IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
三人称side
レオンvsヘレナ
夏煉は手に持った六本の刀【ゴーストシックスブレイド】を振るって箒を攻撃する。箒も、これに負けじと【炎刀鬼灯丸】と【無双セイバー】の二刀流で応戦。得物の数では不利にも関わらず、箒はそれらを確実にいなしていく。
焔『ハハハハハ、面白い!私の力をこうも易々といなすか!久し振りだ、これ程楽しめる相手に会ったのは!』
箒「それは誉め言葉として受け取って良いのか?」
夏煉「そう受け取って良いと思います……よっ!」ヒュッ
箒「おっと!」ガキンッ
お互い話をしながらも、攻撃の手は緩めない。互いに譲らず、一進一退の攻防が続く。
焔『しかし夏煉よ。このままこの調子が続くのも少しつまらないぞ』
夏煉「それなら、此方から仕掛けるよ、焔!」
焔『そう来なければな!』
『ダイカイガン!ホムラ!オメガドライブ!』
夏煉はゴーストドライバーのレバーを引いて押し込んだ。そしてゴーストシックスブレイドを構え、その場で回転し始める。
箒「む、大技が来るな……。ならば!」
対して箒は、炎刀鬼灯丸を無双セイバーと合体し、ナギナタモードにした。さらに、戦極ドライバーからホオズキロックシードを外し、
『ロック・オン!イチ!ジュウ!ヒャク!セン!マン!』
無双セイバーに装着。頭上でそれを回転させた。
夏煉「行きます!」
焔『これを受け止められるか!?』
夏煉は回転した状態から箒に向かって突進した。
箒「受け止めてみせる!おおおおおっ!」ブンッ
『ホオズキチャージ!』
箒も頭上で回転させていた炎刀鬼灯丸から、鬼灯の形を模した炎の竜巻を飛ばした。
夏・箒・焔『いっけぇぇぇぇぇぇ!!!』
二つの竜巻がぶつかり合い、巨大な爆発を起こした。
夏煉「きゃっ!」ゴロゴロ
箒「うわっ!」ゴロゴロ
しかし、同等の威力だったようでこの勝負は引き分け。互いに吹き飛び、地面を豪快に転がった。
焔『ハハハハハ、楽しいな!貴様を相手にするのは楽しいぞ!』
箒「フッ、それも誉め言葉として受けとるぞ!」サッ
『ライム』
『ロック・オン!』
『ハイー!ライムアームズ!双剣・ハイッハイッハイッ!』
箒はライムアームズを展開して、【ライムラッシュ】を構える。
箒「まだまだ行くぞ!」
夏煉「はい!受けてたちます!」
??『夏煉さんや、次はわしが出ても良いかの?』
夏煉「日影?うん、良いよ!一緒に戦おう!」
夏煉は新たに別の眼魂を取り出してスイッチを押し、焔の眼魂と交換した。
『アーイ!バッチリミトケー!バッチリミトケー!』
ゴーストドライバーから、黄と黒が基調で所々破れたパーカーが現れ宙を舞う。そして夏煉はゴーストドライバーのレバーをもう一度引いて押し込んだ。
『カイガン!ヒカゲ!皆無な感情!容赦は無用!』
パーカーが被さると、二本のナイフがクロスしたような顔が描かれた。『ヒカゲ魂』にゴーストチェンジした夏煉は、ゴーストドライバーからガンガンセイバーを出して二刀流モードにした。セイバーは順手に、小太刀は逆手に持ち、セイバーを箒に向ける。
夏煉「同じ二刀流で、勝負です!」
日影『のう、わしに感情とやらを教えてくれんかのう?』
箒「いくらでも教えてやる!行くぞ!」
再び二人の得物がぶつかり合う。箒がライムラッシュの斬撃を繰り出せば、夏煉もガンガンセイバーを振るってそれを防いでいく。
箒「フッ!」ガッ
夏煉「ハッ!」ガッ
箒「そらっ!」ヒュッ
夏煉「はいっ!」ガキンッ
夏煉「それっ!」ビュッ
箒「おっと!」ヒョイッ
やはり一進一退の攻防で、勝負はなかなか付きそうにない。
日影『のう、夏煉さんや。あれは使わんのか?』
夏煉「ちょっと隙が無くて……やっぱりこの人、強い!」
日影『それなら、わしが時を示そう。夏煉さんや、存分に戦うが良い』
夏煉「ありがとう、日影!」
夏煉と少し話して、日影は眼魂から箒の攻撃を注視した。
日影(ふむ、太刀筋が鋭いのう。だが、少し大振りになりつつあるの。これなら必ず隙が出来るわい。さて、後はそれがいつか……)
箒「はあっ!」ガキンッ
夏煉「くっ!」ガクッ
箒(よろけた……!今だ!)ビュッ
日影『むっ、今じゃ!』
夏煉「はいっ!」ビュッ
箒「?」
箒の一瞬の隙を見て、日影が合図を発し、夏煉がパーカーの左手の袖に付いたケースからナイフを取って投げた。投げたナイフは、箒の頬をかすって飛んでいった。
箒「くっ!今のは……!?」
日影『よそ見はする物ではないぞ?』
箒「はっ!?」
それに気を取られた隙を付き、
夏煉「そこです!」ザンッ
箒「ぐっ!?」
夏煉がガンガンセイバーで斬撃を加えた。さらに、
夏煉「ハッ!」ビュッ
箒「うっ!」
夏煉「それっ!」ガッ
箒「くっ!」
夏煉「はあっ!」ドゲッ
箒「ぐああっ!」
二撃、三撃と絶え間なく箒を斬り裂き、そして追撃とばかりに蹴り飛ばす。吹き飛ばされた箒は、受け身を取って立ち上がり、再びライムラッシュを構える。
箒(……今のは……?一瞬見えた限りでは、奴の左手のケースからナイフが出てきたが……だとすると、厄介だな)
今までのインベス等との戦いという経験からすぐにそれを察した箒は、ライムラッシュを合わせて一本の剣にし、腰の無双セイバーを抜いた。
箒「……フッ!」
再び夏煉に攻撃を仕掛けるが、夏煉も負けじとガンガンセイバーを振るう。
日影『まだやる気なんかいな?』
箒「……無論だ!」
箒はライムラッシュと無双セイバーの二刀流で応戦。夏煉もガンガンセイバーで応戦するが、徐々に押されてきた。
夏煉(くっ、さっきより太刀筋が鋭い!でも、次も逃さない!)スッ
夏煉は箒の攻撃を防ぎつつ、ケースに手を伸ばした。
箒「そこだ!」バンッ
夏煉「きゃっ!」
しかし箒はそれを見逃さず、無双セイバーをガンモードにして撃った。ムソウマズルから放たれた弾丸は夏煉の右手に当たり、さらに跳弾してケースを袖から弾き飛ばした。
箒「同じ手は二度も食らわんさ!」
日影『ほう、なかなかやるのう。なら、全力で答えねばな!』
夏煉「行くよ、日影!」
『ダイカイガン!ガンガンミイヤー!ガンガンミイヤー!』
夏煉はガンガンセイバーをゴーストドライバーに翳して構えた。
箒「来い!」
『ライムスカッシュ!』
『ロック・オン!イチ!ジュウ!ヒャク!セン!』
対して箒はカッティングブレードを一回倒し、さらにライムロックシードを無双セイバーに装着した。
夏煉「はあああああっ!」
箒「だあああああっ!」
そして、ほぼ同時に得物を振るう。
『オメガスラッシュ!』
『ライムチャージ!』
互いの得物から無数の衝撃波が迸り、ぶつかり合い、爆発する。しかしそれだけに留まらず、
夏・箒『はあああああっ!』
爆風が周囲を覆う中、互いに突っ込んでいき、
夏・箒『だあああああっ!』ズバアッ
互いの得物が交差する。時間をおいてまた、爆発する。
箒「が…………はっ…………!」
夏煉「こほっ…………けほっ…………」
『ロック・オフ』
『オヤスミー』
爆風が晴れた時、同時に変身が解除されたが、最後まで立っていられたのは夏煉だった。
箒「…………見事……だ…………な…………」ドサッ
箒は地面に倒れ伏し、そのまま気を失った。
焔『……お前も見事だったよ。私もまだまだだな』
日影『全くじゃの。わしも久しく血気に逸ったのう……』
夏煉「そうだね……二人共、手伝って。この人を運んで手当てしなきゃ」
焔『分かった』
日影『うむ』
夏煉は焔・日影と共に箒を背負い、幽霊列車へと向かった。
白夜vs煉王
千冬「はあっ!」ビシュッ
ソニックアローから矢が次々と放たれる。煉王ーー薫は矢の雨にさらされていた。
薫「ああ、もう!斬っても斬っても次々飛んでくる!容赦ないわね!」
千冬「ほほう……この矢の雨をものともしないか……面白い!」
千冬はソニックアローの連射を止めない。薫は【レンガッシャー ソードモード】で矢を次々斬り裂くが、焼け石に水の状態であった。
薫「……それなら!」
『Full Charge』
薫はライダーパスをベルトに翳し、レンガッシャーを強く握り締めた。レンガッシャーの刀身は赤くどす黒く輝き、レンガッシャーの本体から分離して宙を舞う。
薫「アタシの必殺技……その1」
薫がレンガッシャーを振るうと、飛んできた矢を次々と斬り裂いていく。やがて矢は全て消滅した。
千冬「む、矢が……!」
薫「ふう。さて、これでイーブンだね、おbーーお姉さん」
千冬「…………まあギリギリセーフとしよう」
薫「どうも。それじゃ、行くよ!」ダッ
薫はダッシュで千冬との距離を詰め、レンガッシャーを振るう。千冬もソニックアローを振るって防ぐ。刃がぶつかり合う音が響き、火花が散る。
千冬「……一つ聞きたい。春輝の相手をしたのは、お前の義妹で合っているな?」
薫「そうだけど、それが?」
千冬「……端から見て、春輝をどう思った?」
薫「そうねぇ……一言で言うなら、『愚か者』としか言えないわね。力を力としか見てないんだから」
千冬「そうか……」
薫「お姉さん、あの愚か者の知り合い?」
千冬「……末の弟だ」
薫「え、あれが弟!?うわー、最悪だね……あんなのが弟だったらと思うと寒気がするよ……って、末の?て事は、もう一人弟がいるの?」
千冬「ああ。私が愚か者であったが故に、守れなかった弟だ」
薫「?」
千冬「なに、こちらの事だ。さあ、続けるぞ!」ビュッ
そう言って千冬は再びソニックアローを振るう。
薫「うひゃっ!いきなりはないでしょ!」ガキンッ
千冬「戦法には『奇襲』と言う物があるのだぞ?」
薫「知ってるけど!つまりなに!?あの話も奇襲の為の布石だったわけ!?」
千冬「いや、あれは単純に私が聞きたかっただけだ」
薫「あ、そう。それなら良いんだけど……」
納得しないような表情を見せながらも、薫はレンガッシャーを振るって応戦する。いつの間にやら、空には夕日が差し始めていた。
千冬「む、もうこんな時間か。これ以上時間をかける訳にはいかんな。決着(ケリ)をつける!」
『シークヮーサーエナジースパーキング!』
千冬は【シーボルコンプレッサー】を二回押し込んで、蹴りの姿勢を取った。
薫「あれ、もう終わりにするの?それじゃ、あたしも!」
『Full Charge』
薫はライダーパスをベルトに翳し、同じ様に蹴りの姿勢を取った。両者の右足にエネルギーが収束する。
千冬「これで……終わりだ!」
薫「行くぜ……あたしの超必殺技!」
そして二人同時にジャンプし、右足を突き出した。
千・薫『はあああああっ!』
必殺のライダーキックがぶつかり合い、大爆発が起こった。爆風が晴れるとーー
千冬「むう……仕留められなかったか」
薫「ありゃりゃ……勝ったと思ったんだけどね……」
互いにピンピンとして立っていた。どうやら威力が同じだったらしく、キックが相殺されたようだ。とは言え相当の威力だったようで、互いにアーマーが少し焦げていた。
千冬「仕方がない、今日はここまでだ」
千冬はそう言って変身を解除した。
薫「もう良いの?」
千冬「ああ。それに、どうやら向こうも終わったようだからな」ビッ
千冬が指差した方向を薫が見ると、
夏煉「あ、薫義姉さん!大丈夫ですか?」
夏煉が気を失った箒を背負って歩いてくるところだった。
薫「あ、夏煉。その様子から察するに、何とか勝てたみたいだね」
夏煉「はい、でもこの人も強かったです……薫義姉さんは勝てたんですか?」
薫「いいや、引き分けよ。勝負が付かなかったからね」
夏煉「そうですか……あ、この人の手当てを手伝ってくれませんか?」
千冬「無論だ。一先ず医務室に運ぼう」
そう言って今度は千冬が箒を背負い、薫と夏煉と共に医務室に向かった。
三人称side end
蝕vs隷汽は次回。お楽しみに!