IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
投稿遅くなってすみませんでしたァァァァァァァッ!!
いや本当に申し訳ないです、待たせ過ぎちゃって。言い訳させていただくと、この『ラストストーリー』執筆、自分の就活や世間を騒がせる新型コロナの影響もあってストップせざるを得なかったんです。そうしないとガチでヤバかったので……
とにかく『ラストストーリー』はようやく半分書き終えましたので、書き上がった分を投稿させていただきます。次の投稿が何時になるかはまだ未定ですが、できる限り早めに投稿する予定ですので、気長に待っていただけたら幸いです。
では、『ラストストーリー』、始まります。
プロローグ 魔王君臨 隠サレタストーリー
いつかどこかの未来ーー。
その未来に存在するとある店がある。
そこに住む者には、夢がある。
「王様になる」
そう公言した青年の名は、『常磐ソウゴ』。
彼は今、己に定められた未来に抗う為、日夜戦っていたーー。
とある場所に聳え立つ城、その敷地内にある森の中ーー一人のライダーと一体の怪物が刃を交えていた。ライダーは両手に持った二本の剣を合体させると、四方から襲い掛かってきた怪物達を纏めて斬り裂く。ライダーの攻撃を受けた怪物達は爆発四散し、残ったのはライダーと怪物達を使役していた怪物のみ。ライダーは更にその剣を残っていた怪物に向けて勢いよく振り下ろした。その一撃を受け止める事すら出来ず、怪物はなすすべもなく崩れ落ちる。
??「何故だ……何故俺は奴に敵わない!?」
怪物が地面を殴り付けながらそう叫ぶと、ライダーは怪物を見ながら言った。
??「それは……お前が過去の事しか見てないからだ!」
??「どこまでも偉そうに……!うおおおお!!」
ライダーのその言葉に怒り狂った怪物は刃を構えて攻撃を仕掛けるが、ライダーはそれを剣で迎撃し、更に怪物の二回目の攻撃を受け止めながら続けた。
??「そして俺は……未来を作る為に戦う!」
そう言ってライダーは怪物を凪ぎ払うと、持っていた剣を投げ捨ててベルトに装着された二種類のウォッチのボタンを押し、バックルを一回転させた。
《フィニッシュタイム!グランドジオウ!》
そして大きく跳躍すると、ライダーの周囲にゲートが現れ、中から沢山のライダーが現れた。出現した総勢19人のライダー達は揃ってキックの構えを取り、
《オールトゥエンティ!タイムブレーク!!》
一斉に怪物に向けてライダーキックを繰り出し、最後に彼らを呼び出したライダーが止めのライダーキックを叩き込む。その強烈という言葉では足りなさすぎる攻撃に、怪物はなすすべもなく大爆発し、爆風は世界を包み込んでいったーー。
??「……あれ?」
爆風が晴れ、ライダーは一先ず変身を解除したが、辺りを見回して気づいた。先程まで自分がいた場所ではない、何処か別の場所にいる事に。いや、そもそも辺りの光景が自分がいた世界とは明らかに違っていた。周囲は真っ白に覆われて何もなく、あるとすれば青年がいるだけである。ライダーに変身していた青年は分かりやすく動揺していた。
??「おかしいな、ちゃんと倒した筈なのに……もしかして、倒しきれなかったのかな……?」
??「いいや、きちんと倒せたとも」
その声に青年が振り向くと、青年と同じかやや高めの背丈の人物が歩み寄ってきた。その人物はその身を真っ白な死装束で包んでおり、顔は目も口も鼻も無い真っ白な仮面で隠されていた。
??「常磐ソウゴ……で合っているか?」
ソウゴ「そうだけど……君は?」
??「我か?我はーーいや、ここで名乗るのは止めておこう。一先ず仮称として『レイ』とでも呼んでほしい」
ソウゴ「あ、うん……ねぇレイ。ここに俺を呼んだのは君なの?」
レイ「あぁ」
レイと名乗った人物は頷いて続ける。
レイ「さて、早速本題に入ろうか。我がお前をここに呼んだのには理由がある。『仮面ライダージオウ』としてーー未来の『オーマジオウ』として、願いを一つ聞いてくれないかと思ってな」
ソウゴ「願い?何の事さ?それにあんた、何で俺の事を知ってーー」
レイ「それは追々分かる事だ。今は何も聞かずに、我の願いを聞いてはくれないか」
ソウゴ「……分かった。それで、願いって何?」
ソウゴの質問に、レイは溜め息をつきながら言った。
レイ「……アナザーライダーを倒してほしいのだ。かの世界を脅かし、尚且つ奪い取ろうとしている輩を」
??『ヨウヤク……ヨウヤクダ、俺ガ完全二甦ル時ガ来タンダ……!』
禍々しい瘴気を全身から出し、一種の狂気のような言動の男……その男の目の前には、
??「何だお前……!俺に何をするつもりだ……!?」
一人の少年がいた。右目に眼帯を付けたその少年は男の狂気の前に腰が抜けたのか、立つ事すらできないでいる。
??『コノウォッチトモウ一ツ……マダ力ヲ持タヌコノウォッチ。ソノ力サエ揃エバ、俺ハ甦リ、ソシテ究極トナル……!待ッテイロ、俺ヲ貶メタ屑共ヨ……フハハハハ!!』
その男の手に握られていたのは、二つの黒塗りのウォッチであった。片方は何やら怪物の顔が描かれており、もう一つは怪物の顔が描かれていない。男は高笑いをあげながら、怪物の顔が描かれている方のウォッチを起動する。
《zero》
少年「ま、待て……!や、止めろ!止めーーッうああああああああ!?」
野太く禍々しい音声と共にウォッチが起動、そしてウォッチを少年の胸に押し当てる。と、少年の体は漆黒に覆われていき、
《zero》
姿が変わった。その姿は禍々しい鎧武者のようにも見える。左肩からは枯れ枝のようなものが伸び、大量の蔦が巻き付いた鎧は長い年月が経ったかのように朽ち果て、脚絆や着物を模したアンダースーツをその下に着込み、腰には錠前とナイフが合体したような外見で中央に8の字を描いた何か、右肩の鎧に20XX、左肩の鎧にZEROと書かれている。
??『サア、誕生ダ……今日カラオ前ガ、仮面ライダー零ダァァァァ!!』
鎧武者が巨大な青龍刀を掲げる様を見ながら、男は高らかな声をあげた。
ここに語られるのはーー
己を信じてくれる人間達の為に戦い続けたとある仮面ライダーの、最後の物語『ラストストーリー』である。