IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 今回でコラボ2は最終話。最後の戦いを、その目でーー

 まあ拙い文章になるでしょうが…………

 では、どうぞ!


コラボ2 異世界ニ立ツ侵食者(9)

 三人称side

 

 第1アリーナに、またも刃同士がぶつかり合う音が響く。そこで邪武と相対するのは、

 一夏「そこっ!」ヒュンヒュン

 無双セイバーを振るう鎧武・極アームズと、

 牙也「ウラァッ!」ブンッ

 雪片・零式を振るう蝕・白騎士アームズだ。二人は息の合ったコンビネーションで邪武に攻撃を仕掛ける。が、邪武も負けておらず、ダーク大橙丸と無双セイバーで二人の攻撃を迎え撃つ。

 邪武「ふん、この程度か!?全く手応えがない!つまらんぞ!もっと我を楽しませよ!」

 牙也「テメエなんぞに命令されるいわれはないね!」

 一夏「今度こそ、貴方を倒す!」

 斬撃がぶつかり、無双セイバーの銃撃がぶつかり、共に相殺される。それにつれて、戦いは一層激しさを増していく。

 

 

 

 セシリア達は、一夏達の戦いをそこから少し離れた場所から見つめていた。

 セシリア「一夏さん達、大丈夫でしょうか…………?」

 ラウラ「敵は黄金の果実以上の実力。だが、奴は今追い詰められている。二人を倒さない限り、悲願は達成出来ないからな。それに、牙也の力は奴からすれば危険なもの。完全に排除しようとするだろう」

 シャルロット「二人共…………どうか無事で…………!」

 簪「負けないで…………!」

 シュ・茜・千尋『……………………』

 茜達三人は、その戦いをじっと見ていた。

 千冬「お前達は心配ではないのか?何も言わぬようだが…………」

 シュラ「心配、か。していない訳ではないさ」

 楯無「だったらなんでーー」

 茜「『信じている』からだ。私達は皆、二人の勝利を信じている。だから、私達はここで待ち続ける。あの二人が、無事に私達の元へ帰ってくる事を…………」

 鈴「『信じている』か…………そうよね、あたし達があの二人の勝利を信じないでどうするって話よね」

 千尋「信じろ、あの二人を。今の私達には、それしか出来んのだからな…………」

 二人の勝利を信じる事。皆にはそれしか出来ない。が、それしか出来ないからこそ、二人の勝利をこれほどに強く信じる事が出来る。

 シュラ(……勝て、牙也……勝って、必ず戻ってこい……!)

 皆はただじっと、二人の戦いを見続けていた。

 

 

 

 

 一・牙『はあっ!』ザシュッ

 邪武「ぐああっ!」

 鎧武と蝕の斬撃が、遂に邪武の鎧を捉えた。二人はここぞと言わんばかりに、連続攻撃を仕掛ける。

 一夏「そこっ!」ヒュンヒュン

 邪武「ぐあっ!?」

 牙也「隙あり!」ザシュッ

 邪武「ぐふっ!」

 攻撃は止まらず、邪武は成す術もなく攻撃を受けている。

 一・牙『セヤアアアアッ!』ザンッ

 邪武「うわあっ!?」

 遂に邪武は斬撃を二人分同時にくらい、吹き飛ばされた。アリーナの地面を豪快に転がっていく。

 邪武「ぐ、ううう…………ふざけた真似をォォォォォ!」

 

 『ダークネススカッシュ!』

 

 邪武はカッティングブレードを一回倒して、ダーク大橙丸を構えた。すると、邪武の周囲に黒いリンゴ型のエネルギー体が現れた。周囲を浮遊するエネルギーを、邪武はダーク大橙丸を振るう事で二人に向けて飛ばした。

 

 一夏「させない!」

 『メロンディフェンダー!』

 『バナスピアー!』

 

 『メロンオーレ!バナナオーレ!』

 

 鎧武は極ロックシードを操作して『メロンディフェンダー』と『バナスピアー』を召還。さらにカッティングブレードを二回倒してメロンディフェンダーを投げ付けた。メロンディフェンダーは弧を描くように飛び、リンゴのエネルギーを全て切り裂いた。

 邪武「何!?」

 一夏「まだだよ!」

 驚く邪武にそう叫んで、鎧武はバナスピアーを地面に突き刺した。バナスピアーから黄色のエネルギーが邪武に向かって伸び、そのまま邪武を拘束した。

 邪武「これは!?っ、くそ!離せ!」

 一夏「牙也さん、今です!」

 牙也「ああ!」

 

 『白騎士オーレ!』

 

 蝕はカッティングブレードを二回倒して雪片零式を構え、動けない邪武に向かって走り出した。

 

 牙也「ハアッ!」ザンッ

 邪武「ぐふっ!」

 

 牙也「ウラァッ!」ザシュッ

 邪武「ぐおっ!?」

 

 牙也「ハアアアアッ!」ズバアアアッ

 邪武「ぐわああああっ!」

 

 雪片零式による袈裟斬り、斬り上げ、上段からの振り下ろしで邪武を斬り裂いた。

 

 邪武「ハア、ハア、ハア…………馬鹿な…………我が…………この我が、負けるなど…………!」

 

 いずれの攻撃も、ダークネスロックシードを的確に斬り裂いたが、邪武は未だ健在であった。

 牙也「ちいっ、仕留められなかったか……」

 一夏「それなら次こそ…………!」

 邪武「我が負けるなど…………あってなるものかァァァァァァァァァ!」

 

 『ダークネスオーレ!』

 

 邪武がカッティングブレードを二回倒すと、邪武の正面に巨大な黒いリンゴのエネルギー体が出現。

 

 邪武「これで終わりよ…………消え去れェェェェェェェ!!!!!」

 

 ダーク大橙丸を振るって、二人に飛ばしてきた。

 

 牙也「一夏!合わせろ!」

 一夏「はい!」 

 

 『白騎士オーレ!』

 『極オーレ!』

 

 牙・一『はああああああああ…………!はあっ!』

 

 二人の右足にエネルギーが集約し、白く輝く。そして二人は息を合わせて、同時にジャンプした。

 

 牙・一『セイハアアアアアアアアアアア!!!!』

 

 そして、リンゴのエネルギーに強烈なキックを加えた。強力なエネルギー同士がぶつかり合い、火花を散らす。が、

 牙也「くそっ、押される!」

 一夏「力が足りない!このままじゃ…………!」

 

 

 シュラ「諦めるな!」

 セシリア「私達も共に!」

 

 シュラとセシリアが、共にオーバーロードの姿となり、揃って右足にエネルギーを溜める。そして、同じようにジャンプして、

 

 シュ・セ『セヤアアアアアアアアッ!!!!』

 

 強烈なキックをぶつけた。これにより、黒いエネルギーは押し戻される。が、

 

 牙也「くそっ、まだ足りねえか!」

 一夏「また押し返されてる!」

 シュラ「ぐっ、想像以上だな、この力は!」

 セシリア「皆さん、諦めてはなりませんわ!ここで私達が負けたらーー!」

 牙也「分かっちゃいるが…………!」

 鈴「ちょっと、あたし達を忘れないでよね!」

 その声と共に、鈴達他のアーマードライダーも加わった。

 一夏「鈴!それに皆も!」

 シャルロット「一夏達ばかりにこんな事させられないよ!」

 ラウラ「こんな奴の好き勝手にさせるのは私としても御免だからな!」

 楯無「後輩ばかりに辛い仕事はさせたくないのよね!」

 簪「……私達にも…………出来る事がある。たとえ一人の力が弱いとしても、私達が力を合わせれば…………!」

 千冬「……もう、誰も失わせはしない!」

 千尋「もう、誰も奪わせはしない!」

 スコール「私達も同じ。無力だったあの頃とは違う!」

 オータム「そうだ!あたし達をなめるなよ!」

 マドカ「姉さん達は、私達が守って見せる!」

 箒・茜『私達の絆、侮るな!』

 次々とアーマードライダーが加わり、キックをぶつけたり、己の得物でエネルギーを受け止めるなどして、黒いエネルギーを押し返していく。

 邪武「…………ふざけるな…………ふざけるなアアアアアアアアッ!!!!!」

 

 『ダークネススパーキング!』

 

 しかし邪武はさらにカッティングブレードを三回倒して、エネルギーをさらに打ち出した。

 

 牙也「ーーーーっ!まだだ…………まだだァァァァァァァァッ!」

 

 その途端、蝕の腰のホルダーに付いたラズベリーロックシードがゲネシスコアと共に浮遊し、戦極ドライバーに装着された。そしてゆっくりとカッティングブレードが倒された。

 

 『ロック・オン!』

 

 『ソイヤッ!白騎士アームズ!守護神・ファースト・ステージ!ハッ!ラズベリーアームズ!破壊者・Dead・Stage!』

 

 牙也「!こういう事かよ…………朧!お前の力を、俺達に貸してくれ!」

 

 『白騎士スパーキング!ラズベリースパーキング!』

 カッティングブレードが三回倒され、全員の足や得物にエネルギーが集約した。

 

 『いっけええええええええええ!!!!!!』

 

 そして遂に、黒いエネルギーはその強大な力に耐えきれなくなり、消滅した。

 邪武「ば、ば、馬鹿なァッ!こ、こんな事がーー!」

 

 

 『セイハアアアアアアアアアアア!!!!』

 

 

 そして牙也達はそのまま邪武に向かって突っ込んだ。

 

 邪武「ぐ、ぐわあああああああっ!!!!」

 邪武の全身に、キックと武器による一撃がヒットした。それらの攻撃は勢い余って、そのまま邪武を突き抜けるほどであった。

 

 

 邪武「……ば、ば、馬鹿な…………何故だ、何故我はーー」

 牙也「誰も信じず、たった一人で戦ってる奴と、皆を、仲間を信じて全員で戦ってる奴と、どっちが強いかって話だよ。お前は自ら仲間からの信頼を投げ捨てた。その時点で、お前には勝つ要因など無くなってたんだよ」

 全員揃って変身を解除し、牙也はそう呟いた。

 

 

 

 

 牙也「……さあ……天へと堕ちていけ…………そして、相応の裁きを受けな…………!」

 

 

 

 邪武「い、嫌だ!我は、我にはまだ、成すべき事がーーっ、ぐわあああああああっ!!!!」

 

 

 

 

 遂に邪武は倒れ、大爆発が起こった。爆発が終わると、邪武がいた場所には、砕け散ったダークネスロックシードの欠片が残されるだけであった。

 

 一夏「やった…………やったよ、皆!」

 セシリア「これで、やっと……全て終わりましたわね」

 牙也「ははは…………やっと……終わり……か…………」ドサッ

 茜「牙也!?しっかりしろ!牙yーー牙也?」

 牙也「zzz……」バクスイ

 シュラ「なんだ、疲れで眠っただけか…………驚かせてくれる」ハア

 茜「」ホッ

 

 そして、朝日が第1アリーナを包んでいったーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一週間後ーー。

 

 牙也「世話になったな、皆。感謝するぜ」

 茜「牙也の怪我が治るまで泊まらせてもらって、本当に悪いな」

 一夏「いいよ、気にしないで。牙也さんやあなた達の協力がなかったら、どうにもならなかったし」

 セシリア「そうですわ、今回の一件の解決は、牙也さんのお陰とも言えますわ」

 鈴「また何時でも遊びに来なさいよ!その時は、思いっきり相手になってあげるからね!」

 シュラ「うむ、強くなったらまた相手しよう」

 千尋「…………お前は凌馬に負けたのではなかったか?」ジトーッ

 シュラ「はて、何の事やら」メソラシ

 牙也「誤魔化すなコラ」ボカッ

 シャルロット「僕達は何時でも歓迎するからね!」

 ラウラ「ううむ、牙也に弟子入りしたかったのだがな…………」

 簪「仕方ないよ、ラウラ。牙也さん達も長くは此処に居られないんだから」

 楯無「次会ったら、生徒最強の立場として、正々堂々相手するわよ!覚悟しなさい!」

 千冬「また来い。次こそは貴様に勝つ」アクシュ

 千尋「世話になったな、次も容赦しないぞ」アクシュ

 カンナ「皆さん、そろそろ…………」

 牙也「なんだ、もうお別れか…………なんか、寂しいな」

 一夏「それならまたカンナちゃんに頼めば?それならまた会えるじゃない」

 牙也「それもそうだな。こちらの方が決着が付いたらそうしようかね」

 茜「また会おう。お互い、さらに強くなってな」

 箒「ああ。次は負けないぞ」

 凌馬「おーい、牙也君達!」

 束「ちょっと待って~!」

 箒「姉さん!」

 一夏「凌馬さんも!」

 シュラ「む、どうかしたか?」

 凌馬「いやね、君達にお土産を渡そうと思ってね」スッ

 凌馬が四人に差し出したのは、

 

 茜「こ、これ、戦極ドライバー!しかも量産型の…………!」

 千尋「ゲネシスドライバーも…………!」

 

 凌馬「君達の世界はインベスが多い。少しでも戦力になる人を確保しなきゃ不味いだろうからね、合わせて四つしか渡せないが、対インベス用に改造したから少しは戦力になるだろう」

 シュラ「これは…………!感謝するぞ、戦極凌馬。これで戦いの幅も広がるというものだ」

 束「束さんも協力したからね!大切に使ってよね!」

 茜「ありがとう、姉さん」

 束「ほうkーーいえ、茜ちゃん。向こうの私の話は聞いたよ。だから、こう伝えてくれないかな。『一人で抱え込まないで。皆がいるんだから、何時でも頼らなきゃ』ってね」

 茜「……分かりました」

 カンナ「では皆さん、準備は良いですか?」

 牙也「ああ。名残惜しいが、次また会う時まで続きはお預けだ」

 カンナ「では、クラックを開きます」

 カンナの合図で、クラックが開いた。

 

 

 

 

 牙也「そんじゃあ、またな!」

 茜「また会おう!」

 千尋「次会う時は、もっと強くなっておけよ!」

 シュラ「それはお互い様だろう……またな。世話になった」

 

 

 

 

 一夏達『またどこかで!!』

 

 

 

 

 

 三人称side end

 

 

 




 コラボ、無事完結しました!

 本編はまだ続きます。今後も是非お読み下さい!

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