IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 大分長くなりました。書きたい事が山とあって、なんとか短くできましたが、それでも5000字超え……読んでくださる皆様の為にも、「もっと頑張りましょう」と自分に言いたい気分です。

 では、始まります。




第64話 Ancient and Future

 

 「さぁ……始めましょう。貴方の結末は、私の手の中にあります」

 イチカ「俺の結末だと……?そんなの、俺の完全勝利だけだッ!!」

 

 お久し振りですね、カンナです。さて、皆さん驚いていらっしゃるかと思いますが、私は今仮面ライダーとして目の前の敵ーーイチカと戦っています。え、何故あのガキの名前を知っているか、と?それはまた後々分かる事ですので……あら、イチカがガシャコンバグヴァイザーⅡで攻撃してきましたね。取り敢えず今は、戦いに集中する事にしましょう。私はその攻撃を受け流し、反対にその背中に蹴りを入れてあげました。そんなに強い蹴りではありませんが、イチカを怯ませるにはちょうど良いようですね。

 

 イチカ「調子に乗るなよ……クソガキがァァァァ!!」

 

 その叫びと共に、イチカの頭上に大量の武器が生成されました。さらに、突然私の体が重くなったように感じました。一体どうしたのでしょうか……?

 

 イチカ「俺の『God Mighty Creator IX』はなぁ、フィールドも俺の思うように作れるんだぜ!?今このフィールドは、俺以外に対して通常の千倍の重力がかかるフィールドにした!お前等はろくに動く事も出来ず、無様に死んでいくんだぜ!!」

 

 なるほど、重力による抑圧のようなものですか……体が重く感じたのも頷けますね。ですが……

 

 アリス「……つまらん。この程度で私を倒せるとでも思ったか?」

 イチカ「ッ!?馬鹿な、何故ーーぐはっ!?」

 

 どうやらあのローブを纏った彼女にとっては千倍の重力などと大した事でもないようですね、普通に動けています。では、私も参戦しましょうか。私が指を鳴らすと、途端に体の重さを感じなくなり、生成されていた武器も全て消滅しました。

 

 イチカ「馬鹿な、武器が消えた……!?お前、何しやがった!?」

 「そうでした、説明してませんでしたね。ではお教えしましょう……私のこのゲーム『Ancient Creator』は、何もない宇宙そのものからーーつまり一から創造を始めるクリエイトゲーム。飲料食料も、自然も、前提条件たる自身が住む為の星も、全て自身が一から作らなくてはなりません。貴方はまだ自身の力で何も創造できていませんから、武器の創造・生成は不可能なんです。貴方の生成した武器が消えたのも、武器創造・生成の為の素材が無いからです。あとついでに重力フィールドとかも消しましたので、皆さん普通に動けますよ」

 イチカ「何だと……!?そんな馬鹿な話があるか!!」

 「まあ別に信じて下さらなくても結構ですが……貴方程度では、このゲームは攻略出来ませんよ」

 イチカ「っざけんなッ!!」

 

 イチカはガシャコンバグヴァイザーⅡ・ビームガンモードで攻撃してきましたが、撃ち放たれた光弾は全て私に届く直前で全て消滅しました。逆にローブの少女が連続攻撃でイチカを痛め付けています。

 

 「無駄ですよ。貴方の攻撃は、『絶対に』私には当たりません。ですが逆に、私の攻撃は『絶対に』貴方に当たります」

 

 《キメワザ!デュアルガシャット!》

 

 私は右腰のホルダーに差していたガシャット『ガシャットギアデュアルVer.カンナ』を一旦ホルダーから抜いて、ダイヤルを左に90度、更に右に90度回してからホルダーに戻しました。

 

 《Ancient Critical Craft!!》

 

 「これもおまけで使いましょうか」

 

 《マッスル化!》

 

 《鋼鉄化!》

 

 そして私がイチカに向けて手を翳すと、イチカの周囲を土壁が囲い、ブロック状になってイチカを閉じ込めました。私はその土のブロックに向けて駆け出し、思い切りブロックをパンチしました。ブロックは砕けて土に還り、ブロックに閉じ込められていたイチカは吹き飛ばされて近くに生えていた木に叩き付けられました。

 

 イチカ「ごばっ!?や、野郎……!!殺してやる……!!必ずお前は、この手で絶版にしてやるッ!!」

 

 あら、あの一撃を受けてなお立ち上がってきますか……それなら、今度はこのゲームで遊びましょうか。私はホルダーからガシャットを抜き、今度はダイヤルを左に180度回しました。

 

 《Future Artist》

 

 《What's The Next Art?What's The Next Art?》

 

 「大変身」

 

 《Dual Up!》

 

 《Unknown Future Let's Paint!Future Artist!》

 

 ガシャットギアデュアルVer.カンナをホルダーに差し直すと、フェイスが半回転して前後で入れ替わり、今度はVRのようなものを付けたフェイスになりました。巫女装束風の鎧は変形して近未来的なローブに変わり、両腕には小型大砲のような発射口を装着。色もメカメカしさが出る銀色が基調となっています。

 

 イチカ「姿が変わったくらいで!!」

 

 イチカが今度はガシャコンブレイカーとガシャコンソードの二刀流で攻撃してきましたね。ではこのゲームの力をお見せしましょう。私は二つの斬撃を両手で受け止め、両方の武器の刀身を握り締めました。すると二つの武器はそれぞれピンクと青の液体に変化してドロドロになってしまいました。

 

 イチカ「なッ!?武器が溶けただと!?」

 「いえ、溶かしたのではありません。このようにしてーー」

 

 私は両腕の発射口をドロドロの液体に向け、それを全て吸い取りました。そしてその発射口を今度はイチカに向け、そこから吸い取った液体を弾丸のようにして飛ばしました。イチカの体は瞬く間にピンクと青の液体まみれに。

 

 「液体でできた弾丸に変えただけです。この『Future Artist』は、触れた物全てを液体弾丸にして撃ち、とある世界の未来を塗り替えるゲーム。半端な攻撃では、私にダメージを与える事すら出来ませんよ」

 イチカ「てめぇ、ふざけた真似しやがって……!神に逆らう気かァァァァ!?」

 「神に逆らう……?何を馬鹿な事を。善悪の分別も出来ない貴方ごときが、神を名乗らないで下さい!!」

 

 私はさらに弾丸を撃ちますが、イチカには当てずわざと外しました。辺りはピンクと青の液体でベタベタに。

 

 イチカ「随分ノーコンだな、俺の前に力が抜けたか?」

 「いえいえ、これも戦略ですよ。このゲームの更なる力……お見せしましょう!」

 

 私は地面に散乱したピンクの液体の上に立ちました。すると、私の体は瞬く間にピンクの液体に変わり、他のピンクの液体と同化しました。

 

 イチカ「な!?あのガキ、何処にーーぐあっ!?」

 

 『Future Artist』のもう一つの効果ーーそれは、吸い取った液体と同じ色の物同士を行き来できる、というもの。つまり、ピンク色の壁に入って、同じくピンク色の車から出てくる、なんて事が出来るのです。そしてそれは、敵に当たらなかった液体の弾丸にも適用されます。私はその能力を利用して、あちこちに散乱した液体から神出鬼没に現れて攻撃しました。この攻撃は効果抜群のようで、イチカは反撃する事すら出来ません。連続で攻撃するだけで、イチカは簡単に倒れ伏しました。

 

 イチカ「くそがッ!!こんなゲーム……こんなゲームなんざ、俺は認めねェェェェェ!!」

 

 《キメワザ》

 

 《Critical Sacrifice》

 

 ガシャコンバグヴァイザーⅡ・チェーンソーモードでキメワザを使ってきますか……無駄の極みなのですがねぇ。チェーンソーの斬撃が私を斬り裂こうとしますが、その斬撃は液体に変化した体を通り抜けただけ。残念ながら液体は斬れませんよ?ローブの少女にも斬撃が飛んでいきましたが、彼女は剣を一振りしてあっさり叩き落としました。私もそうですが、彼女も大概ですね……

 私はホルダーからガシャットギアデュアルVer.カンナを抜き、ダイヤルを右に90度、更に左に90度回してホルダーに差し直しました。

 

 《キメワザ!デュアルガシャット!》

 

 《Future Critical Paint!》

 

 私は発射口からピンクと青の液体を発射して空中にピンクと青のゴーレムの絵を複数描きました。それらはやがて立体化してゆっくりと動きだし、イチカに向けてその拳を振り下ろしました。

 

 イチカ「くっ、こいつらァァァァ!!」

 

 斬撃が効かないと分かると、今度はビームガンモードですか……やっぱり効かないのに。ゴーレムに当たった光弾はゴーレムの体や腕を突き抜け、空高く飛んでいきました。しかしゴーレムの体は、新たに自力でペイントを補充してあっという間に回復しました。

 

 イチカ「そ、そんな馬鹿なーーぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 叩かれ、殴られ、踏み潰され、イチカはボロボロになり、黄金の鎧も皹割れています。ふふ、少しやり過ぎたかな?私は一旦変身を解除して様子見する事にしました。するとなおもイチカは、よろめきながら立ち上がってきました。

 

 イチカ「こ、の……クソガキ、がァァァァ……!俺を……この俺を、こんな目に、遭わせやがって……!殺す……殺す殺す殺す殺ス殺スコロスコロスコロスコロスコロスコロスゥゥゥゥ!!オ前ダケハ、絶対二殺シテヤルゥゥゥゥッ!!」

 

 突然イチカの体から紫電が発せられ、その体は黒いドロッとした何かに飲み込まれ始めました。思わず身構えると、そのドロッとした何かは段々と形を成していき、やがて見覚えのある姿へと変貌してしまいました。見上げる程の巨体に龍の頭を模した両腕、それに下半身はそれそのものが大剣になっています。

 

 「ッ!これは、超ゲムデウス……!どうやらこのタイミングで、ブルーベリーロックシードが拒絶反応を起こしたみたいですね……!ですが、イチカにはゲムデウスウイルスなど無い筈……一体何故……?」

 

 イチカの媒体になったブルーベリーロックシード。今まではイチカに完全に抑え込まれていたようですが、ここに来てイチカの力が弱まった事で、やっと暴走にこぎ着けたようです。しかし面倒ですね、まさか最悪のタイミングでこいつに変貌するなんて……!早く皆さんの安全を確保しなければ……一先ず後方で動けずにいる皆さんを囲うように『防護の布陣(ディフェンシブ・ドーム)』を張っておきました。以前より強化されていますから、これでしばらくは大丈夫ですね。

 

 ??「う、ううん……」

 ??「あ、あれ?俺達は……」

 「牙也様、箒様!」

 

 すると意識を取り戻したのか、牙也様と箒様が起き上がってきました。良かった、どうやらお覚悟が決まったようですね。私は急いでお二人に駆け寄りました。

 

 牙也「カンナ……!帰ってきてたのか!」

 「はい、つい先程こちらに。お二人のお怪我は治療致しました、後はあれを倒すだけです」

 

 そう言って私は超ゲムデウスを指差しました。

 

 牙也「……なんだありゃ!?」

 箒「あれは一体……!?」

 「あれが超ゲムデウスです。一夏様そっくりの敵が先程あのように変貌しまして……恐らく、ブルーベリーロックシードの影響かと」

 牙也「イチカが……!?一体なんで……」

 アリス「先程までこのチビが奴をボコボコにしていたから、そのせいだろう」

 

 すると空から先程の少女が降りてきました。

 

 牙也「アリス」

 アリス「お前達の仲間はお前達が気絶している間に全滅した。さっさと倒さないと危険大だ」

 箒「皆が……!?大丈夫なのか!?」

 「先程私が『防護の布陣』を張りましたので、もう大丈夫かと。あとは、あれを倒すだけです」

 牙也「そうか……すまんな、二人とも」

 アリス「……礼はいらないと言った筈だ。さっさと奴を倒すぞ」

 箒「そうだな。牙也」

 牙也「ああ」

 

 お二人は戦極ドライバーを腰に付けて、牙也様は黒く四角い形のロックシードを、箒様は見た目はマスカットに近いですが白いロックシードを取り出しました。私はゲーマドライバーを出現させて腰に付け、ガシャットギアデュアルVer.カンナを取り出します。

 

 《ゼロ》

 

 《シャインマスカット》

 

 《ロック・オン》

 

 《デュアルガシャット!》

 

 《Making Ancient Field!What's The Next Art?Making Ancient Field!What's The Next Art?》

 

 牙也「暗黒」

 箒「閃光」

 「レジェンド大」

 

 

 『変身ッ!!』

 

 

 《ソイヤッ!ゼロアームズ!夢・幻・無・双!》

 

 《ハイー!シャインマスカットアームズ!光刃・ザン・ザン・ザン!》

 

 《ガッチャーン!マザルアップ!過去作る楽しさ!未来描く面白さ!過去と未来交差!Ancient Future!!》

 

 牙也様には黒く汚れた四角いアームズが瘴気と共に被さって展開。箒様には白く神々しく輝くマスカットアームズが被さって展開。私は二つのゲームが合わさったパネルが私を通り抜けて、それぞれ変身完了しました。アリス様も歪な剣を構え、超ゲムデウスを睨み付けます。

 

 

 

 

 牙也「この盤面……俺が支配する!!」

 箒「この過酷溢れる世界に、私の光を……!!」

 「ノーコンティニューで……超ゲムデウスを完全攻略致します!!」

 アリス「……貴様を消す。異論は認めないし、聞かない」

 

 

 

 

 

 

 





 次回は牙也達sideから触れようと思います。


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