IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 タッグトーナメントまでの幕間を軽く執筆。

 本気の戦いの前とは、こんな風な空気なのかな………………という想像を交えて書きました。

 では、どうぞ。



第14話 重ナル思イト、近ヅク戦

 

 三人称side

 

 あの騒ぎが起こった日の夜、騒ぎの当事者であるラウラは、部屋のベッドに腰かけて考え事をしていた。

 ラウラ(『力が欲しいなら、力を欲するな』だと?あまりにも矛盾している……一体奴は何を思ってそんなことを私に……)

 シャルロット「ラウラ、何か考え事?」

 すると、ルームメイトのシャルロットが話しかけてきた。ラウラは、今日自分が起こした騒ぎの事、その中で蝕―――牙也から言い放たれた言葉について話した。

 

 シャルロット「『力が欲しいなら、力を欲するな』か……彼は何をラウラに教えようとしてるんだろうね……」

 ラウラ「奴の言いたい事は、到底私には理解出来ない。無視するのが一番だろうが……何故だろうか、どうも胸に引っ掛かるのだ、その言葉が」

 シャルロット「うん、実は僕もその言葉がどうも引っ掛かって……(何処かで聞いたことがあるような…………うーん、思い出せないな)」

 シャルロットはシャルロットで、その言葉が過去の記憶にあるようだが、詳しくは思い出せていなかった。

 ラウラ「シャルロットは、何か覚えがあるのか?」

 シャルロット「え?あ、うん。だけど思い出せないんだ。聞き覚えはあるんだけど……」

 ラウラ「そうか……」

 それっきり二人は黙りこんでしまった。

 

 

 

 

 

 次の日。

 牙也は楯無に呼び出されて、生徒会室に向かっていた。

 (楯無直々の呼び出しとはな、何かあったか?)

 そう考えつつ、気が付けば生徒会室に来ていた。

 

 

 コンコンコン――――――

 

 楯無『入って、どうぞ』

 

 ガチャッ、キイ―――――――

 

 牙也「邪魔するぞ」

 楯無「邪魔するならお帰りください」

 牙也「はいよ~~って、お前が呼んだんだろうが!?」

 楯無「あら、冗談よ、怒らない怒らない」

 楯無が手に持つ扇子には、達筆で『お上手♪』と書かれていた。

 牙也「まったく。悪ふざけは妹さんか虚さんの前だけでやってくれよな」

 楯無「それ私に死亡フラグ立つんですけど!?」

 牙也「別に問題なくね?」

 楯無「辛辣!何?さっきのお返し?」

 虚「…………お嬢様、そろそろ本題に…………」

 いつの間にやら、虚が楯無の横に立っていた。

 

 楯無「そ、そうね。さて牙也君、貴方を呼んだのは他でもないわ、これについてよ」

 そう言って、楯無は一枚のプリントを牙也に手渡した。

 牙也「『学年別タッグトーナメント』?」

 楯無「そう、各学年それぞれで行われる毎年恒例の個人トーナメント戦。ただし今年はインベスの一件もあって、複数人での連携を見るという目的のもと、タッグトーナメントに変更されたのよ」

 牙也「へえ。で、これと俺に何の関係が?」

 楯無「大有りなのよ、牙也君。実は最近、IS委員会から通告があって、『アーマードライダーのベルトとロックシードのデータをこちらに送って欲しい』だって」

 牙也「はあ?何でまた………………」

 楯無「大方、委員会で解析する気なのよ。解析出来れば、対インベスの武具が作れるかもしれないって考えたんでしょう」

 牙也「やれやれ、束さんでも解析出来なかった物が、他のやつらに解析出来る訳ないってのに………………それで?あんたは俺にこれに出場しろと言いたいのか?」

 楯無「いえ、出場というよりは、ゲスト登場してもらいたいのよ」

 牙也「ゲスト登場?」

 楯無「そう、つまり――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 三人称side end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牙也side

 

 鈴「何なのよ、それ――――っ!」

 セシリア「ああ、私も出場したかったですわ――――っ!」

 

 生徒会室での話を、現在医務室に入院中の鈴とセシリアに伝えると、二人揃って廊下まで響く程の大音量で叫んだ。

 

 「俺に文句を言われてもな…………俺もさっき聞いたばっかだし」

 鈴「それでもよ!ああ、こうなるんだったらあの挑発に乗るんじゃなかった~~!」

 セシリア「残念ですわ、折角貴方と戦える数少ないチャンスだったというのに…………」

 「まあ、今回はタイミングが悪かったと思え。後、そのタイミングをみすみす逃したのは自分等だってことも忘れるなよ」

 鈴・セ「「うう…………」」(涙)

 「それに、今回のタッグトーナメントは対インベスも考慮しなけりゃならんって言うのは粗方予想がついただろうに」

 鈴・セ「「それは言ってほしくなかったわ(ですわ)……………」」ショボーン

 「ま、ともかくお前ら二人はさっさとその怪我治すことに専念しろよ。んで、トーナメント見に来い。学ぶことは沢山あるはずだ」

 鈴「分かってるわよ!」ノシ

 セシリア「トーナメント、頑張って下さいまし!」ノシ

 「いや頑張れって………………俺が出る訳じゃないんだがな……………………」

 苦笑を返しつつ、俺は医務室を出ていった。

 

 

 箒「なるほど、お前が………………ならば私も出ることになるのか?」

 自分の部屋に帰る途中、箒と会ったので鈴達と同じく生徒会室での話を伝えた。箒はやはりそれほど驚いていなかった。

 「いや、出るのは俺一人だ。箒はクラス対抗戦と同じく警備に回る予定らしい」

 箒「そうか。だが、いつでも動けるようにしておかねばな」

 「ああ」

 箒「しかし、まさかこんな形で私達アーマードライダーとISが戦う事になるとはな」

 「全くだ。だが、いずれはこんな日が来てもおかしくはなかった」

 箒「いつかは戦わなければならないだろうとは思っていたが………………」

 そう言って、箒は俺が渡したタッグトーナメントのプリントに目を落とした。そこには、

 

 

 

 

 

 『なお、各学年の優勝タッグは、アーマードライダーとの模擬戦を行うものとする』

 と書かれていた。

 

 

 

 牙也side end

 

 

 

 

 三人称side

 

 タッグトーナメントまでの間、学園はピリピリとした雰囲気に包まれていた。それもそのはず、トーナメント出場者は、様々な思いをその胸に秘めていた。

 

 シャルロット「アーマードライダー…………彼らと戦えば、何か思い出せるかも………………」

 ある者は、自身の欠けた記憶を求め、

 

 ラウラ「次だ…………次こそ、奴を倒す…………私のこの絶対的な力で…………!」

 ある者は、アーマードライダーとの再戦を目指し、

 

 簪「彼は、何故戦うの…………?何故そんなに強いの…………?知りたい、彼の強さの秘訣が…………」

 ある者は、その強さを知り得るため、

 

 春輝「僕のハーレムを邪魔しやがって…………僕の栄光を否定しやがって…………絶対に許さない、あいつはこの手で叩き潰してやる…………!」

 ある者は、己の欲望のため。

 

 

 

 様々な思いが交差し、そして――――――

 

 

 

 

 

 

 

 『学年別タッグトーナメント』が、ついに開幕した。

 

 

 

 三人称side end

 

 

 






 次回、ISの実力者達が無双開始。

 そして、シュラの調査にも進展が――――――


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