IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 ようやく投稿出来ました……これじゃ進まねぇな……。できる限り頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

 では、どうぞ。




第75話 勇武継戦

 

 千冬「おおおおっ!!」

 

 IS学園のグラウンド。そこは、数えきれない程のインベスで溢れ返っていた。その中を縫うように移動しながらインベスに攻撃する複数の影。それは、千冬率いる『IS学園教員部隊』改め『IS学園教員ライダー部隊』と、スコール率いる『亡国企業ライダー部隊』であった。黒影トルーパーに変身した彼女らは、ひたすらに影松を振るってインベスを攻撃する。

 

 スコール「常に複数で行動しなさい!互いの背中を守り合いながら戦うのよ!」

 千冬「円陣だ、円陣を組め!敵に背中を見せるな!何としてもここで押さえ付けるのだ!」

 

 その戦いの中央には、アーマードライダー白夜に変身した千冬と、アーマードライダーシグルドに変身したスコールがいた。二人は背中合わせになってインベスを相手する。

 

 千冬「まったく、牙也がいない時に限って敵が攻めてくるなっ!」

 スコール「あら、そう言われれば確かにそうね……けど、だからと言って彼に任せっきりにするのは無いでしょ?」

 千冬「当たり前だ!牙也がいないからこそ、私達が踏ん張らねばならんのだ!」

 

 千冬はソニックアローを、スコールはサクラン棒を振るってインベスを蹴散らしていく。

 

 

 

 

 

 

 その向こう側では、

 

 一夏「どらぁぁぁぁぁぁ!!」

 鈴「邪魔よっ!」

 

 アーマードライダー閃星に変身した一夏、甲龍を纏った鈴がこちらも背中合わせで戦っていた。

 

 鈴「一夏、大丈夫!?」

 一夏「心配すんなって、これぐらいじゃあ俺は簡単にはへばらねぇよ!てか鈴こそ大丈夫なのか?」

 鈴「一夏ったら、あたしを何だと思ってるの?この程度でへばる程柔な体じゃないわよ!」

 

 鈴が方天牙戟・闇松を振るってインベスを蹴散らしていく。蹴散らされたインベスが転がっていった先には、

 

 M「……対策さえなれば、やはりインベスも雑魚同然か」

 オータム「ぶつぶつ言ってる暇があんなら戦えよ!」

 

 オータムがサクラン棒改でインベスを殴打して攻撃。その度に爆発と凍結が起こり、次々とインベスは倒れていく。一方のMはと言うと、ガンブレード・ベリーアサルト片手に悠然と立っているだけ。たまに射撃をしてオータムを援護するくらいで、積極的には応戦していない。

 

 オータム「ああくそっ、良いとこ取りするつもりかM!?」

 M「良いとこ取りとは人聞きの悪い。せめて横取りと言え」

 オータム「大して変わんねぇよ!良いから手伝え!」

 

 オータムが喚きながらインベスを殴打する。Mは「やれやれ」と呟き、ベリーアサルトでの攻撃を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 ラウラ「フッ!」

 シャルロット「それっ!」

 

 校舎の近くでは、インベスの校舎内侵入をそれぞれのISを纏ったシャルロットとラウラが防いでいる。束から受け取った武器ーーバナランスとメロンガードナー、更にIS無双ブレードを振るって次々と襲ってくるインベスを追い払う。

 

 ラウラ「まったく、これではAICが使えんではないか……せっかくレベルアップしたと言うのに……」

 シャルロット「まぁまぁラウラ、また次の機会に使えば良いでしょ?それにこんな沢山来られたら、流石のAICでも動きを止め切れないでしょ」

 ラウラ「分かってはいるのだがな……」

 

 そんな会話をするラウラにインベスが飛び掛かる。が、突如響いた銃声の後、インベスは吹き飛んで爆発した。

 

 セシリア「日本の言葉で言うなら、油断大敵、でしたかしら?」

 

 二人が空に目を向けると、グレープマグナム二丁を構えたセシリアが上空から優雅に下降してきた。

 

 ラウラ「オルコットか、礼は言わんぞ」

 セシリア「結構ですわ、礼を聞く暇などございませんので……他の皆さんの避難は無事完了致しましたわ、後はこのインベスの群れを蹴散らすまで。参りますわよ!」

 ラウラ「貴様の命令などいらん!今やるべき事など、皆当に分かっているだろう!」

 シャルロット「はいはい、喧嘩はそこまで。早く倒して、織斑先生達と合流しなきゃ」

 

 三人は襲い掛かってくるインベスへと自ら突っ込んでいくーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 簪「えいっ!」

 

 校門では、薙刀・業炎を振るう簪とアーモンドリル改を振り回す楯無の姿があった。簪が業炎を振るえば炎が巻き起こってインベスを焼き焦がし、楯無がアーモンドリル改を振るえば水の槍がインベスの体を貫いていく。

 

 楯無「簪ちゃん、大丈夫?」

 簪「大丈夫だよ、お姉ちゃん。私だって、牙也さんの役に立ちたいから……だから、絶対に挫けない。絶対に、ここは守ってみせるよ」

 楯無「ふふ……嬉しいわね、簪ちゃんがこんなに強い心を持つなんて。これも全部簪ちゃんが好きになった牙也君のおかげかしら?」

 簪「お、お姉ちゃん!?////そ、そんな事は……////」

 楯無「あらあら、図星なのね。頑張ってね、お姉ちゃんも応援してるから」

 簪「も、もう!////は、早く倒して安全を確保しなきゃ!////」

 楯無「はいはい、分かってるわよ」

 

 そう言って楯無が再びアーモンドリル改を振るおうとすると、上空から光弾の雨が降ってきてインベスを撃ち抜き、次々と爆発四散していった。二人が上空を見ると、

 

 ザック「おぅ、いらん節介だったか?」

 

 アーマードライダーバルカンに変身してヒガンバライナーに乗ったザックがいた。

 

 簪「ザックさん!」

 楯無「あら、今まで何処にいたんですか?」

 ザック「悪い悪い、ついさっきまで別任務でアフリカにいたんだ。んで帰ってきて早々にスコールから連絡を受けて、慌てて飛んできたって事だ」

 楯無「それはお疲れ様……と言いたいけど、取り敢えず織斑先生の所に向かって!他にもあちこちでインベスが現れてるから、そっちにも援軍に向かわなきゃいけないの!」

 ザック「OK、任せろ!」

 

 ザックはヒガンバライナーを元のロックシード状態に戻すと、インベスに向かって殴り掛かる。そして無理やり道を開けると、インベスを押し退けて校舎に向かって走っていった。

 

 楯無「簪ちゃん、大技で決めるから一旦離れて!」

 簪「う、うん」

 

 簪が距離を取ったのを確認し、楯無はアーモンドリル改を構える。と、アーモンドリル改にナノマシンの水が集束していき、巨大な槍のようになった。

 

 楯無「これでも食らいなさい……『ミストルテインの槍・暴撃ノ雨』!!」

 

 楯無が槍を突き出すと、アーモンドリル改の先端が幾重にも分裂し、小型の水の槍となって次々とインベスの群れに降り注いだ。水の槍はインベスの体を易々と貫き、インベスは全て爆発四散。

 

 簪「凄い……お姉ちゃん、もう貰った武器を使いこなしてる……」

 楯無「ふふ、これでもまだまだよ……追い越してみなさいな、簪ちゃん」

 簪「む……絶対、負けない……!絶対に追い越してみせるよ、お姉ちゃん……!」

 楯無「それで良いのよ、簪ちゃん。さ、他の皆の加勢に行きましょ!」

 

 姉妹は揃って、次の場所へと飛んでいくーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁ、はぁ、はぁ……!」

 

 一方、瑞穂から禁断の果実を受け継いだ箒は、千冬達がいるであろうグラウンドへと走っていた。

 

 箒「急がねば……!急がねば、何が起こるか分かったものじゃない……!」

 

 先程まで瑞穂と話をしていていくらか時間を使ってしまい、箒はいくらか焦っていた。しかしだからと言って焦り過ぎてはいけないのは箒本人も分かっている。なるべく気持ちを落ち着かせ、箒はグラウンドへと駆けていく。と、

 

 箒「ん?あれは……?」

 

 走っている箒の目の前に、人影が見えた。そしてその人物が立っている向こう側には、数匹のインベスの姿が。

 

 箒「まずい……!助けなければ!変身!」

 

 《ハイー!マスカットアームズ!銃剣・ザン・ガン・バン!》

 

 箒はアーマードライダーレオンに変身し、マスガンドを振り上げて大きく跳躍、インベスに斬り掛かった。が、

 

 箒「ぐっ……!?何!?」バチイッ

 

 箒の攻撃は、突然現れた見えないバリアに阻まれた。バリアに攻撃を弾かれた箒は吹き飛ばされて地面を転がるが、すぐに起き上がってマスガンドを再び構える。

 

 ??「あら、貴女は……」

 

 と、先程の人物が突然振り向いた。その人物は女性で、金髪ショートヘアーで白のオフショルダーのワンピースを着て、首に金の首飾りを付けて茶色のブーツを履いていた。そして彼女はゆったりとした足取りで箒に近寄り、手を差し出しながら言った。

 

 ??「どうか、あの子をお願いしますね……?あの人が……ロシュオが、この世界の命運を託した、あの子を」

 

 そう言って穏やかな笑顔を見せると、彼女はゆっくりと粒子となって消えていった。彼女が消えた後、周りにいたインベスもすっかり消え失せており、そこには箒だけとなった。

 

 箒「あの人は一体……?それにあの子とは……と、とにかく千冬さん達と合流しなければ!」

 

 一先ず彼女の事は置いておいて、箒は千冬達と合流する為にグラウンドに向けて再度走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 千冬「よし、あらかた片付いたな。怪我している者は下がって治療を行え、残りの者は引き続き周辺警戒にあたるように」

 『はい』

 

 インベスの掃討をある程度終えた千冬は、スコールと共に部下に指示を出す。今までの事を考慮すると、ほぼ100%の確率でこの後何かが起こる。そう考えた千冬は、引き続き周辺警戒を怠らないように命じた。

 

 千冬「スコール。この騒ぎ、どう思う?」

 スコール「どう思うって……どういう事よ?」

 千冬「うむ、何と言えば良いのか……何かあっさり片付けられたなと思わなかったか?」

 スコール「そう言われれば……確かにいつもよりかは数は多かったけど、抵抗と言える抵抗、ほとんどしてこなかったように思えるわね」

 千冬「恐らく何かあるのは間違いないが……それが何なのか……」

 スコール「そこね。出来れば何もない事を祈りたいけどーー」

 

 そこまでスコールが話したその時、

 

 『きゃあぁぁぁぁぁ!!』

 『な、何なのよこいつーーぐはっ!?』

 

 突然の事に慌てて二人が見ると、そこには赤い洋風の騎士のような外見で肩から二本の角が伸びている、初級インベスとは明らかに違う怪物がいた。

 

 ??「愚かしい……愚かしいぞ、猿共!!貴様らのような下等生物が、我等オーバーロードに楯突くなどと!!貴様らなど、このデェムシュが微塵にして消し去ってくれよう!!」

 

 デェムシュと名乗るその怪物は、右手に持つ錫杖のような形の剣を振り回して、黒影トルーパーを圧倒していた。黒影トルーパー達はデェムシュの前にまるで歯が立たず、一撃で次々と変身解除に追い込まれている。

 

 千冬「な……!?あれはまさか、オーバーロード……!?」

 スコール「まずいわ、黒影トルーパーじゃ彼らには太刀打ち出来ない!私達で抑えないと!行くわよ!!」

 

 二人は武器を構え、デェムシュに突撃したーー。

 

 

 

 

 

 

 

 





 デェムシュの乱入によって、更に混乱の極みに達するIS学園。しかし、これだけでは終わらなかったーー。果たして牙也達は間に合うのかーー?


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