IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 いよいよ決勝戦!

 アーマードライダーとの戦いの場に立てるのは、果たしてどちらのペアなのか!?

 まあ今回では決まりませんがね。



第16話 決勝戦、開始ノ鐘

 

 

 三人称side

 

 タッグトーナメント一日目が終わり、今はすっかり日が暮れて夜になっている。勝ち残った選手達や警備担当の生徒・教員はつかの間の休息をしていた。トーナメントは準々決勝まで終わり、明日は準決勝からだ。各人は体を休めたり、自身の専用ISを整備したりと、それぞれのやるべき事を行っていた。

 そんな中、牙也は校舎の屋上でオーバーロード・シュラと話をしていた。

 

 

 牙也「亡国企業(ファントム・タスク)が?」

 シュラ「うむ、私に接触してきた」

 

 シュラの報告に、牙也は怪訝な表情を見せた。

 

 牙也「奴ら、何のためにあんたと接触を図ったんだ?」

 シュラ「私に接触してきたのは、亡国企業の戦闘部隊を率いている女達だった。彼女らによると、どうやら亡国企業もインベスについて調べ始めたらしい。つい最近までは世界各国でクラックが確認されていて、その度に奴らはその調査に行っていたようだ」

 牙也「それがここ最近、クラックの出現がIS学園に集中し始めたから、何かあると考えてあんたと接触を図ったってか?亡国の人らも暇人だねえ」

 そう言いながらも、牙也には少しの不安が頭をよぎった。

 シュラ「まあ、これでこの一件の黒幕の候補が一つ消えたな。今になってインベスについて調べ始めた所が、こことヘルヘイムの森を繋げられる訳がない」

 牙也「だな。こっちも今のところ大きな被害とかは出てないし…………向こうさんもここにアプローチして来ないからな」

 シュラ「ああ。しかしこれで調査は振り出しか…………面倒だから亡国にも手伝ってもらおうか?」

 牙也「おい馬鹿やめろ。それはそれで不味いやつだ。各国でテロを起こしてるようなとこにこれの技術が流れたら、大変な事になるぞ」

 そう言って、牙也は懐から戦極ドライバーを取り出した。

 シュラ「あ、そうそう、それを見て思い出した。新しいドライバーが完成したんだ、見るか?」

 牙也「新しいドライバー?」

 シュラは懐から戦極ドライバーとは違う別のドライバーを取り出した。

 牙也「これは…………?」

 シュラ「これは『ゲネシスドライバー』。この『エナジーロックシード』を使う為のベルトだ」

 シュラはさらに懐から『イーヴィルエナジーロックシード』を取り出した。

 牙也「新たなアーマードライダーの登場か…………また混乱が起こるなぁ………………」トオイメ

 シュラ「そう言うな。私もこれから参戦する。それまでは何とか頼むぞ」

 牙也「ああ、分かってる」

 シュラ「それと、お前にこれを渡しておこう」

 シュラはさらに、何かを取り出した。それは、ゲネシスドライバーのコアの予備であった。

 牙也「これ、ゲネシスドライバーの…………?」

 シュラ「コアの予備だ。新しいフォームに必要なものでな、これをここのプレートの部分に付けるんだ」

 そう言ってシュラはおもむろに牙也の戦極ドライバーを取り上げ、鎧武者の横顔が描かれたプレートを取り外し、新たにゲネシスコアを取り付けた。

 牙也「は~~~。それで?」

 シュラ「新フォームには、通常のロックシードと共にエナジーロックシードを使う。このゲネシスコアに付けるんだ。いくつか持っていけ」

 シュラは牙也に、別のエナジーロックシードを合わせて四つ手渡した。

 シュラ「オレンジ、バナナ、ブドウ、マツボックリのエナジーロックシードだ。それとコアをもう一つ付けておく。彼女に渡しておいてほしい」

 牙也「了解……って、あんた人前に出るときどうすんだよ?それで出るわけにはいくまい?」

 シュラ「心配するな。この姿でいく」

 そう言ってシュラが人間態に変化した―――――。

 

 

 牙也「お前…………」アタマカカエ

 

 

 その姿に牙也は苦笑するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日。

 タッグトーナメント二日目を迎え、第1アリーナで行っていた一年生の部は、早くも決勝戦を迎えようとしていた。

 決勝戦のカードは、

 

 

 

 織斑春輝&シャルロット・デュノアペア

          vs

      ラウラ・ボーデヴィッヒ&更識簪ペア

 

 

 となった。ある意味予想通りである。

 各ペアはすでにアリーナに出てきており、軽口を叩きあっていた。

 ラウラ「フッ、貴様らなど恐れるに足らん。私一人で叩き潰してくれよう!」

 春輝「そんな事言ってていいのかい?これで負けたら恥だよ?」

 シャルロット「春、ちょっと落ち着いて………………」

 簪「ラ、ラウラも………………」

 既に春輝とラウラの間で火花が散っており、それをシャルロットと簪が必死に抑えている状態だが、

 

 

 ラ・春「「シャルロット(貴様)は黙っていて(ろ)」」ギロリ

 シャ・簪「「は、はい………………」」(涙)

 

 

 効果なし。逆に二人を煽ってしまっている。

 

 

 そうこうしている間に、試合開始のカウントダウンが始まった。

 

 Three―――――

 

 ラウラ「フッ、まずは貴様から叩き潰してくれよう!」

 

 Two―――――

 

 春輝「それは僕の台詞だよ!君こそ僕に叩き潰されろっ!」

 

 One―――――

 

 簪「…………お互い…………苦労してるね…………」

 シャルロット「あ、あはは…………そうだね…………」

 

 Go!!!!

 

 タッグトーナメント一年生の部、決勝戦が遂に始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 試合は、最早タッグ戦ではなく個人戦そのものだった。春輝とラウラが単独でぶつかり合い、シャルロットと簪は遠くから傍観している。

 ラウラはレールカノンで春輝を狙い撃ち、春輝はそれを次々避けている。そして隙が出来れば、春輝は突撃する『ふり』をしてフェイントを誘うが、ラウラには効果はない。

 ラウラ「ふん、そんな幼稚な策に乗るとでも思ったか!?」

 ラウラは春輝に向かってレールカノンを数発撃ち込んだ。

 春輝はギリギリ避けるが、避けきれなかったのか1~2発被弾した。

 春輝「ちいっ!」

 ラウラ「ふん、早く私の懐に入ってこい!このままではつまらないままだぞ!?」

 すると春輝は何か策があるのか、ニヤリと不気味な笑みを浮かべ、雪片弐型を片手に持ってラウラに突撃した。

 ラウラ「愚かな!」

 案の定ラウラは右手を突き出してAICを発動し、春輝の動きを止めた。

 ラウラ「さあ、捕らえたぞ!今度こs―――――《ガガガガガガアンッ!!!!》ぐあっ!?」

 突如銃撃音が鳴り響き、ラウラが一瞬怯んだ。その隙を春輝は見逃さず、瞬時加速(イグニッション・ブースト)で一気にラウラとの距離を縮め、連続で切り裂いた。

 

 ザシュッ!

 ラウラ「があっ!」

 

 ザンッ!

 ラウラ「ぐあっ!」

 

 ズバッ!

 ラウラ「グウッ!く、くそッ!」

 

 春輝はそのまま、息もつかせぬ連続攻撃をラウラに加えた。戦況は、徐々に春輝有利に傾いていた。

 

 

 

 

 

 

 簪「今、一体何が…………?」

 遠くから傍観していた簪は、突然の銃撃音でラウラが怯んだことに驚きを隠せないでいた。

 シャルロット「隠し銃だよ」

 すると、隣で同じように傍観していたシャルロットが、説明を始めた。

 

 シャルロット「僕は試合前に、春輝にこっそりハンドガンを一丁手渡しておいたんだ。もちろん、彼のISでも使えるように設定してね。そして、春輝の突撃をラウラがAICで止めたとき、春輝はラウラの死角から銃を撃ったんだ。ラウラのAICは、対象に集中を向けておかないとすぐに効果が切れる。だから、他の遠距離攻撃で集中出来なくすれば、ラウラに簡単に近づけるって考えたんだ。結果は見ての通りだよ」

 シャルロットは春輝達の戦いに目を向けた。その戦況は、やはり春輝が有利である。

 

 簪「くっ、早くこの事をラウラに―――――」

 シャルロット「そうはさせないよ」

 シャルロットは逃すまいと簪に向けてアサルトライフルを撃った。簪は突然の事に反応できず、銃撃をもろに食らった。

 シャルロット「今の話をラウラに伝えさせるわけにはいかない。そのためには、君をここで抑えておかなくちゃいけないんだ!」

 簪「…………っ、それなら、貴女を倒して無理矢理でも押しとおる!」

 

 決勝戦は、大きく動き出していた。

 

 

 

 三人称side end

 

 

 




 春輝め、以外とやるな…………(自分で書いといて何言ってんだろ?

 次回、トーナメントが決着、かと思いきや――――?

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