IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 始まります。




第59話 侵攻、反攻

 

 学園のグラウンド。私はスコールと共に見回りをしていた。

 

 スコール「それにしてもとんでもない奴だったわよね、あの変なライダー。あんなのが別世界にいるんでしょ、どうなってるのかしらね、その世界は?」

 「まあ色々変わっていたからな、その世界は……一夏なんか、あまりに性格が変わり過ぎて逆に引いたぞ……」

 スコール「そんなに変わってたの?」

 「ああ……初見だと全力で引くくらいに」

 スコール「貴女が初見で引くレベルで性格が変わる……想像出来ないわね」

 

 スコールはそれを聞いて頭を抱える。本当に変わっていたからな……そしてそれをシンフォギア達がハリセンで突っ込む。今思い出すと、笑いが止まらなくなるから必死に抑えた。

 

 スコール「その子達がいたら、こんな事すぐに解決できたかもしれないのにね……残念だわ」

 「仕方ないです、あちらもあちらでイチカやイチカの配下のせいで大変な事になってるんですから。手伝ってと言われても身動きが取れない状況だから……」

 スコール「そう……ところで、彼は何してるの?」

 

 スコールは牙也の事を聞いてきた。私は牙也が異世界から持ち帰ってきた物の中から、イチカを攻略する為の策を練っている事を話すと、スコールは少しホッとしたような表情になった。

 

 スコール「それなら良かったのかしら……もしお手上げ状態なら、遺言でも書こうかしらって考えていたのよ」

 「不吉ですよ流石に。ただ今回の一件は一筋縄ではいきません、何せ異世界の異物が紛れ込んだ訳ですから」

 ??「全くだな」

 

 その声に振り向くと、狗道供界がそこにいた。

 

 狗道「まさか異世界のいざこざに巻き込まれるとはな……私もあの時加勢してやりたかったがな」

 「狗道か、ならば何故加勢しなかった?」

 狗道「仕方ないだろう、私はヘルヘイムの森と繋がるこの世界でしか実体として存在出来ないのだからな。だから加勢したくても出来なかったのだよ」

 スコール「こういう時不便よね、彼が持つザクロに潜む貴方は」

 狗道「全くだ……だが今回こそはお前達の役に立たなければな。奴を倒さない限り、この世界に安寧はない」

 

 

 

 

 ??「誰を倒すってェ?」

 

 『!!』

 

 

 

 

 また振り向くと、『仮面ライダーゲンム クリエイターゲーマー』に変身したイチカがそこにいた。私はこっそり小型警報器をポケットの中で鳴らしておいた。じきに千冬さん達が救援に駆け付けるだろう。

 

 イチカ「偉そうにほざきやがるなァ、そこのおっさん……神の力を持つ俺ーーいや、神たる俺に勝てるとでも思ってんのか?」

 狗道「神、か……っくく」

 イチカ「何がおかしい!?」

 狗道「いやなに、自分の事を神と自称するとは随分大きく出たな、と思うとな……笑いが込み上げてくるのだよ、あまりにも残念で」

 イチカ「へぇ……何が残念なんだ?」

 狗道「こんなちんけなガキと一緒にされるのは、流石に真の神でもお断りするだろうなぁ……そう考えると、な」

 イチカ「へっ、安心しな、すぐにその考えを撤回させてやるよ。こうやってな!」

 

 イチカはそう言うと、頭上に大量の武器を生成して私達に投擲してきた。私は咄嗟に背中から蔦を伸ばし、イチカが変身している事で出現していたエナジーアイテムを一つ取った。

 

 《反射!》

 

 「スコール、掴まれ!」

 スコール「分かったわ!」

 

 エナジーアイテム『反射』が発動し、目の前に反射壁が現れると同時に、私はスコールを蔦で引き寄せて壁の後ろに隠れさせた。反射壁で跳ね返った武器は他の武器と相殺されたり、イチカに向かっていくが全てイチカの目の前にきた時に消滅したりした。一方狗道は……あれ?いつの間にか姿が見えない。何処に行った?

 

 イチカ「くっ!?」

 

 見ると、狗道がイチカに蹴りを入れて攻撃していた。数発蹴りを入れると、狗道は後方宙返りで私達の隣に戻ってきた。

 

 狗道「ったく……ガキの子守りは本当疲れるんだよな……」

 イチカ「誰がガキだゴラァ!?」

 狗道「誰もお前とは言ってねぇよ馬鹿。それとも何か?お前、自分が単なるガキだって自覚してんのか?」

 イチカ「この野郎……!てめぇなんかが俺に勝とうなんざ、ウン千年の月日でも足りねぇくらいに早いんだよ!」

 

 そう言うと、イチカはガシャットを一本取り出して鳴らした。

 

 《Noise Solomon》

 

 すると私達を囲うようにして『ノイズ』が現れた。

 

 スコール「何よこいつら!?」

 「こいつらは『ノイズ』。奴がいた世界に蔓延る敵の兵隊みたいなものだ。人間があれに触れられると炭素分解される、危険な敵だ」

 狗道「炭素分解だと!?生身では危険だ、変身して蹴散らすぞ!」

 

 私達は戦極ドライバーを腰に付けてロックシードを解錠しようとしたその時、ノイズが斬り裂かれて一瞬で全て消滅した。驚いた私達をよそに、ノイズを斬り裂いた人物は一気にイチカに接近して怒涛の連続攻撃を繰り出す。応戦するイチカだが、明らかに押されている。その人物はイチカを蹴り飛ばすと、私達の所まで戻ってきた。

 

 「アリス!」

 アリス「……遅くなった。警報を聞いて、急いで駆け付けてきた。じきに仲間が合流する」

 スコール「来てくれて助かったわ、ありがとうね」

 アリス「礼はいらない。それより……」

 

 アリスはイチカに目を向けた。近くにいると冷や汗が出るくらいに、アリスから殺気が出ている。

 

 アリス「……あのバ神の相手は私がする。お前達は、バ神が呼び出す雑魚の露払いを任せる」

 狗道「お前みたいなガキに命令されるのは気に食わんが……そうも言ってられんな、頼むぞ」

 

 アリスは小さく頷いてイチカに向かっていった。すると今度はバグスター戦闘員が周囲に現れた。

 

 「ちっ、今度はバグスター戦闘員か」

 狗道「これも奴が呼び出したのか?」

 「ああ。炭素分解はされないが、それなりな強さだ」

 スコール「そう。とにかく今は、こいつらをなんとかしましょうか」

 

 私達はロックシードを解錠する。

 

 「「「変身」」」

 

 《マスカット》

 

 《チェリー》

 

 《ブラッドオレンジ》

 

 《ザクロ》

 

 《ロック・オン》

 

 《ハイー!マスカットアームズ!銃剣・ザン・ガン・バン!》

 

 《ソイヤッ!チェリーアームズ!破・撃・棒・術!》

 

 《ハッ!ブラッドザクロアームズ!狂い咲き・Sacrifice!ハッ!ブラッドオレンジアームズ!邪ノ道・on・Stage!》

 

 アーマードライダーに変身し、各々武器を構える私達。と、バグスター戦闘員が何処かから銃撃を受けて吹き飛び、更に空から何かが降ってきて踏み潰された。見上げると、ヒガンバライナーに乗った千冬さんがおり、更に正面にはチューリップホッパーに乗った一夏と、スズランガーディアンに乗ったザックがいた。更に後方には、黒影トルーパーに変身した先生達や亡国戦闘員が影松や火炎放射機を構えてこちらに走ってきていた。

 

 千冬「各隊は目標を絞って集中攻撃!他隊との連携を怠れば一気に崩れるぞ、気を引き締めろ!」

 『はいっ!!』

 スコール「ここが崩れたら、私達は一貫の終わりと言っても過言じゃないわ!敵を倒したとしても気を抜いては駄目よ!なんとしても、ここを死守しなさい!」

 『了解ッ!!』

 

 千冬さんとスコールの命令で先生達や亡国戦闘員達が隊毎に散らばり、バグスター戦闘員に攻撃を仕掛けていく。凄い、あの短時間でこんなに連携の取れた状態にするなんて……!千冬さんとスコールの指導の賜物だな。

 

 雅樹「箒さん!」

 

 そこへ黒影トルーパーに混じって夜月が走ってきた。腰にはデュプリドライバーが巻かれている。

 

 「夜月か!牙也はどうした?」

 雅樹「それがまだ動けないみたいです。完成まであと少しって時にこれで……なので、なんとか時間を稼いで欲しいとの事です」

 「分かった。夜月も皆に加勢して、バグスター戦闘員を蹴散らしてくれ!」

 雅樹「分かりました!」

 

 夜月は腰のデュプリドライバーにエナジーチップを装填し、両腕を大きく回して右腕で左側にガッツポーズを取る。そして左手でドライバーのレバーを引きながら叫んだ。

 

 雅樹「変身!」

 

 《Strike!OK!Luke!Battle Start!!》

 

 夜月の全身がエメラルドの光に包まれ、光が消えると夜月の体はエメラルドに黄色のラインが入り、額に二本の角が伸びた鎧に包まれた。夜月は私のマスガンドにも似た剣と銃が組み合わさったような武器を持ち、バグスター戦闘員に果敢に向かっていく。

 

 夜月「さぁ!此処からは俺達のターンだッ!!」

 

 そう決め台詞を言って、夜月はバグスター戦闘員を斬り捨てていく。千冬さん達もバグスター戦闘員に攻撃を仕掛け、劣勢を押し戻していく。

 

 「……皆の心が一つになっている。これが私達の絆、とでも言うのか……?」

 

 私も負けてられないな。マスガンドを構え、私もバグスター戦闘員に向けて突っ込んでいく。牙也、頼んだぞ……この世界の全ては、お前に掛かっている!

 

 

 

 





 『IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜』にてコラボ実施中、是非ご覧下さい。

 次回もお楽しみに!


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