IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 SOURさんとのコラボです!さらに、千冬さんもちゃっかり変身しています!

 では、どうぞ!




コラボNo.1 旅人ハ忠告スル
コラボ 旅人ライダーノ置キ土産(前編)


 

 

 三人称side

 

 IS学園の敷地内の外れにある、鬱蒼とした林の中。そこでは、二人のアーマードライダーがソニックアローを振るって戦っていた。

 千冬「これでどうだっ!」ヒュン!

 シュラ「ほう、やるな!」ガギン!

 戦っているのは、アーマードライダー赤零ーーシュラとアーマードライダー白夜(びゃくや)ーー千冬であった。

 千冬はタッグトーナメント後にシュラから渡されたゲネシスドライバーとシークヮーサーエナジーロックシードに早く慣れるため、シュラに師事。生徒達が寝静まった夜中に毎日、こうやってアーマードライダーとして鍛えてもらっている。もちろん、この時点では牙也と箒は千冬がアーマードライダーの力を得た事は知らない。

 それぞれのソニックアローのアークリム同士が火花を散らし、矢が次々放たれ、時に鍔迫り合いとなる。両者共に一歩も退かず、拮抗状態が続いていた。

 シュラ「しかし、最初の頃はエナジーロックシードに振り回されてばかりだったが、大分制御出来るようになったな」

 千冬「まだ制御出来るようになっただけだ。確実に使いこなせるようにならねば…………!」

 そんな軽口を叩きながらも、お互いに攻撃の手を緩めない。林の中に斬撃の音が、矢がぶつかる音が鳴り響く。戦いは、終わる気配を見せぬまま暫く続いていた。

 

 

 

 

 千冬「ふう…………やはり、まだ力不足だな」

 特訓を終え、変身を解除した千冬は近くの木に寄りかかった。

 シュラ「しかし、実力はしっかりついている。そこは誇っても良いのではないか?」

 シュラはそんな千冬に賞賛を送った。が、千冬はそれに対して首を振った。

 千冬「いや、これぐらいで誇れるものではない。まだ、私には足りないものがある。それを得るために、慢心などしていられない」

 そう言ってシークヮーサーエナジーロックシードを握りしめる千冬の顔には、『もう誰の手も離さない』という決意が篭っていた。

 シュラ「……その決意が強いのは別に構わんが、焦りすぎるなよ。あの銀髪の少女の二の舞にはなってほしくないからな」

 千冬「分かっている。あれを見て、力の使い方をまだ考えないなどふざけている。力とは、間違えれば破壊の力ーー暴力になるものだからな」

 シュラ「うむ。ISもアーマードライダーも、今の世では『兵器』足り得る力。それが分からぬ輩には、使い方の説明書でも作って読ませる事から始める方が良いと思うがな」

 千冬「それでどうにかなるのなら、束はすぐに動いているだろう?それに女尊男卑の世が、それを許しはしまい。ただでさえISを過信する者が多いのだ。説明書を読ませるだけでどうにかなるならこんな苦労はしないだろうに」

 二人はそんな軽口を叩きあっていたが、突然一本の木に殺気を向けた。

 千冬「……そこに隠れているのは、誰だ……?」

 シュラ「大人しく出てこい。さもなくば……」

 すると、木の陰から出てきたのはーー

 

 

 

 春輝「ち、千冬姉……?何で千冬姉が、その力を……?」

 織斑春輝であった。

 

 

 

 千冬「春輝……?何故、お前がここに……?」

 春輝「寝付けなかったんで外を見てたら、千冬姉がここに向かうのが見えたんで、追いかけてきたんだ…………」

 千冬「そうか…………春輝、私h『どうしてだよ』!」

 春輝「どうして千冬姉が、そんな奴から教えを請いているんだよ!千冬姉は世界最強(ブリュンヒルデ)なんだろう!?今のままでも充分強いじゃないか!それなのに何でーー」

 千冬「……私には、世界最強(ブリュンヒルデ)という称号など、無意味なのだ。私は今まで、この称号にしがみついて生きてきた。力の意味をちゃんと理解していなかった。だから、一番力を使うべき場面で力を発揮出来ず、一夏という大事な家族を失ってしまった。私が欲しいのは、称号という薄っぺらい物ではない。『守る力』大事な時に確実に大切な人を守る事の出来る力が欲しかったんだ………………」

 そう言う千冬の手は拳が握られ、少し血が滲み出ていた。

 春輝「でも、だからってこいつに力を求めるなんてーー」

 千冬「牙也は言っていた、『使える物はどんどん使え』と。私が力を得る為には、今の私にはこいつのーーシュラの力が必要なのだ。今まで通りに自らを鍛えたところで、力の意味を分かってない私にはまるで意味がない。だから、変化が必要なんだ」

 そう言って、千冬はシュラを見た。

 千冬「確かに、私はシュラを完全に信じている訳ではない。いずれ、私達を裏切ったりするかもしれない。だが、私自身が求める力の為、今はそんなことは言っていられない。もしシュラが裏切ったのなら、教わった力をもって、全力で倒すのみだ」

 シュラに向けられた千冬の目は、鋭かった。

 シュラ「どうする、まだ続けるか?」

 千冬「うむ、もう一戦頼む」

 シュラ「分かった。では行くぞ」

 『イーヴィルエナジー』

 『シークヮーサーエナジー』

 

 

 『『ロック・オン!!』』

 

 千・シュ「「変身」」

 

 

 『血眼!イーヴィルエナジーアームズ!Blood eyes!Blood eyes!D-D-D-Deadly Souls!』

 『リキッド!シークヮーサーエナジーアームズ!イヨォーッ!ソイヤッサァ!ハイヤッサァ!』

 

 千冬「今回の件は不問にする。春輝、お前はすぐに部屋に戻れ。後、分かっているとは思うがこの件は他言無用だ。さあ、行け」

 千冬ーーアーマードライダー白夜はそう言って、シュラーーアーマードライダー赤零と共に林の奥へ消えていった。残された春輝は、白式の待機形態のガントレットを強く握りしめた。

 春輝「千冬姉、千冬姉は間違ってる。敵から戦いを教わるなんて…………何でだよ…………何でそんな事が出来るんだよ!?」

 

 

 

 

 ??「…………本当に強さを望む者なら、どんな恥でも忍ぶ物なんだよ」

 春輝「?誰だ!?」

 春輝が振り向くと、そこに立っていたのはーー

 

 

 

 ??「君は、果たして強さのなんたるかを分かっているかな?」

 

 

 

 どことも知れぬ制服を着て、首回りにマフラーを巻いている青年であった。

 春輝「お前、誰だ!?ここは俺以外の男子は禁制だぞ!まさか、侵入者か!?」

 ??「侵入者とは、人聞きの悪い…………私は、『旅人』だ」

 春輝「旅人だと!?そんな見え透いた嘘が通じると思ってんのか!?」

 ??「本当だって…………人の話は聞いtーー」

 春輝「何が目的だ!?言え!言わないとーー」

 春輝は白式を展開して、謎の青年に突っ込んだ。

 春輝「こうなるぜぇぇぇぇ!!」

 装備した雪片弐型が、青年に振るわれーー

 

 

 

 

 ??「どうなるんだ?」

 

 

 

 ーーる前に、青年が手に持った銃で撃ち落とされた。

 春輝「ガッ!?何がーー」

 それによって春輝は一瞬青年への注目が逸れた。青年はそれを見逃さず、

 ??「そこだ!」ドンッ

 春輝「グワッ!」

 春輝の胸の辺りに銃弾を撃ち込んだ。春輝は大きく吹き飛ばされるが、すぐに体勢を立て直して雪片弐型を構えた。

 春輝「くそっ!お前、飛び道具なんて卑怯だぞ!」

 ??「卑怯?戦い方は人それぞれだ。君はそれを否定するのかい?つまりそれは、君が私のような銃火器を使う人に『近接武器なんて卑怯だ』と言われるのと同じだ」

 春輝「うるさい!お前は僕が倒してやる!お前なんかに、天才の僕が倒せる訳がないんだ!」

 ??「…………あ?」

 春輝「!?」ビクッ

 その言葉を聞いた青年は、春輝に向かって強い殺気を当てた。春輝は一瞬たじろぐが、すぐに元に戻った。

 ??「天才だから、何だよ?天才は最強だって、言いたいのか?そんなんだから、アーマードライダーに負けるばかりか、アーマードライダー自体が使えないんだよ」

 春輝「な!?なんでお前がそんな事を知ってるんだよ!?まさか、お前もアーマードライダーなのか!?」

 ??「いや、『アーマードライダー』ではない。俺はーー」

 そう言って青年は、懐から一枚のカードを取り出した。そのカードには、アーマードライダーとは違う別のライダーの姿が写っていた。

 

 

 ??「ーー旅人であり、通りすがりの仮面ライダーだ…………変身」

 

 

 『KAMEN RIDE』

 

 青年はそのカードを銃に差し込んで、それを暗き空に向け、

 

 『CLIMB』

 

 銃を撃った。銃からは機械的な音声が響き、銃口から灰色のプレートが飛び出し、さらに彼の周囲を灰色の影がいくつも行き交った。そして、その影が彼に合わさり、黒の全身を包むスーツを形成。そして、空を浮いていたプレートがスーツの頭の部分に突き刺さった。スーツの一部が灰色になり、鈍く光った。フェイスマスクの目の部分は赤く光った。その姿は、昔のモノクロ写真を思わせた。

 

 

 

 

 ??「仮面ライダークライム、神崎朧ーー参る」

 

 

 

 三人称side end

 

 

 





 長くなったので、一旦切ります。

 後編もお楽しみに!

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