんだ?」
鬼崎「……夏煉を襲わないで下さいね」ジトーッ
牙也「今言う事じゃねえだろ!?」ゲシッ
シュラ「誰がコントをやれと言った?」ハァ
夏煉「ま、まあまあ……」アワアワ
鬼崎「はあ……まあとにかく、夏煉をよろしくお願いします」
牙也「ああ」ノシ
こうして、捜索が始まった。
三人称side end
さて、迷い込んだ馬鹿は一体?(まあ読者には既に察してる人もいるでしょうが…………)
コラボはこの調子だとあと一話か二話ですかね……最後までお楽しみ下さい!