IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 始まります。




第66話 激闘

 

 「この盤面……俺が支配する!!」

 箒「この過酷溢れる世界に、私の光を……!!」

 カンナ「ノーコンティニューで……超ゲムデウスを完全攻略します!!」

 

 三人揃ってファイティングポーズを取り、超ゲムデウスを見る。いよいよラストバトルだ。絶対にこいつを倒し、この世界に平穏をもたらしてみせる!

 ちなみに今の俺達の姿だが、俺は今までのアームズとは大きく異なり、重厚な漆黒の鎧に身を包み、鎧武の三日月に加えて徳川家康所有の歯朶の葉前立てが特徴の兜、そしてフェイスの髭のような意匠と、戦国大名により近づいた姿だ。箒は今までの中国風の鎧に加えて、背中には白いマントを羽織り、ダルンダルンに伸びた袖のような意匠が両腕に施されている。カンナは右半分が巫女風、左半分がメカメカしいローブで、頭部の髪のような意匠は黒と白が入り交じっている。

 

 超ゲムデウス「劣等種ガ……ホザクナァ!!」

 

 超ゲムデウスはそう叫び、下半身の大剣を振り下ろしてきた。

 

 「散開!!」

 

 そう言って俺達はあちこちに散らばる。と、さっきまでいた場所に大剣が振り下ろされ、地響きを起こす。一夏達の方は、カンナが防護の布陣を使ってるお陰でなんとか防げてる。ちょっと見ない間にカンナも強くなったんだな。俺も負けてらんねッ!

 

 超ゲムデウス「望ミヲ捨テ諦メロ!!最早貴様等二勝チ目ハ無イ!!」

 

 超ゲムデウスはそう叫ぶと、龍のような両腕を大きく開き、その中から大量の武器が溢れ出てきた。

 

 「だったらこれだ!」

 

 俺は背中ではためく二本の旗を手に取った。その旗ーー『零旗(ゼロフラッグ)』は黒く、鬼の顔のような家紋が目を引くものであった。それを両方の手に持ち大きく一振りすると、黒い熱波が旗から飛んで大量の武器を押し返していく。そしてもう一回旗を一振りすると、今度は黒い炎が飛んでいって武器を全て焼き払った。

 

 超ゲムデウス「何!?」

 

 超ゲムデウスがこれに驚いている間に、箒は一気に接近していた。その手にはライムラッシュが握られ、それを勢い良く超ゲムデウスに振り下ろす。さらにイチジグレネードを呼び出して超ゲムデウスに向かって投げつけた。斬撃と爆発が超ゲムデウスを包み、『Hit!』の文字が出てくる。効いているな、俺達の攻撃が。

 

 超ゲムデウス「馬鹿ナ、何故貴様等ノ攻撃ガ我二有効二ナッテイル!?」

 

 本来ならゲームの力が無い俺達の攻撃であるにも関わらず、自身に攻撃が通っている事に驚きを隠せていない超ゲムデウス。けど、まだまだこんなもんじゃないぜ?

 

 「来い、『火縄名冥DJ銃』!!」

 

 俺は銃身にディスク型プレートが付いた大型火縄銃『火縄名冥DJ銃』を呼び出し、スクラッチして鳴らした。擦るとロック調の音が響き渡る。さらにその上にある『スピードコントロールツマミ』を一番右に捻ってからまたスクラッチした。さっきのロック調の音がやや早く響き渡り、スクラッチした時の光も三つから四つに増える。それを超ゲムデウスに向けてトリガーを引いた。するとマシンガンのように弾丸が放たれていき、超ゲムデウスに次々と『Hit!』の文字が出てくる。

 

 超ゲムデウス「小癪ナ……失セロッ!!」

 

 超ゲムデウスが再び武器を飛ばしてきたが、俺は火縄名冥DJ銃を向けてトリガーを引き、その全てを叩き落とした。

 

 超ゲムデウス「馬鹿ナッ!?コンナ事ーー」

 「ありえないーーなんて事はありえない。全ての事象は、偶然じゃなく必然だ。これもしかり」

 超ゲムデウス「フザケタ事ヲ抜カスナッ!!」

 

 すると超ゲムデウスが龍のような両腕から何かを吐き出した。それは真っ黒いスライムのようであったが、地面に落ちると細かく契れ、それぞれが醜い音を立てて変化し、バグスター戦闘員とノイズになった。

 

 超ゲムデウス「行ケ、バグスター戦闘員二ノイズヨ!!奴等カラ全テヲ奪イ取レッ!!」

 カンナ「そんな事は、私達がさせません!!」

 

 《ガシャコンカナブレイガン!》

 

 《デュアルガシャット!キメワザ!》

 

 そこへカンナがバグスター戦闘員やノイズの前に立ち塞がり、パラドが使うガシャコンパラブレイガンに似て、色が赤い部分が薄緑に、青い部分が紫になった武器『ガシャコンカナブレイガン』を出して、ガシャットギアデュアルを差し込んだ。

 

 《Ancient Critical Finish!》

 

 銃口に緑のエネルギーが充填され、トリガーを引くとそれが分散して放たれた。エネルギー弾が雨のように降り注ぎ、バグスター戦闘員やノイズを消し飛ばしていった。

 

 カンナ「牙也様と箒様は超ゲムデウスを!私はアリス様と共に露払いをしておきますので!」

 「悪ぃな、頼むぜ!」

 

 一先ずバグスター戦闘員とノイズはカンナとアリスに任せよう。俺は箒と共に超ゲムデウスに突っ込んでいく。超ゲムデウスは両腕を振るって攻撃してきたが、片方の腕は俺が裏拳で弾き、もう片方の腕は箒が蹴飛ばす。さらに俺は火縄名冥DJ銃からマシンガンのように弾丸を連射して攻撃、箒は炎刀鬼灯丸・ナギナタモードを振るってその体を斬り裂いた。

 

 超ゲムデウス「クッ、タカガ劣等種ノ分際デ……!神タル我ヲ超エルト言ウノカッ!?」

 「神だと?たとえ神だろうとな……害を撒き散らせば、それだけでお前の言う劣等種同然なんだよッ!!」

 超ゲムデウス「貴様……我ヲ劣等種ト抜カスカッ!!」

 箒「ふん、劣等種というより劣化した鉄屑と表現した方が良いか?」

 超ゲムデウス「……ホザクナァ!!」

 

 超ゲムデウスが再び下半身の大剣を振り下ろしてきた。

 

 《デュアルガシャット!キメワザ!》

 

 《Future Critical Finish!》

 

 と、俺達の後方から紫の斬撃が飛んできて、その大剣を受け止め、さらに真っ二つにへし折った。

 

 カンナ「お二方、ご無事で!!」

 箒「カンナ、良いタイミングで来てくれたな。と言うか、もう終わったのか?」

 カンナ「戦闘員程度なら、もう私一人でも蹴散らせますから。ただ今回はほとんどアリス様が倒してくれまして、私の出番はありませんでした」

 「ははは、アリスに横取りされたかよ。まあ邪魔者は消せたし良かったじゃねぇか。それじゃ、さっさと終わらせるぞ」

 カンナ「お待ち下さい、牙也様。超ゲムデウスを攻略するには、まだダメージが足りません、もっとダメージを与えなくては……」

 「そんな暇も無いだろ。ただでさえ皆が今も危ない状況だってのに……」

 箒「何か一撃で大ダメージを与えられる物があれば……」

 

 勿論こうやって話したり思考を巡らせてる間も、超ゲムデウスの攻撃は止まらない。なので俺達はその攻撃を回避しながら話をしている。さて、何かないかな?ロックシードホルダーを漁っていると、俺はあるロックシードに目を付けた。

 

 「……これだ。箒、カンナ!超ゲムデウスを引き付けておいてくれ!デカイ一撃、そいつにかましてやるからよ!」

 箒「何か策が浮かんだようだな……分かった、任せておけ」

 カンナ「お気をつけて!」

 

 箒とカンナが超ゲムデウスを攻撃して自分達に引き付ける。その間に、俺はホルダーからさっき作り上げた『エグゼイドロックシード』を取って火縄名冥DJ銃にロック。

 

 《ロック・オン!一・十・百・千・万・億・兆!無量大数!!》

 

 銃口にエネルギーを充填した火縄名冥DJ銃を超ゲムデウスに向ける。そしてーー

 

 「箒、カンナ、回避だ!」

 

 《エグゼイドチャージ!》

 

 俺がそう叫び二人が超ゲムデウスから距離を取ったところに、トリガーを引いて膨大なエネルギー弾を放った。巨大な球体となったエネルギーは周囲に衝撃波を飛ばしながら突き進み、超ゲムデウスの体にヒットして大爆発。さらに何処から出てきたのか、アリスが歪な剣を構えて超ゲムデウスに突進し、その体に大きく深く傷を付けた。あいつ毎回何処で傍観してるんだ?

 

 超ゲムデウス「グ、オオオオ……!」

 

 超ゲムデウスは予想外のダメージだったのか、苦しそうにもがいている。ダメージは通っているようだが、まだ足りなさそうだ。ならもう一度、強烈な一撃を与えてやろう。俺は腰に提げた無双セイバーを抜き、火縄名冥DJ銃と合体させて『火縄名冥DJ銃 大剣モード』にした。そして再びエグゼイドロックシードをロック。

 

 《ロック・オン!一・十・百・千・万・億・兆!無量大数!!》

 

 《エグゼイドチャージ!》

 

 そして大剣を豪快に振るってエネルギーの斬撃を飛ばし、超ゲムデウスを斬り裂いた。体を斬り裂かれた超ゲムデウスはバランスを崩し、地面に転落。なんとか立ち上がるも、龍のような両腕を動かすだけで精一杯の様子だ。

 

 超ゲムデウス「オ、オノレェェェェ……!!」

 「お前の弱さがよく分かっただろ?さぁて、お片付けと行こうか。合わせろ、箒、カンナ、アリス」

 箒「ああ!」

 カンナ「これで終わらせましょう!」

 アリス「……命令されるまでもない。行くぞ」

 

 《ガッチョーン ウラワザ!》

 

 《ガッチャーン!Ancient Future Critical Volcano!!》

 

 《ソイヤッ!ゼロスカッシュ!》

 

 《ハイー!シャインマスカットスカッシュ!》

 

 俺と箒はカッティングブレードでロックシードを一回切り、カンナはゲーマドライバーのレバーを閉じて再び開く。アリスは歪な剣と禍々しい槍を取り出して構える。俺達三人は同時に跳躍し、アリスは呼び出した槍を超ゲムデウスに向けて投擲した。超ゲムデウスは両腕で防ごうとするが、アリスはそれよりも早く行動を起こしていた。

 

 超ゲムデウス「ーーア?」

 

 超ゲムデウスでも視認出来ない速さで接近し、その両腕を斬り落としたのだ。そして超ゲムデウスがそれに気づいた時には、既に槍はその体に突き刺さっていた。あまりのスピードに、超ゲムデウスは一瞬何が起こったのか思考を巡らせているようだが、それが仇だ。俺達三人は両足で飛び蹴りを放った。超ゲムデウスはなんとかしようとするが、腕はアリスに斬り落とされ、下半身は動かせないのでは最早抵抗すら不可能だった。俺達のキックは超ゲムデウスの体を貫き、大きな穴を空けた。そして優雅に着地し、俺達はそれぞれの拳を突き合わせた。

 

 超ゲムデウス「グォォォォォォォォォォ!?」

 イチカ「何故だ……何故だ何故だ何故だ!!俺は最強のバグスターの筈なのにッ!!何故こんな無能共に負けたんだッ!!」

 

 超ゲムデウスの巨大な体は、次々と誘爆し、最終的に大爆発を起こした。そして爆発が止まると、俺の頭上から何かが降ってきて、頭に当たった。拾い上げると、それはイチカが行動するための媒体として使われていたブルーベリーロックシードだった。

 

 「……イチカ。お前は何処の世界にもいてはならない存在だ。だから……天に堕ちて、相応の裁きを受けてこい」

 

 そう呟いて、俺はそのブルーベリーロックシードを握り潰した。粉々になったブルーベリーロックシードが、俺の手からこぼれ落ちる。

 

 「……これで、終わった。なぁ、クロト……俺達、少しはお前の役に立てたか?」

 

 異世界の住人ーー神童クロトとシンフォギア達に思いを馳せ、俺は空に向かってそう呟く。

 

 

 こうして、俺が予期せず持ってきてしまった災厄との激闘は、一応の終焉を告げたのだったーー。

 

 

 

 

 

 

 





 次回もお楽しみに!


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