IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 なんとコラボ第3段!まさか連続コラボになるとは……本編が進まねえ……まあいいや、推敲期間と考えれば。

 コラボ第3段は、悪維持さん。ありがとうございます!

 では、始まります!




コラボNo.3 煉獄ノ炎、果汁ノ雨
コラボ3 果実ノ勇士ト煉獄ノ使徒(1)


 三人称side

 

 『煉獄の園』(パーガトリー・エデン)。そこは異世界との干渉が阻まれ、神さえも足を踏み入れる事の無い、地獄とも言える世界。そこには『転生者ハンター』と呼ばれる者達がおり、彼らによって日夜様々な悪行を犯した転生者の魂が数多く運ばれてくる。今日もまた、屑転生者達の憐れなる叫び声が響く。

 

 

 

 そんな世界にある巨大な白き城『断罪の地獄城』(ジャッジメント・ヘルキャッスル)では、三人の男女が一人の女性と通信を行っていた。

 ??「……ロックシード、ですか?」

 ??「そう。どうやら別世界の何処かに、『仮面ライダー鎧武』に出てくるロックシードとは別のロックシードがあるらしいの。把握しているのだけだと、ブルーベリーとかマスカットとか。陽君、薫ちゃん、夏煉ちゃん、あなた達にはそれを見つけて採取して来て欲しいのよ」

 薫「ロックシードの採取ですか。……と言うか、『ロックシード』って何ですか、ヴラドさん?」

 ヴ・鬼・夏『』ガクッ

 夏煉「薫義姉さん、そこからですか……まあ私も分かりませんが……」

 話した順に、『鬼崎陽太郎』、『ヴラド・スカーレット』、『兵鬼薫』、『鬼町夏煉』の四人だ。陽太郎、薫、夏煉の三人は、この煉獄の園は勿論、神界でも名の知れた転生者ハンターで、ヴラドはこの三人の上司にあたる。現在、ヴラドは三人にある仕事の依頼をしていた。

 ヴラド「ロックシードとはね、果実の力を宿した錠前の事。これを専用ベルト『戦極ドライバー』に装着する事で、『アーマードライダー』に変身出来るのよ」

 薫「ふーん……錠前を使って変身するライダーねえ……」

 ヴラド「ロックシードは基本的に『ヘルヘイムの森』という場所にあるわ。だけどここは、私達でも侵入の難しい場所。だから、直接そこに採取に行くのは無理ね」

 鬼崎「ではどのように?」

 ヴラド「実はね、その『ヘルヘイムの森』が何処かの世界と繋がってしまったらしいのよ。その繋がった部分から侵入出来ればーー」

 薫「『ヘルヘイムの森』に入れるって訳ね!意外と簡単そうだわ!」

 夏煉「問題は、その繋がってしまった世界が何処なのか、ですね。そこさえ分かれば……」

 鬼崎「そこは、眼魔眼魂を使おう。情報収集はお手の物だからね」

 ヴラド「それじゃ三人共、お願いね。出来れば沢山採取して来て欲しいわ」

 鬼・薫・夏『分かりました!』ケイレイ

 

 

 

 鬼崎「よし、それじゃあ早速、っと」カチッ

 ヴラドとの通信を切った後すぐに、鬼崎は大量の眼魔眼魂を起動して、眼魔を召喚した。

 鬼崎「眼魔の諸君、これより『ヘルヘイムの森と繋がってしまった世界』を探してきて欲しい。恐らくその世界には、『アーマードライダー』がいるはずだ。出来れば、ヘルヘイムの森に入れるような隙間も見つけて欲しい。では、頼んだぞ」

 鬼崎の号令の下、眼魔達は次々と捜索に出ていく。

 薫「後は、眼魔達の報告を待つだけね。あー、早く行ってみたいわ~」ゴローン

 鬼崎「焦らなくてもすぐに報告が来るさ、義姉さん。僕達もすぐに出発出来るよう、今の内に準備しておこう」

 薫「そうね、アーマードライダーと鉢合わせするかもしれないし」

 夏煉「どんな世界なんでしょう…………」キラキラ

 薫「おー、珍しく夏煉の目が輝いてる…………」

 鬼崎「ここ最近、他の世界に行く事がなかったからね…………」ニガワライ

 

 

 

 

 

 一方、こちらはご存知IS学園。今日も二人のアーマードライダーが、クラックから現れるインベスを討伐していた。

 牙也「そらっ!」ブンッ

 箒「はあっ!」ドンドンッ

 アーマードライダー蝕ーー紫野牙也と、アーマードライダーレオンーー篠ノ之箒である。二人は次々沸いてくるインベスに容赦なく攻撃を当てていく。

 牙也「とっとと片付けるぞ!」

 箒「ああ!」

 

 『ブルーベリースカッシュ!』

 『マスカットスカッシュ!』

 

 牙・箒『はあああああああ!!』

 

 結局、物の数分で片付いた。二人は変身を解除し、いざ戻ーー

 牙也「っ!?」ビクッ

 ーーろうとすると、牙也は何を思ったのか突然後ろを振り向いた。が、後ろには何も、誰もいなかった。

 箒「牙也、どうした?」

 牙也「…………いや、今誰かに見られてたような…………」

 箒「?」

 牙也「……気のせいか」

 誰もいない事を確認して、二人は寮に戻っていった。

 

 

 そんな二人を見つめる影が一つ、学園の上空にあった。それは、二人の姿を確認すると、何処かへ飛んでいった。

 

 

 

 そして再び『煉獄の園』。こちらの時間帯では、既に一週間は経過していた。

 鬼崎「!そうか、見つけたか。ご苦労様」

 夏煉「陽太義兄さん、どうかしたの?」

 鬼崎「夏煉か。やっと見つかったよ、目的の世界が」

 夏煉「本当!?」キラキラ

 鬼崎「ああ。ほら義姉さん、起きて。見つかったよ、目的の世界が。すぐに出発するから準備して」ツンツン

 薫「……んあ……ふぁぁ……何、見つかったの……?」カラダノバシ

 鬼崎「見つかったよ。すぐに幽霊列車に乗って。出発するから」

 夏煉「陽太義兄さん、場所は何処なんですか?」

 鬼崎「えっと、『IS学園』だね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 春輝「……くそっ……くそっ!」カベナグル

 そのIS学園では、学園唯一の男子生徒・織斑春輝が忌々しそうに壁を何度も殴り付けていた。

 ここ最近の春輝の評判は散々であった。まあ、ISの実技ではミスを連発して千冬に怒られるわ、いつも尊大な態度で接するわ、挙げ句の果てにはタッグトーナメントで味方を盾にした事が学園新聞で掲載されるわ、下手すれば学園そのものを敵に回しかねない程の愚かっぷりであった。しかし春輝は、それを全て牙也のせいにして自分を正当化していた。

 春輝「……あいつが……紫野って奴が出てきたお陰で、僕の人気はがた落ちだ……しかも箒はいつもあいつと一緒にいるし……あいつさえ、あいつさえいなければ僕は……!」

 春輝は忌々しそうに壁に八つ当たりしていた。そこへ、

 

 

 ーピイイイイーーーーーーーー……ー

 

 

 春輝「?何だ、今の汽笛?ここには電車は通らないはずじゃ……」

 そう言って春輝が振り向くと、突然春輝の足元の地面にレールが敷かれた。そして、そのレールの向こう側からは、何やら不気味な列車が走ってきた。それは蒸気機関車のようだが、正面に人間の頭蓋骨があしらわれていた。

 春輝「な……!?何だよあれ!?くそっ!」

 春輝は慌てて建物の影に隠れた。幽霊列車はさっきまで春輝のいた辺りに停車した。そして、客車のドアが開きーー

 

 薫「おー、着いたー!」ウデノバシ

 夏煉「ここが、IS学園……」

 鬼崎「まずは、ヘルヘイムの森の入り口を探さなきゃね」

 中から煉獄義姉弟ーー鬼崎、薫、夏煉の三人が出てきた。

 春輝(な、何だよあいつら!?それに、あの列車は一体……!?あまりにも怪しすぎる。よし、僕の手で捕まえてやるよ!)

 夏煉「でも陽太義兄さん、この学園とても広いよ?手分けして探しても時間が掛かるんじゃ……」

 鬼崎「何、心配は無用だよ、夏煉。先に何体か眼魔をここに向かわせて調べてもらってる。まだ報告は来ないようだけど……」

 薫「えー!?つまんなーい!陽、何か暇潰しになるような物は無いのー?」ブー

 鬼崎「と言われてもねえ。そう易々と暇潰しになるような物が出てくるわk「うおおおおおお!!!」?」

 三人が声のした方を向くと、

 春輝「てめえら、何者だぁぁぁぁ!?」ゴオオオッ

 春輝が白式を纏って突進して来ていた。

 鬼崎「……来たよ、義姉さん。暇潰しになりそうなのが」

 薫「おー、面白そう!てなわけで……」

 

 鬼・薫『そおおおおおおおおいっ!!』ケトバシ

 春輝「ぶほぉっ!?」

 

 鬼崎と薫は、突っ込んできた春輝の顔面にカウンターで蹴りを入れた。春輝は変な叫び声を上げて吹っ飛んでいく。

 薫「おー、結構吹っ飛んだねー!て言うか、今陽も一緒になって蹴り入れなかった?」

 鬼崎「入れたよ。僕だって退屈なんだから」

 夏煉「陽太義兄さん、あの人が纏ってたのは……?」

 鬼崎「ああ、夏煉は知らないんだったね。あれがISだよ。正式名称『インフィニット・ストラトス』。この世界の天災科学者・篠ノ之束が作った一種のスーツさ」

 薫「確か本来は、宇宙空間での作業なんかを目的に作られたんだっけ?」

 鬼崎「そうだよ、でも『白騎士事件』が起こった後は、ISは兵器として見られるようになったんだ」

 夏煉「あれが……IS……!」キラキラ

 薫「また夏煉の目が輝いてる……」ウワォ

 鬼崎「……使ってみたいの?」

 夏煉「はい!」キラキラ

 

 春輝「てめえらァ、何しやがる!?」

 そこへやっと春輝が戻ってきた。

 薫「いや、何しやがるってこっちの台詞よ。そっちから攻撃して来たんでしょう?あたし達はそれに対して反撃しただけ。何の落ち度も無いわよ」

 春輝「落ち度ならあるさ!君達はこの学園に不法に侵入した!それだけで充分理由になる!」

 夏煉「……そう言われればそうでした……」

 薫「校門から入ってないからね」

 鬼崎「そもそも幽霊列車で来たからね」

 春輝「ふん、理解が早くて助かるよ!と言う訳で、お前ら三人、大人しくこの天才の僕に捕らえられろ!」

 

 薫「は?天才?お前が?」

 鬼崎「……随分下手くそな冗談ですね……」

 夏煉「……馬鹿なんでしょうか?」

 薫「天才と言うか、愚才の方が正しいだろ」

 鬼崎「真の天才とは、自画自賛をしないものですよ」

 夏煉「天才と言う言葉の意味をよく調べてきて下さい」

 

 春輝「」ワナワナ

 鬼崎「最後に、貴方に一言申しておきましょう」

 

 

 鬼・薫・夏『一昨日来やがれ!』

 春輝「」ブチッ

 

 春輝「……言わせておけば、調子に乗りやがってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」ゴオオオッ

 春輝は完全にキレて、鬼崎に斬りかかった。鬼崎はそれを簡単に避けて見せる。が、

 鬼崎「っ!」

 避けきれなかったのか、鬼崎の頬が少し切れ、血が流れた。

 夏煉「陽太義兄さん!」

 鬼崎「大丈夫だよ、夏煉。これくらい何ともないさ」

 春輝「ちっ、外したか。だが、次はお前を斬る!天才であるこの僕には誰も及ばない事を、お前達に教えてやる!」

 薫「へぇ、嘗めた口聞くとーー」

 夏煉「…………陽太義兄さんを、斬る?」ズオッ

 春輝「」ビクッ

 夏煉「…………ふざけないで!」スッ

 夏煉が腰に手を翳すと、炎が腰回りを覆い、それが消えるとそこには、戦極ドライバーとは違うベルトが巻かれていた。そのベルトは、見た目が目玉のようであった。

 春輝「な……!?」

 夏煉「……陽太義兄さんを……よくも傷付けたな!」

 そして夏煉は、懐から目玉のような物を取り出して横のスイッチを押し、ベルトのバックルを開いてセットした。

 

 《アーイ!》

 

 すると、ベルトからパーカーが飛び出してきた。

 春輝「……パーカー?」

 

 《バッチリミトケー!バッチリミトケー!》

 

 周囲にベルトの待機音が響き、パーカーは夏煉の周囲を飛び回る。

 

 夏煉「私は、陽太義兄さんを傷付けた貴方を、絶対に許さない!変身!」

 

 《カイガン!ヘレナ!!デッドゴー!覚悟!キ・ラ・メ・キ!ゴースト!》

 

 夏煉がベルトのレバーを引いてすぐに押し込むと、夏煉の周囲に黒い霧が発生し、その体は紫のラインが入った黒いスーツに覆われた。そしてその上からパーカーが被さり、何もなかった顔の部分には紫と黒で顔が描かれ、額には炎のような紫の角が二本伸びた。最後に夏煉は、被っていたパーカーのフードを取る。

 夏煉「仮面ライダーヘレナ……鬼町夏煉。渾沌の定めに、舞い殉じます!」

 

 

 

 三人称side end

 

 

 




 第1話はここまで。さて、これからの展開、どうしましょうかねぇ……

 次回、遂に邂逅、六人のライダー達ーー。


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