IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 第2話です。悪維持さんのキャラの口調って、これで合ってたかな……?

 取り敢えず、始めます!




コラボ3 果実ノ勇士ト煉獄ノ使徒(2)

 三人称side

 

 夏煉「仮面ライダーヘレナ、鬼町夏煉。渾沌の定めに、舞い殉じます!」ザッ

 

 夏煉は目玉型のベルトーーゴーストドライバーから二つの武器を取り出した。一つは白と黒を基調とした両刃の剣。一つは先が右手を模したような形の銃。名をそれぞれ【ガンガンセイバー】【ガンガンハンド】と言った。

 

 春輝「な……アーマードライダーじゃない!?お前達は一体……!?」

 夏煉「あんたなんかに、誰が教えるか!」ドンドンッ

 夏煉はガンガンセイバーとガンガンハンドを銃モードにして、春輝に弾丸を撃ち込んだ。

 春輝「ぐあっ!くそっ、お前!銃を使うなんて卑怯だぞ!」

 夏煉「戦いに卑怯も何もありません。最終的に、勝てばいいんです!」ドンドンッ

 春輝「ちいっ!」ゴッ

 春輝はスラスターを吹かして空へ飛び、弾丸を避けた。夏煉は春輝に向けてさらに弾丸を撃ち込んだ。が、空中を縦横無尽に動く春輝に、弾丸は中々当たらない。

 

 ??『夏煉、私が出よう。私なら奴を叩き落とせるぞ』

 そんな夏煉に、懐から誰かが話しかけた。それは、夏煉が変身に使った眼魂とは違い、黒と赤の眼魂であった。

 夏煉「焔……いえ、今回は私にやらせて」

 焔『いいのか?』

 夏煉「うん。あいつは陽太義兄さんや薫義姉さんを馬鹿にしたばかりか、陽太義兄さんを傷付けた。あいつだけは、私の手で……!」

 焔『……止めろと言っても、止まりはしないな。分かったよ、だけど油断はするなよ』

 夏煉「分かってる!」

 焔と呼ばれた眼魂は懐に戻った。それを確認した夏煉は、ガンガンセイバーを一旦仕舞い、ガンガンハンドをロッドモードにした。

 夏煉「かかって来なさい!」ザッ

 春輝「ふん、なめるな!」ゴッ

 夏煉のガンガンハンドと春輝の雪片弐型がぶつかり合う。春輝は連続で斬撃を繰り出すが、それを夏煉はガンガンハンドでいなしていく。

 春輝「ほらほら、どうした!?さっきのは只の威勢に過ぎないのかい?」ビュッ

 夏煉「……いずれ分かりますよ」サッ

 春輝「何?」

 夏煉「はあっ!」

 ここで夏煉も攻勢に出た。ガンガンハンドを盾に、蹴りを織り混ぜて春輝を攪乱する。春輝も雪片弐型を振るって応戦するが、これをいとも簡単に避け、逆にガンガンハンドを春輝の腹部にぶつける。

 春輝「ぶほぉっ!」

 夏煉「まだまだ!」

 さらに夏煉はガンガンハンドをその状態から素早く銃モードにして、至近距離から春輝に撃ち込んだ。

 春輝「ごばばばばばば!」

 夏煉「さらに!」

 夏煉はガンガンハンドをまたロッドモードにして、春輝の頭をぶん殴った。一回に留まらず、二回、三回、四回と殴り付ける。その攻撃も頭に留まらず、顔、腕、足、さらには白式のスラスターも殴り付ける。春輝の顔も体もISも、気づけばボコボコのボロボロであった。

 春輝「ごほっ……ぐふっ……カフッ……ゲホッ……て、てめぇ……!」

 夏煉「分かりましたか?貴方の弱さが。貴方は戦う者に足り得る器じゃない。まして、天才とも言えない。貴方のような人に使われているそのISが、本当に可哀想に思えますよ」

 春輝「てめぇ!ふざけたkーー《ズキッ!》っ、ぐうっ!」

 薫「これ以上無理して戦わない方が良いわよ。夏煉がキレると、私達でも止められるかどうかってとこだから。あんた、下手すりゃ死ぬよ?」

 鬼崎「貴方のような弱い存在の人が、僕達を相手にする事自体間違ってるんです。命が惜しいなら、私達を捕らえるなんて馬鹿な考えは起こさない事ですね」

 春輝「てめぇ……!ふざけやがって……!」

 夏煉「ふざけてるのはそっちでしょう?貴方はもうボロボロ。なのに、まだ抵抗しようとしてる。まだ戦おうとしてる。それって只の威勢にしか見えないよ?」

 薫「つまんないや、お前。くだらないプライドにしがみついてるだけの奴にしか見えないし」

 鬼崎「そんなのでよく天才とか言えましたね?貴方は天才でも何でもありません。貴方は只の『愚か者』です」

 春輝「っ!」

 夏煉「私達は貴方のような人に付き合う程暇な訳じゃないんです。用がそれだけなら、私達はもう行きますね」

 薫「はー、つまんなーい。ISを使う人達って、こんなのばかりなの?」

 鬼崎「そうでない事を祈りましょう」

 三人は踵を返してその場を去ろうとした。が、

 

 春輝「……っ、ふざけるなァァァァァァ!!」ゴオオオッ

 

 春輝は性懲りもなく突っ込んできた。

 夏煉「…………はあ、鬱陶しいんですよ!」ブンッ

 ボキッ!

 春輝「!?」

 夏煉は振り向き様にガンガンハンドを振るって、雪片弐型をへし折った。

 春輝「あ……ああ……雪片が……簡単に……」ヘタリ

 夏煉「貴方の相手はもう疲れました。本当ならこのまま放っておこうかと思いましたがーー」

 そこまで言って、夏煉はガンガンハンドの目玉模様をゴーストドライバーに翳した。

 

 『ダイカイガン!ガンガンミトケー!ガンガンミトケー!』

 

 すると、ガンガンハンドの銃身に黒いエネルギーが溜まっていく。夏煉はそれを春輝に向けた。

 春輝「ヒッ!?お、お前、何を……!?」

 夏煉「……貴方には……『この世から』消えてもらいますよ。貴方のような人がいては、この世界に迷惑が掛かりそうなので」ジャキッ

 春輝「ま、待ってくれ!俺はもう戦えないんだぞ!怪我人なんだぞ!そんな俺を撃つってのか!?」

 夏煉「何を馬鹿な事を言ってるんですか?あれだけ動けるなら、怪我なんて問題ないでしょう?」

 春輝「!?」

 夏煉「それに、後ろから奇襲してくる人の事は信じられないので」

 春輝「あ……ああ……あああ……」アトズサリ

 夏煉「……さようなら。貴方程の人を見たのは、これが最初で最後でしたよ」

 ガンガンハンドからエネルギー弾がーー

 

 

 

 

 『ブルーベリースパーキング!』

 

 

 

 

 撃たれようとした時、幽霊列車の影から紫のエネルギーの塊が飛んできた。

 夏煉「っ!」

 夏煉はガンガンハンドの照準をそのエネルギーの塊に向け、

 

 夏煉「はあっ!」ドウンッ

 

 『オメガスパーク!』

 

 ガンガンハンドのエネルギーを撃ち込んだ。二つのエネルギーはぶつかり合い、共に相殺されて爆発した。

 

 鬼崎「また新手かな?」

 夏煉「誰?私達の邪魔をするのは?」

 

 牙也「邪魔、ねぇ……学園の敷地内で大暴れされるのは、こちらとしても邪魔で迷惑極まりないんだが」

 

 幽霊列車の影から現れたのは、牙也だった。

 薫「それは失礼したわね。だけと私達は、こいつが奇襲して来たのを迎撃しただけだよ?」ビッ

 薫はそう言って、気絶している春輝を指差した。

 牙也「殺そうとしたのにか?明らかにオーバーキルだぞ……」

 鬼崎「彼も僕達を殺そうとしてましたよ?」

 牙也「ありゃ、どっちもどっちか。ならおあいこだな」

 夏煉「そう言う事です。ではこいつは私達gーーあれ?」

 夏煉が見た方向には、何故か春輝がいなかった。

 夏煉「な、何で?さっきまでここに倒れてたのに……?」

 シュラ「人一人殺されるのを黙って見ている訳にはいかないのでな」

 鬼・薫・夏『っ!?』フリムキ

 三人が後ろを向くと、

 

 シュラ「牙也、こいつはどうすれば良い?」

 牙也「おー、そいつは医務室に放り込んどいてくれ、シュラ」

 

 シュラが気絶した春輝を肩に抱えて立っていた。

 薫「同じ人間が、二人……!?」

 夏煉「双子なの?」

 鬼崎「それより、いつの間に彼を回収したんだい?」

 シュラ「悪いが、部外者に教える気はないのでな」バッ

 そう言ってシュラは背後にクラックを開き、中に入っていった。シュラが入ると、クラックは閉じた。

 鬼崎「今のジッパー……中に森が広がってたね……」

 夏煉「じゃあ、今見えたのが『ヘルヘイムの森』……?」

 牙也「へぇ、ヘルヘイムの森を知ってるのか。アーマードライダーか、それともーー」

 箒・千冬『牙也!』

 

 とそこへ、空から一台のバイクのような物が降りてきた。バイクと違うのは、前輪が無くてその部分が錠前の形である事だ。それには箒と千冬が乗っていた。

 牙也「箒、千冬さん。ってか、そのバイク何なんだ?」

 千冬「シュラから貰った新たな力だ。【ロックビークル】と言う機械で、これはその一つ、【ヒガンバライナー】だ」

 箒「シュラが新しく作り上げた物で、さっきまで試運転していたのだが……この騒ぎは一体?」

 牙也「織斑があの三人に喧嘩売って返り討ちに遭った。以上説明終わり」

 箒「端的で助かる。それで、奴等は一体何者だ?」

 牙也「さあな。だが、ヘルヘイムの森の存在を知ってた。それにこの頭蓋骨を正面にあしらった列車、只者じゃない事は確かだ」

 箒「何?確かヘルヘイムの森は、学園の一部の人間しか知らないはず……」

 千冬「にも拘らず、こいつ等は知っている。貴様等、何者だ?」

 鬼崎「何者だ?と聞かれましても……」

 薫「どう答えれば良いのやら……」

 牙也「じゃあ質問を変えよう。お前等の目的は何だ?」

 

 

 鬼崎「ロックシードですよ。ブルーベリーとか、マスカットとかの」

 

 

 牙・箒・千『っ!』

 鬼崎「おや?今の反応、何か知ってますね?」

 牙也「……お前等の探し物は、これか?」つブルーベリーロックシード

 薫「そうそう、それそれ!って、何で貴方達が持ってるの!?」

 箒「決まっている、私達が使っているからだ」

 夏煉「使っている……?まさか、貴方達……!」

 牙也「ああ、俺達は……アーマードライダーだ」つ戦極ドライバー

 箒「やるのか?」つ戦極ドライバー

 千冬「明らかにアーマードライダーではない力を使っている者がいるからな」つゲネシスドライバー

 牙也「そう言うこった。それじゃ、行くぞ」

 箒・千『』コクリ

 

 

 牙・箒・千『変身』

 

 『ブルーベリー』

 『マスカット』

 『シークヮーサーエナジー』

 

 『『『ロック・オン!!!』』』

 

 『ソイヤッ!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell・Stage!』

 『ハイー!マスカットアームズ!銃剣!ザン・ガン・バン!』

 『リキッド!シークヮーサーエナジーアームズ!イヨォーッ!ソイヤッサア!ハイヤッサア!』

 

 三人はアーマードライダーに変身し、それぞれの得物を構えた。

 

 鬼崎「成る程。そちらがその気なら、こちらも……」

 薫「そうね!退屈しなさそうだし!」

 鬼崎と薫は、懐からそれぞれ【隷汽ベルト】と【煉王ベルト】を取り出して腰に付けた。ベルトの一番上のボタンを押すと、隷汽ベルトからはおどろおどろしい音楽が、煉王ベルトからは陽気な音楽が流れる。そして鬼崎はライダーパスを右手に持って掲げた後横に伸ばして手首を返し、薫はライダーパスを上空に投げ、その場で一回転してパスを左手でキャッチし、

 

 鬼崎「変、身……」

 薫「変身!」

 

 ベルトにパスを翳した。

 

 『PHANTOM Form』

 『DRAGON Form』

 

 ベルトから電子音声が流れると、二人の体は電王の素体【プラットフォーム】が纏われ、鬼崎はさらに青黒い炎がオーラアーマーを形成し、プラットフォームに装着。左手は連結機や海賊の鉤爪を模した籠手【隷汽ガントレット】が、首には白いマフラーが、頭部には骸骨がデンレールに沿って頭の後ろから現れて正面で展開し、隷仮面となって装着された。鬼崎の姿は、ディープブルーのカラーリングの【仮面ライダー隷汽】となった。

 薫には黒いオーラアーマーがプラットフォームに装着され、それが展開。裏側には緑色の宝玉【ウェルシュドラゴンジェム】を掴んだ龍の前足を模したデザインが現れる。頭部には赤い龍を模した物がデンレールに沿って頭の後ろから現れて正面で展開し、煉仮面となって装着された。薫の姿は、ワインレッドのカラーリングの【仮面ライダー煉王】となった。

 

 鬼崎「仮面ライダー隷汽、鬼崎陽太郎……渾沌の夢に沈もう……」

 薫「仮面ライダー煉王、兵鬼薫!渾沌の誇りを舞い掲げるよ!!」

 夏煉「仮面ライダーヘレナ、鬼町夏煉!再び、渾沌の定めに舞い殉じます!」

 

 

 牙也「アーマードライダー蝕、紫野牙也。貴様の心まで侵食してやるよ……」

 箒「アーマードライダーレオン、篠ノ之箒!これより謎のライダー撃破任務を開始する!」

 千冬「アーマードライダー白夜、織斑千冬。貴様等の相手は、私が努めよう!」

 

 

 三人称side end

 

 




 邂逅はしました。夏煉のキャラ、間違えたような……ここまでアレな事になるとは……間違ってたらご免なさい!

 次回、煉獄の使徒と果実の勇士がぶつかり合うーー。


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