IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 すみません、大分遅くなりました。一週間以上空けての投稿、上手く書けたかが心配……これから持ち直していきますので、また応援よろしくお願いします。

 では、どうぞ。




第76話 蘇ルフェムシンム

 

 千冬とスコールは連携して、突如現れた赤いオーバーロードーーデェムシュに向かっていく。千冬はソニックアローから矢を放ちながら接近戦を仕掛けていく。スコールもサクラン棒でデェムシュを殴打して攻撃する。が、デェムシュはそれらの攻撃を大剣で軽々といなしていき、反対に手に持つ剣ーーシュイムで二人に斬り掛かる。

 

 デェムシュ「ふん、猿が……貴様らごときがヘルヘイムの力を使うなど、もってのほか!!身をもってその愚かさを知るが良い!!」

 千冬「愚かなのは貴様のほうだ!私達人間を嘗めてもらっては困る!私達の実力、見せてやろう!」

 

 デェムシュが振るうシュイムをソニックアローで受け止めながら、千冬はそう叫んでデェムシュを押し返していく。それに乗じてスコールもサクラン棒でデェムシュに再び攻撃を仕掛けていく。しかし流石は歴戦のオーバーロード、二人の更なる攻撃にも動じず、そればかりかまたも二人を押し返していく。

 

 スコール「くっ……オーバーロードと戦うのは初めてだけど、こんなに強かったの!?」

 千冬「シュラは確かに強かったが、奴とは比べ物にならないな……!ゲネシスドライバーでやっと対等、と言った所か……!」

 

 ぶつぶつ文句を垂れながらも、二人は攻撃を続ける。しかしデェムシュはそれら全てをいなし、逆に反撃してくる。

 

 デェムシュ「無能な猿が……消えろ!!」

 

 苛立ったデェムシュは、その手に炎の球体を複数個作って投げつけてきた。二人の周囲を次々と炎の球体による爆風が覆っていく。

 

 千冬「ぐううっ!?」

 スコール「あああっ!?」

 

 炎攻撃を受けた二人は後方に下がるが、デェムシュはそれよりも早く二人に接近して攻撃してきた。

 

 スコール「なっ!?は、早い……!」

 

 スコールはギリギリの所でサクラン棒で防御したが、先程のダメージがあまりにも大きく、スコールは簡単に弾かれてしまった。

 

 千冬「スコール!くそっ!」

 デェムシュ「無駄だ!!」

 

 千冬が再びソニックアローから矢を放って攻撃すると、デェムシュは両肩の角から雷撃を発生させて周囲に放射し始めた。雷撃によって矢はあっさり落とされ、二人の装甲からも雷撃によって火花が上がる。

 

 千冬「ぐおおっ!?」

 デェムシュ「これで終わりよ……消え去れ!!」

 ザック「させっかよ!!」

 

 デェムシュが千冬に斬り掛かろうとした時、横からザックが殴り掛かった。突然の事に対応出来ず攻撃を受けたデェムシュだったが、すぐに持ち直して今度は攻撃対象をザックに変更し、シュイムを振るい始めた。

 

 一夏「させるかッ!!」

 鈴「加勢するわよ!」

 

 しかしそこへ一夏と鈴が颯爽と現れてデェムシュの攻撃を受け流し、ザックと共に千冬達を守るように立った。

 

 デェムシュ「次々と邪魔が入る……!無能な猿共がッ!」

 一夏「黙れッ!!お前なんかに俺や皆を無能呼ばわりされるのはごめんだ!!」

 デェムシュ「ほざけ!」

 

 一夏とデェムシュがそれぞれの武器を打ち合い、更に鈴やザックが死角から攻撃を仕掛けていく。が、

 

 デェムシュ「その程度の事で倒せると思っていたのか!?馬鹿め、返り討ちにしてくれるわ!」

 

 デェムシュはどこからか蔦を伸ばして三人を拘束、そのまま校舎の壁に向けて投げ捨てた。三人は校舎の壁に叩き付けられ、鈴の甲龍はダメージ超過したのか強制解除されてしまった。

 

 一夏「鈴!?てめぇ、よくも!」

 千冬「落ち着け一夏!怒ったら奴等の思う壺だ!」

 一夏「けど……!」

 千冬「お前は下がって凰や他に負傷した者達を守れ。奴等は私達が相手する」

 一夏「……っ、分かった。あまり無理しないでくれよ、千冬姉達」

 スコール「善処するわ。ザック、まだやれる!?」

 ザック「ハッ、この程度でダウンする程柔な体してねぇよ!むしろ燃えてきたぜ!」

 

 千冬達はそれぞれの武器を構えてデェムシュに突撃していく。と、突如三人の足元から大量の蔦が伸びて壁のようになり、三人の行く手を塞いだ。

 

 ??「……邪魔ヲシタカ、デェムシュ?」

 デェムシュ「ハッ、邪魔どころか良い時に来たな、レデュエ!」

 

 蔦が消えた時、そこに立っていたのは中華風の緑色の鎧を身に纏った怪物。デェムシュはその怪物をレデュエと呼んで救援を歓迎した。

 

 デェムシュ「他はどうした?お前が指揮していたんだろう?」

 レデュエ「他ノオモチャノ世話ヲサセニ行カセタ。時機二戻ッテクルダロウ」

 デェムシュ「だったら良いが……ともかくこいつらを片付けるぞ」

 レデュエ「……私二命令スルナ、脳筋」

 デェムシュ「誰が脳筋だこの頭でっかち!」

 レデュエ「……一々反応スルナ、ソレダカラ脳筋ナノダ」

 デェムシュ「言ったなてめぇ!後で覚えてろよ!」

 

 口喧嘩しながらも二体は千冬達に向けて攻撃を始めた。炎や雷撃、それに光弾や緑色のエネルギー波で千冬達の接近を許さず、それらを盾にして剣や戟で千冬達に攻撃を仕掛けてきた。応戦する千冬達だが、二体のオーバーロードの前には多勢に無勢。まったく歯が立たず段々と追い詰められていく。

 

 千冬「くっ、ただでさえ強いオーバーロードが、二体も……!」

 レデュエ「残念ダガ、二体デハナイ……合ワセテ五体ダ!!」

 

 レデュエがそう叫んだ時、突然地響きが起き、地面から何かが顔を出した。顔を出したのは、幻獣玄武のような見た目の怪物であった。その手には見覚えのある二人の少女が抱えられている。

 

 千冬「デュノア、ボーデヴィッヒ!?」

 ??「お前達の仲間か?やはりそうか……やはり弱いな、人間は!!」

 

 その怪物はそう叫んで抱えていた二人を千冬達に向けて投げ捨て、それを盾にするようにしてそのまま斧を振りかざして突進してきた。

 

 ザック「くそっ、させるkーーぐはっ!?」

 

 ザックが飛び出して防ごうとしたが、斧を振りかざしての攻撃のパワーにザックも一撃で吹き飛ばされた。

 

 スコール「ザック!今助kーーっ!?」

 

 スコールが救援しようとした時、急な殺気に思わずサクラン棒で防御態勢を取る。と、巨大な大剣が勢い良く振り下ろされ、スコールの体ごと弾き飛ばした。

 

 ??「……主の邪魔はさせん」

 

 なんとかスコールが態勢を立て直して見ると、大剣を振り下ろしたのは、白い牛を模した怪物であった。大剣を持つ手と反対の手には、

 

 スコール「オータム、M!?」

 

 ボロボロに叩きのめされたオータムとMの姿が。更に、空から何かが降ってきて千冬の周りに落ちた。

 

 千冬「更識姉妹、オルコット……!?」

 

 降ってきたのは、虫の息状態のセシリアと楯無、それに簪だった。その上空には、何やら幻獣朱雀を思わせる見た目の怪物が悠々と浮遊していた。

 

 ??「ハッハッハッ、弱き事は罪よな……」

 

 その朱雀のような怪物はゆっくりと地上に降り立ってレデュエの後ろに立ち、牛のような怪物はオータムとMを投げ捨てるとデェムシュの隣に立ち、玄武のような怪物は正面に立った。

 

 一夏「オーバーロードが、五体も……!」

 

 勢揃いしたオーバーロード達を見て、千冬の後方で怪我人の撤退をサポートしている一夏は強く歯噛みする。シュラと同じオーバーロードが目の前にいるのだから無理もないだろう。と、

 

 レデュエ「サテ……サッサト終イニシヨウカ」

 

 レデュエが右手を前に出すと、複数のクラックが彼らの背後に開いて、中から大量のインベスが現れた。

 

 千冬「くっ……お前達、一体何が目的だ!?」

 レデュエ「決マッテイル、我ガ主ノ悲願ノ為、貴様等人間ヲ消ス……タダソレダケヨ。サア行ケ、オ前達」

 

 ただそれだけ答えたレデュエの号令と共に、インベスの群れが千冬達に襲い掛かってきた。しかし次の瞬間、千冬達を守るように地面から蔦が伸びて壁のようになり、インベスの行く手を塞いだ。更にその蔦の壁は、倒れ込むようにしてインベスを飲み込み、後には何も残さなかった。デェムシュ達は咄嗟に回避して事なきを得たが、レデュエが呼び出したインベスはクラックごと消されてしまった。

 

 レデュエ「ム……!?我ラト同ジ力ヲ……一体誰ガ!?」

 ??「……ぁぁぁぁああああああ!?」

 

 突然響いてきた叫び声に全員が上を向く。と、

 

 ??「ぁぁぁぁあんの馬鹿野郎ぉぉぉぉぉ!?なんで学園上空にクラック繋げたんだぁぁぁぁぁ!?」

 千冬「牙也!?」

 

 上空から牙也が何か叫びながら頭から落ちてきていた。

 

 牙也「だぁぁぁぁぁもぉぉぉぉぉ!!こうなったら自棄だぁぁぁぁぁ!!変身!!」

 

 《ゼロ》

 

 《ロック・オン》

 

 《ソイヤッ!ゼロアームズ!夢・幻・無・双!!》

 

 空中で牙也は『仮面ライダー零 ゼロアームズ』に変身し、態勢を整えてから着地した。重厚な鎧を纏ったゼロアームズの着地の震動で、辺りは大きく揺れる。

 

 牙也「ふぃ~……ったく、クラック開く場所なんとかならんかったのかねぇ?」

 

 牙也はやれやれと首を振りながら背中の零旗を抜くと、二刀流のように構えた。

 

 ??「貴様……何者だ?」

 

 白い牛のような見た目のオーバーロードが大剣を振り上げて牙也に攻撃を仕掛けようとすると、

 

 《シャインマスカットアームズ!光刃・ザン・ザン・ザン!!》

 

 また別の音声が鳴り、オーバーロードの足元に銃撃による小さな砂埃が出る。また全員がその方向を見ると、『仮面ライダーレオン シャインマスカットアームズ』に変身して無双セイバーの銃口を向けている箒の姿があった。

 

 箒「すみません、遅くなりました!」

 千冬「気にするな、来てくれただけでも大助かりだ。それはともかく……」

 牙也「この圧倒的不利を、覆さなきゃな」

 

 牙也を筆頭に、箒達はそれぞれの武器を構えてオーバーロード達に向けた。

 

 牙也「さぁ……こっからは、俺達のステージだッ!!」

 

 その言葉と共に、牙也はオーバーロード達に向かって走り出したーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 アーマードライダーVSオーバーロードの戦い。さて、これから一体何が起こるのかーー?


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