IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
後編です。
さて、上手く戦闘描写を書けただろうか…………
三人称side
朧「ほらほらどうした!?天才は負けないんじゃないのかい?」
春輝「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
春輝と仮面ライダークライムーー神崎朧の戦いは、クライムが優勢であった。雪片弐型を構えて突撃する春輝に対して、クライムは銃をわざと弾丸が外れるように撃ち、弾幕を張って春輝が近づけないようにしていた。少しでも春輝が接近すると、的確に弾を当てて懐に潜らせない。その繰り返しで、白式のSEはほとんどなくなっていた。
春輝「くっ、やっぱり卑怯だぞ!銃火器を使うなんて!正々堂々と剣d『ドンッ!』グアッ!」
朧「剣で戦え、とでも言いたいの?断る。銃で戦うのも、正々堂々とした手段だからね」
春輝「くっ、認めない…………!こんな奴に天才の僕が負けるなんて…………!」
朧「はあ…………そんなんだから、この程度の弾幕を潜り抜けられないんだろうが!」ドンドンッ
春輝「グウッ!」
クライムは銃を撃つ手を止めない。
春輝「わ、分かった!僕の負けだ!だかr『ドンッ!』ぐはっ!」
朧「」ドンドンッ
春輝「ガッ!?グウッ!?ギャッ!?こ、降参だと僕はさっきk「知るかよ」っ!?」
クライムは春輝の言葉を遮り、銃を構えて言った。
朧「おい、知ってるか?戦場ではな、『敵に慈悲を与えちゃいけない』んだぜ?」
春輝「な、何!?」
朧「敵を生かしておくと、いつそいつに寝首をかかれるか分からない。だから、敵は完膚なきまでに叩き潰す。それが俺の戦い方だ」
そう言って、クライムは腰のカードホルダーから一枚のカードを引き抜いた。そこには、見たこともない姿のアーマードライダーが写っていた。
朧「じゃ、止めはこいつにやらせるか」
『SUMMON RIDE』
そのカードを銃に装填し、春輝に向けた。
『ORIGIN』
そしてそれが撃ち放たれ、灰色の影が交差する場所にやがて立ったのはーー
??「………………私の出番か?」
無色透明のゲネシスドライバーと、様々な果実が描かれたエナジーロックシードをベルトに付けたアーマードライダーであった。
春輝「なっ、アーマードライダー!?ど、どうしてーー」
オリジン「…………アーマードライダーオリジン、貴様との一騎討ちを所望する…………」
春輝「一騎討ち…………だと?…………ふん、良いだろう!誰も僕には及ばない事を思い知らせてやる!」
春輝は雪片弐型をオリジンに向けて構えた。対してオリジンは、手に持った刀『雷亜』を居合い斬りのように腰に構え、更にシーボルコンプレッサーを一回押し込んだ。
『オリジンエナジースカッシュ!』
雷亜にオレンジ色のエネルギーが集まり、刀身をコーティングした。
春輝「うおおおおおおおおお!!!!!」
春輝がオリジンに向かって突撃し、雪片弐型を降り下ろしーー
オリジン「…………はあっ!」ザンッ
春輝「!?…………が、はっ…………」
てきたタイミングで、オリジンは居合いを白式の装甲に叩き込んだ。白式は強制解除され、春輝も地面に叩き出され、そのまま気を失った。
オリジン「…………強きは威勢だけか。つまらん」
オリジンはそう言ってカードに戻った。
クライムは変身を解除し、気を失った春輝に近寄った。
朧「今のようなままでは、いずれお前は黒き悪に飲み込まれるだろう。それが嫌なら、お前自身が変われ。さもなくば、死からは逃れられん」
朧は気を失った春輝にそう声を掛け、その場から立ち去った。
その様子を、木の陰から見つめる四人の人影があった。牙也、箒、シュラ、千冬の四人だ。銃撃音を聞きつけたシュラと千冬が急いで現場に向かい、その途中で同じく銃撃音を聞きつけた牙也、箒と合流したのだ。
牙也「…………強いな、あいつ。織斑を簡単にいなして見せた」
箒「ああ…………しかし、奴は何者なのだ?」
シュラ「さあな。だが恐らく、あやつはこの世界の人間ではない。そして、今回の一件にも関与はしていまい」
千冬「何故そう断言出来る、シュラ?」
シュラ「………………………………勘だ」
牙・箒・千「「「おい!」」」ベシッ×3
シュラに三人のツッコミが入った。
千冬「ともかく、私は春輝を部屋に連れていく。篠ノ之、手伝え」
箒「あ…………はい!」
千冬は気絶した春輝を背負い、箒と共にその場を離れた。
牙也「さて、俺達はどうする?」
シュラ「うむ……あの者から話を聞ければ良いのだが……」
朧『俺に何か用か?』
牙・シュ「「!?」」
二人が後ろを向くと、いつの間にか朧がそこに立っていた。
牙也(な、いつの間に!?気配の一つもしなかった!一体どうやって!?)
朧「あんた等が俺を観察していたのは分かってた。だから、立ち去るふりをしてあんた等の後ろにこっそり回ったのさ」
牙也「……ナチュラルに心読むの止めてくんね?」
牙也の悲しいツッコミが夜空に響く。
シュラ「しかし、お前は一体誰なのだ?それに、さっきまでいたあの鎧武者は……」
朧「俺は神崎朧、またの名を『仮面ライダークライム』という。あちこちの世界を気ままに旅する旅人だよ」
シュラ「旅人、か。では、あの鎧武者は?」
朧「『アーマードライダーオリジン』。禁断の果実と同等の力を持つ『オリジンエナジーロックシード』で変身するアーマードライダーだ」
シュラ「あのようなアーマードライダーがいるのか…………」
シュラは朧からの返答を聞いて、ブツブツと何か考え事を始めた。
牙也「おい、何か良からぬ事考えてないだろうな?」
シュラ「ん?いや、あれほどの能力を見て、少し思うことがあってな」
シュラはそう返して、また思考に入った。
朧「ところで、お前は誰だ?」
牙也「俺か?紫野牙也だ。こいつはオーバーロード・シュラ。俺達も、アーマードライダーだ」
朧「そうか……紫野だったな、第三者として少し忠告をしておこう」
牙也「忠告を?」
朧は「そうだ」と言ってさらに続けた。
朧「恐らく近々、面倒な事態が起こると俺は見ている。長きに渡って多くの世界を回ったが、ここほど強い悪意を感じたことはない」
牙也「……面倒な事態が起こると?」
オ朧「あくまで俺の予想だがな。ま、よそ者の戯れ言と聞き流してくれても構わん」
牙也「そうか……」
朧「じゃ、俺はそろそろ行くかな」
そう言った朧の背後に、オーロラが現れた。
シュラ「これは…………?」
朧「俺が普段旅をするために開く門のような物だ。こいつは、異世界同士を繋ぐ役目がある」
すると朧は、おもむろに懐から何かを取り出して牙也にパスした。牙也がキャッチしたのは、『L-S-15』と書かれた赤いロックシードだった。
朧「それを渡しておく。オリジンから受け取った物だ。いずれはそれがお前を助けるだろう」
牙也「ん、ありがとうな」
朧「ああ。それじゃ、またな。次会ったら、一戦交えようぜ」
そう言って、朧はオーロラと共に消えていった。
牙也「シュラ、どうだ?」
シュラ「いや、あのオーロラは今回とは何の関係もない。私が感じたのとは違う物だ」
牙也「てことは、あいつもこの一件とは繋がりはない、か……」
シュラ「そう見て間違いないだろう」
シュラはそう言って、先程まで朧が立っていた場所を見た。
牙也「『仮面ライダークライム』か…………いずれまた会うかもな」
そう呟く牙也は、手に持った赤いロックシードを強く握りしめた。
三人称side end
SOURさん、コラボさせていただき、ありがとうございました!
今後も、この小説をよろしくお願いします!
番外編はまだまだ続きます。書いておきたい話があるので…………次回もお楽しみに!